Extra story10〜結城蓮8-約束-〜
ワイバーンソロキル数日後。
「よく来てくれたキミ達」
「お姉ちゃんまだこの街にいたの?早く帰って仕事したらどうなの?」
「最近うちの妹が冷たい件について」
ラノベのタイトルみたいなこと言ってる異世界人が目の前にいるんだが。
(アンタも心の内で乗らない)
「アンタ何もしないであたしの家居座って」
「進めていいかな?先日レンちゃんに同行してこの子がワイバーンを単独討伐成功したのはまだ新しい事だ。その実力を見込んで今回は調査の依頼をキミ達パーティに委ねたい」
「調査?討伐じゃなくて?」
「流石にそこまでしろなんて言えないよ。マヨイの案内の下、山の麓の集落に向かい、ワイバーンの親玉であるキングワイバーンの情報を集めてくる事。多分流石にレンちゃん単独でもそいつは厳しいだろうし、キミ達パーティメンバーは戦意無いだろうから無理はしなくていい。報酬はパーティで金貨3枚。領収書出せば経費も払うよ」
「討伐を含めず調査だけで金貨3枚、随分と思い切ったわね」
「それだけ期待してるのさ」
「そう言えば調査と言えばこんくらいの魔法戦士2人とおっぱいでかいおねーさん来なかった?ワイバーンを売りに」
「ああ、来たって聞いてる。それがどうかしたのかい?」
「その子連れと組んでワイバーン倒したんだけど、なんとなく気になってさ。そのパーティなら、ワイバーンの親玉相手だろうと勝ちそうな気がするけど。まああっちはあっちでギルドとは別の何かに動かされてる気がするから、必ずしもヤってるとは言い切れないけど」
「ぶっちゃけその人達怪しいもんだから調べてるんだけど当ても手掛かりも無くてね。冒険者登録してないみたいだし。うち買い取りはやってるからさ」
「ペッパー、シナモン、カモミール」
「名前?知ってる人当たってみるよ」
「あたしも調べてみるわ」
「とりあえずその集落行ってみますか。んじゃ準備を」
と言う事でギルドの店。
「熱中症ポーションと回復ポーション、あとは」
「あたしはこれとこれと」
あと魔物寄せアロマは余ってたな。
「何で魔物寄せアロマ見てるの?」
「食材の現地調達に便利だし」
「…しないわよ!?」
「大丈夫大丈夫。強くなったスーパーレンちゃんの強さがあれば負ける気がしねえ!」
(正直現段階でこのセリフでフラグが立たないのは引くレベルね)
女神が引くなよ!?
(とりあえずワイバーン1体との戦闘はセッティングしとく?)
何でノリノリなんだよ。
とりあえず案内の下、狐の獣人の集落付近に到着。結局、ワイバーンはセットされておりました。問題無く倒せたけど。
「何とかここまで来られましたね」
「まさかレンちゃん1人で本当にワイバーンに勝てるようになるとは。途中いた蠍も一撃で殻割ってたし」
「筋肉があれば容易いこと」
「ってかレンちゃん魔法使ってたわよね!?」
「皆が使うようなランクのは無理かな。小規模、低効果、低範囲、単体対象、高火力」
「火力はあるのね」
「むしろ火力さえあればあとは最低限で」
「レンちゃんはそうよね」
なんて話ながらちゃんと周囲の警戒は怠らず、村に到着。
「ここも久々ですね〜」
なんとなくワイバーンは近くにいる気配がする。しかし、ここは戦った、いや、一方的に蹂躙された痕跡すら無い。まあ俺が考えたところで得られる情報は無い、か。
「あ、マヨイ」
「アサヒちゃん」
「何かあった?」
「ステラ姉さんがレンさんとワイバーンの件の調査してこいって」
「で、そっちのディアボロスの子が」
「レン、よろしく」
「ディアボロスとか連れて来て大丈夫なの!?」
まあこの世界、ディアボロスのイメージ悪いっぽいし。それにしても腹減った。
きゅうう、とお腹が鳴る。
「…大丈夫かな。食欲は凄いけど人に当たったり悪く言ったり見下したりしないし。ただ、危ない橋をぶっ壊して、そこに橋架けて渡るようなタイプの子だから、大変ではあるけど」
何か知ってる表現が改造されて使われてるけど、的を射てるから文句言えねえ。
しばらく歩くと大きな家に着く。
「来たか。元気しておったか?マヨイ」
「はい、おばば様」
「ステラやサツキ達は?」
「その者達も同じく」
「そうか、その者達は以前見た者達…じゃが、ディアボロスの小娘、そやつは初めてみるのう。しかもかなり強い」
「レン。そのステラってねーちゃん達に頼まれて仕事で調査に来た」
「なるほど調査…か。その前に御主の力、測らせてもらおう」
何か話の流れで祭壇に移動し、このお狐様は力を測るって言って何か石を地面に並べてる。
「妾はタマモ、村の代表にしてワイバーンを押さえ込む最強の魔法使い。御主の力を見せてもらおう!」
何か地べたの石に魔力が注がれて魔法陣が発動する。
「これは戦闘演習用の結界魔法。これは双方の意識に介入し、お互いの互換や情報を繋げ、戦闘空間を擬似的に生み出す術」
「つまり肉体自体にゃ何もダメージを負わないと」
「そうじゃ」
「分かった」
大剣を呼び出す。そしてぴょんぴょんと数回軽く跳ねる。その後、頬をぺしぺし2回叩く。
「やるぞ!」
「行くぞ!」
火の玉を複数撃ち出してくる。それを数発避けて1発斬る。
「鍛えた甲斐があるってもんだ」
「剣で魔力の炎を斬った、じゃと!?」
この技は暇な時に身に付けた。あの程度なら斬れる。大規模の魔法となると無理だが。
「1つ教えてやる。結局レベルを上げて物理で殴るのが最強であり、それこそこの世の真の理だと」
まあ強がりなんですけどねー。魔法使うっちゃ使うんよ。
「何を訳分からん事を言っとるんじゃ、こやつは」
「筋肉は魔法を凌駕する。今お前はその片鱗を見ただろう?」
「いやいや、炎を斬ったのは魔法じゃろ!?」
バレテーラ。そう言う魔法覚えておいたんすよ。実は。だがここは。
「そのような事を言ってるうちは俺には勝てねーぜ。お狐様よぉ」
複数の真っ黒い手が捕らえようと襲い掛かる。
「っと」
足を捕らえると、そこから全身をガッチリ固める。
「エロい展開になるのはお断りだぜ」
意外と強いなこの魔法。んじゃ。力尽くで。
何とか魔法をぶっ壊すが身体中傷だらけだな。痛え。
「嘘でしょ!?」
「んなっ…」
「まあ、こんなもんか。俺の筋肉でも傷を負っちまった。俺もまだまだだな。ちょい痛えよ」
「今御主から魔力の発生は感じ取れんかった」
「そりゃそーだろーな。筋力に身を委ねて魔法を壊した。だが傷を負った。俺も悠長にやってる訳にも行かなそうだ。さっさとケリ付けっぞ」
血鬼壊放を迷わず使う。剣を地面に突き刺して構える。
「…妾も全力で行かんとな」
膨大な魔力がタマモを覆い、形作っている。玉藻前っつーのは九尾の狐の妖怪だったか。
デカいな。ワイバーンにも匹敵するんじゃねえか?
複数の電気の玉。それを何とか躱して頭上へ飛ぶ。この玉は躱せないな。パンチで潰すが左手がイカれたな。しゃあねえ。
九尾の上に跳び、回転し、踵落しをキメる。
魔法が溶ける。
「御主、バカなのか?剣や体術で魔法を壊して突っ込んで」
「馬鹿だよ。魔法も使えるけど使いこなせないし」
「でもその愚かさ故なのか、後先考えない行動をそれを遂行する勇気、なるほどのう。御主に託しても良いかもしれぬついて来られよ」
少し歩くとワイバーンの巣穴と思われる洞窟に着く。ワイバーンの気配を察する。
「無理だな」
「そんなあっさり言うか」
「自分1人が必要な立ち回りする分には問題無いだろうけど他の皆は多分そのワイバーン見るだけで多分ビビって向こうにやりたいようにやられて終わる」
他のパーティの皆様全力で頷いてらっしゃる。
「ここに必ず勝てるメンバーを連れて戻ってくる。だから明日、今回は素直に引き返す。でも次は絶対倒す。約束する」
「信じるしかあるまい」
そしてそれから数日後、俺が蜘蛛狩りのクエスト受けてる間にみーちゃん達が来て…。
「って感じ?」
フブキ邸。
「お前はお前で結構ハードな事やってんのな」
「で、みーちゃんは何作ってんの?」
「ワイバーンの卵とじ。米は無い」
「団子…」
「それ芋だったか豆だったかの作り置きだからな」
「マジか」
「あとは、野菜と、サタンハートとウサギでスープでも作るか」
「いい匂いがするの」
「タマモが釣られて来た」
「んじゃもうちょい待ち、すぐ支度する」




