29.花火大会前日 高橋花恋の場合
──コンコン
「花恋? 入るよー。・・・おやおやー? 浴衣なんて着てどうしたの?」
「お姉ちゃん! 返事する前に入ってこないでよ!」
「いいじゃないのー。ちゃんとノックはしたんだからさ。そんなことよりお祭りでも行くの?」
「うん。明日、花火大会行くんだー」
花火大会か・・・。近くで花火大会なんてあったっけ?
「どこの花火大会行くの?」
「江戸川だよ」
江戸川かー。随分遠くまで行くんだね。
それにしても、前日に浴衣のチェックだなんて・・・。
「さては彼氏でもできたのかー? このこのー!」
「ちっ、違うから! 部活の友達と先輩!」
「なーんだ。つまんないのっ」
せっかく恋バナできると思ったのになぁ!
もし彼氏が出来てもその男はタダじゃおかないんだけどね!
「もうっ! からかうんだったら出てってよ!」
ありゃりゃ。最近の花恋は反抗期なのかしらね。お姉ちゃん寂しい。しくしくー。
「あっ。そうだ。ちょっと待っててね」
私は部屋にある物を取りに戻る。
可愛い妹にプレゼントでもしてあげようじゃないか。
なんて妹想いのお姉ちゃんなんだろ!
「お待たせー。はいこれっ」
「何これ?」
「髪飾りだよ。花恋に似合うと思うからあげる」
私は花恋に髪飾りをつけてあげた。
うーむ。なかなかどうして。
「ほら可愛い。浴衣にピッタリだね!」
「もらっていいの?」
「いいよ。もう私はつけないし」
「ありがとうお姉ちゃん!」
嬉しかったのか、私に抱きついてきた。
花恋ったら本当に可愛い! 彼氏作ったら許さないからね!
「楽しんでおいで。写真楽しみにしてるから」
「うん!」
うんうん。
青春してるねー! 楽しそうで何より!




