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恋の案内人  作者: 翁
過去からの解放
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20.決心

 県大会当日、私は試合会場に行かず、美桜ちゃんの家にいた。

 昨日の夜遅くまで行くかどうか悩んだが、つらい思いをしたくないという気持ちがやはり強く、試合会場に行くのは断念した。

 私は少しでも力になればと思い、2人に応援メッセージを送ることにした。


「2人とも分かってくれるよ」


「・・・うん」


 美桜ちゃんは私のそばにいてくれている。

 私を優先してくれてすごく嬉しい反面、部長という立場を考えると、複雑な気持ちになってしまう。

 美桜ちゃんが決めたことだし、私がどうこう言うつもりはないけど・・・。


「美桜ちゃん。ありがとうね」


「ううん。気にしないの! 今日はどうしよっか? 家でゆっくりしてもいいけど、気分転換にどこか行く?」


「うーん。今日は家で大丈夫。美桜ちゃんがいてくれるだけで元気になれるし」


 もし1人だったら、もっと気持ちが沈んでいただろうな。


「そっか。じゃあ家でゆっくりしよう」


「うん」


 それからテレビを見たりして、のんびり過ごした。

 途中、美桜パパがドライブでも行くかと気遣ってくれたが、悪い気がしたので気持ちだけ受け取り断った。


 そろそろお昼になる頃、花恋ちゃんからメッセージが届いた。


『さくらちゃん。怪我の具合はどう? 無理してない? 美桜先輩がいるから大丈夫とは思うけど、無理しちゃだめだからね! 試合だけど、2回戦で負けちゃった。でも、全力で試合できたから、私も咲蘭ちゃんも悔いはないよ!』


 試合の結果よりも、最初に私の心配をしてくれる所が花恋ちゃんらしい。

 結果は残念だったけど、力を出し切れたなら良かった。


「私は大丈夫だよ。ありがとう。試合お疲れ様。咲蘭ちゃんにもお疲れ様って伝えといて」


 怪我さえなければ、私も今頃試合してたんだよな・・・。

 やっぱり、出れなかったのは悔しい。


「美桜ちゃん」


「どうしたの?」


「花恋ちゃん達、2回戦で負けちゃったって。でも全力出せたみたい」


 一応、美桜ちゃんにも結果を報告した。


「そっか・・・。残念だね。あ、今ちょうど私にも連絡来た」


 花恋ちゃん達には、来年も頑張ってもらいたい。

 きっとあの2人なら全国に行けるはずだ。


「・・・・・・」


 私は・・・。

 この前悩んでいたことを思い出す。

 怪我の影響もあるせいか、3年生の引退と同時に部活を辞めるという気持ちが日に日に強くなってきている。というかもう辞めるつもりでいる。

 やっぱり、私のペアは美桜ちゃんでないとダメなのだ。

 しかし、その美桜ちゃんは9月で引退してしまう・・・。美桜ちゃんが2年生だったらなぁ・・・。

 いつ美桜ちゃんにこの話をするか悩む。今ではないことは確かだ。

 今話せば、絶対に辞めるなと言われるのは目に見えている。

 だとしたら、引退する直前に話すか・・・。

 花恋ちゃん達にもいつか伝えないとな。

 私はテレビを見ながら、部活を辞める決心をしたのだった。

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