64話〜ノエルの町の屋敷〜
ノエルの町。
「静かな…趣のある街」
「とりあえず美味い店を」
「無いわよ?」
「なん…だと!?」
「冒険者ギルド…も無いな」
「無いわね。飲食なら反対側に1時間程でリースって言う街があるわ。そっちにはあるけどそれ以外だとスノーフォーエルンに戻る選択肢しか無いわ」
「まあ最悪俺が多めに食材は持って来てるんでそれなりにカバー出来るかと」
とりあえず、少し歩くと周りの家の倍はある家に着く。
「あたしの家よ」
「随分と立派な家で」
「アレに比べるとだいぶちっちゃいけどね」
指差した先に見えるのはデカい屋敷。そしてすぐ側にアイリスさんの家の倍くらいある建物もある。
「何だアレ?」
「バニラの屋敷と昔教会の奴らが拠点として使ってた文字通りの教会ね。今は誰もいないはずだけど」
「ここで戦うらしいんですけど、暗号文によると。流石に今日はキツいんで明日ですね。疲れが取れれば。多少準備運動なり調整はしますけど」
「分かった」
「と言うかアレ教会か?城じゃないのか?」
「その気持ち分からなくも無いけど教会よ」
とりあえずアイリスさんの家に入る。
「なんというかアレだな」
「暖炉のある家っていいよな」
「北欧?」
「北欧って?」
「ボク達の世界の地域の1つだよ。似た環境と建築してるんだよね」
「そうそう」
「そうなのね」
「…これ、魔力で動く装置か何かか?」
「レンちゃん勘が鋭いのか洞察力が鋭いのか分からないけどその通りよ。お風呂も入れ始めてるわ」
「お手洗いお借りしても」
「そこよ」
トイレを済ませてようやく一息。
「お昼の用意するからあなた達はお風呂に入って来なさいな」
「よし行こうぜみーちゃん!」
「レンレンは無理」
「何でだよ!」
「絶対エロい事するし」
「するに決まってるだろ」
「よし行こうぜみーちゃん」
「はぁ、もももはまあ大丈夫だし。レンレンと比較して」
ってな訳でお風呂。
「すげえ。広っ」
とりあえず身体を洗う。
「生き返る〜」
「しかしこんな街にこんなハイテク設備があるとは」
「そうなると誰が建てたか、天使のお姉さん魔法はすごいのだろうけど流石に建築は、いや、そう言う類の魔法があれば建築出来るか?」
「その類の魔法は調べた事無いからなー」
「みーちゃんのスペックがやべえのは知ってるが、もはやみーちゃんの弱点どこだよ」
「あ〜、弱点か、パワーに関してはまあまあ対応出来るんだよな。長射程はそこまで苦じゃないけどキツいのはむしろ長いリーチかな。特訓でヒイロとかノーラちゃんなんかを相手にすると実感する。ノーラちゃんはしかも速くて小回りも効くから正直同じ条件だと絶対勝てない。剣じゃ勝てない。ノーラちゃんに勝とうと思えば他の魔法を駆使しないといけないけど、ノーラちゃんが魔法を斬るようになりだしたら多分無理」
とりあえず湯船に浸かる。
「生き返る〜」
「さっき聞いた。まあ分かるが」
「何かこう、向こうじゃ有り得ない光景だけど、なんか違和感あるな」
「駄弁ってるだけだしな」
「で、その剣士相手勝てんのか?」
「ああ、あいつの剣はあいつじゃない。その本質はエリス・スカーレット」
「マジか。次戦うらしいからよく見とけ」
「おう」
「そろそろ出るか」
その後、昼食を摂って…。
「ちょっと出てくわ。皆は好きにしてていいから、2階には書斎もあるから黙って持ち出さなきゃ読んだりしてもいいわ。相談してくれれば持っていってよさそうなら貸せるし」
「あ、はい」
そう言うと出て行ってしまった。
外に出たアイリスは…。
「多分この家よね。アイツの気配あるし、訪ねた事無いけど」
とりあえず扉を叩いてみる。
「はい」
姿を現したのは女の子。シオンの身体ではない。
「ガルドいる?」
「いるにはいるんですが…。その」
「上がらせてもらってもいいかしら?」
「構いませんが大変な事になってるのでそこはあらかじめ」
「あ、うん」
案内してもらうと2人の男が酔い潰れている。
「あ〜」
「んあ?てめ、何でアイリスがここにいんだよ?」
「異世界語の暗号文解いてここにくる話になってたの忘れたの?」
「そう言えばそうか。そうだ。そいつがフブキを襲ったアサシンな」
「えっと、その、ユウです」
「転生者の…。別に文句だの悪口だのは言わないわ。まあ森で問い詰めようとしたところを刺し殺されたのはまあ納得はしてないけど」
「すみません」
「で、この殺し屋は確かクロウね」
「そうだが。あー頭いてえ。俺も天使に処される時がきたのか」
「いや、そんな事しないけど」
「アステルは一緒じゃないのか」
「アンタアステルを」
「言っとくが、天使より先に俺らが組んでたんだからな?ヨシノの姫と、この魔法使いと、魔法使いが拾った魂を組み込んだソウルメイツで」
「ああ、そう言う」
「で、天使様がしばきに以外で何の御用で?」
「ガルドを見に来たのよ」
「あ〜」
「で、直接聞いておきたいんだけど、ジャイアントホワイトやフーミットまで人のいる道に降りて来てたけど」
「そこまでか」
「詳しく調べてる訳じゃないから他にどうこう言えないけど。あ、あとフブキちゃん達もちゃんと来れてるけど歩いて来たから明日まで待ってもらうわ」
「承知しました」
「今度のフブキちゃんは強いわよ?」
「何でお前が偉そうなんだ」
「まあこれは言っちゃうけど、あたしやアステルもフブキちゃんも特訓には協力したのよ」
「ああ、そう言うことか。もしかしたら俺の想像以上にフブキも強くなってるな」
「だと思うわ」
「アイリスさん、フブキさんに伝言をお願い出来ますか?」
「いいわよ?」
「武器はこちらで用意するロングソードを使用。スノーフォーエルンのロングソード、お互いに同じもの。相手に直接魔法を作用させたり攻撃する魔法を使用するのは禁止、使い魔、憑依術を始めとした降霊術等の禁止。こちらが提示するルールは以上になります。フブキさんが付け加える分に関しては直接聞きます」
「分かったわ。確かに憑依術や降霊術は使えるけど、無くても強いわよ?」
「分かってます。フブキさんの本当の強さを引き出させて勝てないと意味が無いので」
「そう言うこと…ね」




