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星騎士  作者: ぱんだまる
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第二十章:星騎士の資質

マルアイア攻略の役割が決まり同盟軍はマルアイアを目指して進軍していた。

だが、もう敵の攻撃範囲にはいろうというのに、まだ具体的な作戦指示がこない。

フィルバレス将軍はあわてて、先頭をいくロミーネ大将に声をかけた。


「メイ様、そろそろマルアイア領に入ります。

 神国側の星騎士をどのようにすべきか、対策を考えねば・・・。」


ひたすら進み続けるロミーネ将軍を心配し

フィルバレス将軍が声をかける。


「フィリコ、今回のマルアイア攻略についてなんだけど・・・。

 ミリファリア・エスシオールの相手は私一人でやろうと思うわ。

 あなたは、ユウキとシノザキ少将をつれて、他の兵の相手をお願いできないかしら。

 そちらの作戦はあなたに任せるから。」


「な、なんと!?

 星騎士を相手にお一人でとは、いくらメイ様でも無謀すぎます!

 ここは慎重に作戦を練って挑むべきでは・・・!」


行軍の最中に二人の会話が聞こえてくる。

ロミーネ大将はトルアノ連邦随一の名将として名高いと聞いているが

その割にはずいぶんと無策のように見える。


「フィリコ、賭けてみるしかないのよ。

 この賭けに負けるのであれば、最初から私達に勝ち目はないし

 神国との和平を考えていくべきなのだと思う。」


「い、いったい何の話なのですか、メイ様?

 お、おいユウキ!おまえからも何とかいってやってくれ。」


フィルバレス将軍が困ってしまって、ユウキ先輩に声をかける。

フィルバレス将軍って、ロミーネ大将にはなんか弱いよな。


「ロミーネ大将、何かお考えがあるのであれば

 せめて私たちだけにでも話しては頂けませんか。

 何も説明頂けなければ、ロミーネ将軍お一人で、というのは賛同致しかねます。」


ロミーネ大将は少し悩んでいたが、ユウキ先輩がゆずることがないとわかると

深いため息と共に、ぽつりとつぶやくようにいった。


「現世との決別・・・。」


一瞬なんと言ったのか聞き取ることができなかった。


「えっ?」


「それが、星騎士になるための資質。

 多くの公騎士が、いえ・・・公騎士になれるだけの資質が故に、

 星騎士としての資質を得ることができないでいる、大きな要因。

 クライアート殿も、神国の新しい星騎士も、私に同じことをいうのよ。

 ふふっ・・・私、そんなにこの世に未練があるように見えるのかしらね・・・。」


星騎士の資質・・・それが現世との決別?

神国では、星騎士は血筋によって生まれると言われてきた。

星騎士を排出する家系は限られていたし、

星騎士がでた家系からは公騎士になるだけのものが多い。

それだけに、俺にとっては初めて聞く話であった。


「信じる、信じないは己次第。

 ただ、今まで出会うことすらなかった星騎士に二人も続けて出会い、

 そして、同じ苦言を二人から受ける。

 私は、変われるのかも知れない。フィリコ、私は一人で行くわ。

 私が戻らなかったら、あなたは陛下に和平の申し出を行うように。」


そういって、フィルバレス将軍がとめるのも振り切り馬にまたがる。


「私が、この身が星騎を授かるにふさわしければ、我らがトルアノにも

 勝利の恩恵があるでしょう。フィリコ、ごめんなさいね。」


そう言い残して、ロミーネ大将は馬を駆り、マルアイアへと一人向かっていった。


「わ、わわ・・・メイ様!

 ど、ど、どうすればいいんだ!

 こ、こんなことになるなんて・・・。」


フィルバレス将軍はかなり慌ててる。

ほんと、この人、ロミーネ大将のことになると、だめだな・・・。


「カナート、私もロミーネ大将の後を追うよ。」


ユウキ先輩は言うが早いか、馬に乗り俺にそう告げる


「ちょ、ちょっと待ってください!

 ユウキ先輩まで、どうしたっていうんです!」


「ファルナが、ロミーネ大将にいった言葉が気になる。

 私は見届けたい。ファルナが、得たもの、目指したものが

 本当に正しかったのか。私の選択が間違ってなかったのかを。」


ファルナ先輩?あぁロミーネ大将の話にあった

神国の新しい星騎士ってファルナ先輩しかいないか。

それにしても、ユウキ先輩まで・・・。


「わかりました、でも俺もついていきます。

 俺はユウキ先輩の副官ですからね、これでも一応。」


「ふふっ、そういってくれるとうれしいよ。実は、一人だと少し不安でね。

 感情が・・・押さえきれないかもしれない・・・。

 でも、カナート。君なら冷静に私を正してくれる。

 期待して・・・いいかな?」


ユウキ先輩は珍しく、媚びるように俺をみつめる。

不覚にも、俺の心は少し高鳴った。


「もちろんですよ。

 ユウキ先輩に無茶はさせられませんから。」


「ふふっ・・ありがとう。それじゃいこうか。」


俺は、当分現世とは決別できそうにない。

それは、むしろいいことだろう?

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