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恋の案内人  作者: 翁
出会い
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8.指切りげんまん

 どうしてこんなことになってしまったんだ・・・。

 ラケットのことをうさぎ先輩に聞いたものの、一緒に買いに行くことに。

 どれを買えばいいのか教えてもらって、休みの日にひかりでも誘って行こうと思ったんだけどなぁ・・・。

 ・・・ひかりが一緒に行ってくれるかは微妙だけど。

 せっかくの休みだし、悪いですよと遠回し気味に断ったんだけど、うさぎ先輩の押しに負けてしまった・・・。

 あんなにお願いされたら断るのは無理だ。


「──ほら、でもさ! ラケットの種類とかさっぱり分からないでしょ? 私がいればそういう心配とかないし!」


「いや・・・でも・・・」


「私と一緒に行くの嫌・・・かな・・・?」


 上目遣いで聞いてくる。

 そう言われると断れない・・、。


「別に嫌ってわけじゃないんですけど・・・」


「じゃあ一緒に行こ! お願い!!! おーねーがーいー!」


 とまぁ、こんな感じでお願いされ、一緒に行くことになったというわけで・・・。

 あの時のうさぎ先輩は、欲しい物を買ってもらえない子供のようだった。

 そんなやりとりを思い出していると、白いボールが横を通りすぎる。


「こらー! ボケっとしない!」


 球出しをしている先輩に注意されてしまった。

 すいませんと謝り、列の最後尾へ移動する。

 うーん・・・。困ったなぁ・・・。

 部活初日だというのにどうにも身が入らない。


 ボールを打つうさぎ先輩を見る。

 楽しみにしているうさぎ先輩を見たからには今更断れないし・・・。

 これがくぼちゃんが言ってた、うさぎ先輩と仲良くなれってやつなのかな?

 もしかして、この流れって必然だったりするの? だとしたらいよいよくぼちゃんが何者か分からなくなる・・・。

 案内人と言っても運命まで操れるわけではないよね・・・? そうだよね?

 でも、約束しちゃったからには行かないとダメか・・・。指切りまでさせられたし。


「──じゃあ約束だからね! 絶対だよ! はい、指切りげんまん!」


 指切りげんまんとかいつ以来ってなるぐらい、久々にした気がする。

 なんか所々、うさぎ先輩は幼い所がある。


「・・・ちゃん? ・・・桜ちゃん!」


 急にうさぎ先輩に名前を呼ばれる。


「桜ちゃんの番だよ!」


「あっ・・・、すいません」


 ・・・今は部活に集中しよう。



 ──翌日


「桜ちゃん」


 部活が終わり部室に戻って着替え終わった所で、うさぎ先輩に声を掛けられる。


「お疲れ様です」


「お疲れ様。明日のことなんだけどさ、待ち合わせの時間とかどうしよっか」


 あぁ、もう明日か・・・。

 何時でもいいんだけどなぁ。


「私は何時でもいいですよ」


「じゃあ、駅前の時計広場に11時とかでいい? モールの中のスポーツショップでラケット見よう」


「わかりました」


「あの、さ・・・」


 急に先輩が体を右に左にと揺らしながらモジモジし始める。え、何? 私、告白でもされるの?

 断りの返事はなんて言おうかしらとそのあとの言葉を待つ。


「・・・午後も特に予定ないなら、ご飯とかどうかな?」


 どうやら告白はお預けらしい。

 人生で初めて告白されると思ったのになぁ。残念。

 冗談はさておき、ラケット見たりしてそれが終わる頃にはちょうどお昼時か。ご飯食べるぐらいならいいかな。


「いいですけど」


 そう答えるとうさぎ先輩が笑顔になり、喜んでいるのが伝わってくる。


「明日楽しみにしてるね!」


「はい。お先に失礼します」


 うさぎ先輩に挨拶をして部室を出る。

 すると、部室を出てすぐに大きな声でやったーと大きな声が聞こえてくる。・・・聞かなかったことにしておこう。

 あんなに楽しみにされるとなんかプレッシャーが・・・。


「明日大丈夫かな。色々と」


 不安な気持ちになりながら私は学校をあとにした。

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