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HAPPY END
彼女の手はすごく暖かかった。
それが冬の寒さのせいなのか、気持ちの問題なのかはわからない。
ただ幸せだったということは確か。
そして今日は高校に入って三度目の冬だった。
外に出るなり僕を出迎えたのは真っ白な雪だった。
あの時を思い出し、口角が少しだけ上がった。
肩を身震いさせながら約束の場所へと向かう。
「遅いぞ」
「わるい、母さんにちょっと捕まった」
「言い訳するの人は嫌い」
「そういう君が僕は好き」
そう言ってお互いは顔を見合わせる。
彼女の頬が若干紅潮してるのを見る限り、まんざらでもないようだ。
こういう平和なやりとりが、いつまで続くんだろう。
「じゃあ、行こっか」
そういってゆうは僕の腕を掴む。
僕は気恥ずかしくて何も言わなかったけど、彼女の体温をしっかりと感じながら歩みを進めた。
そう。今はこれでもいい。
だって僕らには明日があるんだから。
ゆうと居るこの一分一秒を大切にすればいい。
きっと死ぬまで、忘れない。
僕の手のひらはきっと、君のぬくもりを忘れないだろう。
いいおわり。僕はこっち派




