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異世界転生幼女の英雄譚  作者: ひょうか.みかん
第1章〜転生少女フブキと猫の歌(アリア)〜
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7話〜英雄の家とディアボロスの商人〜

特訓を始めて7日が経過した。オウカさんの家と教会跡地を往復して勉強と特訓、あとその他諸々。苦労はしながらもようやく、魔法の効率も並より良いくらいになったという。

ウインドアド、ファイアアドを始め、扱える魔法もある程度増えた。実戦能力もある程度上がったらしい評価。あと、何故かいつのまにかカーディアさんも付き合ってくれてる。

「ここまで物覚えの早いとは」

「俺の優秀な弟子だからな」

ガルドさん結局めんどくさくなったらしくセクハラ制限全振りのフブキボディに収まった。

ついでに2Pカラーみたいに髪が紫、目が緑に変わっている。俺が見分けつくように適当に変えたからだけど。この色変更もそんな難しくなかったし。

「まあ、ここまで出来てラグナス相手にあの技術があったらなば問題無かろう」

「じーさん、あいつら集めておいてくれ。化け猫が終わったら話がある」

「あの世逝くのか?」

「んな事しねーよ。フブキはまだまだ成長する。見れる限り見続けるさ」

「…不安はあるけど手出さない範囲はどうしようもないのよね」

「さてと、そろそろ準備しなきゃね。明日準備して明後日出るよ。って言ってもフブキちゃんの拠点辺りまで送ったら別行動だけど」

「フブキちゃんの拠点に泊まれば?」

「いや…野営でフブキちゃんの拠点に頼ったら多分ダメになる」

「守りも高い、安全で普通に寝れる」

そんな事言われましても。

「で、何故アイツらを集めるんじゃったかの?」

「おめーらが話逸らすから。化け猫片付けたらそろそろお前らが知らない事実を話しても良いかと。いやオウカは知ってるか」

「あっ…うん」

「なんじゃったかの?」

「別にそん時話すから無理に思い出さなくていいよ」

「そうか…」

「さてと、お疲れさん。今日はもう休め。はよ寝ろよ。お前睡眠時間削ってると言うか昼夜逆転型だよな。夜間なんかやってる事多いし」

「プライベート覗いてんじゃないわよ!」

「覗いてねーよ。フブキに憑いてフブキの魔

力の流れは把握した。クリエイツや神族はともかく生物的生態をもつ種族は活動時間と比べて睡眠時間は魔力ってのは流れが穏やかなんだよ。空いてる時間寝て夜は何かやってるだろ!?」

「あ〜。向こうの生活習慣抜けなくて睡眠時間短いんですよ」

「元々の生活習慣を変えるのは難しいわよね」

「でもガルドの言うことも一理ある。休養も必要じゃ。それにフブキなら十分戦える実力はあるように思える」

「分かりました」

認められたんだ、この世界の魔法の最高峰の魔法使いに。それは自信に繋がる。しかし、慢心は禁物。

オウカさんの家に戻りいつも通り入浴するオウカさんがフツーに入ってくるのは慣れた。ぶっちゃけ女の裸ってのは正直慣れた。ってかそもそも割と興味無かった。

ただ、やたらオウカさんが触ってくる。

「うーむ。フブキちゃんもうちょい慣れてくれないかな〜。リトルスだとみんないっぺんに男女関係なく入るってこと多いからね。集落とかだと。仲間作る面で慣れないと」

「はうっ」

「いつも強気だけどこう言うの弱いってね〜」

ぶっちゃけ弱点なんざいくらでもある。

髪を梳かして湯で流す。

この世界の魔導具とやらですぐにいい感じのお湯が出る。これは凄い便利だ。あと何気にバスタブもあるし。ただ、石鹸自体は無く、洗浄作用のあるドロッとした植物のなんらかの液体が代用される。身体洗うやつと髪洗うやつと掃除に使うやつと食器に使うやつが同じ。この液体の匂いはアロエかなんかに近い。

洗い終わって流すと浴槽に入る。自分の四肢を眺める。

「ヤバい」

「どしたの?」

「最近身体動かしてないからぷにぷにし始めてる」

森にいた頃は動き回ってついでに狩る。結構ハードな生活だったのは事実だ。それが今は美味しいものを食べ、ただひたすらに甘やかされ、身体は殆ど動かさない魔法の修業、太るのも無理ない。

「大丈夫だよ。フブキちゃん痩せ過ぎてたくらいだし」

筋肉は何故付かないのか。

「脂肪より筋肉が欲しい」

強化出来る干渉魔法や童力も、基礎ステあっての力であり、加算でなく乗算だ。基礎ステx強化倍率だ。1に7を足して8、2に7を足して9ではなく、1に7を掛けて7、2に7を掛けて14。現実的にはここまでの差が出る。

「ご飯もバランスよく食べてるとは思うけど総量が…」

「オウカさんは何故そんな食べられるんですか?」

「食べるのが大好きだからね!」

オウカさんの料理も、アイリスさんの料理も美味しい。だいぶ趣向は違うけど美味しいと言えるものだ。あれ?アステルさんは?そう言えば1週間経っても食べた記憶もない。

「アステルさんって料理は…」

「アスちゃんはその…。なんかヤバいの作ってからもう10年以上作ってないような」

「ヤバいの?」

「アレは、食物とは違う兵器かなんかの類だった」

食べるもの作ろうとして兵器が生まれるってどう言う事だ!?

「フブキちゃんは?」

「こっちの世界の食材が分からないからどうすればいいか分からないのが。元の世界なら他人に評価されるくらいには」

普通に作ってたからなあ。こっちに来てから狩猟ゲームみたいに焚火ファイヤーしてるだけだし。マンガで見たフェザースティックなる着火スキルは役に立った。

「ほえ〜」

「どうしますかね〜」

「何を?」

「準備終わって森に入ったとしても1名カッコカリ付いてたとして俺、他2〜3人程度で何とかなる気がしないんですけど」

「そこはフブキちゃんの努力次第かな。生きてる集落から戦力集めるなり、他種族に頼るのも手としてはあるし」

「そう言えばフェルパーで無事な個体っているんですかね?」

「あー、どうなんだろ。可能性は無いわけじゃないと思うよ?アレは化け猫の支配下のフェルパーや猫又から他のにもって感じらしいし。条件分かんないけど。探してるんだけどね〜」

「つらい」

「仕方ないよ。戦って殺す、下手したら殺されるかもしれない世の中、生きていくのに戦わなきゃいけない事だってあるんだから」

わかる。

「魔法が無かった世界だったからこそ、殺害が身近でなかったからこそ。色々キツい」

「あ〜。なるほど。そう言う辛さ…ね。こればっかりは自力で何とかしてもらうしかないかな」

分かってる。殺すと言う選択肢を取れるか取れないかで自分が生きる確率に大きく影響する事が。

「そろそろ出る」

「分かった」

寝間着に替えて自分の部屋に行く。自分の部屋で暇つぶしになるものは一応やってる実験のそれしか無いがそれも大体やる事終わった。ほんとに寝るくらいだから寝よう。

翌朝…。

起床して1階に降りる。ここ数日オウカさんが朝食を作り終えてるはずの時間帯だったが、遅めだし。

「あ、フブキちゃんおはよう。ごめん、朝ごはん抜きになりそう」

「どゆこと?」

「油切らしてた」

仕方ない。アレを使うか。

「調理で使える油あるけど…」

「あるの!?」

部屋に戻り瓶に入れてある油を手渡す。

「ちょっと待って!すぐ作るから!」

ぶっちゃけ、味がどうなるかは知らないけど、朝食を摂れるかどうかのが優先順位は高い。

数分経ってパンに目玉焼きと焼いた肉、レタスを挟んだサンドイッチ、切ったりんご、牛乳とサタンハートとベーコンのスープが出される。向こうの一般家庭的な朝食らしさが漂ってる。

とりあえず、気になるのは油を使って焼いた肉と目玉焼きのサンドイッチだ。

「美味しい…」

「何これ、懐かしい味のような気がするけどこんな油使った事ない、ってかめちゃくちゃ美味しい。どこで見つけたの!?ってか何で油持ってたの!?」

「ああ、部屋に勝手に飲んでいいよって置いてくれてたアルココの実の水の成分、つまり飲料として消費される成分を除いて果肉から油分を絞り出す実験をしてたので」

アルココの実は、普通に食べるとお酒のような成分や風味が前面に来るが、果肉自体は梨やりんごのような味で普通に食べれる。しかし、りんごなどとは違い、果肉には油分が含まれる。果肉から油分を搾り取るのに成功した。それだけの話だ。

「それ、世界的レベルの大発見なんだけど」

「そうなんですか?」

「そもそもアルココ自体飲料としてかそのまま売られてるだけで油が取れるなんて誰も知らない。ってかほとんどリトルスが飲むために消耗してるし。でも本当に驚いた。これ、ちゃんと油の成分っぽいし。売りに出して儲けちゃう?」

「量産出来ないですよ?」

「…そのうち考えよっか」

食事を終え、一度部屋に戻り、服を替える。

今日は明日、森に戻る為の準備をする。と言っても買うものは割と決まってる。

1階に戻ると、オウカさんから鞄を渡される。革のバッグだ。小さめで可愛いフォルムをしている。

「あとお金」

ポンと銀貨7枚を出す。

俺が言うのもなんだが、そんな大金あっさり渡すなよ。拒否はしないけど。

最初にもらったミスリル貨幣もそのままあるし、今所持金は1050万マナ前後ある。無茶しない限りほぼすべき事が出来る。

という事でまずは雑貨屋。ワイヤーを眺める。ぶっちゃけオウカさんみたいな戦闘でワイヤーを扱う力は殆ど無い。 漫画とかでワイヤー操る奴とかいるけどすげえよな。アレ。

「ワイヤーの扱い教えよっか?」

「トラップに使おうと思って見てたんですけど。オウカさんみたいなレベルってなると流石にキツいんじゃ」

「フブキちゃんなら出来ると思うよ?手先器用っぽいし。何よりボクを罠に嵌めた」

「尾けられてるの結構怖かったですよ」

「仕事だから。ごめんね。っとカーディアから軍資金の1億マナ分ミスリル貨10枚。忘れてた」

「これ、ミスリル貨なんてよくよく考えたら大きすぎて使える場所ないですよね」

「…冒険者ギルド行こっか」

冒険者ギルド、この世界にもあるのか。

大きな目立つ建物。所謂金銭の預所、バンクや酒場を含めた飲食店3店舗、売店や武器屋が4店舗ほど。

冒険者登録窓口にとりあえず向かう。

一応冒険者登録しておこうかと。

「冒険者登録の方ですね。5万マナになります」

「高っ」

「こちらで立て替えていずれ返済して頂くという事も」

「払えない訳じゃないので」

金貨1枚出す。

「金貨1枚からですね。お釣りの5万マナとなります」

せっせと作業をして20分くらいで冒険者登録をする。

冒険者カードを手渡される。

フブキ=サクライ

F 8リトルス

LANK D

このランクは冒険者登録時はDからスタートでここから上がっていくらしい。能力面はステータスで確認出来るものと同じ。

裏面は功績が記されるとかほか色々。

「で、ここが依頼者用の窓口。お店で中々見つからないものを探したりする時に出したりしてみるといいよ。お金は購入より当然上がるけど。時間はかかるけど忙しい時とかにはいいかも。報酬についての決め方も相談に乗ってくれるから単純に便利。素材の情報聞くだけならタダだし」

隣が冒険者が依頼を受けるついでに集めた物を売ってるお店。だから商品の納品数も疎らで品揃えも基本コロコロ変わるらしい。基本的には素材、食料品もぼちぼち置いてる。作ったものを持ち込んで販売も出来るのか。

「そう言えば作った布売っていい分ある?」

7日間でそこそこ作ったが殆ど練習だ。使用用途も特にない。

「ぼちぼちは」

バンクに預金した後、ギルドを出て布製品を扱う店のに入る。

「お、オウカ様じゃん。どったの?」

「あー、今色々あってこの子の面倒見てて、これ、買い取ってくれる?」

必要分を除く分は出す。

「…無理無理!これは凄い!素材は割と普通だけどここまでいい模様だとうちじゃ扱えないレベル。だってこれ、メートル5000マナは行くよ?」

結構凄かった。

「うーん。じゃ、フブキちゃんにこれ奢るね」

何種類かの糸のセット。結構質がいい。銅貨2枚分の糸を買い手渡してくれる。

ほかに用件は無いらしく次の店に入る。

さっきの店員さんが教えてくれたちょっぴり高級なお店。

「いらっしゃいませ。これはオウカ様、どのようなご用件で?」

「この子の織った布ここで買い取れる?」

「ふむ、では、拝見しましょう。ふむふむ。布の質自体は普通の布ですがこれは芸術性のある模様。それでいて斬新。リトルスの持ち寄る布を結構見ていますがこれはかなり価値がある、さらに他のリトルスには難しいでしょう。この量ですと20万マナ相当になりますが、如何なさいます?」

「そこまで行くか。すごいね。フブキちゃん。」

「お願いします」

「じゃ、悪いんだけどさ、銀貨20枚で出してあげて?」

「承知いたしました」

銀貨20枚で受け取り店を出る。

「でも特に当ても無いんで殆どオウカさんが持ってていいような」

「大丈夫大丈夫。お金には困ってないから」

でしょうね。それは知ってるけど8歳児に大金持たせんなよ。

武器、衣類、食料。あとは細かい罠用とか他道具を揃える。

「さてと。猫狩りの準備はある程度出来たかな」

なんかガルドさんが中から…。

「ガルドさんがなんかしようとしてるんですけど大丈夫ですかね」

「…応えてあげて」

はぁ、怖いけど大丈夫か。

「っと。俺も用事がある。まず教会いくぞ」

という事で教会。

コピーメイクで分身を作って色を変える。

「っと、これでいいな」

「おぉ、フブキにオウカ、あとそれはガルドか?今日は準備すると聞いておったが」

「俺が買うのにこいつの金使わせるのもな」

「一応1億は持たせたぞ?」

「知ってるよ。お前の金使うってのもな。っと、そう言えば確認せにゃならんのだが、今俺の自宅は無事か?じーさん」

「…大丈夫じゃよ。アイリスが定期的に使っとるし管理しとるぞ」

「おい、あいつが故郷のある大陸に帰ったのはいつだ」

「3ヶ月前かのう」

「…鍵は?」

「あるぞい」

「行くぞ。付いて来い。じーさん、鍵は返さねーからな。ってか結界魔法張り直すし。アイリスに使わせる気はねえ!」

「…言っておこう」

そう言うとガルドさんに案内されて郊外に出る。そこにひっそりと佇む一軒の立派な家。

「こんなとこ住んでたんだ」

「まあな。入れ」

内装は一見普通だ。

「あいつに大して弄られてなくて良かった。っと、もう既に死んだ身だ。この家はお前にくれてやる。あいつらにお前の使い魔になるよう仕込まれてんだ。俺が使える暇なんて期待してないさ」

「ありがとうございます」

鍵をもらう。

「こっちだ」

すると寝室と思われる部屋に入る。本棚に多くの魔導書のようなものが並んでいる。

その中からいくつかの本を抜くとカチッと言う音と共に本棚が動き出す。

「フブキ、照らせ」

「あ、はい」

ライトの魔法で照らす。

「あった」

魔力を込めるとランプが点く。

「問題なさそうだな。ここはアイリスも荒らした形跡は無いし」

荒らしたって言い方。案内されて奥に進む。

奥にも部屋があり、大きな金庫のようなものがある。金庫を開けて見せると、中に大量のミスリル貨幣が入った袋を手渡される。

「めちゃくちゃ重い…」

「量は問題ねえな。それはくれてやる。それだけで10億くらいは一応あるはずだ。俺の財産全てでは無いがまあくれてやろう。ここまでしてくれた礼もある」

質量から高速演算で金額を算出するとミスリル貨幣が150枚前後、大体15億マナ。20億円相当の大金である。どうすんのこれ。

「あとは好きな魔導書使っていいぞ」

黒魔法、工作魔法、干渉魔法、感知魔法、炎属性魔法と様々な魔導書がずらっと並んでいる。魔道書はゲームみたいに持ってて効力を発揮するものでなくいわゆるハウツーとか説明とかそう言う類について、研究についてまとめたものである。読んだ感じ。

せっかくだし干渉魔法と工作魔法を。他にもいくつか。

「さてと、ここ出るぞ」

そう言って名残惜しむ様子もなく次の目的地に向かう。街の人気の少ない店に着く。

「このままじゃ色々面倒だな。っと、この程度の魔法…は使えるか」

する本来のガルドさんの姿になる。

「自分で変身する魔法、使えたんですね」

「魔法スペックは戻らないがな。このやり方じゃ。俺はこれくらいだからな」

そう言うと店に入る。

「いらっしゃい…ってガルド!?何で!?死んだはずじゃ」

そう言ったのはディアボロスの女性。

「久々だなメルナ。俺は確かに死んだ。でもまだあの世にいは逝けなかった。最近訳あって俺が見えるフブキと出会い、分身を依代とした。それだけだ」

「それだけって言う内容とんでもないけど、オーブ割った?」

「まさか。アレはミッドナイトドロップクリスタルだぞ。自爆しても傷一つつかんぞ」

「ミッドナイト?」

「この世で最も闇の力を持った石だ。ちなみにアレはオリハルコンより硬い非金属だぞ」

「それ用意するとなると1個10億じゃ収まらないんだけど」

「いや、こいつのだ」

「ども、フブキです」

「ふむ、中々やばい魔力量してるね。リトルスってこんな魔力量多い種族だったっけ?」

「こいつが特別なだけだ」

「魔法はどういう系?」

「干渉魔法がメインであとはちょいちょい他の人から教えてもらってますけどまだ素人です」

「今使ってるのは?」

ミスリルスタッフとフォレストオーブを出す。

「今はあんまり使ってないです。干渉魔法を軸に短剣術ベースですので」

「この子何でミスリルなんかの杖持ってるの?」

「貰い物で…」

「これ、しかもかなり高度な増幅効果の回路まで。これ、ちょっとした城建てられるくらいの価値はあるよ」

「こいつ、それと同等のダガーも持ってるからな」

「干渉魔法を活かしたダガー使いね〜。ならオーブのが使いやすいかも」

そう言って見せられたのは綺麗な石。カラフルで硝子のように透き通って裏が見える。

「どうやって使うのですか。これ」

裏口から庭に案内される。

「ってかこのオーブどうしたんだよ」

「これはアステルさんから」

「アステルか。フォレストオーブはこの辺りで入手出来るオーブじゃ最高級のオーブだ。それくらいでかけりゃお前の住んでた森、近隣に交渉して買えるかもしれんぞ」

え、えぇ!?ぶっ飛んでる。

「まあそんなもん使う必要は無い。っと、オーブの使い方だったな」

ガルドさんの足元に魔法陣が浮き出る。そして真っ黒な石、さっき言ってたミッドナイトドロップクリスタルだろう、それが召喚される。なんか装飾されてね?

「オーブにはいくつかあってな。原石、あるいはそれに近い形で使うものやガントレットなんかや装備品に嵌め込んで使うもの。首から装飾のようにかけるものもある」

「フォレストオーブに魔力を通して再び自分に戻す。ってのをやってみて」

フォレストオーブに魔力を通す。

緑の結晶の奥から柔らかい光を放つ。

もう少し強めると浮かび始める。

「え!?浮くの!?」

プルプル震えてる。

「そうだ」

ガルドさんはミッドナイトドロップクリスタルを次々に浮かべる。

「完全じゃない分5個が限度か」

「フブキ、ダガーを出せ」

「え?はい」

ガルドさんがファイアアドを使う。

クリスタルが1個光って魔法が発動する。

これでもかなり付与は強力だ。

「次に5個でだ」

一気に炎の威力が強まったのがわかる。

オーブの効果がよく分かる。

「スタッフやロッドの類も基礎は同じだ。魔力を通して増幅させて発動させる。お前はオーブのが向いてるがあの女の作ったものだろう?絶対役に立つ時は来るだろうさ」

「なるほど」

とりあえずオーブの性能実験だ。

「炎よ纏い、我が器に灼熱の力を与えよ、ファイアアド!」

ダガーに炎属性の魔力を宿す。大体1.5倍くらいの効果は出てるか?そこそこ効果の差があるのは分かる。

「それにしても、ガルドが死んでから弟子を取るなんて。死ぬとやっぱ変わるものあるんだね。えっちなのは変わらなさそうだけど」

全力で頷く。

「お前はアレだけしといて自分が弟子じゃないと言うか」

「ガルド生きてた頃は一回も認めてくれてなかったじゃない」

「…そうだっけか?まあいいや。こっちに猫共の話は来てるか?」

「もちろん。王都が動いたみたいだよ。全滅したって聞いてるけど」

国が動くと言うことはこの事態は相当悪い方向へ進んでいるかそこまでに至る可能性があるという事。それを何とかする、か。重い話だ。

「こうなったら私が!」

「…分かった。足引っ張んなよ」

「え、いいの!?」

「人手が足りんのは事実だ。ただし危ないと判断したら容赦なくテレポートで街へ飛ばす」

「…地味に優しい」

「っと、フブキ。これをやる。1個くらいくれてやっても猫の相手程度なら問題ない。っと、おい、メルナ。こいつにオーブ使わせるなら最初はクリアライトも持たせてやってくれ」

ミッドナイトドロップクリスタルを受け取る。

「うん、分かった」

「ほれ、今金はこれしか無い。釣りはいらん」

ばっとミスリル貨幣を出す。

「…ケタおかしいよ!」

「構わん。さてと、待ってろよ猫共。この俺がお前らを消し炭にしてやろう」

「あはは…。巻き添えさえ勘弁してくれればどうにでも…」

「お前、案外腹黒いな」

「そりゃそうですよ。自分の命が第一ですから」

「…ふん、お前なら正しく俺の後継者、次枠の英雄となれるだろうさ」

「ならないで済むなら、って死ぬ前なら言ってたんでしょうけどね。人間死んだら案外気の持ちようも変わるんですね」

「リトルスの思考回路に脳が侵されてなけりゃいいんだけどな」

なにそれ怖い。

「酷っ!ガルド酷っ!」

化け猫、猫又、フェルパーの大戦争か。大丈夫か?知識量がそもそも足りない気はするけど。でも、やらなきゃまた死ぬし。仕方ない。

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