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引っ越し作業と今後について

更新遅れまして申し訳ありません。

ちょっとリアルの方で色々……ってのは言い訳になっちゃうので、これからも精進出来るように頑張ります。

今後ともよしなに。

  カリア村の村人たちが移住を決めた翌日。


  俺は彼らの引っ越しの手伝いをしていた。数の少ない村人たちだけならば馬車も行けるらしいが、引っ越しともなると家具や農作業の道具など、運ぶものも多くなる。地道に馬車で往復を繰り返していたら日が暮れてしまうので、俺が手伝いに来た、という訳だ。


  とは言っても、実際に荷物を運ぶのは俺では無い。森の動物たちに運んでもらっている。俺がみんなに手伝いを頼んだら、一も二もなく快く引き受けてくれた。クマが4頭、馬が2頭、ワシが2羽とサルが3匹。そしてうさぎさんが3匹。一生懸命なのが可愛い。


 彼らがが手分けして運んでくれたお陰で、とても楽だ。


「ミヤビ、ありがとさん。動物ってのはやっぱり凄いな。クマなんて一頭で2つも荷台を引いてるぜ? お陰様ですぐに引っ越し終わりそうだ。もしかしたら日が昇るまでに終わるかもな」

「おう。うちの森にはパワー自慢もいるからな。サルたちには悪いが身軽なあいつらには往復して運んでもらわないと」

「しっかり後で労ってやれよ? 部下の体調把握も大切な上司の仕事のうちだぜ?」

「そうだな。あとで動物たち用の住処作りでもするかなぁ」


  動物たちの住処……藁とか天然で作るのがいいかもな。ついでに、昔行った動物園みたいに立体的にするのもありか?ついでに近くに川を引いて川辺を作るのもアリだな。


  そんな風に動物たちの居住地を思案していると、元気な声と、対照的な焦ったような声が聞こえてきた。


「ヨシヨシ。荷物重いけど頑張ってー!うわ~!もふもふしてるぅー」

「ソーラ、流石にクマを撫でるのは危なく無いか!?ちょっと一旦離れてくれー!!」

「クマさん手までもふもふしてる。これ耳ももふもふで気持ちいいよエリスー!」

「ってクマが立ったぁ!! 逃げて逃げて、ソーラ逃げてー!?」

「キャッ!って、乗せてくれるの?ありがとう!」


「お前はターザンかよっ」


  おっと、思わず突っ込んでしまった。それにしても騒がしい連中だな。うちのクマはお前らを襲ってりしないっての。その辺りはしっかり教え込んであるから安心しろ、エリス。というかエリスが苦労人すぎてちょっと哀れに思う。


「おいミヤビ! 私に哀れみの視線を向けるんじゃない!!」

「うるせぇー! お前を見てると何だかシンパシーを感じるんだよ。天然の相手って大変だよな。その苦労は俺も幼馴染にどが付くほどの天然居たからその気持ち凄くわかるぞ」


  そうなんだよなあ。 日本での幼馴染にいたんだよなぁ。ど天然が。びっくりするほど天然な奴って、クラスに一人はいるよな。俺の場合は天然というか純粋で、中学に入ってもサンタさんを信じてたり、猫や犬と会話が出来ると思ってる奴だった。動物とは意外と話せてたのが笑える。会話が成立してたかは本人しか知りえないが。


「ミヤビも同志だったか……じゃなくて、あのクマって安全なんだろうね」

「大丈夫だ。基本的に人は襲わないように教育している。安全性は抜かりない」

「ならいいが……それでもやっぱり怖いな。クマというものは」

「見た目がアレだからまぁ怖いってのは分かる。話した時は2頭ともいい奴だったから大丈夫だ」


  俺がそう口にすると、今度はエリスから憐憫の意が込もった眼差しを向けられた。


「クマと話した……? ミヤビ、気は確かか?」

「おい。俺はこれでも森の守護者何だぞ?動物と話せたって別におかしくないだろ」

「あれ本当だったのか!? てっきり冗談かと……」

「失礼だなおい。冗談じゃねえよ。この土地を『再生』させたって言ったよな?」

「いや、あの時はそんな歳で可哀想な奴だ、と思いながら聞いていたが、本当だったのか……」

「エリスお前、後で呼び出しな」


  誰が可哀想な奴だまったく……。哀れなのはお前だけで十分だっての。俺まで仲間に加えないで欲しいね。


  その後は引っ越し作業が終わるまで、街のこれからに関する話を相談し合った。

  ……悔しいが、エリス相手だとどうにも話しやすい。街の発展に関する話はこいつとするか。失礼だが、村長よりもまともな考えを持ってる奴っぽいし。頼りになる故に苦労するだろうな。こいつも大変だ。


 ------------------------


  早朝から始めていた引っ越し作業は、日が完全に登りきる前に村人全員分が完了した。ちなみに、彼らが住むのは南側にあたる地区で、農業区画にするつもりだ。


 また、俺自身はあまり働いていないが、動物たちに頑張って貰った。……サボってはいない。これからの方針について話し合ってただけだ。サボってないと言ったらないのだ。ちなみに、頑張ってくれた動物たちにはエリネに集めて貰っていた食べ物をプレゼントしておいた。ギブアンドテイクって感じだな。


 ……人から貰ったもので労働力を得るってどうなんだろう。人間として。


「みんな聞いてくれ! まずは引っ越し、お疲れ様。今から前回絶賛してくれたリンゴを配布する。そして俺が作ったリンゴジュースもある。どっちも美味い。しばらく寛いでてくれ!」

「「「「おおー!!」」」」


  街の中心部にあたる広場にて引っ越しの完了宣言を出す。午後からはみんなに仕事を振り分けていくつもりだ。

  例えば、村長が引っ越し祝いの宴会をしようと言い出したので村の狩人たちには動物狩りを頼んでいる。森の動物たちが死ぬのは申し訳ない気もするが、これが自然の摂理というものだ。ならば目を瞑るしかない。ちなみに、さっき手伝って貰った動物たちは、『森林お守り隊』と称した労働力となるので、分かりやすいように、背中に革製のリュックを持たせている。時々収集した食料や森で取れる素材を届けてきてくれる。優秀だ。

  他には、女衆や子供たちには木の実や果実の採集、若い衆には魚捕りなども依頼している。


  そして、もう1つ大事な仕事がある。それは農地の確保、および整備だ。これは専門知識のある農夫たちに手伝って貰う。川を引いてくる作業などは俺とエリネで請け負う。農地の確保は絶対にしておかないと、食料の安定供給ができない。だから、ここが一番大事な仕事だ。そのことを農夫連中に伝えると、


「おう!任せときな。村の時は納得いく作物を作れなかったからな。今度こそ質のいいモンを作ってみせるぜ!!」


  と意気込んでいた。頼もしい限りだ。やはり痩せてしまった土地では満足のいくものを作れなかったそうで、両の眼に決意の炎を宿していた。しかも全員。だったらこっちも全力でサポートしないとな。


  俺は、広場から聞こえる「やっぱりここのリンゴうめー!」とか「ジュース甘くて美味しいね、お母さん」とか「美味しいです〜」と無邪気にはしゃぐ子供たち……とそこに混じるソーラの声を聞きつつ、


「……よし。俺ももっと頑張らなくちゃな!」


  と、気合を入れ直すのであった。

少しでも面白いと感じて頂けたら、

ブックマークや評価、感想などよろしくお願いします。

作者は狂喜乱舞します。

(そしてモチベが右肩上がりになります)

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