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星騎士  作者: ぱんだまる
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第十章:開戦

俺達三人はアリトナ村の宿にとまり、一夜を明かした。

村でもらった薬のおかげもあり、ユウキ先輩の体調もだいぶよくなった。


「ユウキ先輩、どうです、体の方は?」


ユウキ先輩はベッドからすぐ抜け出そうとするので

俺とマルミが交互で様子をみては、声をかけていた。


「ははっ、傷口はもうほとんどふさがっているからな。

 疲労もとれたし、もう大丈夫さ。」


いつも、ユウキ先輩はそうやって強がりをいうのだけど、

今日は本当に体調がよさそうだ。だいぶ良くなったように見える。


「ホント、一時はどうなるかと思いましたけど、何とかなりましたね。」


「まったく、君にはいろいろと助けられた。

 ありがとう。改めて礼を言わせてくれ。」


ユウキ先輩はベッドの上に座ったまま、こちらに頭を下げる。


「よしてくださいよ、ユウキ先輩、俺は、何もしてませんってば。

 マルミの件だって、ユウキ先輩の助言がなかったら、

 国境すら越えられませんでしたよ。」


「いや、本当に感謝しているんだ、カナート。

 ありがとう、私を助けてくれて。」


ユウキ先輩のまっすぐなまなざしに見つめられ、俺は照れくさくて目を背けてしまう。


「まいったな、ユウキ先輩にも・・・。」


それを聞いて、ユウキ先輩が思いだしたようにいった。


「あぁ、それと、もう私に先輩は付けないでくれないか。

 ここは士官学校ではないし、君は私の命を救ってくれた恩人であり、戦友だ。

 君とは対等な立場でありたいと願っている。」


「わ、わかりました、ユウキ・・・。

 ・・・やっぱ、ユウキ先輩でいいですか?

 対等でも、一応年上だし・・・。」


ユウキ、とか呼び捨てにするなんて、俺には無理だな、絶対。


「ふふっ、わかった。

 とりあえずはそれで譲歩しておこう。

 ただ、いつでも呼び捨てにしてくれてかまわないからな。」


「えぇ、時間はかかるかもしれませんけど・・・。」


「ははっ、それで十分さ。

 そういえば、マルミちゃんはどこにいったんだい?

 てっきり二人一緒にいるのかと思ったんだが。」


マルミは俺を捜しにでていったそうだが、どうも入れ違いになったようだ。


「どこかで、つまみ食いでもしてるんじゃないですかね。」


「ははっ、それはひどいな、カナート。

 マルミちゃんだって、いつもいつも、食べてばかりじゃ・・・。」


その瞬間、ドアが勢いよく開いてマルミが飛び出してくる。


「た、た、たいふぇんらー!」


な、何をいっているのかよくわからない。

口の中が、アリトナ村の名産、月の輪メロンでいっぱいになっている。


「マルミ、食べきってからしゃべった方がいいぞ・・・。」


マルミは慌てて、口の中をもごもごしてる。


「ふぉ、ふぉんなことひってる場合じゃないんらよ!

 きたきた、きたんらよ!」


マルミが食べきらないうちから大慌てで話し出す。


「何が来たって言うんだ?」


俺とユウキ先輩はマルミの慌てぶりに首を傾げる。


「神軍だよ!神軍が攻めてきたんだ!」


「な、なんだって!?」


神軍、つまりディ・ラオール神国の部隊が、ここトルアノ連邦まで?

俺達を追うためだけに国境を侵すとは思えないが・・・。


「いま国境を越えて、大軍がこちらに向かってるって!

 ここ、戦場になっちゃうよ!」


まずい、国境を越えるはずがないと油断しすぎた。

今から逃げ出しても、そう遠くまでは逃げられない。

だが、俺達だけで軍隊に立ち向かえるわけはないし・・・。


「カナート、この村の戦力がどれだけあるか、わかるか。」


ユウキ先輩は戦う場合の勝算を考えているようだ。


「そうですね、馬が10頭程度、武器は武器庫みたいな所があったので

 それなりに、そろうんじゃないでしょうか。

 ただ、戦えそうな村人は全員が集まったとしても

 100人いくかどうかってとこですかね。」


俺はここにくる時、村を見ていて

覚えている範囲で話す。


「なるほど、さすがに真っ向から戦うことはできないな。

 さて、どうするか・・・。」


神軍の狙いは何か、それを考えなくてはならない。

俺達を始末するために国境をこえた?それはないだろう。

確かに、国境で一波乱起こしてからきたので、俺らがアリトナ村から

首都トルアノに続くいずれかの村や町にいることは容易に想像できる。


だが、だからといって、有効関係にあったトルアノ連邦との盟約を

破棄してまで攻め込むことはあり得ないだろう。

俺達を引き渡すようトルアノ連邦に要請した方が、よっぽど効率的だ。


神軍にはきっと別の狙いがある。

俺達のまだ知らない理由が・・・。


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