53話〜修行〜
今回50話の暗号の解き方が本編にて正式に解説されます。
「あ…れ?」
俺何故意識飛んでんの?
「あ、起きたみーちゃん」
「レンレン?」
「諸悪の根源は何とかしたぞ」
諸悪の根源…確か何かが取り憑いてるとかどうとかって話だっけ?
「何かに取り憑かれてるって」
「何かどっかの神だかがな、みーちゃんに取り憑いててそれ相手に無理だったからかつての英雄様方を召集してそれプラス俺とか氷ねーちゃんとかあとみーちゃんとこの女神引っ張り出したり俺のとこのと黒ねーちゃんのとこの女神の力借りて全力でやった」
「その神は嫌だが、俺もコンパの力を使いこなす特訓もした方がいいか」
(頑張るよ〜!)
何を?
「で、その神をみーちゃんとこの女神が捕縛したから」
「へー」
「とりあえず行くぞ」
「あ、はい。ってか師匠が神降ろすってどゆこと!?」
「知らん」
「ですよねー」
「そう言えばあの暗号ってどうやって解くんだ?」
「アレ日本のキーボードだよ。Aとち、Bとこ、Cとそが一緒に書いてあるだろ?」
「くまのはHなJKってやつか」
「それそれ、変換したら英文になってんだよ。」
「あ、そういえばその操られてるみーちゃんと戦ってる時にみーちゃんの刀1本やっちまった。すまん」
ホントだ。1本やられてる。
「まあ状況が状況だし仕方ないだろ」
移動後。結界に変な爺さんが囚われてる。
「アレ誰?」
「みーちゃんに取り憑いた神らしい。みーちゃんの身体ですげえ剣術使ってた」
「剣術」
「あ、レンちゃんフブキちゃん連れて来てくれてありがと」
「ゆーしゃと盾のにーちゃんは?」
「帰ったわよ」
「へー」
「顔を合わせるのは初めてじゃのう。フブキ・サクライ」
「誰ですか?」
「よく聞くが良い。ワシはノアール・クロノア・フォルナトゥア。元ケット・シーの勇者で今は剣神じゃ」
「ケット・シーの勇者ってリオって方じゃないんですか?」
「ワシの弟子じゃな。フォルナシアで其奴は主に活躍しよった。ワシは世界を渡り歩き各地で剣を振った」
「剣の神…。よしフブキ、この神に弟子入りして魔法剣を習え」
「普通にいつの間にか身体乗っ取ってる神とか嫌なんですけど」
「そいつは霊体だ。このシオンの身体みたいに作り物の身体に強制力だの魔法拘束だのかけて突っ込めばいいだろ」
「なるほど。ケット・シーは上位個体だから流石に無理だから、ノーラちゃん未満のもふもふでもないフェルパーの剣士で」
色々あって依代完成&突っ込み完了。
「フェルパーの形なのは分かるが何故娘の体に」
「俺の能力と分身をベースに色々改良してるんで」
「あったわね。色々」
「で、話して貰うわよ?フブキちゃんに取り憑いた理由」
「ワシは其奴と剣士、いや暗殺者の戦いを見ておった。そして其奴は暗殺者に敗北を認めさせた。その形は勝ったとは言い難いがな。その戦いが中々に面白くてな。それで取り憑いた」
見てたのかよ。
「じーさんから見て相手は強かったか?」
「強いぞ。剣の腕はフブキより少し上ってくらいじゃが魔法剣は扱いこなしておった」
「遠距離から押せば勝てるモノを、わざわざ相手に合わせんでも」
「そんな余裕は無かったじゃろう。あの剣は中々に疾い。隙突かれて相手がその気なら殺されておったわ」
「なるほどな。んじゃ、とりあえず爺さんがフブキに魔法剣を教える前に俺も師匠としてやるべき事くらいやりますか」
「やるべき事?」
「まあ色々とな。んじゃ行くぞ」
違う部屋。
「おっすお前ら」
「早く解放して欲しいんですけど?」
「…やっぱ変態なんですね。拘束して放置プレイとは」
「ちげえっての」
「あ、お姉さんだ」
「…リトルスと、ウサミミと、悪魔?」
「ホワイトホップとサキュバスな」
「初めて見た。サキュバスとかいるんですね」
「こいつ昔会う度に逆にセクハラしようとして来たからな」
「今もする気だよ!お兄さんの姿になって服脱いでよ!」
「…」
「アイツとやっとけ。っと、とりあえずあのアサシンの事について話したら返してやるよ。こっちもちょいとやる事あるからそこは待って貰うが」
「分かったよ。とりあえずボクはポピー。お兄さんが言ったようにサキュバスだよ。魔法使いの。うーむ、キミ可愛いね」
「え、何?」
「ボク男でも女でもいいんだ」
シオンさんがぶん殴ってる。
「いったぁ」
「ちなみに七賢者のリコリスの妹な」
「七賢者のリコリスさんは知らないです」
「アレはサキュバスの中でも頭おかしい部類だから、うん」
「えっと、ブランです。出てきて」
白いフーミットを召喚する。
「サモナーです。この子はユキカゼ。あと2匹、ホイップって子と、メレンゲって子を使役しています」
「白い、もふもふ」
「ふみー」
人懐っこい子でよかった。
「白い雪国の子は身体能力が高いんでしたっけ?」
「ああ、そうだ」
「白は保護色。雪に擬態する色。ウサギと同じ」
「よく知ってるな」
「白い子もいい」
「も?」
「出といで、ふみふみ」
ふみふみを召喚する。
「ふみー。ふみ、ふみ?」
「森林種ですね。高い魔法能力を持つ」
「補助系の魔法とか結界トラップとか色々教えてみたけどすごいよ」
「森林種は魔法を操ってイノシシとか狩りますから」
「私はロールです。隠密です」
「こいつらがあのアサシンと結託してるパーティな」
「なるほど。ユウ・タカナシの」
「キミは気付いてるんだ」
「俺はフブキ・サクライ。幾つかの可能性から最初は予想だった。今回のこの手紙で確信に変わった」
「知らない言語の手紙」
「暗号文か」
「この世界に存在しない言語2つとこの世界に存在しない解読法則を使うので読めないはずですよ」
「ほー、解読魔法も効かん」
「師匠は俺の記憶の中から法則も言語も引っ張ってこれる可能性はあったはずなんですけどね」
「まあそれはあるが」
「ユウ・タカナシって暗号で書いてあったもんで」
「なるほどね。しばらく過ごして分かったけど相変わらずお人好しな事で」
「みたいだね」
「とりあえずこいつの特訓が終わったら送り返してやるが次はフブキが勝つからな」
「見届けさせて貰うよ」
移動後。
「さてと、今回教えるのは魔法じゃない」
「じゃないんですね」
「剣で戦って負けた。俺としては剣で勝たせたい。女としての在り方はそこに一切の配慮は無いが」
「そのつもりですよ。向こうは暗殺術も使わずに剣で負けた。だから剣で決着を付けるつもりです」
「魔法剣はあの爺さんに任せる。俺がやるのは」
ポンと召喚、と言うよりは別空間から呼び出したのは卵。
「鳩の食用卵」
「ああ、コッコポッポの卵だ。俺が暇な時にフブキの特訓の可能性を考慮して集めといた。これでお前の苦手もついでに克服出来る」
「苦手?」
「転移魔法苦手だろ?」
「そう言えば」
「これは様々な魔法の応用が効く。まずは卵を魔力で浮かせて動かしてみろ」
ESPとかPSIに近い使い方。テレキネシス何かに近いな。魔力そのものを操ることがどう言う影響をもたらすのかは分からないが今は信じてやるしかない。
浮かせる。言葉にすると、浮かせるのだが、魔力で掴んで持ち上げると言う表現が近い…が。割れた。
「結構難しいかも」
十数分後。
浮かばせられてくるくる回したり遊べる。
「早えよ!?1日かかると思ったが。風呂での特訓でかいな。まあ本題は次だ。その卵をテレポートさせててみろ。最初は手の上から、次は地べたに置いて違う場所へ。テレポートが出来るならアポートも出来るしそこはいいが」
使うだけならもう構成隠蔽出来る。試しに使う。が、卵が消えて現れた瞬間ぱぁんする。
「これは流石に難しいですね。なるほど。転移魔法はそもそも終点から出る時に空間の歪みやズレが生じる。それの調整は難しい」
演算能力を使う手段は無くはないが力に甘えたくない。
「失敗から原因を突き止め、解決法をすぐに導き出せる、それは十分すごい才能と言えよう」
もう一度転移させるが、失敗する。
「魔力量の調整をするに当たって、多めから調整するか、いや少なめからならもしかすると。転移魔法はそもそも質量と距離の乗算による魔力消費。つまり比例的に消耗は変化するなら少量から攻めて問題無いはず」
こいつ。天才なんじゃないか!?
翌日。
「はぁ、とりあえず爆散はしてないけどヒビが入るか。やっぱ頭で分かってても出来るかって言われたら別だ。これ」
1日でここまで変わるか。こいつやっぱやべえな。
「おいフブキ、休憩にすっぞ」
「あ、はい」
「ほらよ。アイリスが菓子作ってきた。それと、茶もある」
「ありがとうございます」
「お前が無茶なやり方してないのは良かった」
「身体を鍛えるなんて事はした事無いですけど、勉強自体も程度があるんです。時間の限りやるのは効率は悪い事くらい分かります」
「それが分かってりゃ心配は無いか」
「ちなみに昨日あの後魔導書を読んだんですけどね。始めから読んどけば良かったですよ」
「で、何か得られるモノはあったんだろ?」
「はい。テレポートを始めとした転移魔法は想像以上に魔力消費が少なくていい魔法である事。それが分かるだけでかなり変わると思います」
「ほう」
「それともう1つ試してみたい事があるので、それもやってみようかと」
「試してみたい事?」
「はい」
試しに卵をテレポートさせるが案の定ヒビは入る。
「お前、まさか、テレポートの構成そのものの無駄を省いてほぼ必要部分のみの構成…」
「理論上可能なのは分かってたので。まあ安定させられるかどうかは別ですが」
「…お前ならやるんじゃねえの?」
「…ならいいですけど。結局これは何の特訓ですか?」
「そう言えば説明してなかったな。まず1つ目が魔法の効率的使用。これはお前も理解しつつある事だな。もう1つがまだお前が理解していない事、魔力の物質に対する定着率を上げるという事」
「物質に対する定着率?」
「ああ、物質に生体が含まれるがな。この特訓を始める前のお前の干渉魔法の武器に対する定着率が大体6〜7割だ。その点に関して言えば平均より少し高いと言えるだろう。それをほぼ100パーに持っていく。可能だと思う。ちなみに8〜9割超えたところで高い干渉魔法が低い魔法剣を超える」
「上位の魔法を超えると?」
「ああ、一般的に強くなろうと思えば自分の習得している魔法より位階の高い魔法を覚えるのが普通だ。でも覚えるだけなら限界は結構近いんだよ。でも、効率化、定着、安定化をさせるとそこからさらに上がる、それに大体の魔法の定着させる感覚が分かる」
「なるほど」
「ちなみに本来この特訓は1ヶ月はかかる特訓だが、お前は1週間で終わりそうだな」
「え?」
「お前は俺の思っていた以上に頭がいい。それだけでなく、魔力の扱いを論理的に解釈し、下手をすればこの世界の魔法が使える程度の魔法使い以上には魔法の理の領域の深い位置にいる」
「そうなんですか?」
「俺はそう思ってる。さてと、思っていたより早そうだし魔法剣に時間を割いてやれそうだ。自力で行けそうだし」
「さてと、やりますか」
翌日。
「とりあえず、手の上からテレポートは出来たぁあああああ」
突然、額に冷たい物が触れる。
「ひゃっ、なっ、何ですか!?」
「お疲れさん」
「冷えた…林檎?スケてる!?」
「ヒルダが持ってきてた。アメリンゴ好きなんだとよ。贅沢な事で。ってかいつの間に作ってんだ」
「俺も知らないんですけど」
「アメリンゴ。7000〜8000マナする高級な林檎だ。紅く透き通った皮も芯も食える。実自体は琥珀色、林檎とはまるで違う食いもんだけどな」
とりあえず齧ってみると、果実を齧るような音はしない。始め、文字通り飴のような甘さが口に広がる。後から林檎らしい酸味が一気に来る。でもしっかり林檎だ。食感はナタデココに近い。
「最初の甘さをぶち抜いてくる酸味がクセになる…。でも味は林檎、でも食感は何故かナタデココ。ヨーグルトとか良さそう。この辺じゃ手に入らないのは惜しいけど」
「ナタデココって何だ?」
「椰子の果汁に菌を入れて発酵させる発酵食品ですね」
「そんなのあったのか」
「俺はそこまで好きって訳でも無いんですけどね」
「ほー。とりあえず今の段階で干渉魔法使ってみろ。以前とはまるで違うのが実感出来るはずだ」
という事らしいので試しにウインドアドをかけてみる。
「え?何か根本のレベルから…違う気が」
「そうだ。それがこれから得られる事だ。それとまだここからさらに上げられる。今ので8割程に見える。そこから9割以上、ほぼ100パーまで持っていく。そうすればそこらの魔法剣士には負けん」
「マジですか」
「マジだ。まあ魔法の位階が上がると定着率も当然少しは落ちるが。まあ、なんとかなるだろ」
「なんて軽い」
「お前のスペックが高すぎて文句も無いわ」
「あっ、はい」
「夜はやれるなら魔導書読んで使えそうなもん見つけとけよ」
「そう言えば少しずつ魔導書図書館と化しつつある書斎のやつ師匠が増やしてるんですか?」
「俺のもあるがアイリスやカーディアも結構あるな。あとは昔集めてた魔導書も置いといてある」
「色々あるんですね」
夜、書斎。
「確かに何か本増えてる。でも今使えそうな奴って何かあるの?」
片っ端から本を漁る。
「『メリー血術本』かなり古い魔導書か?似たような古さのが何冊かある」
分かりやすく剣に活かせる魔導書では無いのは確かか。暇な時にでも読んでみよう。これは『魔法回路構成』。これは使えそうだな。武器に回路を構成し、効果をもたらす。その類のスキルは持ってたが使った事無いし使い方も分からなかったが、今から勉強してみれば面白そう。と言うかこれ使えるだろ。少しずつ時間ある時に勉強してみますか。




