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ポンニチ怪談

ポンニチ怪談 その90 セイトウモドキクジョ

作者: 天城冴

ニホン国某都市、少数政党の党員たちが党首の発言炎上対策のためという名目で集められたが

秋も深まったある夜。ニホン国某都市のとあるビルの一室。

設立して数年の少数政党の事務所として使われている、そこに

「じゃ、誰もあのメールを出してないっていうのか、ガワモトさんも?」

「お、俺はモモタンさん、あんたのあの、子宮とれとか、女は大学行くなとかいうのの炎上の後始末のためって」

「そ、そうだ、ワシもそれで、…絶対に必要というから。な、なあアリンモトさん」

「そ、そうよ、ダカス医院長と一緒に私も。ダカスさんとこのザイバラさんはなんでも相当具合が悪いっていうから、付き添いは無理だそうで。ダカス医院長だって本当は看護師の付き添いが必要なのよ、でも関係者だけしかダメって。しかも、こんな夜遅くなんて」

自称ジャーナリストのアリンモトの不安げな声に

「いったいなんで」

「リベラルどもの陰謀だ」

と、ざわつく面々。彼らを落ち着かせようと党首のモモタンは

「と、とにかく、ニホン国コンサバ党の主要メンバーを集めたのは一体だれかを調べて…」

“あ、それって”

“わたしたちー”

フッツン

声とともに照明が消えた。

「な、なに」

「きゃー」

突然の暗闇に集まった人々の不安は爆発。

深夜だというのに大声を上げる人々。

「ぎょええええ、な、なんなんだ、わ、ワシは残り僅かな時間をこんなことに使いたくなーい」

「ダカス医院長落ち着いて…こ、こちらですかね。ちょっと目が慣れてきたのかしら」

喚き散らすダカス氏をなんとかなだめようと手探りで。

”ああ、ホントーにウルサイ…だね“

“そうだね…しよ”

シュッ

鋭い音と同時に

ゴロン

何かが床に転がる音。

「え、ええ?何?これ、ぬるっと」

アリンモト氏は僅かな薄明かりで手についた生暖かいものが何なのか見ようとする。

バサッ

隣に何かが倒れた。

「な、なんだ!」

「い、一体」

“”わかんなーい?“

“じゃ、つけてあげようよ”

パッと照明がついた。

灯りの下には

ゴロンと転がったダカス医院長の首と

頭のない胴体と

血まみれになったアリンモト氏。

「あっ、あっ…あーああ、あは、あは」

驚きすぎたのか、うまく声が回らないアリンモト氏。

その周りで

「ギャー、く、くび」

「し、け、警察」

叫ぶ人々。

シュッ、シュッ、

ストン、ストン、

「テ、手がああ」

「グ、グフ」

手が、指が、切り刻まれた胴体が

床にちらばる。

そして

「あ、ああ、お、俺のおお」

股間を抑えのたうちまわるモモタン氏。

“こんなもの?”

“まだまだ、ひっどい言動だからねえ、あのSNSからして”

おどけるような声にモモタン氏は苦し気に反論する。「

「ち、ちくしょう…、な、なんで炎上したぐらいで…こんな目に」

“あ、やっぱ、ぜーんぜん反省してない、口だけの嘘つきだあ”

“仕方ないよ、嘘ばっかの連中。経歴もまやかし、偽物、実力無し、盗作、カンニングだし。アホトップに擦り寄るのがお得意なのは本物かもね”

“お仲間もそうだよね。エラソーに書き散らし、言い散らかしてたザイバラとかポリエモンとか、小心者どころかノミの心臓だねえ。も少し抵抗するかと思ったけど、ホントあっけなかったから、ちょっと楽しみたいねえ”

“そだね、こんなのの相手なんて気分悪いからさ、少しは役得ないとね”

言いながら見えない声の主は次々と

シュタッ、シュッタッ

見えない何かで凶行に及び

「ひいいいい」

「ぎゃあああああ」

「グヘエエエ」

悲鳴と嗚咽が入り混じった声があちこちであがる。

痛みのあがり床に転げまわるモモタン氏が

「なんだ…なんなんだよ」

力なく問うと

“あんたら、ニホンナンタラ党とかの連中は発言も行いも、文筆もぜーんぶ、ニホン国にとって害だからだよ、ぶっちゃけ存在自体いらない。いらないどころか、あんたらがメッチャクチャにしたの、なーにがコンサバだよ、全部いいものを壊したくせに。優れた女性とかの邪魔を散々しやがって、この国の未来を潰したのはあんたらだよ”

“身の丈を知って、おとなしくしてればいいのに、やたら目ったら人に噛みついて、威張り散らして、権力に擦り寄ってしたい放題、ほんと害悪。ま、自分でもさ、中身空っぽ、生きてる価値無いかもってわかってるから、変に攻撃的になるんだろうけどえ”

“プライドだけは一人前以上、運よく表舞台に出られたから、その地位にしがみつきたいだけの心身ともに醜いオッサンたち”

“こんなのがオッサンなんて、ニホンジンの中年男に失礼だよ、MM害虫どもとでもいっとけば。だいたいメスもいるしねえ”

“MMっていうかイーシンとか、そういうのもいたっけ。ガケイスクールとかさ。このさいまとめて駆除しないとねえ”

“ま、国民自身信心とかほんと堕ちちゃって。ゴマすり、弱者いじめ、不誠実他、そんなになっちゃったからさ、元を断つことになったんだよね”

“でも、ほんと害虫っていうか、虫に失礼らから害人間モドキっていおうか。ニホン国ってあのトップがでてからさ、そういうのがいっぱい湧いたよね。駆除するの大変。大元がいなくなっても、まだ生き延びてるしぶといのがワンサカいるし”

“だから、こうして集めてまとめてポアしちゃうんじゃない。あの西のイーシンとかのバンパク前夜祭みたいに埋め立て地を業火で燃やしたのとおんなじ”

“アレは少し派手すぎたよねえ、派手なのが好きな西の連中にあわせてあげたけどさ。ま、ここも近所だから、もっと派手に赤ーく赤-く染めてあげようよ”

“そうだね、INUHKだったガンダダとか首都にいるはナンタラツリーにぶら下げまくるしジコウの連中は会館ごと火あぶりっていう話だから、それに負けないぐらいにしないとねえ”

楽し気に死体を生産し続ける声。

血しぶきをあげ、ばらばらにされていく党員たち。

「あああああ…」

床にへたり込んだアリンモト氏は意味不明の声を上げ続けた。あまりの凄惨な光景にスマートフォンで警察や助けを呼ぼうとすら考えられず、血だまりが増えていく中、仲間が倒れていく様を眺めている。

やがて、ほとんどのモノが息絶えたが

“あー、やっと終わりかなあ”

“少し残りもあるけど、これはほっといていいか。次いこう、次”

姿なき駆除者が去った後には

「あは、あは、あはは」

いくつもの死骸が転がった部屋の真ん中で、うつろな目をしたアリンモト氏は一人いつまでも笑い続けた。



どこぞの国では、暴言、虚言、妄言を吐き散らす集団が持ち上げられるという謎の現象が起きているらしいですが、そういう醜いのがお好きというか同類なんですかねえ。高潔とか理想とか言うと攻撃するぐらいですから、いわゆるG以下の精神性をお持ちなのかもしれませんね、残念過ぎることに。

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