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流転の國 vol.1 〜突如として世界を統べる大魔術師になった主人公と、忠実で最強な配下達の物語〜  作者: 川口冬至夜


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第二十話 メール

今回はメールが行ったり来たり。

これから、流転の國は五日間の休日に入りますが、更新は休みません。

パソコンを開けばメールが来ていた。

(携帯電話はないのに、なぜパソコンはあるのかしら…)

マヤリィは不思議に思いつつ、メールを読み始めた。

長い。

少し元気になったと思ったのに、また頭が痛くなりそうだ。

「畏れながら、ご主人様。こちらのお薬、まとめて袋に入れておきましょうか?」

ルーリはまだマヤリィの部屋にいる。

散らばった薬以外には乱れた場所ひとつない部屋。メイドを入れることはないと聞いているから、いつもご主人様ご自身で整理整頓なさっているのか…。

「ありがと。適当にまとめておいて頂戴。 助かるわ、ルーリ」

「勿体ないお言葉にございます」

ルーリは疲れた様子もなく、薬を片付ける。


ジェイからのメール。

「姫、無事ではなさそうですね?なぜ貴女の部屋に転移できるようにお願いしておかなかったのかと悔やまれます。余程、お疲れだったのですね。僕が気付くべきでした。姫、連絡が取れる状態でしたら、すぐにご返信下さい。 ジェイ」


ミノリからのメール。

「ご主人様、ミノリでございます。どこにもお姿が見えないのでメールを送らせて頂きました。皆には、昨日に引き続き訓練所等で各自過ごすようにと伝えてあります。昨日、桜色の都で処方されたというお薬がお身体に合わなかったのではないかと心配しております。ミノリに出来ることがありましたら、何でもお申し付け下さいませ。それでは、失礼致します。 ミノリ」


ネクロからのメール。

「おはようございます、ご主人様。ネクロにございます。桜色の都からご帰還されてのち、お姿をお見かけしておりませぬゆえ、こちらに連絡させて頂きました。何か、不測の事態が起きたのでしょうか?何か、私に出来ることはございませんでしょうか?ご主人様のご命令とあらば、早急に駆け付けますので、どうかご命令下さいませ。貴女様の命が下るまで、私どもは訓練所ならびに結界部屋にて、鍛錬を行っております。…時々、ネクロは潮風のカフェテラスにもおります。もし、お立ち寄りの際はお声を頂戴したく存じます。長文失礼致しました。 ネクロ」


(とりあえず、皆に指示を出してくれたミノリに返事をしましょうか…)

そう思ったが、なかなか文章が思い浮かばない。

(それにしても、ルーリが来てくれなかったらどうなっていたことか…)

マヤリィは改めてルーリに感謝した。

「ルーリ、貴女のお陰で本当に助かったわ。本当にありがとう」

「勿体ないお言葉にございます、マヤリィ様」

ルーリは跪き、頭を下げる。

「私はもう大丈夫そうだから、貴女も部屋に戻ってゆっくり休んで頂戴」

「はっ。それでは、これにて下がらせて頂きます。何かございましたらいつでもお申し付け下さいませ」

つきっきりでマヤリィを支えてくれたルーリは、主が仕事を始めるのを見届けて、自分の部屋に戻った。

(お身体は本当にもう大丈夫なのだろうか。それに、あの病は…)

ルーリはマヤリィのことが心配だった。

病が悪化しているように思えてならない。

しかし、それを食い止めるすべを知らない。

(ご主人様の御為に、私が出来ることは何だろう…)

考えても分からない。

「とりあえず、皆の所に行くか」

そう呟くと、部屋に戻ってから何分もしないうちに訓練所に向かった。

そして、

「ミノリ!ジェイ!ネクロ!ここにいるか!?」

三人を呼ぶ。

「ご主人様からメールが来ていないか、すぐに確認してこい。ここから先は私が皆に指示を出す」

いつになく威厳のあるルーリの言葉に、集まってきた三人は頷き、すぐに自分の部屋に戻る。

「指示を出すついでに、私も魔術訓練をしておくか…。ランジュ!私の相手になれ!!」

ルーリは『流転の斧』を携えたランジュに宣戦布告すると、自身の身体に宿った『流転の閃光』を発動するのだった。



一方のマヤリィ。


ミノリのパソコンにメール。

「心配かけて悪かったわね。少し体調を崩してしまって、すぐに返事出来なかったの。それで、悪いのだけれど、皆に五日間休養を取るように伝達して頂戴。使いたい人には訓練所や結界部屋を使用することを許可するわ。後でまたメールする。取り急ぎ、お願いね」

気を遣いつつ命令。


ジェイのパソコンにメール。

「ずっと寝てたみたい。もう大丈夫だから安心して。またメールするわ」

簡潔すぎる。


ネクロのパソコンにメール。

「連絡ありがとう。心配かけてごめんなさいね。少し体調がよくなかっただけなの。もう大丈夫よ。私が留守の間、この城を守ってくれて助かったわ。本当にご苦労様。もう伝わっているかもしれないけれど、貴女達に五日間の休みを与えます。休みの間、私がカフェテラスに行く時は連絡するから、そこで会いましょう」

これを見たネクロは歓喜。



そして、返事が来る。


ミノリからのメール。

「ご主人様、ご無事で何よりでございます。仰せの通り、皆には五日間の休養を申し伝えました。ご主人様は今も体調が万全ではいらっしゃらないのでしょうか?ミノリに出来ることがありましたら何でもお申し付け下さいませ。お待ち申し上げております。 ミノリ」

マヤリィはすぐに返事をする。

「皆への伝達ご苦労様。桜色の都の話と私の病について貴女に話したいことがあるから、明日の13時に第1会議室まで来て頂戴。その後、カフェテラスにでも行きましょう」

すぐに返事が来る。

「ご主人様、畏まりました。明日お目にかかれるのを楽しみにしております。それでは、失礼致します。 ミノリ」


ネクロからのメール。

「ご主人様、我々の知らぬ間にお苦しみだったのでございますね。何の力になることも出来ず、申し訳ない限りでございます。私どもに五日間のお休みを下さるとのこと、有り難きお取り計らいに感謝申し上げます。再びご主人様にお会い出来ますことを心より楽しみにしております。 ネクロ」

マヤリィはすぐに返事をする。

「ネクロ、心配してくれてありがとう。貴女も疲れが溜まっている頃でしょうから、ゆっくり休みなさいね。あと、カフェテラスの件だけど、明後日の14時に待ち合わせというのはどうかしら。後は貴女の都合に合わせるわ」

すぐに返事が来る。

「ご主人様、ご返信を頂き恐悦至極に存じます。お優しいご主人様、私などの身体の心配までして下さるなんて、感謝感激にございます。明後日の14時にカフェテラスでございますね!楽しみにお待ち申し上げております。それでは、失礼致します。 ネクロ」


ジェイからのメール。

「姫、大丈夫ですか!?本当に無事ですか?まさかあの薬を飲んだんですか!?桜色の都から帰還した夜、貴女をゆっくり休める状況にして差し上げられなかったことが悔やまれてなりません。姫がいなければ僕は生きて行けません。どうか、一刻も早くお顔をお見せ下さい!」

マヤリィはすぐに返事をする。

「ジェイ、大丈夫よ、あの薬は飲んでないわ。疲れちゃったから、死んだように寝てただけよ。心配かけてごめんね。今夜、貴方の部屋に行くから、待ってて頂戴。その前に、やりたいことがあるの。出来るだけ早く行くから、待っててね」

すぐに返事が来る。

「姫、やはり疲れが限界に達していたんですね。今夜、僕が癒して差し上げますよ。…ところで、今度はどんな髪型になさるおつもりなのでしょうか。それも楽しみにしながらお待ちしております。 ジェイ」

(ふっ…貴方は全部お見通しね)

ジェイからの返信を見て、姫は微笑む。

既に「やりたいこと」は済んでいるのだが。


落ち込むと髪を切る姫。変わってない。

ジェイは姫の顔を思い浮かべる。

(少しは元気になったのかな、姫。早く会いたい………)

そう思うと、ジェイの目から涙がこぼれた。



マヤリィは三人と連絡が取れた後、ルーリにもメールを送っていた。

「ルーリ、貴女のお陰で本当に助かったわ。どうもありがとう。今度お礼がしたいから、何か欲しい物があれば何でも言ってね。愛してるわ」

さらっと書いてるけど、これって、完全に恋文では…?


(パソコンか…。苦手なんだよな…ああいうの)

ミノリからの伝達を受け、訓練所から帰ってきたルーリはそう思いつつもパソコンを立ち上げた。

一通のメールが届いていた。

(マ、マヤリィ様からメールですと!?)

ルーリは早速、中身を読む。

(マヤリィ様、メール越しの魅惑もなかなか激しいですね……んふふっ)

すぐに返事を書く。

「マヤリィ様、有り難きお言葉を頂き、私は本当に幸せでございます。欲しい物、ですか…?畏れながら、私には、厚かましくも今欲しい物がございます。今度お目通りかなった時に…申し上げてもよろしいでしょうか…? マヤリィ様におかれましては、まだお身体が本調子ではいらっしゃらないと存じますので、どうかどうかご無理をなさらぬよう、伏してお願い申し上げます。…私の目の錯覚でなければ、マヤリィ様が下さったメールに、あ・い・し・て・る、という五文字があったような気がするのですが、本当でございますか?夢ではありませんよね??貴女様から愛のお言葉を頂戴するとは、私は宇宙一の幸せ者にございます!!私もマヤリィ様のことを深く愛し申し上げております!!貴女様のご命令とあらば、いえ、ご命令がなくとも、いつでもお傍近くに参りますので、昼夜問わずお呼び出し下さいませっ!!それでは、失礼致しますっ!! ルーリより」

興奮のあまりぶっ飛んだメールになった。

もしかして、音声入力したの…?

それを読んだマヤリィは、

「ふふ、私達、両想いなのね、ルーリ…」

嬉しそうに呟いた。

(それにしても、ルーリの欲しい物って何かしら)

考えても分からない。

今度会った時に聞いてみようとマヤリィは思うのだった。

『流転の國』最強のルーリに実戦訓練を吹っかけられたランジュは無事なのでしょうか…?


マヤリィ様のご予定

今夜:ジェイの部屋

明日:13時に第1会議室

明後日:14時にカフェテラス


本当に休む気あるの??

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