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閑話休題:エリネの日記帳

閑話休題。一章が終わったので。

今回はエリネ視点です。

「そういえば私、暮らすところがありませんでした」


 そう言ったベルは街の仲間へと加わることになった。歓迎会を兼ねた宴会がいつもの広場で開かれ、街の人々のほとんど全員が宴会に参加していた。元村長であるベアート曰く、


「新しい住人を歓迎するには当然だろ?しかもそれが伝説の緑龍となれば、光栄の極みってな。ガッハッハ!」


 とのこと。光栄の極みとかカッコいい事を言って豪快に笑うべアート。その顔は既に酔いが回って真っ赤になっていた。


 そんな宴会じゃが、わらわは早期離脱を決め込んでいた。前回、酔いすぎて舌が回らず、解毒魔法すら唱えられなかったという失態があったものじゃから、それを繰り返さない為。

 もう一つ理由はある。それは、わらわがいると、ワイド(ロリコン)が手に終えなくなるからじゃ。酔った勢いで追いかけてくる姿は恐怖そのものじゃった。下界の魔獣などは見たことがあるが、そのどれよりも恐ろしかったと言えよう。執着心がとてつもなかったので気絶させた後、ここに逃げ込んだという訳じゃ。



 時折届いてくる参加者たちの笑い声。わらわは自室にていつもの日課を行なっていた。それは、日記を付けることだ。日記帳には、その日その日に起きた出来事をわらわの主観で書き連ねている。


 何から書くべきか。今日はたくさんの出来事があった。ソーラが尋ねて来た事に始まり、ニートな考古学者であるジルとの出会い。その後には魔物と出会った。荒野の侵食を発見して、その根源となっていた屍龍を倒して緑龍に戻した。

 更には霊樹を若木として復活させた。最後にベルフェリアを街の仲間に加えた。


 文字数で言うと1万字近くの内容を、1日に詰めるとは少々やり過ぎじゃないか?作者よ。


 やはり、最初から順に書いていくべきか。


 そう思い、羽ペンを動かす。


『転生35日目。

 今日は朝からソーラが家に来ていた。相談があると言っておったが、まさか無職だとカミングアウトされるとは思わなかった。一緒に来ていたジルも自称考古学者の無職だったものじゃから、ちょっぴり哀れに感じたのじゃ。


 その後は魔物と遭遇した。血の猟犬(ドレッドハウンド)が三匹ほどじゃったが、わらわの威光に怯えておったわ!いくら黒の侵食(ブラックアウト)した魔物でも、女神様には敵わんのじゃよ!


 ここから北、森の奥へ進んで行くとクレーターがあって、その中心には、闇堕ちしたベルフェリアがいた。鮮やかな緑色の鱗も黒く染まっておった。屍龍、と呼ばれた奴は、戦闘の末に、ミヤビが『再生』させおった。幾らわらわの加護があっても、そこまでの芸当を見せてくれたミヤビは凄いやつじゃ。直後に魔力切れで動けなくなった所をベルに助けられておったがな。せめて最後まで格好つけて欲しかったのじゃ。


 ベルの人型の時を見たミヤビの顔は忘れられん。ポカーンと大口開けておったわ。あんなに呆けた顔は中々見られんじゃろうな。


 そんな1日の締めくくりは、宴会じゃった。村人総出で開催していたものじゃから参加したかったが、前回酔い潰れたので自重するに至った。酔ったロリコンどもも寄ってくるので、大変じゃった。じゃから今こうして自室に篭って日記を書いているのじゃ。


 ちょっとずつ酒への耐性を付けていきたいものじゃ』


 そこまで書き終えた所で羽ペンを置く。うーん、と両腕を目一杯に伸ばす。


「うむ。中々満足な出来栄えじゃな。いつもよりも長かったがまぁいいんじゃろう。それだけ思い出が増えた、ということじゃからな」


 わらわは自室で一人うなずく。すると、不意に空腹感が襲って来た。


 グゥー


 恥ずかしくて思わず顔を赤くして周囲を見渡すが、もちろん誰も居ない。お腹を押さえながら考える。


「うーむ、小腹が空いたが、どうしたものか。こっそりミヤビにでも取ってきて貰うのがいいじゃろうか?」


 ロリコンどもがまだ倒れていれば話は別なのじゃがなぁ。急いで行って取ってくるしかあるまい。


「まぁ何とかなるじゃろう!」



 食べ物の誘惑に勝てず、お気楽さを身に纏って部屋の外へ出た女神様は、結局広場で酔い潰れたのだった。

閑話休題、いかがだったでしょうか。

一章は転生〜屍龍編でした。

二章からはついに森の外へ出て外交関係のことをしていきます。今からの街の発展は目まぐるしいですよ!乞うご期待。


これからも私、花依と拙作にお付き合いください。


少しでも面白いと感じて頂けたら、

ブックマークや評価、感想をよろしくお願いします。

もし増えてたら三色団子買います。(自分に)

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