46.地区予選当日
──ピピピピッ
目覚ましの音で目を覚ます。
「・・・ふぁー」
ぐっすり眠れたなぁ。
「・・・桜ちゃんおはよー」
「ん、おはよ。そしておやすみー」
「何言ってんの。起きるよ」
美桜ちゃんに腕を引っ張られて起こされる。
「いよいよ今日か。ふふふ。ふはははは!!! 今日は負ける気がしないぞ!!!」
「桜ちゃん!? どうしたの!?」
「いや、ちょっと気合い入れてみた」
「気合いの入れ方おかしくない!?」
よし、完璧に目が覚めた。
「まあまあ、美桜さんや。頑張ればいいのじゃよ」
「もしかして緊張してるの?」
ギクッ。
「ま、まさかぁ。まだ会場にも着いてないんだよ」
「初めての試合だもんね。緊張するのも無理ないよ」
「違うし! 武者震いだし!」
「震えてないでしょう。ほら、準備するよ」
やるじゃないか美桜ちゃん。私の緊張を見抜くとは・・・。
今緊張しとけば、多分試合中は緊張しないはず。
それにしても、そんな分かるものなのかな・・・。
まぁ、これだけ一緒にいれば、分かるのも当然といえば当然か。私も美桜ちゃんのこと結構分かってきたし。
もう裸も見た仲だしね! 知らないことなんてないかもね!
「2人ともおはよう」
「おはようございます」
美桜ママは、私達用のお弁当を作っている最中だった。
「朝ごはん出来てるから食べちゃってね」
「はーい」
「試合で全力出せるようにいっぱい食べるのよ」
自分の家だったら、食パン一枚とかで済ましてたんだろうな。
「いただきます」
「おはよー!」
美桜パパも起きてきた。
「今日は頑張れよ! 練習通りにやればいいだけだからな!」
「パパ、試合中はあんまり名前呼ばないでよね」
「どうしてだ? いいじゃないか」
「やだよ恥ずかしい」
美桜パパが大きな声で応援している姿が目に浮かぶ。
「私は嬉しいかもです」
「そうだろ? たくさん応援するからな!」
「ありがとうございます」
「ちょっと桜ちゃん!」
私にとっては少しの声援でも嬉しい。
「いいでしょ美桜ちゃん。私は応援されたいの」
「桜ちゃんが言うなら別にいいけどさ」
「さくらちゃん。この短期間で頑張ったんだ。必ず結果はついてくるさ。自信を持って試合に臨みなさい」
美桜パパが私の頭を撫でる。私もうこの家の娘みたい!
「はい。頑張ります」
──試合会場にて
「皆集まっているわね。いよいよ始まるわよ。どんな結果になっても、悔いの残らないよう全力を出し切ること。皆、頑張るのよ」
「はい!!!」
「まずは高橋さんと二階堂さんの試合ね。2人とも、しっかりストレッチしておくのよ」
花恋ちゃんのペアが初陣を飾る。
「花恋ちゃん、咲蘭ちゃん、頑張ってね!」
「頑張る!」
咲蘭ちゃんにも聞こえてたはずだが、返事がない。
「咲蘭ちゃん?」
「なんですの?」
視線はコートを見つめたまま私の呼び掛けに応じる。
そのコートを見つめる咲蘭ちゃんの目つきは真剣そのものだった。なんというか、オーラみたいのを感じる。
「頑張ってね。絶対負けないで」
「当たり前ですわ。そんなことより、自分達の心配したらどうですの」
へぇ・・・。言ってくれるじゃん。相当自信があるみたいだね。
どうやら私の心配は必要はなさそうだ。
「桜ちゃん。そろそろ開会式始まるみたいだよ」
「オッケー」
「皆もいくよ!!!」
「はい!!!」
いよいよ、地区予選が始まる。
次話から新しい章となります。
ここまで読んでくださっている方々、ブックマークや評価してくれた方々、本当にありがとうございます。
文章構成や技術など、まだまだ乏しいですが、温かい目で見守っていただければ幸いです。
さて、次章ですが、美桜の過去が明らかになったりならなかったり、新たな案内人が・・・? という内容になる・・・かもしれません。
また、夏休みや体育祭、学園祭などのイベント行事もあります。
そしてそして、さくらに恋人はできるのか・・・。
2章もお楽しみに!
これからも「恋の案内人」をよろしくお願いします。
翁




