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乃木坂ってどこ?

タイトルからお察しのように今回は2人と乃木坂46に触れていきます。




かーくんとの関係は、介護のプリセプターとプリセプティーから始まった。



介護プリセプター制度

マンツーマンで指導する新人研修制度のことである。

簡潔に説明すると、介護や看護の医療現場に見習いの新人が入った際にベテランの職員が1人固定で指導すること。

固定の指導者を付けることでスキル指導と新人の不安解消などのメンタルケアを行う。

休憩も共に過ごす為仕事以外の話をしたりもするので打ち解けやすい。


このプリセプター制度のおかげでかーくんとは親密になった訳だ。

最初は先輩後輩の仲ではあったが、休憩時間を共に過ごしお互いがお互いに興味を持ち出会って3日後には一緒にお酒を飲むようになっていった。


少し長くなってしまったが、介護をするきっかけとかーくんとの出会いはこうやって始まった。話を戻そうと思う。



一日の業務を無事終え、帰路につく。

帰りのスーパーで割引コーナーに立ち寄り、つまみになるようなものを物色。角瓶と炭酸水を購入して帰宅。これがほぼ日課になっている。


「プルーただいま。」

ブルガリのキーケースの鍵でドアを開け、ペットの名前を呼ぶ。

この子は、当時付き合っていた彼女が僕がバイトや学校で部屋を空ける事が多かったので1人だと寂しいだろうと思い飼ったのがきっかけだった。

当時、ペット可物件ではなく犬や猫を飼う事が出来ないが、何か飼えないものかと賃貸契約書を読むやいなや犬や猫などの鳴き声がするものの飼育は規約違反であるの横に「鳥、ハムスターなどは可」と記載されていた。

鳥だともふもふしてないし、ハムスターだと味気ないとの彼女の意見から間をとってフェレットを選んだ。

今では立派な家族である。


プルーに挨拶をしてケージから出すと有り余っていたものを解放するかのように部屋を走り出し、ゲームセンターでとってきたキーホルダーサイズのぬいぐるみをお気に入りの場所に集めだす。

プルーが無我夢中に楽しんでる間にプルーのご飯を補充し、トイレのお掃除をする。

これが終わるとソファに座り自分の時間がやってくる。


まずはグラスに氷を入れ、角ウイスキーを注ぎ、炭酸水を入れて角ハイボールを作る。

その後、テレビでYoutubeを開き、『乃木どこ』と検索して見たい回を探す。

見たい回が見つかったらクリックし、グラスを持ち上げ「今日も一日お疲れ様でした!」と自分への労いの言葉を述べてハイボールを勢いよく身体へ流し込む。

泣けるほど美味い。

なぜだろう。大変だったけどやり切った時に飲むお酒とはなぜにこんなにも美味いのか。

理由を知っている人がいたら是非教えて欲しい。


あの日のライブを見てからどっぷり乃木坂46にハマった。

当時、音楽はジャンルレスで聴いていた。エレクトロニカやヒップホップ、ロッキン系のバンドやインストゥメンタルなど割とマニアックなものを好んで聴いていた。

本当にカッコいい音はアンダーグラウンドにあると思っていたし、人が知らないカッコいい音楽を探すのが好きだった。きっとそれがステータスと感じてた節もあると思う。

その為、はじめはアイドルをだいぶ軽視していた。

自分で曲を作ったりしていたので曲を作る大変さを曲がりなりにも知っているつもりだった故に「他人に書いてもらってそれを歌って踊ってればいいんだから楽だわな。俺もそうして楽したいわ。」なんて事を思っていた。

あとは王道のアイドルソングのあの明るいだけの感じが苦手だったのもあると思う。

だが、今では音楽を聴いている時間の8割が乃木坂へと変化していた。

それでも最初はカップリングに収録されている王道のアイドルソングには若干の抵抗感はあったのだが、今ではそういった曲のライブの合いの手も完璧にこなせるようになっている。

人とはその時の環境や心情によりこうも変化するのである。


曲やライブを好きになると今度はこの子たち自身について興味が出る。

そうなると乃木坂ファンが辿り着くのが結成当初から続けていた冠番組「乃木坂って、どこ?」。通称、乃木どこ。

この番組無しでは乃木坂46を語れない。

今では当たり前にゴールデンタイムやCMや雑誌に引っ張りだこの乃木坂46だが、当時は今ほど露出がなかった。

映像作品も少なく、乃木坂46をテレビ観れるのが貴重だった時代なのである。

そんな環境の中、日曜深夜に唯一30分フルで乃木坂46を観れるのがこの番組「乃木ってどこ?」なのだ。

リアルタイムの乃木坂を知れるので、ファンにとってものすごく楽しみな時間だった。

おそらく、日曜深夜の乃木どこ放送時間にはほとんどの乃木坂ファンが家のテレビの前で鎮座していただろう。


楽しみだったのは乃木坂46だけではない。

この番組は、普段見れないメンバーの個性や才能を垣間見れて乃木坂ファンにはマストな番組なのだが、そこで重要なのが司会のバナナマンさんである。

バナナマンさんの立ち回り方は秀逸で、毒づきながらも愛情のある対応がメンバーの底知れぬ才能を見出したりする。そこから人気が出たメンバーも少なくない。

最初はなかなか前に出れなかった子もバナナマンさんのアシストによりバラエティの立ち回りを知り、人として成長していく過程が見れるのもこの番組の魅力だ。

最初は手探りで始まった番組だった為、演者も視聴者も正解がわからないまま放送されていたが、バナナマンさんとスタッフさんの努力により往年のなんとなくメンバーの可愛い姿を流していたアイドル番組とは違い、しっかりとアイドルのバラエティ番組へと化けた。

今ではアイドル番組のフォーマットになっていると言っても過言ではない。

バナナさんとの微笑ましいやりとりを観るのもファンの楽しみの一つで、メンバーの表情や対応からも二人を信頼しているのがよくわかる。

その為、乃木坂ファンはバナナマンさんをバナナマンと呼び捨てにする人が少ない。敬意を込めて「バナナマンさん」と呼ぶのである。ファンも認める乃木坂46の公式お兄ちゃんだ。

ちなみに現在はリニューアルし、「乃木坂工事中」に番組名を変え絶賛放送中である。

その乃木どこを仕事終わりに鑑賞し、日曜日にリアルタイムで工事中をみるのが日課だった。


そうこうしているうちにかーくんから着いたと連絡がきたのでYoutubeを一旦止めて外へ出る。

青のフィットを見つけて助手席を開ける。

「お疲れぃ。何食うよ?」

モンストでモンスターを弾きながらかーくんが言う。

「うーん。なんだろな。なんか肉だな。うむ、肉だ。肉ならなんでも良いであるよ遠藤氏。」

「そうだなぁ。」

少し考えたかーくんはモンストを閉じ、スマホをパタンと閉じた。

「びっくりドンキーだな。」

「おー、いいねぇ。決まりっすな。」



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回、乃木坂について2人の盲点が発覚。

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