リコールで交換する「充電クレードル」の製造品質を確認。同じ不良を持つ製品を交換することはできない!
(21):代替クレードルの製造品質
5月18日【水】。X社米沢工場製造部統轄部長豊田、X社米沢工場MA技術部製造設計グループ第3製造設計課長皆川、同品質管理グループ課長前田、同係長小林、同購買グループ佐久間課長。5人は、リコールによる商品代替品を山野シンッセンで行うという前提で、香港での部材の手配と山野香港からの製造指示について確認した上でシンセンに入る。そして、製造現場を確認したうえで問題が無ければ、代替の充電クレードルの製造に入ろうというわけである。この手順を整理すると次のようになる。
1.当初量産認定していた部材、即ち、日創電子のトランスと東洋化学のウレタン材の納期を確定。
2.山野シンセン工場の部材在庫の数量と品質確認。
3.月産3万個で向こう4ヶ月分の12万個の生産に必要な部材の未発注分の追加手配。
4.生産ストップ以前の仕掛品、完成品の廃棄。これは、正規仕様の代替品の混入を防ぐため。
5.製造プロセス、及び組み立てラインの設備と治工具の確認。
6.工員が作業指示書である「組み立て指示書」の確認。
7.品質検査プロセスの確認。
8.量産試作
9.量産認定。
10.量産スタート
となる。
本来の仕様に戻して生産するのであるから量産認定が必要かと迷ったが、一度部材変更がされて6ヶ月半の間別仕様で生産された実績のあるものを、部材を変えて生産する。その生産プロセスについて、山野電機が作ったものを豊田達X社の製造管理者が確認して再構築する。4M変動というより、再度量産認定の手続きを踏んだ方がいいのではないかというのが、杉江の考えであった。
しかし、正規の手続きを踏むと、量産試作の検査、評価と認定というプロセスを踏むには時間が必要で、リコールを控えそのような時間はない。従って、正規の手続きを踏むのは過剰な品質管理である一方でその時間もない。だからといって、現場でその例外プロセスを作って認定するというのは品質管理上問題あるのではないかと考える。そういった、融通の利かせ方は、先週来山野電機に感じる品質管理の甘さと同じ根のものではないかと考える。そのジレンマの中で良い方法を見つけなくてはいけないという課題が、緊急手配した部材の納期とともに生産再開の大きな鍵となっている。
「やはり品番は変えるのでしょう」
「製造ロットの番号で識別はできますが、型式と言う点では、これまでのものと違うわけですから品番は枝番号をつけて別バージョンで管理しなくてはいけないと思います。製造品質、製造管理、商品品質管理のために量産認定を行うことになるわけで・・・その管理上も別品番にする必要があると思います」
「品質管理基準をどうするかだね」
「そうです。通常の量産認定のプロセスを行うには時間が必要です。一方で、仕様を元に戻しただけですから、同じプロセスを踏む必要もないでしょう・・・ですから、私が思うには、当初の量産開始時に採用認定した部品に戻っていることを確認した上で既に完了して合格した品質検査基準を満たす性能仕様になっているかを確認すれば良いと思います」
「電機特性が規格値を満たしていればいいってこと?」
「ええ、そうです。それでダメってことは、当初の量産認定に問題があったということになります。それは、承認していない部品を使用して不良を発生させたという問題とは別の問題になります」
「あくまでも基本は正しくって、その基本に戻っているかを確認すればよいってこと?」
「そうです。その上で、当初と同じ強制テストを含む品質試験を行う。経年変化や耐久性を見る試験は、強制テストでも時間が掛かりますので後追いになる試験もでるでしょうが、これは、念のためにということです。その結果を確認することなく量産を始めるのです。これで、量産へのプロセスとして手続き上問題ないと思いますし、実質上も問題ないはずです。むしろちょっと過剰というか、気にしすぎかと思えるぐらいです」
「枕を高くして寝られる?」
「ええ。品質問題を起こしているのですから、それ位しておかなくてはいけないでしょう。しかし、これは私の意見ですが、今日、豊田さん達が着いて、現場を確認しながら7番目までの課題に目処が立った上で話し合わなくてはいけないと思います」
朝一番のフェリーで豊田らX社の5人と山野からは、山野香港のデービッド・ローと米沢本社から出張で来た、営業部長の石川と品質管理部長の中川が到着した。
「豊田さん。トランスとウレタンは如何でした」
「うん。問題ないよ」
「佐久間が交渉してくれたのだけど、毎月3万個4ヶ月で12万個分の手配は完了」
「ご苦労さん」
「ええ、有難う御座います。でも、それほど苦労はなかったのです。クレードルに使う分のウレタン程度は、東洋化学にとってはどってことないようです。トランスは・・・苦戦するかと思いましたが、日創電子のトランスは人気で毎月相当数作っているみたいで、当月の3万個程度は、他社の急な増量に対応するための見込み分や急なキャンセルで浮いたりするので都合がつく場合があるのだそうです。翌月以降は3万個単位では、同じく客先とのフォーキャストの調整の範囲で対応できるようです」
「リードタイム3ヶ月といったって、余裕ある時はそんなもんだよ・・・」
「デービッドさん。去年の9月から11月って、そんな余裕がなくって日創の在庫もショート気味だったの?」
「詳しくはわかりませんが、とにかくあの時は日創には厳しく言われました。香港人のマネージャーでしたが・・・」
「昨日は誰に会ったの?」
「日本人のGMでしたが、松本常務が日創の社長に電話入れて事情説明して頼んで下さったのです。それで、日創香港の支店長に連絡が入って対応してくれたってことはあるのですが・・・交渉することなく受けてくれたのです」
「今は、そんなに逼迫していないのかなあ?」
「ええ、そんな感じです。しかし、昨年だって何とかなったって感じですけど・・・」
「何れにしろご苦労さん」
「納品は?」
「明日です」
「じゃ、今日中に製造再開の段取りをつけて
、明日量産試作をする。それであさっての木曜日から量産再開するってのが最短スケジュールになります」
「リコール発表は金曜だよね」
「ええ、そうです」
「お客様を待たせることになるなあ」
「ええ。しかし、これが精一杯です」
「日産数は?」
「最初の2日は、日産1000個、以降は、3シフトで24時間で作って3000個ですから、12万個は40日ちょっとで作ることが出来ます。残りの4万個は、回収状況を見ながらということでしょうけれど、必要であれば、あと2週間あれば作れます」
「じゃ、リコール当初は、お客様を待たせることになるけど、直に追いつくことが出来るというわけですね」
「でも、回収スピードがわからない」
「リコール当初の反響が大きいと回収スピードも速いでしょうが、一方で回収はそんなに簡単じゃないと思うよ」
「ある数量、率でスピードが鈍る?」
「ええ。ですから、生産が回収に何時追いつくかということになります」
「事故の防止が第一というのが方針で、代替商品の準備を待たずに発表する。事故の防止は実現できるが、回収作業という点ではリスクが残る」
「代替品を同時に渡さないとどれくらい不便を描ける」
「USBからの通常充電は問題ないから本体が使えないということはないのだけど、家庭用電源からの急速充電が使えない。この不便をお客様がどの程度評価してくれるかです」
「『しばらくはいいよ』っていう人と、『それが便利で持っているのにどういうことだ』
って言う人・・・どんな感じでしょうねえ」
「その辺は、週末に東京でも話し合ったのだけど見当がつかない。ショールーム、店、サービス窓口で急速充電サービス対応するといっても、『急速充電』の必要性を補完するサービスにはならない。しかし、メーカーとして出来ることは何でもやるって姿勢を見せることも重要だし・・・」
「実際、対象商品を持っているにもかかわらず、交換品がないからとか、企業姿勢が気に食わないからといった理由で協力しないというお客様もいるかも知れない」
「いるでしょうねえ」
「対商品を持ったままで、間違って使われて事故が起こったんじゃ何のためのリコールかわからない」
「平尾さん。そういったお客様にどうやって納得頂くんです?」
「うん。やっぱり代替品を急いで準備するからお待ちいただけないかってお話するしかなくって、充電サービスを用意しますってことは、さらっと言わないと、『そんなんじゃだめだ』とか『それがあるからゆっくり製造してんじゃないだろうな』っていう意見も出てくる。だから、何時代替品をお届けできるかということを明確にしてお伝えしなくてはいけない。その上で、その間ご不便をお掛けすることのお詫びとして「音楽ギフト」を用意したのでお受け取り下さい・・・という姿勢で対応するのがいいと思うんだ。先週もそんなことを話し合って、MAMの方でもその方針で準備を進めている・・・皆は出張に出ちゃったけど、米沢の方でも、昨日か今日、有川さんが説明していると思うんだ」
「それじゃ、尚更製造を急がなくてはいけないし、特に、初期の日程は明確にしなくてはいけないですよね」
「じゃ、それを念頭において作業のプロセスを確認しよう。まず、ここの工場を出荷後のプロセスを確認しよう。製造の条件で積み上げていくと、目標日程がどんどん向うに行ってしまう。出荷後お客様の手に届くまでのプロセスとその中の条件を確認して、その条件で我々のコントロールの効くものと効かないものを確認する・・・さらにその上で、ここで我々が対処しなくてはいけないものでコントロール出きるものと出来ないものを確認してできるものは精一杯努力して成果を出す。そんな風にして作業の内容を決めたい」
「豊田さん。ホワイトボードに工程表を書いてみましょうか?」
「皆川。頼む」
「では、EX―GO DOWN、つまり、この工場出荷から香港郵船の当社の倉庫へ入庫する。香港からエアーで成田へ飛ばし、横浜の物流センターに入庫する」
「ちょっと待った。まず、日本へは、香港経由にする?シンセン空港からって手もある。しかし、エアーの手配は一週間切ってるから大変だよ。郵船の平松さんに入ってもらわなくてはいけないなあ」
「製造日程決まったらそれを見せて、最短のフライトを手配してもらうしかないだろう」
「そうですね。濃んでいると、関空や中部から陸送ってこともある」
「いきなり物流センターで良かったっけ?米沢の当社の品質管理で検査するってことになっていませんでしたっけ?」
「ウチで品質検査をやらしてもらえませんか?」
「山野さんで検査して、当社で検査する。そのダブルチェックの意味あります?中川部長」
「今回の問題は、当社の責任なので、当社も挽回の責任を果たさなければなりません」
「そういうことでしたら、本来は、ここの工場での製造で責任を果たしてもらいたいところですが、製造再開の手配は、こうやって我
々がやっている・・・我々が直でやらして欲しくってやっているわけですが、それでも、御社からはお二人だけでなく現場を管理できる担当者をよこしてくれるべきではないですか?」
「すみません。米沢でも現場を持っているものですから・・・」
「・・・」
「それじゃあだめでしょう。本当に責任を果たしたいのなら、我々が製造再開の手配と品質が安定するまではやりますから、その後は御社で管理して下さい。こちらの工場も実力はあるのでしょうが、問題を起こしたのですから、日本から担当者が来て管理してください。ですから、その担当者・・・製造管理と品質管理の担当者を早く来させてください。準備段階から私たちのプロセスを見てもらったうえで引継がないと意味がありません。品質だって確保できませんよ。本来は、今日も居てもらいたいのです」
「この2,3日の件は中川と私が承って担当に引継ぎます・・・」
「それではだめなんです。石川部長は営業をご担当だから仕方ないとして、中川部長は製造の、それも品質管理のご担当なんだから、これをご理解頂かないと困ります・・・そんなやり方で品質が確保できるわけないでしょう!・・・担当者をすぐによこして下さい。なんなら、御社の優秀なご担当を私は知っていますからご指名させて頂いても結構ですが
・・・」
「認識が甘くて誠にすみません豊田部長。直に本社に連絡を取って出張に来させます。担当にご希望ありますか?」
「中川さん。そういうことじゃないけど・・・おたくの課長達は皆現場を知っていて優秀だからどなたでも結構です。我々のやろうとしていることを早く見てもらいたい。見てもらったら彼らにはわかります。そうすると、この工場出荷時で品質を確保できます。そして、今回は、リコールに到る問題が起こっているので、商品の製造者でブランドの責任者である当社として納品受け入れの全数チェックをするということです。御社米沢工場でチェックしていただくプロセスは、お気持はわかりますが、意味がないし時間の無駄でリコールの業務品質を落とします。この工場での品質を完璧にしてください。きつい言い方でもうしわけないですが、リコールというのは事業にとっては大変なリスクです。リコールをすれば、これまでどおり事業を続けていいというわけでなく、内容によっては市場からの退場を宣告させる寸前で、今一度挽回の機会をもらうということです。だから、その作業は慎重に誠意を持って最大のパフォーマンスが発揮できるように進めなくていけないのです。それが出来て初めて事業の継続が許されるのです。事業というのは、該当の商品や組織だけでなく当社で扱う全てです。もっと言えば過去の商品やブランド、我々が得た信用までが否定されるのです。大げさに聞こえるかも知れませんがリコールってものはそういうものです。少なくとも弊社ではそのように考えています。社長の石塚は、はっきり方針を出しています」
「よくわかりました。認識が甘くて申し訳御座いません」
「・・・当社の米沢で全数検査後に横浜の物流センターに送り、そこからお客様にデリバリーする。これが、この工場出荷後の工程だけど問題ない?基本日数と調整可能なところを確認しよう」
「豊田さんお願いします」
「ホワイトボードに書いてくれる?今日は、5月18日(水)・・・本日は、生産企画。
インスペクションと部材確認と工程表の作成。インスペクションは、組み立てラインと部材
の在庫と品質。この品質は、納入時の受け入れ検査実績を確認の上現物を当たる・・・組立作業指示書、治工具、品質検査プロセス。こんなところか?」
「不良仕様の仕掛品と完成品の在庫、非採用の部材のトランスとエポキシ材の別管理もしておいた方が良いのではないでしょうか?」
「ああ、それは絶対に必要だ。場所もちょっと離れたところで保管させたほうがいい。混入するとまずい。こういったことは、単純にしたほうが良い」
「デービッドさん。場所あります?」
「今、仕掛品と完成品はA棟に置いてありますが、D棟で保管しましょう。部材は、別のOEM商品に使っていますので、在庫場所を変えるのは難しいです」
「ああそう。じゃあ仕方がないけど、絶対混入しないよう管理しよう。場所と現物は必ず確認すること。変更後の最初はいいけど、しばらくしたら思い込みで戻ってしまうことが往々にしてある。本来、パーツのピックアップの仕組みからはそうならないはずだけど、人間の習慣っていうのは恐ろしいもので、何かの拍子で戻ってしまうことがある。そうなった時のストッパーとして、Fool proof、つまり『馬鹿避け』を考えること」
「その他の部材も、現在庫の数量と品質を確認し、12万個までの発注手配をすること」
「それぞれの課題の現場と現物を確認して、現状、問題点、改善案を持ち寄り製造企画をして出荷までの工程表にまとめる・・・ここまでを夕方までにやる・・・」
「夕方って何時?」
「6時でどうでしょう?今昼前ですから、6時間です」
「まとめあげるまでやらなければいけないから結構タイトかも知れません」
「でも6時を目指しましよう」
「製造企画ができ工程表が出来上がったら、それに基づいて組み立てラインをセットアップする」
「ラインを作って、治工具を備え付ける。検査機器の精度を確認する。組み立て指示書の内容は、基本的には変わらないけれど、再度確認しましょう。特に、トランスの取り付けと検査、そしてポッテイング材を溶かして注入する作業については注意しましょう。これも、6時までに完了し、組み立てラインのセットアップに間に合わせる・・・」
「これらを今晩10時までには完了したいですね」
「10時って言っていても12時になる」
「一日や二日の徹夜は問題ないでしょう」
「それはやめよう。今後、どれだけの長丁場になるかわからないし、計画段階で徹夜を想定していたのでは作業の質は下がる。夜遅くなるのは仕方ないが、一定のペースで確実に課題をこなしていくような仕事をしよう」
「了解!」
「今日は、そんなところか・・・じゃあ、明日、5月19日木曜日の工程については?」
「朝一番から量産試作をスタートします」
「デービットさん。ワーカーは、先週の製造ストップまで担当していた班で手配できますか?」
「ええ、問題ないと思います」
「組み立てに関しては特に変わるわけではないから問題ないと思うけど、一度部材の変更がされているので、本来の部材に戻して組み立てた時に本来の品質が実現できているかを確認するプロセスとして量産試作とする」
「品質検査はどこまで行います」
「電気特性の確認は問題ないでしょう。問題は、絶対的な時間が必要になる強制試験と耐久試験です。豊田さん。どのように考えましょうか?」
「うん。それはねえ。強制負荷試験で確認して問題がなければ量産スタートとすることでいいのじゃないかと想う。充電サイクルとか耐久性など時間のかかるものは並行して行って、少なくともユーザーに送るまでに評価結果を確認するっていうのはどうだろう」
「基本的には評価が完了している仕様ですから問題ないわけで、ダブルチェックというか念押しですからねえ」
「品質管理として問題ない?前田と小林は担当としてどう?」
「問題ないと思います。ロット毎の管理は、評価データーを継続的に集めて管理するための検査は製造後つねにやっていますが、出荷の条件にはなっていません」
「本来の仕様に戻すことは変動とは考えないので本来検査と評価は必要ありませんが、今回はリコールを控えているので念を押すプロセスと考えればいいと思います。豊田統轄部長のおっしゃたプロセスで問題ないと考えます」
「オッケー。量産試作をして評価するのにどれくらいの時間が掛かる?」
「半日あれば・・・」
「じゃ、8時から量産試作初めて・・・数量は、幾つ?300個?500個?」
「300個でいいと思います」
「じゃ、2時間くらい?」
「いえいえ、先週までは10秒で1個、1分で6個、1時間で360個、8時間で2880個のペースで生産していました」
「組立作業で新しいことはないからペースを落と必要もない?」
「かえって、同じスピードで作ったものを確認した方が良いでしょう」
「じゃあ、300個だと50分だから9時には完了してしまう・・・そこから検査して・
・・12時までに終わる?」
「目標にしましょう」
「で、昼から評価会議をして・・・」
「2時間くらいですかね?」
「問題なければ十分でしょう」
「ここで問題でるようだと、山野シンセンの製造能力に根本的なところが問題となるよ、デイビット」
「ええ、組み立て能力と品質には問題ないです」
「問題なければ量産を開始する。今日の残業シフトは?」
「3シフトで24時間も可能です」
「今日からというわけにはいかないでしょう
?緊急体制でも無理するとしわ寄せがあとから出てきて結局非生産的な結果になってしまうことが往々にしてある」
「今日は、3時から5時間で8時まで。1時間360個のペースで800個。量産試作と合わせて1100個。100個を品質検査に使って1000個の出荷・・・ということになります」
「オーケー。明日20日(金)以降は、部材の入荷状況によるだろうけど、2交代で5760個。3交代で8640個の日産で進めることにしよう。で、どこまで作るかだけど・
・・これはリコールの返品がどの程度のペースでくるかによるからなあ」
「当初は結構早いペースで来るでしょうねえ」
「S社のシェーバーの充電器のリコールは、1年で80%回収したらしい。これは驚異的なペースでの成功例だそうだけど、ウチだってそれぐらい告知を徹底しようとしているから、乱暴な計算ですが同じ見積もりをすれば、対象16万台の12万台までは作りこみが必要ということになる」
「日産5000個で24日ですか・・・部材の入荷の状況によるけど・・・」
「そのつもりで行きたいけどなあ」
「出荷は、様子がわかるまではデイリーで通関して送る必要があるでしょう」
「今日の1000個を明日香港へ出荷して通関・・・」
「明日はリコール発表だよね・・・」
「シンセン空港からって手もある」
「その辺は、郵船航空にまかせよう」
「いずれにしても当日通関って可能?」
「郵船の平松さんによれば、夕方出発の便の腹積みか深夜のフレイト専用便の空きにもよりますが、東京か名古屋か関空に着けることは何とかなるそうです」
「第一便は、20日出荷21日土曜に日本着。同日中に通関できて、夜、或は22日日曜朝までに米沢着。日曜出勤で全数検査して夕方横浜物流センターへ集荷。23日月曜午前着。それまでに対象品お持ちのお客様リストが出来て出荷手配が出来ていれば夕方から出荷できる。24日火曜日以降は、21日以降のこちらからの出荷分がそのまま横浜からの出荷可能数量になる」
「でも、お客様の手配は混乱するでしょうねえ。最初は不足するでしょうから、優先順位をどうやってつけるか大変でしょうねえ」
「ああ。MAMは大変だろうなあ。でも、こちらが集中することは、品質の間違いないものを作って出荷することだよ」
「そうですね」
「じゃ、この段取りを米沢とMAMに連絡してくれ。で、我々は、製造、部材の手配、品質管理、出荷についてそれぞれ進めよう」
「了解!」




