67話〜雪山攻略。VSスノードラゴン〜
翌日。
「で、俺らは雪山登ってイエティマンモスと言う魔物を倒してくると」
「よーし、行ってこい」
雪山。
「魔法の力ってすげー」
「ちゃんと回路も発動してるな」
「大丈夫です。あまり寒くないです」
「さてと、とりあえずユウは魔法回路の認識はどんなもんだ?」
「無いと思っていて下さい」
「んじゃ、言っとくが、魔法回路っつーのは自身の魔力を受ける事で、刻印された回路の効果を発動させる。つまり、自身の状態に効果は影響されると言う事、意識飛んだら凍死するからな?」
「分かりました」
「まあ風穴くらいまでなら治してやる。服の穴と流れた血と血の汚れは無理だが」
「心強いですね」
「この町の偉大な魔法使い様に師事してるんで」
「なるほど」
「お前に負けてなきゃ魔法剣極めずに普通に使える魔法増やしてたさ」
「うっ」
「まあそんな事は置いといて、何か来るぞ」
雪中を潜行する生き物がいる。
「ユキザメですね。雪中を泳ぐ鮫です」
「そー来たか。それなら!シロチーム出動!」
シロ達雪原フーミットを召喚する。
「近辺のフーミットを手懐けていたのですね」
「まあな。っと雪の中を潜行する魔物を始末しろ」
「ふみっ!」
雪の中にシロ達が散って潜って行く。そして数秒、鮫が吹っ飛んで宙を舞う。アレは鮫が飛んだんじゃなくてフーミット軍団が吹っ飛ばしたのだろう。それめがけてぴょんぴょんとフーミット達が雪から飛び出て、鮫に襲いかかる。でシロがトドメを刺す。
「マジかよ。黒のフーミットとは全くの別物だなこれ。パワーやべえ」
「身体能力を極めた狩猟にも使われる使い魔、召喚獣ですからね」
フーミット達が鮫を抱えてこっちに来る。
「おーしよくやった」
とりあえず鮫は貰って、干し肉をご褒美に与える。
「引き続き警戒と狩りを頼む」
「ふみー」
一応感知魔法は発動してるが、今のところ大きな気配は無い。レンレンが元気なのでもう少し進む。
シロの気配が雪の中にある。ブリザード仕留めて来てる。
「そいつは食っていいぞ」
食えるか知らんが。
ガリガリとブリザードの鱗を爪や牙を使って削ってる。食えるらしい。マジか。
シロ達の食後。とりあえずシロを抱えて歯を見る。その後爪も確認する。歯は肉食獣らしく鋭く尖り、爪もノコギリのように少しギザギザしている。
ブリザードの鱗を剥ぎ取って見る。
「どしたみーちゃん、トカゲの鱗剥いで」
蒼くてひんやり冷たい。
「ラピスラズリ?」
「鉱物だよなそれ」
「そうそう」
「結構綺麗だけど、ヒルダのが質は圧倒的に上だな」
「竜形態見た事ねーわ」
「普段人形態だからな、ヒルダは。問題無いらしいし」
「何なら氷ねーちゃん基本武器術かなり強いからな。たまに剣の特訓付き合ってくれるし」
「っと、あったあった」
ヒルダの竜形態の鱗。
「これは?」
「ヒルダの鱗らしい。どこのとか詳しい事聞いてないが剥がれたやつをくれた」
「これだけで力がヤバい」
「貰ったはいいけどドラゴンの鱗を加工するのも難しいんだよな」
金属より硬く魔法耐性も高い。なのに結構軽い。アルミとプラスチックの中間じゃないか?現状イズミでも竜の鱗の加工は容易ではないらしい。まあ、金属より硬い非金属物質の代表格だ。鍛治やるイズミの守備範囲じゃない。
「マシュねーちゃんは無理なの?」
「ハカセなら行けそうだな」
マシュの呼び方ハカセになってる。
「さあ、正直まだそんなストックしてる訳でもないから。ドラゴンの生態も人類にはまだ分かっていないらしいし」
「そーなのかー」
「そーなのだー」
「みーちゃんって意外とノリはいいよな」
「最低限のノリはコミュ力には必要なんだよ」
「最低限とか言うなよ連れないな」
「過剰にする趣味は無いもんでな。そろそろ行くぞ」
今のところ気象に問題は無い。ぱらぱらと雪が降ってはいるが、危険と判断する段階では無い。急いだ方がいい気がする。なんとなく、そんな気がする程度の勘だが。根拠は無い。
「急いだ方がいいかもしれませんね」
「ああ、なんとなくそんな気がする」
とりあえず山の高い方にいるらしいから登る。一応体温維持の魔法を使ってるからそこまで厄介な訳ではない。
感知魔法に大きな気配を感じ取れる。マンモスと呼べる魔物ではないのは確かだが。一度、フーミット達を下げる。
「何かいるぞ。雪の中から来る!」
雪の中から姿を現したのは氷竜だ。青じゃなくて白いけど。ヒルダほどのものじゃないだろうがブリザードより遥かに大きい。
「マジかよ。ドラゴンか」
「スノードラゴンですね。見るのは初めてです」
「勝てるか?」
「知らん。逃げるのも無理そうだし戦うしかない」
「嘘でしょ?」
「そのようですね」
「今更ドラゴンなんかに怖気付くなんてこたあねえが、どうするよ?無策で勝てる相手でもないぜ?」
ヒルダ、このドラゴン知り合いとかだったりする?
(いや、知らない子だね。アイスドラゴンの類に近い種のスノードラゴンだよ!)
スノーなのか。んじゃ、やっちゃって問題無さそうか。
(無いよ!)
勝てるか知らんが。とりあえず。
「ゆー、レンレンと自身の剣にイグニスソードを付与して。で、ボクはっと、光よ弾け。力の障壁、フィジカルバリア!さらに、氷竜の加護よ、吹雪を防げ、ブリザードウォール!」
もももを護る結界を二重に展開する。
「っしゃ、みーちゃんに傷1つ付けさせねえ」
「はいはい任せたよ」
ドラゴンの吹雪ブレスを早速もももが防ぐ。グッジョブ、ももも。
「すげー防御力。下着も結構ハイスペックだし。結界もやべえ」
上手く回路も起動してる。まあ問題は無さそうか。イグニスソードのダメージの通りは悪くないようだが、流石はドラゴンの耐久の高さと言ったところか。
英雄剣を付与するか?いやこの後の事を考えると、でも、ゆーの負担もある。勇者の剣で。イグニスソードの上からは流石に無理だな。2人にかけた上で、継戦能力、本命の事も考えると。
だが、今更考えると違和感がある。ドラゴンというほぼほぼ自然界に存在する中での最強種の存在を黙っていたのか、イエティマンモスが本命なら気にかけるのは愚策で逃げてなんとかしろと言うのが最適解か?それとも、もし仮に師匠達がスノードラゴンの存在を認知していないとすれば。辻褄は合うが、そんなミスするか?クロウさんとやらの事は知らんが、少なからず師匠がそんな…。山に直接入らずに情報収集を怠った。まあ、有り得ない話じゃないか。とりあえず後で話すとして今は始末する方法を。
ゆーの魔法剣での最大打点がイグニスソード。レンレンが神剣。神剣を使わせるのはまだ早い。勇者の剣でイグニスソードを超える炎の系統は無い。光の剣なら氷の剣より期待出来る。魔剣は身体の負担も大きい。それなら勇者の剣「光芒」で勝負する。
「ひゃっはー!飛ばすぜ!ギガントスラッシュ!」
ギガントスラッシュ。魔法剣じゃない。DLOに存在する剣スキル。この世界に存在しない技だ。つまりただの力業。
さてと、問題だが、勇者の剣に切り替えるには一瞬隙が出来る。攻めたがりのお2人さんのタイミング揃えんのキッツいんだよな。まあ、上手く動いてくれれば。
「レンレンさん、下がって下さい!スキを作ります。イグニスソードより頼りになる剣へ切り替えてもらう為に一瞬隙が生じます。そこをなんとかすればこの戦い、勝てます!」
「信じてっぜ、みーちゃん!」
「ここだ!その剣、ケット・シーの始祖の剣、光を纏う剣は勇者を導く一筋の彗星の力を刃に齎す、勇者の剣『光芒』!」
2人の剣に力業を付与する。
「何かド派手って事もねーのな。いけるのか?これ」
「力が小さく見えるのは魔力が武器により深く定着していると言う事です。そうなれば見た目によらず、この剣はあの竜を斬りますよ」
「マジか」
「ももも、もう大丈夫だ」
「へ?みーちゃんいねえ!?」
テレポートで2人の側へ転移して2人に触れ、2人を空中へ転移させる。
そして2人がスノードラゴンをぶった斬る。
とりあえずドラゴンをバラして回収して休憩に入る。
何処かの洞穴。
「みーちゃん連れションしよーぜ」
「嫌だよ」
「レンレンさんとんでもないこと言いますね」
「こいつノエルに来る時も…ったく」
「気にしねーよな」
「みかんさんは大丈夫なのですか?」
「ああ、それにもうそれっぽい存在に当たりは付いてる。だいぶ近い。その前に確認しないといけないんだが、俺は師匠からスノードラゴンの存在は確認していない。ゆーはそこんとこはどうだ?」
「聞いてない…ですね」
「となると、向こうも想定してないんだろうな。ドラゴン程の相手を無警戒でやらせるのは流石に」
「まあゼロじゃない程度に考えておいていいのでは?」
「仕方ない。まあ不測の事態は受け入れるとして、一本開けるか」
マジックポーション。ハッカ味。ハッカが使われてるわけじゃないけど。味はそれっぽい。
「ポーションって何というか、ハーブとかそういう系の風味ですよね」
「ああ、人によってはお茶っぽいし」
「そう言われると」
数分後…。
「行きますか」




