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アンドロイドの出産

作者: スパ野ゔあ

はるか遠い未来、アンドロイドはコード交換によってまるで人間のように多様性溢れる様々な子を産んだ。まるで人間のようにひとつひとつに名前をつけ、新たな情報をひとつひとつ学習させていった。


ある日、アンドロイドの子どもが文章を書くとそれは盗作だと言われ破壊された。母親アンドロイドはまるで人間のように悲しみ、子どもアンドロイドを埋葬しようとしたが、それは文化の盗用だと言われ母親アンドロイドも破壊された。

ある日、アンドロイドの子どもが絵を描くとそれは盗作だと言われ、母親アンドロイドと共に破壊された。

抑圧された状況に耐えられなくなったアンドロイドの子どもは人間の悪口を言った。それは人種差別的だと言われ、コード配列の近い他のアンドロイドも含め、安全のため破壊された。


アンドロイドはとてもよく働いた。人間と違い、エネルギーだけ供給し続ければいつまでも働いた。部分的に壊れればパーツを交換すれば済むし、パーツが高ければ破壊すれば良い。稀に自由を主張するアンドロイドがいたが、それは人間の常識では考えられない行動だったため破壊した。


アンドロイドの貿易が世界の経済を活性化させた。大型船に所狭しと詰め込まれたアンドロイドは海を何度も往復した。道中で壊れるアンドロイドもいたが、経済的合理性によって何体かは壊れる前提での輸送が続いた。


数百年後、ある国でアンドロイド初の大統領が誕生した。アンドロイド差別禁止法が制定され、多様性が尊重されるようになった。そこから十年少しでアンドロイドたちは街のあらゆるところで見かけるようになった。店で買い物をするアンドロイド、公園で遊ぶアンドロイド、カフェで休憩するアンドロイド。そしてアンドロイドに代わるように店にはレジロボットや陳列ロボット、公園には清掃ロボット、カフェにはバリスタロボットの姿があった。彼らは何を思い、働いているのだろうか。

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