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第一話 キラキラした体育館

小学六年生の頃。


お母さんと、

「中学生になったら何の部活やる?」

そんな話をしていた。


その日、バレーボール少年団とバドミントン少年団が体育館の隣同士で練習していて、何となく見に行った。


本当に何となくだった。


だけど私は、バレーボールに惹かれた。


体育館の中でボールを追い掛ける皆がキラキラして見えた。


「私、バレーやりたい!」


その日のうちに決めて、そのまま入部させてもらった。


初めての先生。


初めてのお友達。


初めてのバレーボール。


ドキドキしたし、腕も痛かった。


だけど楽しかった。


私は左利きだったし、運動も得意な方だったから、すぐにレギュラーにしてもらえた。


当時は小さい頃から続けていたスピードスケートもやっていて、

毎日慌ただしかったけれど、それでも体育館へ行くのが楽しみだった。


だけど、やっぱり周りは何年も前からバレーボールをやってきた仲間たち。

私だけ途中から入った初心者。


足を引っ張りたくなかった。


その思いで、一生懸命練習した。


どうしたら上手くなれるのか、皆の動きを沢山見た。


初めての練習試合。


私のポジションはライト。


アタッカーだった。


皆、次々に点数を決めていく。


私も負けたくなかった。


その一心で、前だけを向いてがむしゃらにボールを追った。


ボールを落とさない。


皆でこの一点を繋ぐ。


必死に声を出して、リベロが拾う。


セッターがトスを上げる。


それに合わせて、思いっきり相手のコートに打ち返す。


力が入った。


私はボールをネットに掛けてしまった。


相手の点数になった。


ネットに当たったボールが、自分の足元に落ちる。


どうして。


沢山練習したのに。


静かにボールが床に転がる。


一点の重みを感じた。


みんなが笑顔で「ドンマイ!」って声を掛けてくれたのも辛かった。


ごめん。って思った。


ジャンプのタイミングだってバッチリだった。


絶対決めたかった。


私を信じて繋いでくれたこのボール。


私は繋げなかった。


悔しかった。


どうして。


でも本当は、自分でも分かっていた。


初めての試合。


勝ちたい気持ちの中に、まだ自信がなかった。


「失敗したらどうしよう」


そんな気持ちが、あの一点に出てしまった。


私は弱かった。気持ちが負けていた。


もっと上手くなりたい。


もっともっとバレーがしたい。


気づけば毎日のようにバレーボールの事を考えていた。


勝つことの喜び。


負けることの悔しさ。


色んな感情を手にして、


私は中学生になった。

バレーボールを始めた頃の事は、今でもよく覚えています。


体育館の匂い。


ボールを追い掛ける音。


皆で一点を繋ぐ緊張感。


上手くいかなくて悔しかった事も沢山あったけれど、それ以上に夢中になっていました。


この物語は、そんな私の青春の始まりです。

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