special story〜白き夜の二重奏(ノーラ)〜
クリスマスに投稿したものと同一の内容です。章管理の都合上改めて掲載します。アイリスの話も同様に移動します。
「イズミさん、荷物を運び終えました」
「ありがとう。飾り付けは任せるとして。やる事が多いな」
「でも、色んな事が出来るってすごいですよね」
「まあ多趣味だけが取柄だから」
「イズミさん、ノーラさん」
「トウカちゃん、何かあった?」
「イズミさんにも祭りの料理をと」
「あ〜。了解。道具持って行くね」
「ありがとうございます」
フブキの屋敷・台所。
この台所は正直すごい。流石この街の魔導科学の集大成と言ったところか。一応扱いに心得はある。正直欲しい。
「相変わらずすごいね」
「扱いは大丈夫ですよね?」
「問題無いよ。僕も欲しいけど流石にこのレベルをねだる訳にもいかないしお金もないし。っと愚痴は置いといて何から作ろうかな」
季節の山…森の幸。この辺りでは乳製品は手に入らないのは知ってる。卵はある、あとは幾つかの果物が乳製品に近い味になるのも知ってる。
「入るよ〜。あ、イズミ君」
「メルナちゃん」
「お料理手伝うよ」
「結構色んな…肉を持ってきたね」
「まー果物や野菜、薬草、山菜、穀物はそっちでなんとかしてくれるって思ってたからねついでにレンちゃんから受け取ったのも混じってる」
「まあ確かにそれはそうですが」
「こっちは生でこれは燻製」
「うさぎだ」
「良質なわたげうさぎの肉ですね」
「うさぎは煮込むのがいいからね。燻製はシンリンアヒルとフォレストボアだよ」
「で、この奇妙な顏の鶏みたいのがコッコポッポだっけ?」
「そうそう。何してもいいよ!」
「んじゃ、香辛料と合わせて丸焼きにするか。向こうでこの祭りで鳥の丸焼きを食べるからね。地域によって種類変わるけど」
「下処理はしてあるから味付けして焼けばいいよ」
「分かった。確かこれとこれとこれで」
「結構いいハーブ持ってるんだね」
「ああ、マシュちゃんが色々くれた。香辛料頼んでみたら」
「マシュマロさんはこの辺りで手に入る植物由来の食材ほぼ網羅してますね。そう言えば」
するとマシュちゃんが入ってくる。
「こちらも使ってください」
野菜や果物、調味料等を持ってくる。
「んじゃ、スープ、コッコポッポの丸焼きは僕がやるよ。甘いものは任せる。あと傍で団子もお願い」
「んじゃあたしが団子やるからトウカちゃん菓子類お願い」
「はい」
夕方。
「大体なんとかなったかな。僕は少し休憩してから設営に回るね」
「お願いします」
外に出る。溜息を吐くと息が白い。
「結構冷えるな」
流石にこのまま設営に回る体力は無い。自分のおやつでも一緒に作ってくれば良かったとか思わないでもない。
「あ、イズミさん。よければどうぞ」
甘い匂いがする。あったかい。
「これは?」
「モリキウイとショウガを酒で割って温めたものです。いくらか他の香辛料も入っているらしいですけど。酒の成分も熱で飛んでるので酔わないらしいですよ」
シナモンは分かったけど他は分からない。
「ノーラちゃん作ったの?」
「いえ、マシュマロさんから。あの人は普通の料理は滅多に作る事は無いのですがこういう栄養効率重視したものと言うか薬みたいなものは詳しいので。免疫力が上がるとか温まるとか」
「なるほど。美味しい。お酒や香辛料の香りもいい、身体の奥から温まる感じがする」
「ですね」
「これ飲み終えたらもう一踏ん張りしますか」
祭りの最中。
「結構食べたな。少し休んでから片付けの準備に…」
少し離れたところを駆けていく人影が見える。
あれ、多分ノーラちゃんだよね。
気になってついて行く。
何故かフブキの屋敷の屋根の上。
「雪の映える街並みは〜くらやみに〜」
僕が教えたクリスマスソングだ。
「うぇあ!?イズミさん!?」
「ごめんね、邪魔して。急に駆けてくノーラ見かけて気になって。でも声も通ってて綺麗だし上手いね」
「あ、ありがとうございます」
「街の〜灯りは〜彩と〜煌めきを〜」
この後2人で歌って祭りは終わりを迎えた。




