special story〜黒き珈琲は砂糖の装い(アイリス)〜
クリスマスの話の2本目の再掲載(移動)です。
スノーフォーエルンの街。
「ここで手に入る物は揃ったわね。次行くわよ!オウカ!アステル!」
「うん!」
「了解」
サンドウラの街。
「えーと確かアイツの家は、ここね」
扉を叩く。
「お?オウカ、アステル、アイリスか。どうした?」
「コーヒー分けてくれない?」
「…珍しいな。量によってはタダじゃやらんぞ?まあ話は聞こう。上がれ」
家に入る。
「…出来れば袋1つ」
「…本来なら価格通りの銀貨5枚でもいいんだが、丁度時間も時間だから昼飯作ってくれればくれてやる」
「…分かったわ。えっとこれとこれとこれも使えるわね。あとは、街に足りない物揃えに行くわ」
「おーよ」
家に戻って。
「久々に食うが相変わらず料理の腕は確かなものだ。まあコーヒーはくれてやるが。まだ時間に余裕はあるか?」
「まあそれなりには」
「んじゃ」
食後、街へ繰り出す。
「で、コーヒーで何を?」
「フブキちゃんの世界の祭りの日のお菓子をコーヒーで作れたらと。フブキちゃんの世界にはそういうのもあるみたいだし」
「別にフブキの世界の影響を受けるなとは言わんが、こっちの世界の良さもしっかり伝えてやれよ」
「まともな事言うじゃない」
「俺は真面だっての」
「で、どこ向かってんの」
「もう着く」
市場の牛乳屋。
「おっちゃん。そっちのデカい缶丸ごとくれ」
「7万マナでいいぞ」
「金貨1枚。釣りは要らん」
「分かった。持ってけ」
「アイリス」
「あ、うん」
「菓子作るんなら牛乳あると便利だろ。奢りだ」
「ありがと」
「上手くいったら作ってくれりゃそれでいい」
「分かったわ」
フォルネイア。
「あとは果物を買って」
フブキ邸。
「フブキちゃん」
「アイリスさん。何かありましたか?」
「台所借りていい?ここが1番使い勝手いいから」
「どうぞ」
コーヒーを淹れ、冷ましておく。次に生地の準備をしつつ果物の処理をする。
漬けておくのに時間かかるわね。その間にメインの肉でも狩りに行こうかしら。空間魔法に取り込み、森に出る。
何か違和感。フブキちゃん達が転生する少し前からあった生態系の変化。この森想像以上にヤバいかも。
「アイちゃんどしたの?」
「オウカとアステル…。別に料理に使う肉と果実をちょっと採りに来ただけよ」
「何か、いるね」
「そのようね」
姿を現したのは、ギガホワイトベア、なんでこんなところにいるのよ!?
「ねえ、この熊この辺にいないやつじゃない!?本来!」
「ええ、でも原因、持ち込んだ者の意図も分からない」
熊の腕をアステルの銀の壁で防ぐ、スキを突いてオウカがワイヤーで動きを止める。
「くらいなさい!シャイニーアロー!」
この密度の魔力量なら…。押し切れていない!?どう言う事!?
瞬間、ワイヤーが断ち切られる。
「アイリス、このギガホワイトベア、おそらく独自の体系で体質変化している。一般的な個体の毛や皮、爪、牙の質も違う」
「そこそこ魔法耐性も高いと」
「肯定」
すると…。
「踵落としスペシャル!!」
「え?何?」
「レンちゃん!?」
「レンだぜ、そっちのボーッとしてる姉ちゃん誰だっけ?」
「アステル、錬金術師」
「それは今どうでもいいから!」
「わーってるって、はえー、熊もでかいもんだ。食える?」
「物理的に食べるのは可能だけどおすすめしないわ。クセが強いし、臭いもキツい。硬い。フォレストボアのがよっぽど美味しいわ」
「ちぇー。まあいいか、斬っていい?」
「どうぞ」
そう言うとレンは大剣で巨大な熊を斬り殺す。
「助かったけど、なんでレンちゃんこんなところに?」
「ああ、狩りの途中でおじゃなくて休憩してたらすげえ音聞こえたから来てみた」
お?
「お?」
「そこ深く追及しない方が良さそうね」
「了解」
しばらく狩をして。
「こんなとこかしら。っと、あたしはやる事あるから…っとそうだ、レンちゃんも一緒に来ない?」
「何すんの?」
「フブキちゃんから聞いたパーティに向けて準備するんだけど、仕込んでおいたお菓子の準備がそろそろ大丈夫だから試して欲しいんだけど」
「がってん!」
そこからそこから調理を終えて。
「どうかしら?」
「チョコケーキじゃなくてコーヒーなんな。ああ、俺結構好きだな。果物は酒に漬けて煮詰めたか酒を煮詰めて果物を漬けたか」
「分かるのね」
「ああ、でもアルコール分も飛んでてしっかりしてて美味い」
「んじゃ、あとは肉も始めますか」
無事、料理は完成し、祭りはうまくいった。




