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流転の國 vol.1 〜突如として世界を統べる大魔術師になった主人公と、忠実で最強な配下達の物語〜  作者: 川口冬至夜


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第四話 次元を超えた再会

流転の國に顕現した時点で名前も流転の國仕様に変化しているので、マヤリィもジェイも元の世界(現代日本)にいた頃の名前そのままではありません。

日本名も考えてありますが、設定集でも出さない限り出てこないだろうな…。

「ここに来た時から薄々は気付いてた。貴方もそうよね?ジェイ」

「顕現したご主人様の顔を見て驚きました。そして、貴女が髪を切りたいと言った時に確信したんです。僕の知ってるマヤリィ様だと」

ジェイの敬語が簡略化されている。

「初っ端からベリーショートにしたい、なんて命令する女王様はそうそういませんよ」

「確信する所はそこなの?…確かに、あの時の私は一刻も早く髪を切りたかったけれど」

「あの背高美容師エルフがいてよかったです」

第一話に登場した美容師のシェル。あれ以来、彼の姿を見ていない。

どうやら、玉座の間に入ることが出来るのは、魔術師もしくはそれと同等の特別な力を持った者だけらしい。

「…ところで、なぜ私達はここにいるのかしら。一体、この國は何なの?貴方は何か知っているの?」

「マヤリィ様に絶対の忠誠を誓う者だけが存在する異世界…といったところでしょうか。恐らく、彼等は姫の命令であれば何だってやると思いますよ」

「…そう。見解は同じね」

マヤリィは頷く。今、二人は同じ目線で話している。

「なぜこういうことが起きたのかは分かりませんが、僕が姫の側近であるという設定があってよかったと思います」

「本当ね。…っていうか、この世界で姫って呼ぶのは色々と問題があるのではないかしら」

「確かに…そうですね。でも、僕はずっと貴女のことをそう呼んできましたから」

ジェイは懐かしそうに笑う。

元いた世界、つまり現代日本の話だが、二人は高校の同級生だった。

特に付き合っていたわけではないが、二人はいつも傍にいた。席が隣で、よくお喋りした。なぜか三年間同じクラスだった。

「卒業後は、いつの間にか、スマホ以外に連絡を取るすべがなくなってましたけど」

「それは私の家庭環境が悪いの。…貴方と直接会うことすら許してはもらえなかった…」

マヤリィは悔しそうな顔をする。他の配下達の前では絶対に見せない表情だ。

「僕は知っています。貴女の置かれていた環境も、貴女が病気になってしまったことも」

「ええ…。ジェイにしか話せなかった」

「でも、貴女を助けに行くことが出来なかった。僕は…ずっと姫のことが好きだったのに…」

ジェイは悲しそうな顔をしてうなだれる。

「いいえ、貴方は私の支えになってくれたわ。たとえ直接会えなくても。文字だけのやりとりでも、貴方の心が伝わってきた。お陰で、私は今こうして生きていられるのよ」

そう言うと、マヤリィはジェイを抱きしめる。

「ずっと、こうしたかった…」

「姫…僕もです…!」

現代日本にいながら離れ離れになっていた二人は次元を超えて、この不思議な世界で再び出逢った。今は主と配下だけど。

「ここに貴方がいてくれて本当によかったわ、ジェイ。また会えたことが本当に嬉しい」

姫がそう言って微笑むと、ジェイも一緒に笑った。

「ミノリ達は可愛いけれど、たぶん元の世界では会ったことがないし、謎だらけだわ。その点、安心して話せる相手は貴方だけよ」

「貴女にそう言ってもらえると嬉しいです。…しかし、女性が多いのになんでビアン系の人ばかりなんですかね」

ジェイは不思議に思う。

ミノリは生粋のレズビアン。ルーリは男女関係なく『魅惑』を使役出来る自称バイ・セクシャル。それに、ネクロだって恐らくは…。

「どうやら私もバイ・セクシャルみたいで、女性に惹かれることもあるわ」

マヤリィはそう言ってから、

「でも、貴方は別格よ。愛してるわ、ジェイ」

「マ、マヤリィ様?今ご自身で『魅惑』使ってること、気付いていらっしゃいます?」

「え?私は本当のことを言っただけよ?」

ジェイは頭を抱える。愛しの姫から直球で「愛してる」と言われて我慢するのは大変だ。

「僕、そろそろ自分の部屋に帰ります。貴女が僕の知ってる姫だと分かって安心したことだし。それに…このままここにいると姫を襲うかもしれませんよ」

「貴方が?」

「誰よりも姫を愛しているのは僕です」

直後、マヤリィを押し倒してキスをする…つもりが、実際押し倒されて唇を奪われたのはジェイの方だった。

マヤリィはジェイの唇を弄びながら、

「ミノリに殺されたくなかったら、今日のところは早く帰りなさい。見つかったら、ネクロに黒魔術の実験台にされるかもしれないし」

姫が不敵な笑みを浮かべて彼を見下ろす。

「それとも、私が食べていいかしら?」

「ど、どれを選んでも死にそう」

「…なら、私の『魅惑』にかかりなさいな」

どこからか、ピンク色の風が吹いてくる。

彼と彼女を包み込むように、吹き続ける。

「大好きよ、ジェイ…」

『宙色の魔力』を持つマヤリィはこの世界に存在するどんな魔法でも使える。だから、本来ならば夢魔にしか使えないはずの『魅惑』も発動出来る。

「…ねぇ、今夜は…初めて貴方と……」

そう言いながらマヤリィは頬を染めるが、彼の反応がない。

ジェイは彼女の甘い声を間近で聞きながら、早々に意識を失っていた。マヤリィの『魅惑』は人を殺せるかもしれない。

「え?寝ちゃったの?ここからが本番なのに?……もう、仕方ないわね」

魅惑魔法を解いたマヤリィは、ソファに座ったまま意識を失っているジェイに毛布をかけてやる。

「今日のことは全部、私達だけの秘密よ」

そう言って、もう一度ジェイにキスをする。

「起きたら、誰にも見つからないように『転移』で部屋に帰りなさいね」

そのまま、マヤリィはしばらくジェイの傍にいた。


ご主人様「どうやら私もバイ・セクシャルみたいで…」


ミノリ:生粋のレズビアン

ルーリ:自称バイ・セクシャル

ネクロ:明言してないけど恐らくは…。

この先、ご主人様は誰と寝るのでしょう?


ここまでお読み下さり、ありがとうございます!

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