婚約解消されたので、使用人(男装)を口説いてみた
息抜きで書きました。
「はぁ~あ……」
私の何がいけなかったのでしょう?
答えを聞きたいところだが、当事者はもうそこにはいない。
今はお茶を飲んでリラックスをすることしかできない。
「お嬢様……」
私の横に立っているのは使用人の「カリスト」だ、白いショートヘアに青い瞳、いつもの使用人の服に、いつもの無表情。
「彼女」とは、幼少期からずっと一緒だ。
……そう、彼女は遠目で見ると、男性にしか見えない。
服はいつも男性物を着ているし、言葉遣いや立ち振る舞いも男性的だ。
なぜ彼女がそんな感じなのかと言うと……。
「はぁ、やっぱりこの家が『男子禁制』なのがいけないんだと思う……私、男性が何を求めているのかさっぱりわからないし……」
そう、この家は男子禁制なのである。
だが、男性の使用人がいないと、ダンスの練習相手や男性に対する免疫が付かないという理由で男装の使用人が一定数いる、その中の1人がカリストなのだ。
……なら、男性を雇えばいいのに、といつも思う。
「落ち込まないでください、お嬢様。きっと次があります」
彼女はいつも無表情だ、感情を見せたことがあまりない。
彼女とは小さい頃から一緒だ、彼女は使用人だが、私にとっては妹のような……幼馴染のような……。
「そうかなぁ……」
「はい、お嬢様はいつも美しいですから」
……いつもカリストはそう言う。
お嬢様は綺麗、お嬢様は美しい、お嬢様は気品がある。
おだてているつもりなのだろうか?
……はぁ、そんなことを言っても、男性は私に近寄ろうとしない。
近づいても、今回みたいに無かったことにされることが沢山ある。
「……いっそのこと、女性と付き合おうかな」
「面白い冗談ですね」
また無表情、なんなんだろう? 子供の頃から一緒にいるけど、カリストは何を考えているのかわからない。
今も、私といて楽しいのか、辛いのか、悲しいのか……。
少し聞いてみるか。
「ねぇカリスト」
「なんでしょう、お嬢様」
「カリストは私の事、どう思ってるの?」
「……質問の意味がよく分かりません」
はい? そのままの意味に決まっているじゃない。
ちょっとここは強気で行きますか。
「お、お嬢様?」
私は椅子から立ち上がり、カリストに近づいた。
表情は変わらなかったが、彼女は少し動揺しているようだった。
……かわいい。
「カリスト」
「はい、なんでしょう」
カリストは近くで見るととても美しい。
世の男性よりもとても整った顔をしている。
何故だろうか、男性に拒否され続けたせいか、今は同性に興味が向いてしまう。
私の身近にいる女性と言えば……カリストだ。
物は試しだ。
「カリスト、私と付き合いなさい」
「かしこまりました……はい?」
カリストは困惑していた……まぁ無理もないか。
「お嬢様……申し訳ございませんが、今一度お願いします」
「だから、私と付き合いなさい、カリスト」
「つ、付き合う……ですか?」
あ、困った顔をした。
面白い。
「なんか、男性と付き合うのがめんどくさくなっちゃった、だからカリスト、今日から私と付き合って」
「で、ですが……私は使用人です。付き合うのは……」
「私の言うことが聞けないの?」
「い、いえ……」
「じゃあ、問題ないよね」
「……」
なんだろう……かわいい。
もっとからかいたくなる。
「そっか、命令が聞けないならお母様に言ってクビにしてもらおうかしらね、長い付き合いだけど、仕方ないよね」
「……」
カリストは更に落ち込んだ顔をしている。
しかしさっきから黙ってるのは何なんだろう? 少し腹が立つな。
よし、ここは無理にでもしゃべらせてあげよう。
「それじゃあね、カリスト。長い間ご苦労様」
私は部屋の扉に手を掛けようとした。
よし、これでカリストは私を止めるために声を……。
「う、うぅ……」
……え?
「か、カリスト?」
「お嬢様……申し訳ございません……」
カリストは……泣いていた。
「申し訳ございません……申し訳ございません……」
カリストは項垂れ、跪いた。
こんなカリストを見るのは初めてだったので、私は思わずカリストに近寄った。
「な、泣かないでよ……」
「私は……お嬢様に喜んでいただこうと……常に考えて……ですが……」
「じょ、冗談よ! さっきのは冗談! だから泣かないで!」
「申し訳ございません……申し訳ございません……」
「謝るのは私だって! ごめんね!」
「申し訳ございません……」
あぁ! 私ったら何してるのかしら!
出来る事なら過去の自分を殴りたい!
「さ、ほら、涙を拭いて」
私はカリストの胸ポケットから布巾を取って、彼女の目に近づけた。
「ほら、その整った顔が台無しじゃない」
「うぅ……」
私はつい、彼女の体に抱き着いた。
彼女の体は、とても逞しく、女性とは思えない感触をしていた。
私は彼女をベッドの上に座らせた。
「申し訳ございません……」
「謝らないの! 次謝ったら一生口きかないから」
「……うぅ!」
「あぁ! 今のも冗談! 今のも冗談だから!」
私は気を使いながら、泣いているカリストを宥めた。
しばらくすると落ち着いたのか、彼女は泣き止み、冷静になった。
「落ち着いた?」
「……はい」
「そっか」
……なんだろう、カリストの意外な一面が見れた気がする。
私の事を第一に考えてくれてるんだ……使用人だから当たり前と言えば当たり前だけど。
「ねぇカリスト」
「はい……お嬢様」
「カリストは、私の事、好き?」
率直な質問をしてみた。
私の事を常に考えているということは、つまりそういう事ではないか?
「私は……お嬢様をお慕いしております」
「慕ってるとかじゃなくて! 私の事を好きか嫌いかで聞いてるの!」
「え、えっと……」
「あぁちょっと待って!」
カリストが再び困った顔をしたので、私は質問を変えることにした。
……また泣き出されたら困る。
「カリストは、最初に私に出会った時どう思った?」
「ええっと……美しい方だと思いました……」
またそれ? ……でも表情を見るといつもの無表情じゃなくて、少し恥ずかしがっているような……そんな顔をしているように見えた。
「どういう風に美しいと思ったの?」
「えっと……その、華のように可憐なお姿とか、太陽のように輝いている笑顔とか、小麦のように美しい髪の毛……とかです」
なんでいきなり詩人みたいになってるのこの子!
まぁでも、褒められたら、お返しをしないとね!
「私もさ、カリストの事、凄い整った顔してるなーとか、凄い綺麗だなーって思ったかな」
「あ、ありがとうございます……」
って! 私、カリストみたいに上手く褒められなかったんですけど!
「お嬢様に褒められると……嬉しいです」
カリストは顔を赤めらせて……笑った!?
あ、あのカリストが……笑った!? 見間違いじゃなくて!?
「カリスト、今笑ってる?」
「あ、その……申し訳っ!?」
「謝らない!」
私は謝ろうとしたカリストの口を塞いだ。
「笑った顔したカリスト初めて見たけど……かわいいね」
「あ、ありがとうございます」
あ、また笑った。
「お嬢様に褒められると……嬉しいです」
えぇ!? 何この子!? 凄い可愛いんですけど!
カリストってこんな女の子らしい一面あったの!?
「ねぇカリスト……」
「はい、お嬢様」
カリストの口調は本調子に戻ったようだった。
……どうしよう、本当にカリストの事、好きになっちゃいそう。
さっきは半分冗談のつもりで言ったけど、今はもう……。
「私、カリストの事、もっと知りたいな」
小さい頃から一緒だったけど、彼女の事はほんの一握りしか知らない。
私にもっといろんな感情を見せてほしい。
「だからさ……本当に付き合わない?」
「……お嬢様」
カリストは私の手を掴んだ。
「先ほども言いましたが、私は使用人……お嬢様に尽くすのが仕事です」
「……うん」
カリストは私の目をまっすぐ見つめ、真剣な表情で伝えている。
「ですから、付き合うのは……申し訳ございませんが、できません」
「……そうだよね」
分かっていた。
私は令嬢で彼女は使用人、付き合うのは無理だと。
私は少し残念な気持ちになった。
だが彼女は、変わらず私を見つめている。
「……ですが」
「え?」
カリストは私に抱き着き、顔を耳元に近づいてきた。
「私は……お嬢様を愛しています」
「……え?」
私は動揺してしまった。
「付き合うことはできませんが……2人っきりの時は……その……愛し合うことは……できますよ?」
「……それって、事実上付き合うってことじゃない?」
「……解釈の違いです」
「……なにそれ」
私は思わず笑ってしまった。
カリストもそれに釣られたのか、笑い出した。
「でもなぁ、愛してるって口で言うのは簡単だよねぇ」
「……え?」
笑いあったところで、私は少しカリストの事をからかってみることにした。
……泣かないレベルでいじめてやろう。
「何か証明してくれるものが無いとなぁ、愛してるって言わないよなぁ」
「……」
……ん? カリストの目が……凄い真剣に……
「え!? ちょっと!?」
「……」
カリストは私の両肩を押して……ベッドに押し倒した。
「じゃあ……今から証明します」
「え……?」
カリストはそう言って……私の顔に近づいてきた!
え、ちょっと待って! まだ心の準備が……。
「……ん」
「んん!?」
カリストが自分の唇を……私の唇と繋げた。
抵抗しようとも思ったが、カリストの真剣な表情に負けてしまって……受け入れてしまった。
しばらくの間、私たちはそうしていた。
「ぷはぁ」
「はぁ……はぁ……」
私たちはお互い荒い息になっていた。
……これは。
「お、お嬢様……」
「カリスト……」
お互い、求めているのは恐らく同じだった。
……でも。
「あ、あのさ……そういうのは、もうちょっと関係を深堀してからの方がいいんじゃない?」
「……お嬢様は、私の事、嫌いなんですか?」
「き、嫌いじゃない! でも……今はまだ……お昼だし……」
「……」
なになに!? カリスト凄い悲しそうな目をしてるんだけど!?
「……私は、お嬢様の意見を尊重します」
カリストはそう言って、私から離れた。
「ま、待って!」
私は離れようとするカリストを呼び止め、抱き着いた。
「そ、その……しばらく、一緒にいて?」
「……かしこまりました」
それからしばらく……私たちは抱き合った。
◇
「……お嬢様」
「……カリスト」
夜、2人っきりになった私たちは、昼の時と同じようにベッドで抱き合っていた。
……お互い何も身に着けずに。
結局夜、我慢できなくなって、私からお願いした。
「カリスト、愛してるよ」
「……私も、愛してます、お嬢様」
カリストの体はとても逞しい。
でも、私を包み込む力はとても優しい。
「カリスト」
「はい、お嬢様」
「もっと力強く抱いてもいいんだよ?」
「……かしこまりました」
カリストの力が強くなった。
それに合わせて、私もカリストを強く抱いた。
「カリスト、お願いしていい?」
「はい、なんなりと」
私は今思っていることを言った。
「私を……どこか遠くに連れて行って」
「……言っている意味がよく分からないのですが」
「私……もうカリストしか愛せないの、婚約なんてもう沢山……だから、一生二人っきりになれる場所に連れて行って」
「……お嬢様」
カリストは私を抱いている力を緩め、私と目を合わせた。
「……私はお嬢様に尽くすのが仕事……その命令、承ります」
「……ありがとう、カリスト」
私たちは唇を合わせた。
「ねぇカリスト」
「はい、お嬢様」
「好き」
「……ありがとうございます」
カリストの顔が真っ赤になった。
……かわいい。
私はカリストの上に乗って……私の愛をぶつけた。
◇
「カリスト」
「はい、お嬢様」
「私たちは今、どこに向かっているの?」
「お望み通り、遠い場所ですよ、お嬢様」
私たちは今、馬に乗っている。
カリストの操縦で、私たちは「遠い場所」に向かっている。
別に場所なんてどうでもよかった、でも今はカリストと一緒にいたい。
「お嬢様」
「なに?」
「街が見えてきました、そこで一旦休みましょう」
「……うん」
街の入り口前に馬を止め、私たちは宿屋に入った。
ベッドと机だけがある簡素な部屋、それでも、カリストと一緒なら私はどこでも嬉しい。
私たちはベッドに腰を掛けた。
「そろそろ日が暮れるね」
「……そうですね」
私たちはお互いを見つめた。
求めているのはお互い一緒だった。
「……ん」
「……んん」
お互いの唇を合わせる。
そして私はそのままカリストの服に手を掛けた。
もう我慢できない、カリストに私の愛をぶつけたい。
……そんな風に思っていた、その時だった。
扉を叩く音が聞こえ、私は動揺してしまった。
「誰!?」
「お嬢様……」
「……カリスト?」
カリストは何かを察しているような顔をしている。
カリストは鍵を開けた……。
やがて扉が開き……出てきたのは……。
「お母様……?」
「こんな所にいるとはね、一体どういうことか説明しなさい」
「あ、えっと……」
「私がお嬢様を連れ回しました、全ては私が勝手にやったことです」
「ち、違う! お母様!」
カリスト!? 一体何を言っているの!?
「カリスト……あなたには失望しましたよ、女同士で付き合うことはおろか、屋敷の人間にまで手を出すとは……」
お母様はカリストに指を差して……「命令」をした。
「今日中に荷物をまとめて出ていきなさい。そして金輪際、屋敷には近づかないでください」
「そ、そんな……!? お母様!」
「貴方は黙っていなさい」
私はお母様の後ろにいた使用人に連れ出された。
「カリスト! 待って!」
私は掴まれている腕を振り払った。
「お嬢様……これでいいんです、私は貴方を愛してしまった……使用人が屋敷の人間に恋をすることは、言語道断、罪なのです」
「そんな! 私だってあなたを愛している! 相思相愛なら……」
「……たとえそうでも、ダメなものはダメなのです」
「待って! まだ付き合って1日しか経っていないのに!」
「……私は楽しかったですよ、幼少期からずーっと」
「何をごちゃごちゃと言っているのですか! 行きますわよ!」
私はお母様に引っ張られ……部屋を強制的に出された。
「嫌! 放してください! カリスト! カリスト!」
私は強制的に馬車に乗せられ……街を離れた。
◇
「婚約解消を解消したい?」
「はい」
この間婚約を解消してきた男性が舞い戻ってきた。
「いやはや、やはり君以上の女性は見つけられなかったよ、みんな本当に酷い女ばかりで……」
「……」
婚約……なんで男性と婚約しなければならないのだろう?
私はもう、男性に対して興味が薄れてきてしまった。
何故だろうか? 原因は目の前にいる男性もそうなのだが、やはり一番は……。
「カリスト……」
「か、かり……? なんですか?」
私はカリストを愛している。
もう一度、カリストに会いたい。
そして、カリストと一生を過ごしたい。
一緒にお茶を飲んだり、笑いあったり、夜を共にしたり……。
「カリスト……会いたいよ……」
「カリスト? もしかして、既に新たな婚約者を? そんな! そんな男よりも私の方が良いに決まっています! なぜなら私は完璧ですからね!」
「……はい?」
なんだろう、無性に腹が立つ。
私の愛するカリストに対して、その言い方はなんだ?
完璧……? 私の愛するカリストの方が完璧に決まっている。
カリストは気品があり、顔も整っていて、私の事を第一に考えてくれている。
それに対してこの人は? 自分の事しか考えていない、私の事をただのアクセサリーにしか恐らく考えていない。
「何をさっきからごちゃごちゃと言っているのですか?」
「な、なんだい?」
「私の愛するカリストよりも貴方の方が上と言いたいのですか?」
「あ、あぁ……」
「そうですか」
私は目の前にいる「イライラの対象」に対して指を差した。
「なら、私を『遠い場所』へ連れて行っていただけますか?」
「と、遠い場所……?」
「カリストなら連れて行ってくれますよ? 連れて行っていただけますか?」
「い、今すぐは……」
「ダメなのですか? カリストは無駄口を言っている間に準備を済ませてますよ?」
「あ、いや……」
「はい、既に30秒経ちました、カリストでしたらすでに私を連れて出発していますね」
「……」
イライラの対象は押し黙ってしまった。
所詮この程度なのだろうか? 悲しくなってくる。
「さ、既に貴方がどうしようもない人だというのが証明されましたので、今すぐ出て行っていただけないでしょうか? 10秒以内に」
「いやちょっと待って……」
「1,2,3,4……」
「待ってくれよ! じゃあ今すぐに遠い場所とやらに……」
「あと5秒ですよ? 早く出て行かないと大声を出しますよ?」
「だから……」
「5! 6! 7! 8! 9!」
「わ、わかったよ!」
イライラの対象はどこかに消えていった。
あーなんかスッキリした。
……でも。
「……カリスト」
カリストにはもう会えない。
この屋敷にいる限り、一生……。
……待って、この屋敷にいる限り?
確かお母様は金輪際屋敷には近づくなと……なら。
「私が屋敷を出ればいいんだ!」
◇
「カリスト様、相談があるのですが……」
「なんですか?」
私は前にいた屋敷を出て、違う屋敷に赴任した。
前いた屋敷と違って、メイド服を着ることになってしまって、かなり動きづらいが……だいぶ慣れてきたかな。
「ありがとうございます! カリスト様!」
「いいですよ」
あれから何年たったかな……お嬢様はお元気でいらっしゃるのだろうか?
「……お嬢様」
お嬢様が恋しい、あの笑顔にあの美しいお姿。
柔らかい唇に、か細い体……。
全てが恋しい。
……あれ? 私……泣いてる? 視界が……。
い、いけない! 今は仕事中! そういうことを考えるのは仕事が終わってから!
「カリスト様!」
私を呼ぶ声がする。
「はい?」
「今日から入る新人の方の指導なのですが……」
「あぁ、大丈夫。私がやりますから」
「そ、そうですか……」
「その人は今どこですか?」
「はい、今は宿舎の部屋の方に……」
「今から向かいます」
今日から新人が入る。
人手不足だったので、凄くありがたい。
私は宿舎へと足早に向かった。
……全く、男装だったころの方が良かったな、動きやすくて。
男装……あぁもう! ダメダメ! 今はそんなこと考えないの!
私は宿舎の部屋につき、扉を叩いた。
「入りますよ?」
私は宿舎の扉を開けた。
扉の向こうには、小麦のように輝いている髪を束ね、眼鏡をしている女性がいた。
「私は指導係のカリストです、よろしくお願いします」
私はメイド服の裾を掴み、お辞儀をした。
それを見た女性は……笑っていた。
「あ、あの……」
私は困惑してしまった。
女性は相変わらず笑っている。
「メイド服、とても似合ってるよ、カリスト」
「……え?」
女性は馴れ馴れしく、私に話しかけてきた。
「でも私的には、男装の方が好きかなぁ」
「だ、男装……?」
そのことを知っているのは……まさか?
「あぁ、見た目が違うから分からないか」
女性は眼鏡を外した。
そ、そのお姿は……。
「まさか、お、お嬢……」
「ただいま、カリスト」
~終~




