勇者を探しに
諸用で最近の更新が遅れ気味です。本当に申し訳ない……なので土日に頑張ります!
応援よろしくお願いします。
宿屋の一室で目を覚ます。朝の日差しが心地よい。二階なので尚更。ここの宿は城壁から離れているので、ちゃんと朝の日差しを感じられるのだ。
そんな好立地の割に安かったので助かった。一泊で一人当たり大銀貨2枚だった。5人なので一1日で小金貨一枚だ。
ちなみに、部屋は男女で分けてそれぞれ二人部屋だった。エリネはロリなので大丈夫だろうというわけだ。それを言ったら髪の毛の毛先を焼かれた。本当にビビった。ロリって言うのは出来るだけ控えようかな……
さて。今日は特にすることが無いんだが、どうしようか。
取り敢えず合流してから決めよう。ジルを起こした後、それぞれ支度をして下へ降りる。
「おはよっ、早いね」
そこにはソーラがいた。一人で先にテーブルの準備をしてくれていた。エリスたちとは一緒じゃないんだな。
「そっちこそ。エリネとエリスはどうした? まだ部屋にいるのか?」
「うん。私だけ早く支度が出来ちゃったから先に朝食準備をしとこうと思って」
「ありがとな」
「えへへ」
その後は全員が降りてくるまで雑談に興じていた。
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全員が降りてきたので朝食を取り、宿を出る。この後4日分は予約しているので出ていても大丈夫だ。ちなみに朝食の小さな鮭みたいなのが美味しかった。
話し合った結果、今日は勇者について探ることにした。みんなには俺が異世界人であることを言っていないけど、今回、勇者を見つけたときにでも話そうかな、と思っている。
「じゃあ勇者について聞き込みをするんだね?」
「そうだ。まぁ有名人だし、30分後くらいに冒険者ギルドに集合でいいか?」
「分かった。ソーラ行くぞ」
「あ、エリス待ってよ!」
何だか騒がしい二人とは別の方向へ歩き出す。調査、開始だ。気分は探偵さ。
という訳で早速意気込んでは見たものの、一人目で大方分かった。気を取り直してどんどん聞き込みを進めていく。
「なんか、もう一回聞いたことばっかりだな」
「有名人の割に情報が少ないんじゃろうな」
「勇者とかあんまり興味無いんだけど……」
最後に要らない一言を言ったジルの頭を軽く叩いた後、時間になったので冒険者ギルドに集まる。
「あ、来たきた」
「こっちは収穫あったけどそっちは?」
「多分ミヤビたちのと似たような情報だろう。30分にしては充分な量だと思うがな」
お互いに集めた情報を集約するとこうだ。
・「勇者」は国から任命された正式なものではない
・この世界では珍しい黒髪黒目の女性
・変わった服装で、得物は太刀。
・異世界召喚が行われた訳では無い
・4人パーティーを組んでいる
という情報。前二つの情報からして、日本人である可能性はあり得る。太刀使いだから、尚更だ。また、パーティーメンバーの情報も少しだけ。
エルフの少年の弓使いに、魔道士の少女、そしてドワーフの男戦士の3人と勇者だ。
後衛である弓使いは補助魔法、魔道士は回復をこなして、前衛である戦士と勇者が前線で戦う、という何ともRPGみたいな人たちだった。
というか異種属混合なんだな。エルフとドワーフって仲が悪そうなイメージあったけど、そんなことも無さそう?
最後にもう一つだけ情報がある。
「勇者は今、迷宮に挑戦中らしい」
勇者はこの王都近郊にある地下迷宮、いわゆるダンジョンへ潜っているらしい。ダンジョンは下へ行くほど難しくなっていく構造で、魔物もより強力となっていく。
その分、地上より良質な素材が獲れるものが多いらしい。
「じゃあ、その迷宮に行くのか?」
「そうとも。勇者を探すついでに冒険者ランクも上げられ、かつ金も稼げる。メリットだらけだ。だから、ちょっとポーションとかだけ買ってから行こうと思ってる」
「えー、疲れるから嫌なんだが」
駄々を捏ねるジルに魔法の言葉を紡ぐ。
「迷宮って地上にはない鉱石があるんだってよ」
「マジか!? じゃあ行く!」
ジルのあまりの変貌ぶりに女性陣がちょっと引いている。まぁ自称考古学者なら、自分にとって未知の功績には興味を惹かれるわな。その知的好奇心をちょいと刺激すればこいつはちょろいのだ。
他のメンバーは快く賛成してくれたので、ポーションなどの道具類を購入して、迷宮行きの馬車に乗る。カリア村で使ってたものよりは楽だったけど、正直誤差だった。
「あぁー、気持ちわる」
「ミヤビ、大丈夫か? 早めに馬車には慣れるべきじゃぞ」
「そうは言ったってなー。なんで俺以外全員平気なんだよ……」
俺以外は乗る前とたいして変わらない顔色で出てきた。すげぇな、こっちの世界の人。
何とか立ち直って、迷宮の入り口を見る。石造りのアーチがあって、開けられたままになっている。入りたきゃご自由に、ってところか。近くには救護室みたいなところもあって、中々設備が整っていた。
道具屋はこっちにもありましたとさ。
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相談の結果、最初は全員で潜ることに。敵の強さ次第でこれからどこまで進むかなどを決める。まだ強さの指標が何もないからな。
「じゃあ迷宮探索、行くぞ!」
「「「「おー!!」」」」
みんなが手を上げて気合を入れる。元気とノリのいい奴らだな。ちなみに、エリネは手を上げても俺の身長に届きませんでした。
迷宮へ一歩を踏み出すと、空気が変わった。正確には魔力の濃さが上がったのだ。全員に軽い緊張が走る。十階層までは罠などは無いらしいので、警戒するべきは魔物のみ。索敵はエリネの役。魔力量の多い女神様が魔力を薄く広げ、それにぶつかったものを感知する技術だそう。練習すれば誰でも使えるらしい。ソーラも使えるが、エリネのが優秀だった。
年下(だと思っている)に負けて、ソーラが悔しそうにしていたので励ましておいた。メンタルケアって意外と大事なんだよ。
役割振り分けとしては、後衛がエリネ&ジル、中衛としてソーラ、前衛が俺とエリスだ。ちなみにジルは道具持ちや地図確認の役だ。一応土魔法なら使えるとのことで後衛だ。
「む、そこの角から魔物じゃ。ゴブリンが2匹じゃな。どちらも素手みたいじゃな」
「正確すぎだろ、お前の魔力感知……」
流石の女神様に少し呆れながら魔物を警戒する。
「取り敢えず俺とエリスで行く。魔法組は待機で」
「分かった」「了解じゃ」
俺はもう使い慣れた剣を抜く。転生補正なのか、手に馴染むまでが早かった。もうそれなりには扱える自信がある。
角から歩いてゴブリンへと斬りかかる。黒の侵食の魔物たちに比べて圧倒的に弱い。全然余裕がある。
「よし、どんどん行こうぜ」
迷宮の奥深くへ潜っていく。
勇者に会えるまで頑張らないとな。
次回、Twitterで募集した博多弁のキャラクターが出ます。頑張ってなろうで博多弁を流行らせるべく頑張ります!
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