表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

小田君とイトイ君

イトイ君のライバル、登場!!

その名は、小田君。

今日も学校だ、いんや、この扉を開ければ、そこは戦場だ。

僕は今、世界で一番開けるのが難しい扉と戦っている。

しかし、終戦はすぐに訪れた。小田君の声と共に。


「イトイく~ん。お・は・よ・う!」

はぁー、今日も平和な時は一瞬だったなぁ。

まさに刹那だ。

「どうしたの?扉の前でボーッと突っ立っちゃって」

原因はお前だよ!

そして僕の耳元で囁くんだ。

「早く入れよ、くずが」

あー、胃が痛い。キリキリする

言うとおりに、入って扉を占めれば一方的なデスゲームの始まりだ。

「どうしたよ、イトイ君?ちゃっちゃっと座りなよ」

そう言う小田君の顔からは、今にもニヤニヤがこぼれ落ちそうだ。小田君の声に促されながら席に着こうとした僕は椅子に視線を向けた。

まただよ、また。椅子の上に画鋲。

芸が無いったらありゃしない。

こんなのドラマの中だけの世界だと思ってたよ。

あ、後あれもそうだ。トイレの上から水かける奴。僕はまだ四回しかやられたことないけどさ、ドラマの見すぎだよ。

正直言うけどさ、あんなの屁とも思わないよ。

いや、びっくりはするさ、でもそれも四回ともなると足音でわかるよ。それにずっと水って(笑)。着替えちゃえば終わりじゃんか。俺なら唐辛子混ぜるとか考えるけどな。

それに、俺がトイレにいくのを後から追っかけるって、無駄な努力極まりないよね。

まぁ、そうはいっても画鋲の上に座れるほどの鋼鉄の尻を持っているわけではない。

なのでここは、はらうことにしよう。



ん?、、、ん?ん?ん?ん?

一度、小田君の顔を見てみる。

満面の笑みを浮かべる小田君。

「どうした?早く座れよ、座れるもんならな」

はぁー、これはご丁寧に馬鹿でもさすがに成長したようだ。

それにしても、ボンドって。

どうする?血まみれを覚悟で座るか?

(キーンコーンカーンコーン)

まさかのチャイム!

何てタイミングだよ。

「イトイくーん!!先生来ちゃうよ?」

「あ、後先生にいったら、わかってるよな?」

頭も痛くなってきた。

先生が入ってくる!!!


(キーンコーンカーンコーン)

「これで一時間目の授業を終わります」

帰ってく先生。

床に崩れる俺。

「よく耐えたねー!イトイくーん」

「まさか、授業丸々空気椅子でいるなんて」

「まぁ、筋トレになったし、良かったじゃんか」

「ってことで、後、四時間ガンバっ!」

地獄だ。

おーい、、、神様!見てますか?

正直マジでしんどいです。

てか、俺がもし、もしですよ。死んだときは天国行きでお願いしますねーー!

これで届いただろうか?

てかさ~、小田も、小田だ。もう、高2だよ、高2。

何てガキみたいなことやってんだって、心底思うよ。

僕は今日まで耐えてきた。

限界突破も突破だ。沸点ギリギリじゃなくて、とうの昔に越えてるんだよ。

振り切りマックスだ。

ただ、こういう時、つくづく思うことがある。何故、言い返さないのか、反撃しないのかと。やらっれぱなしでよく黙って耐えてられるなと。

これは僕に非がある。

怖いんだ、声をあげることが。

本当なら、周りが変わらなくたって声をあげ続けるべきなんだろう。

本当はそうしたい。いや、するべきなんだ。

するべきなんだが、やっぱり怖い。

これ以上酷くなってしまえば、それこそ、耐えられない。

だが、本当の所は全て言い訳だ。

どんだけ辛くたって、声をあげることによって、現状がより最悪なものになったとしても声をあげ続けるべきなのだ。

だが、結局はなんやかんや理由をつけて逃げているのだ。

だから、僕は考える。どうしたらいいのか、自分を守るために。

そして、頭の中でぼやきまくる。自我を維持するために。

だから、僕はこの後も耐え続けることだろう。 

とりあえず、後4セット乗り切りますか。

これが僕なりの唯一の小田君への反抗だ。


はぁー、これが終わったらスーパーにでも寄って帰ろ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ