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恋の案内人  作者: 翁
出会い
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25.グループ決め

 6限のLHRは自然教室のグループ決めとなっており、1年生全員が体育館に集まっていた。

 その自然教室はGW中にあるらしい。

 GWって来週じゃん。決めるのギリギリ過ぎじゃない?

 先生の説明によると、決まったグループは代表者を決めて報告、その後、教室へ戻り自習をしていろとのことだ。

 また、6限の終了時刻になり次第、各自解散となっている。

 ちなみに体験や観光などは、各グループで話し合って後日報告という形らしい。


「自習って言っても誰もやらなくないかー?」


 ひかりがかったるそうに話し掛けてきた。


「やらないだろうね。実質自由時間でしょ。先生達は体育館残るだろうし」


 自習の時間を使って、花恋ちゃんの友達と仲良くなっておこうかな。

 このグループ決めは、全グループ決めるまで終わらないらしく、どうしても決まらない場合は先生が勝手に決めるらしい。

 友達がいない、少ない人にとっては地獄のような時間だな・・・。

 でも、同じグループになったら、そこから友情が芽生える可能性もあるだろうし、逆にチャンスなのかもしれない。知らんけど。

 私は既にグループが決まっているので、そこらへんの心配はしなくていい。ぼっちじゃなくて良かったよ。本当に。


 先生の説明が終わり、グループ作りが開始となると一気に周りが騒がしくなった。

 私の学校は女子校だが、こんな時に男子がいるともっと騒々しくなりそうだ。

 各々グループを組む為に声を掛け合っている。

 私とひかりは移動するのが面倒なので、座って花恋ちゃん達を待つことにした。


「こんだけ人が多いと、花恋ちゃんが埋もれてしまわないか心配だなぁ。あの子小さいから」


 座っている私達を探すのはさぞかし大変だろうな。ご苦労さまです。


「小さくないんだから!」


 急に背後から大きな声が聞こえて飛び上がる。


「びっくりしたー。よくこんな早く見つけられたね」


「どうせさくらちゃんは座って動かないと思ったからね。座ってる人を探した方が早いって思ったの」


 頭いいなこの子。あと可愛い。


「友達って人形のことだったのかー」


 そういえばひかりは一度会ってるんだったな。


「だから人形じゃないわよー!」


 また前回と同じようなやりとりが始まる。

 ところで、花恋ちゃんの友達はどこだ? 一緒に来てる感じではなかったけど。

 それらしき人物を探そうとするが、花恋ちゃんから何も聞いていないので。探しようがないことに気付く。


「あなたがさくらさんかしら」


 誰かが私の名前を呼ぶ。

 どうやら、その友達の方から声を掛けてきたようだ。


「そうだけど」


「わたくし、花恋さんの幼なじみの二階堂咲蘭(さら)と申しますわ」


 うわぁ・・・なんか見たまんまお嬢様っぽい人なんだけど。こういうタイプ苦手なんだよなぁ・・・。

 お嬢様特有の上品な言葉遣い、金髪巻き髪ツインテール。これわざわざ巻いているんですの? それともくせっ毛なのかしら? というかこの学校金髪いいんですの? おほほほほ。


「すごい髪の毛してるなー」


 ひかりが二階堂さんの髪の毛を、ビヨンビヨンと引っ張って遊び始めた。何それ面白そうだから私もやりたい。


「ちょっとあなた! やめなさい!」


 なんかもう、大変な自然教室になりそうな予感がする・・・。


「花恋ちゃん。二階堂さんってお嬢様なの?」


「そうだよ。お城みたいな家に住んでるの!」


 やっぱお嬢様かー。そしてお城かー。ちょっと気になる。


「なんでお嬢様がこの高校にいるの?」


 ここ、普通の私立高校なんだけど。


「わたくしのお母様が、理事長と話をつけて入学させてもらいましたの」


 ほえー。いわゆる裏口入学ってやつ?

 アニメみたいなことが現実にもあるのか・・・。金髪も特別に許可されてそう。


「それでなんでこの高校に?」


「そんなの決まってますわ! 花恋さんもこの高校に行くことになったからですわ!」


 決まってるんだ・・・。

 そんなわがまま一つで入学できるの? お嬢様パワーすごいな。

 花恋ちゃんをチラッと見ると苦笑いしていた。


「わたくしが花恋さんと離れ離れになるなんて、考えられませんもの。そうですわよね花恋さん!」


 そう言いながら花恋ちゃんに頬擦りしている。


「や、やめてよ咲蘭さらちゃん。恥ずかしいから」


 癒し系ドールの花恋ちゃんだけど、二階堂さんから奪ったりしたらめんどくさそうだし、あんまり関わらないようにしよう。


「ま、まぁよろしくね二階堂さん」


「そういえばあなた、ソフトテニス部に入っていると聞きましたわ」


 よろしくされなかった。


「そうだけどそれが何?」


「花恋さんもソフトテニス部ですし、わたくしも入部しようかと思ってますのよ」


 すみません、花恋ちゃんはお渡ししますので、どうか入らないでください・・・。


「え? そうなの咲蘭さらちゃん?」


「えぇ! ソフトテニス部に入部すれば、花恋さんと過ごす時間も増えますわ!」


 うふふふふ。ソフトテニス部やめようかしら。


「でも咲蘭さらちゃん。運動苦手だけど大丈夫なの?」


「問題ないですわ! 花恋さんがいますもの!」


 どう問題ないのか教えてほしい。


「でも、咲蘭さらちゃんが入ってくれるなら、もっと楽しくなりそうだから嬉しいな! だよねさくらちゃん!」


 全然嬉しくないよ!? なんて言えない・・・。


「う、うん。そう・・・だね・・・」


「嬉しいだなんて花恋さん・・・! そうと決まれば、早速お母様にお願いしてみますわね!」


 これ確実に入るやつじゃないですか・・・。勘弁してくださいまし・・・。


「なーなー。代表者決めなくていいのかー?」


 そういえばそうだった。

 代表者とか絶対めんどくさいからやりたくない。


「私はまとめるのとか苦手だから、他の人にやってほしいかなー」


 こういうのは先に断っておくのが大事なのだ!


「わたしもやらないからよろしくー」


 ひかりもやりたがるわけがなく、私に続き断る。

 となると、花恋ちゃんか二階堂さんのどちらかになるが・・・。


「では、わたくしがやって差し上げますわ!」


 なんかそんなこと言いそうな気がしたんだよなぁ・・・。


咲蘭さらちゃん本当に大丈夫? いつも方向間違えたり、遊びに行くときに電車乗り間違えそうになったりするけど・・・」


 そ、それはまずいのでは・・・。


「うぐっ! だ、大丈夫ですわ! 方向間違えるのはたまにですし、電車については車で移動してることが多いので慣れてないだけですわ!」


 ダメだ。絶対危険だ。私の危険レーダーが最大値で作動している。


「じゃあ、花恋ちゃんが代表者ってことで」


 ひかりも危険を察知したのか頷いている。


「なんでですの! わたくしで大丈夫ですわ! わたくしに任せていただければ完璧にこなしてみせますわ!」


 非常に申し訳ないのですが、心配でしかありませんわ!


「ほら、花恋ちゃんを代表者にして、困ったときに二階堂さんが助けてあげればいいんじゃない? 私より二階堂さんの方が助けになると思うし!」


 お願いだからこれで納得してくれ。


「なるほど。それもそうですわね! さくらさん、あなたよく分かってますわね! それなら花恋さんに代表者をやっていただきましょう!」


 ふぅ。助かった・・・。


「じゃあ、先生に報告してくるね!」


「待ってください花恋さん! わたくしも行きますわ!」


 なんか美桜ちゃんのお嬢様バージョンみたいな子だな。

 色々と不安になってくる。


「ねぇ、ひかり」


「なんだー?」


「自然教室大丈夫かな?」


「知らん」


「・・・だよね」


 はぁ・・・。何事もなく無事に終わりますように。

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