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転生先と能力確認

2話目〜♪

本編で重要となる主人公の能力が分かります!

最後まで見てくださいね。


 しばしの間、浮遊感に襲われたが、すぐにそれも落ち着く。 


  ゆっくりと目を開けると、そこは……


「え? どゆこと?」


 ……荒れ果て、黒く腐食した大地が広がっていた。


「もしかして過酷系のスタートか? これ」


 だとしたら嫌だなー。ラノベを見ていても、こういう時は大体サバイバルを強いられる。黒い大地とか、いかにも魔物の陣地ど真ん中とかっぽい。十分にあり得る展開だがさて、どうしようか。


「とりあえず、ステータス見るっきゃないだろ!」


 ステータス確認。これが俺のこれからを大きく左右するのだ。どんな内容だろうか。なにか良さげなチートが欲しいなぁ。でも何だろうな。とりあえず、この状況を切り抜けれそうな奴であってくれと願う。

 やっぱり魔力チートかな? それとも剣術? 出来れば魔法関連がいいな。ロマンがある。もしかしたら生産系のチート? いや、頭脳チートってのも悪くないなぁ。一見すると外れだけど、っていう成り上がり展開も捨てがたい。


「でもどうやって見るんだろ? ファンタジーじゃお馴染みのあのセリフか?」


 というか他に思いつかない。違ったら、開けゴマでも試すか?


「ステータスオープン!」


 ポク、ポク、ポク、チーン。


 木魚が叩かれる音を錯覚させるかのような間があったが、それらしいものは出てこなかった。


「あれれ? おっかしいなー。やっぱり『開けゴマ』か?」


 俺がそう口にした時。左手首が急に発光した。光ったというか、正確にはホログラムのようなものが表示された。


「ホラグラムって……なんで現代風なのに、なんで合言葉が開けゴマなんだよ……」


 ア○ババか! と心の中でツッコミを入れ、何とかステータスは表示出来たのでそちらに視線を落とす。


 ------------------------


 名前:森野雅

 職業:森の守護者

 称号: 『元素を操りし者(エレメンタルマスター)

 :『精霊を従えし者(スピリットマスター)


 魔法:『再生』『創造』


 ------------------------


「わぁお!」


 思わず飛び跳ねてしまった。何だか予想していたより良さげだ。しっかし、『森の守護者』ってのはどういうことだ? 流石にアバウトじゃありません? それに森……森……森……。 ……森、どこ?


 その疑問に答えるかのように、天から純白の光の柱が降りてきた。もしかして、俺が来た時もこんな感じだったんだろうか。だとしたらちょっと恥ずかしい。なんというか、大げさだ。


 すぐに光は引き、中からエリネが出てきた。彼女の服装はさっきと変わっていない。


「お、早速ステータスを見れておるようじゃな。ステータスの開け方は日本でのお馴染みにしておいたぞ」


 ドヤ顔でサイズはそれなりな胸を張るエリネ。


「いやどこがお馴染みなんだよ。開けゴマって発祥はアラ○アンナイトだろうが。日本でも有名だが、お馴染みってほどじゃないだろ」

「……それはさておき、お主の能力、いわゆるチートの解説をするのじゃ」

「いやおい。……まぁいいや、続けてくれ」

「まず職業。森の守護者じゃ。ざっくり言うとその名の通り、森の守護者じゃ」

「本当にざっくりだな。でも、ここは大地も腐ってる? みたいだし、森なんてどこにもないぞ?」

「だから、()()()()()のじゃ」

「え」


 おーいおいおいエリネさん、冗談きついって。こっから森を作るなんて無理だろ。別の場所にでも行くのかね。


「ん? 何を言っておる。ここで作るんじゃと言っておろうが」

「……なぁ、今言うことじゃないかもだが、心を読むのっておまえの固有スキルかなんかか?」

「わらわの特殊なスキルみたいな奴じゃ。と言っても、天界におる神なら全員が持っておるがの」


 なにそれ便利〜。でも、あんまし心って読まれて嬉しいもんじゃねえし、できればやめて欲しいものだが……


「そうじゃな。じゃあ少なくとも地上では『心眼』を使うのはやめておくか」

「……そうしてくれ」


 あそっか。今のも読まれてたのか。



 って、心眼!? 何だよそれカッコいい。だけど、心を何でもかんでも読まれても面白くないし、いつでも思考が筒抜けなよりかは幾分もマシだ。


 心眼を切ったらしいエリネがパンッ、と柏手を打って脱線していた話を元に戻す。


「さて、聞きたいこととはなんじゃ?」


 聞きたいことだらけだわっ!! というツッコミの衝動を抑え、質問をする。


「まず……ここどこだよっ! 何でいきなり荒れ地なんだよ! いかにもこう、強力な魔物とか出そうじゃん?」


 ちょっとだけ衝動がはみ出てしまい、疑問を全力で身振り手振りを交えて言う。この慌てっぷりがおもしろかったのか、


w「ははは、それは心配し過ぎじゃ。わらわの神気で魔物なぞ近寄れんのじゃ。今のお主は中々おもしろかったぞ? クスクス……」

「笑いすぎだっての。で、何でこんな荒れ地なんだよ?」


 最もな疑問をぶつける。何で自分も降りてくるのにわざわざ過酷な荒れ地から始めさせるんだ。ちょっとばかし酷くないか?


「何故? そんなの決まっておるじゃろう。お主にこの大地を開拓してもらうためじゃ」

「え? 今なんと……」

「だーかーらー、ミヤビにこの大地を開拓してもらうためじゃ。まずはこの腐食を取り除くところからかの」

「えぇええええええええええ!!!!」


 確かにさっき森を作るとか聞こえたけどさ、ここに作るのかよ! 思ってたよりめんどくさそうなんだけど……


 ーーーーーーーーーー


「––––––と、言うわけじゃ」

「はぁ、どうしてこうなった……」


 その後俺は説明を受けた。開拓の理由、それはふざけたことに、エリネの気まぐれらしい。


 幾度か日本人の転生を行ってきたエリネだが、皆同じような要望を言って転生していったらしい。やれ剣豪にしてくれだの、やれ賢者になりたいだの、やれ勇者でハーレム生活を送りたいだの。みんな戦闘系や異性に関するチートばっかりを選んでいったそう。


 そんな中、エリネに気に入られた俺が言ったセリフを思い出して欲しい。俺は何と言ったか。そう、『魔法が発展した世界に行きたい』と。俺は転生予定者の中で唯一、正確な願いを口にしなかったのだ。何という凡ミス!


 また、もう一つの理由として、『わらわが気に入った者が作る国。いや、世界が見てみたいんじゃ』とのこと。エリネは自然や命を司る神らしく、ここで豊かな緑を取り戻し、この荒れ地を発展させて欲しい、とのことだった。あとなんか知らんけど俺はエリネのお気に入りらしい。


「ホレホレ、もしかしたら集まった国民からハーレムを作れるかも知れぬぞ? この世界には、獣族や竜族などの変わった種族もおるしの」

「ケモミミ!? もしかしなくてもケモミミ美少女がいるのか!? ならこの世界でも全然オッケーだ!!」

「よし、それで決まりじゃな。 ……こいつチョロいけど大丈夫かのぉ」


 なんだか口車に乗せられている気がしないことも無いが、ケモミミ美少女がいるというなら話は別。一度モフって見たかったんだよな。まさにロマン。


「よーし、そうと決まれば、早速開拓を始めようじゃないか!! ……ってどうすればいいんだ?」

「まったくお主という奴は勢いで物事を進めようとする……ミヤビの職業は森の守護者。その固有魔法としてあるじゃろう?『再生』の魔法が」


 確かにあった。『再生』の魔法。特に記載がされているわけでも無く、詳細が分からない。エリネに目線で問う。


「身体の中にいつもと違う、血が流れているみたいな新しい感覚があるじゃろう? それが魔力じゃ。魔力を動かして指先に。そして大地に触れて見よ」

「こうして……こうか?」


 身体を流れる血液を、自ら操作しているような感覚。なんかゾッとするような気がしないでもない。自分の中を駆け巡る力を人差し指に集め、腐食した大地に触れる。




 瞬間。




 暖かな風が周囲に吹き込む。俺を中心に、風が広がる。

 その風が吹いた後には荒れ果てた土地など見る影も無く。白や黄色の花が咲く、緑の茂った美しい草原が出来上がった。


「なん、じゃ、こりゃ!?」

「これが、お主の魔法『再生』。触れた物の時を戻す。お主は生き返らせたのじゃ。この、大地の()()を」

「俺が……これを?」

「信じられぬか。ではあっちを見たら分かろう。まだまだ荒れ果てた土地は残っておる。それこそ世界中にな。その世界を生き返らせ、お主の力で統一するのじゃ。それがお主の目標にあたる。出来るか?」

「……ははっ。俺って出来るんだな。こんなこと。よぉし! こうなったら建国でも統治でも何でもやってやる!」

「頼もしい限りじゃ」



 かくして、俺の奇妙な能力を駆使した建国が始まったのだ。


 

少しでもいいな、と思ってくださったそこの貴方!

是非ともブックマーク等をよろしくお願いします。

作者は狂喜乱舞します。

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