4.初戦突破
「アウト。ゲームセット」
相手のペアの打ったボールがアウトになり、その瞬間、私達の勝利が決まった。
「やったね桜ちゃん!」
「うん!」
私は美桜ちゃんとハイタッチを交わし喜びを分かち合う。
「4-0で佐藤・橋本ペアの勝ちです」
「ありがとうございました!」
よし。まずは初戦突破だ。
来月行われる県大会も、これで出場決定となる。
「2人ともナイスゲーム!」
「さくらちゃんすごかったよ!」
「県大会おめでとう!」
部員のみんなからも祝福される。
「2人ともお疲れ様。それと県大会出場決定おめでとう。あとは勝ち進むだけね」
「はい!」
「今のあなた達なら優勝も夢じゃないわ。残りの試合も気を引き締めていきましょう」
桜木先生の言う通り、これで終わりではない。これからが本番と思わないとな。
「美桜! さくらちゃん! よくやったな! それにしても、相手ペアに1ポイントも与えないなんてすごいな!」
私達は1ポイントも相手に与えずに勝利したのだ。
「相手のミスも多かったので」
「それでもボレーもよく決めてたし、実力をしっかりと発揮できてるってことだ。次の試合も頑張れよ!」
「はい!」
相手も決して弱いって訳ではなかったけど、この試合でだいぶ自信がついたような気がする。
「桜ちゃん! 次も頑張ろうね!」
「頑張る」
そういえば・・・花恋ちゃん達の姿が見えない。
「花恋ちゃん達ってもう試合なのかな?」
「どうだろ? いないからそうかもね。移動しよっか」
私達は花恋ちゃん達の元へ向かうことにした。
花恋ちゃん達の試合が行われるコートへ到着。まだ試合は始まっていないようだ。
「あら。随分と早かったですのね。結果は・・・聞くまでもないみたいですわね」
「私達の試合見なかったの?」
「1ゲーム目を見て移動しましたわ。どうせ勝つ試合を見るより、ウォーミングアップした方がいいですし」
1ゲーム目見ただけで、もう勝つと確信していたのか。
「私は最後まで見ようって言ったんだけど、咲蘭ちゃんが聞いてくれなくて」
まぁ、ウォーミングアップしたい気持ちは分かる。
花恋ちゃんも、咲蘭ちゃんのわがままに付き合うのに大変そうだな。今に始まったことじゃないけど。
「花恋ちゃん達は次の試合が最大の難関だし、少しでも準備しといた方がいいと思うから大丈夫だよ」
「そうだよね。次の試合勝たないと県大会行けないけど・・・。あ、さくらちゃん県大会出場おめでとう!」
「ありがとう」
次は花恋ちゃん達の番だ。
「試合勝てるかな・・・」
「相手のペアは強いもんね。花恋ちゃんがそんな弱気だと咲蘭ちゃんに怒られるよ」
「そうだね。私が弱気になってたらダメだよね!」
それに、今の花恋ちゃん達がそう易々と負けるとは思えない。
難しい試合にはなると思うけど、絶対に勝ってほしい。
「私も応援頑張るから絶対勝ってね」
「うん! ありがとうさくらちゃん! なんだか勝てる気がしてきたよ!」
うんうん。その意気だ。
「今のわたくし達が負けるはずありませんわ。相手のペアはどうせ1年だろうと油断しているはず。その油断が命取りになりますわ」
「咲蘭ちゃんのスマッシュお見舞いしてあげな」
「任せなさい! ですわ!」
第1シードと当たることになってナーバスになっているかと思ったけど、これなら大丈夫そうだな。
・・・くぼちゃんは私の試合見てたのかな?
見に行くって言ってたし、きっとどこかで見てるはずだ。
少しぐらいなら顔出してくれてもいいんだけどな。
近所の知り合いの子と言って誤魔化せばいいし。
くぼちゃんのことだし、もしかしたらふらっと出てくるかもしれない。
なんにせよ、初戦突破できて良かった。
この調子で優勝を目指そう。




