41話〜暗殺者の噂〜
結城蓮が街に来て数日。あやつはこの街の一住人として溶け込みもはや違和感など無い。ぶっちゃけそれ自体はどうと言う問題は無いし、アイツと他数名もこの街に協力的だし放っておいていいだろう。
「ふぅ」
思わず溜息が漏れる。
「どうかなさいましたか?」
「コンか。ちょいちょいレンレンとかサクヤとか走らせたり自分で繰り出して街へ情報屋の記事を買ってるんだけど」
自分の読んでた記事を見せる。
「正体不明の暗殺者の被害者が増えていると」
「こいつの移動能力はかなり高いらしく追っかけてもまず捕まらないだろう。こいつは今は後回しでいい。あの七賢者とか言うのがこいつを追っかけてて何か動きがあるっぽい」
「これからどうなさると?」
「シクサリス大陸へ向かう…んだけど、アイリスさん探さないと。ってかいるのかな?」
「まあそうなると言うか…」
「まあじっくり準備した方がいいか、暗殺者とか言うのが何考えてるかも分からないし」
「行く話になったらもちろんあたしは行かせてもらいます!あ、それでは」
行ってしまった。お茶と得体の知れない食べ物が一緒に置いてあるが。大丈夫だよな?コンが持ってきたものだし毒な筈はない。
そう思っていたのが命取りでした。
めのまえがまっくらになった!
再び目を覚ますと今度はトウカの膝の上である。
「ダメですよ〜。あんなところで寝てたら。風邪引いちゃいます」
「じゃなくて、えっと。コンが持ってきたお茶と何か食べたらその味なのか何かの作用なのか」
「コンが…え?失礼しました!まさかコンが台所に入っていたとは」
「え?何?」
「コンは大体の事は出来るのですが料理だけ絶望的で」
「身をもって実感した。アレは何とかならないのか」
「無理ですね。料理そのものを止めるしか」
「さてと、とりあえず次の計画についてでも」
とりあえず今いる人達だけでもいいや、集めよう。
数分後、あとはノーラちゃん達だけど、レンレンもそこか?
剣士組特訓場。
「レンレンもやっぱここか」
「いやーこのねーちゃん達いい特訓になるわ。で、どったの?みーちゃん」
「話があるからお前も来い」
「うぃっす」
で、場所を変えてフブキ邸会議室…のような場所。明確な会議室自体特に設定してないんだが。
「さてと、今回集まって貰ったのは、先の遠征で手に入ったイズミ・キサラギの話だ。レンレンが言うにはシクサリスの鉱山の街にいると言う事だからそこからアタリをつけて行くことになるけど」
「そうなると私の射撃は不便ですね」
「剣作ったはいいけどそっちは下手だし…」
「申し訳ありません」
「でもうちのサポーターとしては必須だからなあ」
「コンちゃんとトウカちゃんは連れて行った方がいいと思う」
「じゃあメルナちゃんとレン様も」
「ん?俺も行く流れなん?」
「まあ洞窟が目的地ですから」
「うい」
「あたしも足引っ張るだけかも知れませんが、同行してよろしいでしょうか?イズミさんと会いたいもので」
「いいけど…まあこいつの時みたいな話にはならんだろうし」
「あれ?皆集まって何してるの?」
アイリスさんとオウカさんとシオンさんとアステルさんが入ってくる。
「シオンさん何処行ってたんですか」
「アステル引っ張ってきてた」
「何?」
「シクサリスの鉱山の街に行く話をしてたもので」
「分かった。アイリスに飛ばしてもらえばいい」
「あそこか〜」
「必要あれば私の家を宿泊に使ってもいい。広いからある程度の数の余裕はある。料理はアレだからそれだけ他で何とかする必要あるけど。あとはシオンが余計な事しなきゃそれで」
「出来ねーよ」
まあ行動制限かけてるからな。
「洞窟ならボクの出番だね」
「サポートはあたしがするわ」
「となるとノーラちゃん、コン、メルナさん、マシュ、サクヤ、レンレンであとは師匠の方々」
何か大体レンレンと似たような流れで決まったと言うか。
「あとさ、マヨイとセイラちゃん引っ張ってくるね」
「う、うん!?」
「まー俺のパーティで信頼してっから」
「はあ、わーった。んじゃ準備してきて…っと、ヒイロとコンは残ってね」
俺ら3人以外居なくなったあとヒイロが切り出す。
「何かありましたか?」
「何かコンの得体の知れないモノ食べて意識飛んだんだが」
「…コンの作ったモノを食べたのですか!?」
「お茶と一緒に見た事無いモノ持って来たんだけどこっちの世界の珍しいモノかとでも思って食べたら意識が」
「…あ、えーと、その」
「おいコン、料理はやめろと言ったよな?」
「…えっと、その、なんか行けそうな気がしたと言うか、マシュマロちゃん達の開発でいい食材もあるし」
「食材だけ良くてもそれを扱う料理人がダメならどう転んでもマシにはならねえよ」
「ぐっ」
「とりあえずコンの料理は禁止。嫌ならヒイロに許可を得られるモノを作ってね」
「ちょっ、フブキ様!?」
「ヒイロ様のお身体に負担かからないように…」
とりあえずここを後にする。
レンレンが自分のパーティの仲間がどうこう言ってたけど。様子見に行くか。
数分後。いた。
「えっと、フブキ様だっけ?この街のお姫様の」
「姫じゃないけど」
「で、その姫さまが何の御用で?」
この人話聞いてねえ。まあいいや。
「いや、レンレンのパーティメンバーってどんなものかって。まあコレが脳筋に戦闘狂なせいで大変な目に遭ったのは知ってるけど」
「まあ、放っておけば何もないサソリとかたまーに喧嘩売ってるのはね。こっちにきてからだとイノシシに素手だし」
「何やってんのお前?」
「ウサギとか鹿とか鳥って小さくて強さそんなだからそこまで熱くなれないと言うか」
「遊びじゃなくて仕事なのよ?」
「うっ」
「で、シクサリスに行く話がって聞いてるけど、大丈夫なの?」
「それは保証するよ。キングワイバーンの攻撃を防ぐうち最強の護衛とレンレンの相方に据え置く予定の優秀な剣士は連れてくから」
「猫ねーちゃん行くの!?」
「うちの剣士のツートップだぞ。留守を預けるヒイロと護衛のノーラちゃん」
「あのにーちゃんたしかにめちゃくちゃ強いな」
「何だかんだ言って一軍を任せてるからな」
「さてと、とりあえずここは大丈夫そうだしこっちも準備始めるか」
「よーし、みーちゃんに付いていこーっ」
「お前も準備するんだよ」
とりあえずまずは植物園兼研究所。
「で、結局お前もいるのか」
「まあな」
マシュの部屋。
『あ、フブキ様。開けましたのでどうぞお入り下さい』
と言う訳で部屋に入るも相変わらず部屋がごちゃごちゃしてる。そして前にも見た謎の液体。
「これどー見てもおしごふっ」
殴って止める。
部屋を掃除した後、こっちから切り出す。
「とりあえず新しいやつなんだけど」
「出来てますよ」
「何この袋?」
「魔術回路組み込んだ優秀な下着類。インナーもある」
「数万するやつ作ってんのか」
「ああ」
「まあくれるってんなら貰っておくか」
「あとはこちらが着替えになります」
「ありがと」
「おーっ。露出が少ねえ」
「そこかよ」
「洞窟だと屋外より少し寒いので」
「なるほど」
「俺は普通に露出少ない方がいいな」
「セクシー路線攻めようぜみーちゃん」
「嫌だよ。防御力は大事だ。重い鎧なんかは着れねえから回路刻印やって貰ってる訳だし」
「まあフブキ様の戦闘装備は本来なら1着でこの街の地価を換算して大体一般市民の家一軒分の価値は保証します。レン様のはそれよりさらに高いかと」
「何で俺の服のが価値あるんだよ」
「サイズがデカいから純粋に材料の量増えるからでは?」
「そうですね」
「あ〜」
「今は他には新しい開発とかは無い感じだっけ?」
「そうですね、いくつか作ってますが間に合わないかと」
「分かった。その辺りを無理する必要無いから今用意出来るやつを頼む」
「はい」
「さーてと、行くぞレンレン」
「あ、フブキ様。これを」
衣類とは違う何か…デカい西瓜とメロン?
「どしたの?これ」
「サンドウラで入手した種子から栽培し、繁殖に成功致しました」
そんな事と言うかそんなペースで作られるのか。
「西瓜の漬物って美味いよな」
「みーちゃん西瓜漬けるの!?」
「酢漬けでもいいし塩だけでも美味いぞ。こっちの西瓜が向こうと似たようなモノかは知らんが」
「食った事無えな」
「イズミに土産に持って行ってみるか。あいつのが上手く漬ける気がするのは悔しいが」
「マジで?」
「後でそれは聞かせてやるから行くぞ」
「おーう」




