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異世界転生幼女の英雄譚  作者: ひょうか.みかん
第4章〜如月和泉と聖銀剣(ミスリルソード)〜
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45話〜ガルドの過去(接触)〜

 屋敷の部屋。

「しかしまあ、この屋敷でアンタ達といると嫌な事思い出すわね」

「お前が諦めてりゃそんな事にゃならなかったし俺も生きてた」

「それは…その。謝って済む事じゃないのは分かってるし反省もしてるけど、アンタがいなけりゃ少なからずフォルナシアは終わってたし」

「まあそれはアイツらが悪い。でも俺はお前らと組む予定は無くともアイツらを殺すつもりではあったし、結果面倒事増えてお前に対価を要求したが」


〜回想・数十年前〜


 トゥリナ大陸・都市スノーフォーエル

「ガルド、こいつを片付けた結果、クッキーの居場所が割れた」

「ご苦労さん。一杯行こうぜ」

 酒場

「お待たせしました〜。果実酒とウサギのスープになります」

「お前には頼みたい事が別である」

「ほう?」

「シクサリスに行ってこいつをアレに頼んで来てくれ」

 不透明な袋の中を見ると薬草がそこそこ入ってる。

「そう言う事か。分かった」

 ツミユキソウ。こいつはポーションの材料で逆転錬金、所謂転錬でその構成を組換える事で毒薬が錬成出来る。俺もある程度錬金の知識もあるし多少は出来るがこいつは無理だな。

 食後、店を出る。そして街の外へ出る。

「相変わらずここはさっびぃな。そろそろ行くか」

「アンタ、魔法使いガルドね」

 セレスティアの女性。初めて見た。研究施設以外だと。アイツはセレスティアの素材欲しいとか言ってた気がするが、まあいいか。

「だったらどうした?」

「あたし達に力を貸しなさい」

 面倒な臭いがする。

「断る。面倒な予感がする」

「金?それともアンタの望むものがそれ以上の何かがあるの?」

「強いて言うなら無理なく生活を送る事だ。だから諦めろ」

「世界の命運かかっててはいそうですか。って引き下がる訳にもいかないでしょ!」

 セレスティアの女は杖を構える。それを察してオーブを召喚する。

 構成は光の魔法。上位魔法だ。

 構成が完成するのを見てすぐに転移で回避する。背後を取って手足を拘束し、杖を奪う。

「ダークバインドDだ。あとはマジックロックもかけておくか」

「ぐっ」

「悪いな。こっちゃ魔法使いでも密猟だの殺しなどに特化した仕事してんだよ。手段なんて選ばねえ。じゃあな。2時間もすりゃ解ける。俺は用事がある」

 セレスティアの女を放って転移門を発動する。

 シクサリス・ミスリル鉱山街

「よっと。屋敷に着いた」

 結界に干渉する。

(ガルド?分かった。結界解いたし扉も開けれる)

(悪いな)

 屋敷の扉を開けると知り合い、アステルが出迎える。

「久しぶり」

「久しぶり」

「これ頼むわ」

 袋を渡すと中を見る。

「いつものほうで?」

「それで頼む」

「了解。他何かある?」

 一応機会があるか分からんが話しておいてやるか。

「今日セレスティアの女と会った。力尽くってのも気が引けるし、場所が悪いから何も取らなかったが、あの分だとまた会うことになる。機会があれば連れてきてやる」

「ほんと?」

「ああ。んじゃ、今日はもう用事ねえし、宿探して明日街を出る前、昼前後に来るからよろしく」

「了解」

 数日後、ナナノ大陸エドゥー

「見つけたわよ!」

 あのセレスティアの女か。

「どうやって」

「情報収集」

「さーてとじゃあな」

 転移魔法ではなく走って逃げる。

「え!?ちょっ!?」

 不意を突かれたのか一瞬遅れる。

 入り組んだ裏道で転移魔法を使う。女には見られてない。これは逃げる為じゃない。おそらく探知される。だからそれを活かして人気の無い場所へ誘導する。

「もう逃がさないわよ!」

「お疲れさん。逃げねえよ。あんなとこで話したくなかったから場所変えただけだ」

「そう、それじゃ、改めて言うわ。あたし達に力を貸して!何でもするから!」

 土下座。いや問題なのはそこじゃない。

「今、何でもするって言ったな?」

「するわよ!アンタの力が得られるなら。この…身体でも。エッチな事でも」

「ほー。んじゃ付いてこい。話はそれからだ」

 街の飲食店。

「これお前の奢りな。何でもする関係なく」

「それくらい構わないけど。これからどこへ行くの?」

「ちょいとな。シクサリスに錬金術の知り合いがいるんだがそいつに頼みにな」

「頼み?」

「俺も多少の錬金術は出来るしそこそこやってるが俺じゃ出来ん転錬をやってもらうのにな。あとそいつの実験の協力」

「寄るとこ寄ってからでいい?」

「分かった」

 食後。シクサリス・アステル屋敷。

「ヨシノの姫とお前繋がってたのか」

「久しぶりー」

「お前このアマに情報売ったな?」

「あはは、アイリスと繋がってるって思わなかった」

「ねえから!ったく。死ぬ気でブラウニー探して来い」

「…無茶苦茶な」

「これ、かなりすごい結界」

「ちょい待ってろ」

 結界に触れる。

(いいもん連れて来たぜ)

(ん、結界解いた)

「よし、行くぞ」

 屋敷に入ると。

「…ガルドと…セレスティア?どこで見つけたの?あとそっちのリトルスの子、お姫様」

「最初はトゥリナのスノーフォーエルの街の外れ、さっきナナノのエドゥーまで追っかけて来た」

「…え?」

「俺をなんらかのの組織か宗教に引き込むのだろうが、お前がセレスティアの力に関心があるのは聞いてるし約束したからこいつ好きに使っていいぞ?」

「え?そういう?」

「そう言う。あ、ついでにエンジュフォール頼むわ」

 アステルは親指をぐっと立てる。そしてリビングに案内する。

「ちょっと待って」

 アステルが部屋を出て間も無くして戻る。紅茶と菓子類が。そう来たか。

 躊躇無く紅茶を口にする。紅茶は淹れられるのな。菓子類は既製品だが。

 そこの女2人も躊躇なく飲む。勿論俺のには毒なんかは入ってない。

 とりあえず、先に言っておくか。

「まー約束しちまったし俺も何かするがクッキーって女を始末するのが先だ」

「それにエンジュフォールを?」

「いやエンジュフォールはアイツに渡す。俺の仕事にんなもん要らん」

 毒なんぞ使わん。魔法使いであってアサシンじゃねーからな。まあ人殺しも十分やってるが本職じゃない。いや、案外本職くらいに量こなしてるが。

 クッキーか、そう言えばその近くにクリエイツの研究施設あったよな。

「確かクッキーって教会の子の活動区域ってクリエイツの研究施設あったよね」

「流石、情報通で」

「殺し屋1人に情報売ったのあたしだよ」

「アレとこのお姫様繋がってたのか。まあ人の事言えんが。クッキーのついでに始末して来る」

「悪い顔…。そこでクリエイツを強奪でもするの?」

「素体次第だな。今までの輩じゃロクなもん作れねえし今回もまあそうだろうけどよ」

「…ん」

「どうかしたか?」

 なんとなく察したが気付かない振りを一応しておく。

「いや、その」

「ん…仕事」

「ふぇ!?ちょっ…あなた何を!?」

「隣借りるぞ」

「了解」

 俺は隣の実験室を借りておく。まあ菓子食ってからだが。

 バタンと強く扉が閉まる。

「1つ聞いていいかな?エンジュフォールってどう言う薬だっけ?」

「ああ、セレスティアの血液や尿を成分を他の薬草なんかの薬効成分なんかと合わせてヘヴンヒールっつーポーションが作れるんだがそれを逆転錬金、作用をひっくり返す効果を持つ素材と合わせる事でエゲツない毒が作れるんだよ。それをアレに売る」

「血とかおしっこ」

「遠視魔法で台所に薬瓶が見えた。ラベルはこの洞窟の外で採れるユーリリィっつー利尿作用のある植物の名だ。俺とお前とアステルのには入ってない」

「そうなんだ」

 その頃…。実験室。

「何をする気?」

「翼を展開して」

「うん?いいけど」

 ふぁさっと翼を展開する。

「堕ちてない純白な翼、それでいて光を反射して銀色に輝く」

「あ…れ?動けない。ひあっ!?」

 アステルが羽根を慎重に一枚一枚、何枚か抜いてゆく。

「ちょっ、やめっ!?」

「羽根はこれで十分。あとは、エンジュフォール…」

「ねえ、あたしそこまでそういうのに詳しくないんだけどさ、それってあたしの、セレスティアの何を使うの?」

「血液や尿。流石にガルドが連れて来たとは言え、初対面の人の腕斬る趣味はない。不幸にも注射器も持ち合わせが無い」

「初対面で尿採る方がアウトでしょ!?ってかそれで薬盛ったの!?急激に行きたくなったし」

「そう。これ…は流石に無理」

 フラスコを見て無理だと悟る。ポンと木製バケツを出す。そして魔法で扉を結界で封じる。

「嘘でしょ!?」

「嘘じゃない。今のあなたに結界を破る力は無いし逃がさない」

 その頃。リビング。

「さっきからなんかアイちゃんの変な声が」

 その後聴き慣れない水流音が聞こえる。

「んんっ!?」

「気にすんな。さてと、俺もやるか。先に…。

 隣の実験室の魔道具に火を点ける。漏斗に濾紙を入れ、薬草を複数種併せて入れる。その間にお湯を沸かす。

 少し待ってお湯が沸いた頃になんか姫様が眺めている。

「おいチビ姫。何で見てんだよ?」

「面白そうだし」

「んな事ねぇぞ?俺は釜なんか使えんし。まあ硝子の道具があるのは有り難いが」

「ここってあの錬金術師ちゃんのお家でしょ?よく集めたよね」

「厳密に言うと違う。まあこの事はぶっちゃけ俺に話す権利あるし勝手に話すが、この屋敷は空家を俺がアイツに買い与えたものだ。前の住人の私物が多い。同類の研究者だったのだろう。そこ記録はキチッと持って去ったようだが道具は置いていった。相当の富豪なのも分かる」

「へえ。ガルドがこの研究施設を潰して嘘付いてる可能性…は無いね。ガルドって錬金術師自体は手にかけるメリットそんな無いし」

「そうだな。ここの研究者は真面目な方だったのだろう。記録は無かったが入門書は置いてあった。ここの住人の物で間違いは無い…名前は分からんが」

「セレスティアの素材を使う道具ってのはどこで知ったの?」

「そう言うのを研究する施設を潰した事がある」

「へぇ」

「アステルもそう言う施設から助け出して自立させた魂だし依代も分け与えた。ついでにそう言うのの被験者はある程度管理してる。お前には教えておくか。この地図をやる。興味があれば行ってみるといい。俺の名を語れば入るのも難しくないだろうし、珍しい種が多くいる」

 フォルナシアの東端の方。

「まあ、色んな意味でやべえのもいるが、本人から話を聞いてみるといい。いつか、アイツらは逸材となる原石だ。っと」

 濾過を終えて薬の熱を取る。

「うーむ、んなもんか?」

 とりあえず出来てるな。とりあえず転錬するのとしないので分けて。

「こっちは、冷やしてからこれを入れれば大丈夫だな。ポーションの方は味はどうしたものか。これでいいか」

 手元にあった果実を乾燥させて粉末にしたものを入れる。これでいいだろう。

 薬の半分を冷やして薬草を入れる。これで毒薬も出来た。俺が持ってても使い道無いが。

「これが…毒?」

「おーそうだ。まあ俺には要らんもんだが。ポーションの量も足りてるしまあこんなもんだろ」

 掃除して部屋に戻る。すると間も無くしてアステルが顔を出す。

「こっちも終わった。ほれ。ついでに作ったが正直俺には要らんからやるわ」

「フォルナシアの方で採れる珍しい薬草、フォルパッション」

「よくご存知で」

 フォルパッション。森によく生えてる植物。地域が珍しいだけでフォルナシアなら珍しいという事もない。葉や茎、根などはポーションなんかに使えるし果実は生食出来る。まあまあ使い道あるからある程度ストックしてる。

「現物持ってない?」

「あるぞ。状態保存してる生のやつで乾燥してないが」

「それでいい」

 そう聞くと1株丸々出す。

「上出来」

「あ、そう。あの天使は?」

「部屋で力尽きてる」

「入って大丈夫か?」

「問題ない」

 と言う事なので部屋に入る。木製バケツに黄金色の液体が入ってるのとか床に数本羽根が散っているのとか、髪とか気になるが。

「面白いやつを亡くした」

「生きてるわよ!」

「ボケにそんなにガチギレるもんじゃねーよ」

 机の上にエンジュフォールと書かれたラベルの瓶がある。

「こいつはいただいてくぜ。俺がアンタの話に乗る条件だからな。さてと、まあ約束だしやる事終わったら相手してやるからこの場所に迎えに来い」

「分かった」

「そん時はアステルも連れて行くからな。こいつは出来るからな」

「分かったわ」

「んじゃ、この天使さんにグチられるのも嫌だしさっさとクッキー始末してくるか」

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