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恋の案内人  作者: 翁
過去からの解放
63/255

1.初陣

「ゲームカウント3-0」


 私達の高校の初陣を飾るのは、花恋ちゃんと咲蘭ちゃんペア。

 現在3ゲームを連取し、あと1ゲーム取れば勝利だ。


「焦らず落ち着いてこー!」


「1本集中ー!」


 相手のペアは咲蘭ちゃんにスマッシュをことごとく決められ、為す術なしという状況。

 花恋ちゃんも正確にボールを返して、しっかり繋ぐことができている。


 4ゲーム目が始まった。


「花恋さん!」


 咲蘭ちゃんが花恋ちゃんに声を掛ける。

 それが合図なのだろうか。

 花恋ちゃんは相手のバック側、ベースラインギリギリにロブで展開する。

 相手の後衛は追いかけるのが精一杯で、苦し紛れにボールを打ち返す。

 咲蘭ちゃんはそれを読んでいたのかネットの近くではなく、既にサービスライン付近に移動していた。


 ──パーン!!!


 スマッシュの音がコートに鳴り響く。

 この流れでのポイントは、これで何度目だろうか。

 相手を振り回し、チャンスボールが来たところを確実に決める。花恋ちゃんペアの見事な戦略だ。


「ナイスー!!!」


「その調子だよ!」


 私達の応援も盛り上がる。


「ナイススマッシュだよ咲蘭ちゃん!」


「このままいきますわよ花恋さん!」


 この調子ならよっぽどのことがない限り、負けることはないだろう。



「アウト。ゲームセット」


 結局、4ゲーム目も相手に1ポイントも与えずにストレートで勝利を収めた。


「やったね咲蘭ちゃん!」


「やりましたわ!」


「2人ともお疲れ様! すごく良かったよ! 次の試合もその調子で!」


「はい!」


 美桜ちゃんが2人を労う。

 次の相手は第1シードだ。強敵なのは間違いないだろう。

 でも、今の2人なら勝てるかもしれない。咲蘭ちゃんのスマッシュさえ封じられなければ。


「誰と当たろうと倒すまでですわ」


 決起会での咲蘭ちゃんの言葉を思い出す。

 私達も目の前の相手を倒すまでだ。

 決勝まで必ず勝ち進むから、咲蘭ちゃんも負けちゃダメだからね。

 入部してきた時は、勝手にライバル扱いされるし、なんでもかんでも勝負にしたがってちょっとウザかった。

 でも今は、友達であり、良きライバルだ。

 この試合はいい刺激になったな。


「さくらさん」


「おつかれ。1回戦突破おめでとう」


「わたくし、今日絶好調ですわ。決勝で当たって負けても、文句は言わないでくださいませ」


 次も勝つ気満々だな。それぐらい自信があるということだろう。


「言ってくれるじゃん。次も頑張ってね」


「言われなくても頑張りますわ。とりあえず次の試合も応援よろしくですわ」


 そう言って、咲蘭ちゃんはどこかへ行ってしまった。

 咲蘭ちゃんから応援よろしくと言われるとはな・・・。

 少し前なら、そんなこと言うなんて考えられなかった。

 ソフトテニス部に入ったことで、咲蘭ちゃんも変わったのか。


「桜ちゃん。次の試合の応援行こ!」


 先輩の試合が始まるらしい。

 私は美桜ちゃんと試合が行われるコートへ移動する。


「花恋ちゃん達すごかったね!」


「そうだね。咲蘭ちゃんのスマッシュがキレキレだった」


「うんうん。花恋ちゃんも見事に繋いでたよね」


 あの小さい体で、どんなボールにも食らいつくのはすごい。

 しかも、本職は前衛なのによくあんなに後衛もできるよな。


「早く試合したいな」


「やる気満々だね」


「あんな試合見せられたらね。私達も負けてられないよ」


 私達は1回勝てば県大会出場だ。

 県大会行けて満足、そんなことで終わるつもりはない。

 私達の目標は・・・。


「優勝しようね」


「うん。絶対優勝する」



 高橋花恋・二階堂咲蘭ペア

 1回戦 4-0


 県大会出場まで、あと1勝

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