Extra story4〜結城蓮2-サンドウラの街-〜
じゃ、行きましょうか。って言ってもここからしばらく歩いたら大変な事になるんだけど)
言ってる事事実かもしれないけど怖えよ。
トイレよし!剣よし!体調よし!
「いや、ちょい待て女神」
(どうかした?)
水持って行かなくていいのか!?瓶とか何の準備も無いが。
(それは大丈夫。必要になる前にこっちで立てといたフラグが効いてくるから)
んじゃ、信じて出発しますか。
やる事は1つ。ただひたすらまっすぐ歩けばいいらしい。
っつー事で歩く!
それから数分。あのさ女神。
(どうかした?)
服装もうちょい何とかならなかったの?
(それは後々手に入るから問題無いわ)
問題無いならいーわもう。ってかこっち来た時から女もんの下着着けられてるんだがそもそも俺はブラなんざ着けられねえぞ。
(あなたの記憶に直接干渉して着けられるようにしたわ)
記憶にまで干渉とか流石女神。ぶっちゃけ運命操作やそう言う系以外に何が出来るのか興味あるが今はそれどころじゃないからほっとこう。
しばらく歩くとデカい蠍とエンカウントする。
おい女神。この蠍サイズおかしいだろ!?
(大丈夫よ。刺されても毒は効かないわ)
いやいや、毒とかじゃなくあんなデッカい尻尾貫かれたら出血の方で死ぬよな!?
(毒ブレス吐いてそっから尻尾叩き斬って頭なり胴体なりブッ刺せばいいのよ)
蠍に毒ブレス効くのかよ。
(こいつのとあなたのは別物だからね)
どうやってやんの?
(お腹、お臍の辺りをぐるぐる流れを作るように回して)
なんかあったかくなってきた。
(それを喉元まで持ってきてそこから勢い付けて吹き付けるの)
ぶわぁっと霧状の毒を蠍に吹き付ける。
「けほっけほっ」
咽せた。思いっきり咽せた。味は感じなかったから良かったけど。
効いてるっぽいな。殆ど動かなくなってる。尻尾叩き斬って、っとんでトドメでいいんだよな。
言われた通り遂行した。
(これでこの蠍を食べられるように始末出来たわね。まああなたなら毒回ってても問題無いし、あなたの毒は回ってるけどそれも問題無いわ)
食えるのかよ。
(脚1本燃料にも使うけど、火起こして、素焼きでも十分だと思うわ)
暑いのに焚き火やって大丈夫か?
(それも保証するわ)
という事で蠍の脚の素焼きを作る。ついでに脚の身をから水分を搾り取る。
水分は一応煮沸だけして臭みを取る。これでいいんだよな?飲めんのか?こんなんで。
(大丈夫よ、臭みは飛ぶからほぼ臭いや味とかも分からないと思うわ)
お前、運命の女神だよな?知を司ってる訳じゃないよな?
(あたしの力の1つで情報を入手する方法があるのよ)
そっすか。とりあえず出来たっぽいし食うか。味はなんか甲殻類の類の味だな。普通に美味い。とりあえず腹八分目まで食って、水分も摂る。これでいいらしい。あとはひたすら歩けとの事。
なので歩き始める。そこから数時間後。
どれほど歩いただろうか。そもそも俺は今どこを歩いているのか。何も分からない。ってかそろそろ身体に限界が来ている。あ、やば。もう無理ぽ。
(大丈夫よ。条件は満たしたわ。今はゆっくり休みなさい。おやすみ)
ここで意識は飛んだ。
その頃。付近にいた冒険者パーティは。
「ねえ、そこ、人倒れてない?」
「ん〜?ほんとだ。大丈夫…ではなさそうだよね」
冒険者パーティの1人の女が近づく。
「大丈夫ですか〜。おねーさん大丈夫ですか〜」
「ダメっぽい」
「連れて帰りますか。ここにほったらかしで亡くなられても後味悪いので」
「え、連れてくの!?ディアボロスの女とか目覚めたら何されるか分かんないわよ!?」
「だって、可哀想ですよ?」
「可哀想も何もこんな装備で砂漠を歩くのが悪いだけのような」
「分かりました。応急処置をして連れて行きましょう」
「仕方ない。あたしも回復手伝うわ」
数時間後、サンドウラの街、冒険者ギルド。
「ここまで目が覚めないとは」
「結構な疲労とかは回復出来ませんし」
「あ、サツキちゃん?お仕事終わった感じ?」
「はい、お店に商品卸してきたところです。その方は?」
「分からないわ。砂漠のど真ん中に倒れてたの」
「私が引き取っていいですか?」
「やめた方がいいわよ?目覚めたら何されるか分かったもんじゃないわ」
「あくまで勘の話ですけど大丈夫だと思います」
「…信じてみるわ。何かあったらすぐ呼んでね!」
「はい!」
それから数分後。
「う〜ん」
何処だここ?天井がある。何処か建物の中である事は間違い無い。
「あ、だだだ、大丈夫ですか?お姉さん?」
「えっと、俺、砂漠で意識失って…」
ケモミミと尻尾生えた女の子。キツネか?可愛い。
「それを知り合いのパーティが発見して連れて来たらしいのですが」
「えっと、何処か痛むところとかありますか!?」
「大丈夫だけど…」
「けど?」
「お腹減った」
「お腹減った?分かりました。すぐ作りますね!」
蠍狩ってからどのくらい時間経ったか分からないが結構お腹減った。
なんか介抱させてる上に飯まで作らせてるのはなんか申し訳ない。
「どのくらい食べます?」
「結構?」
「それなりに作りますね。えっと、お肉もあったはずだから」
「あ、うん」
割とノリノリでご飯作ってんな。この子。
それから数分後、サンドウラの街。
「ねえ、やっぱ不安じゃない?様子見に行かない?」
「分かりました。何があるか分かりませんし?」
サツキ宅前。扉を叩くが反応は無い。いるのは分かってるけど。まさか。
ハンドサインで準備を指示する。タイミングを合わせて扉を開ける。
「へ?」
「何だこの人達」
「サツキちゃん…大丈夫?」
「私の1日分の食事量を遥かに上回る勢いでご飯食べてるので大丈夫ではないです」
「…あなた何者なのよ?」
「まあ待ちんしゃい。食ったら話す。おかわり!」
数分後。
「ふぃー、食った食った。んじゃ、俺はレン・ユウキ。別の世界で死んで砂漠の中に放り込まれて彷徨ってたら意識飛んだ。魔法はあんま使えんけど剣は振れるよ?どっか行ったけど」
「それならあたしが持ってるわ。魔法空間に管理してる。あなたの事を知らずに助けるのはリスクが大きかったから取り上げさせてもらったわ」
「賢明なとこか。じゃあしゃーないな」
「物分かりがいいのね」
「俺とアンタらの立場が逆なら俺でもそーする。とりあえずありがとな。奴隷商とか性欲に飢えた豚とかに拾われなかったのは幸いか」
まあ、女神の運命操作的に無いのは無いだろうけど一応。
「で、どうするの?」
「住むとこ探したいけど金も無いしな。言って不器用だし戦うくらいしか出来ない、剣振る事くらいしか出来んし、冒険者とかくらいしか出来ないだろうけどその金もねーし」
「冒険者登録の代金はあたしが持つわ、いや、あたし達のパーティで割り勘ね。最初の頃の報酬の分配からちょっとずつ回収するわ」
「分かった」
「交渉成立。さーてと、歩ける?」
「歩けるけど」
「ご飯大丈夫?」
「うん」
「んじゃ付いてきて、今日はあたしが持つから。あ、サツキちゃんもいいわよ」
っつー訳でギルド。冒険者ギルドの登録を済ませたあと、カウンターでなんかやってる。
「これで大丈夫よ。大浴場の使用料金は払ったわ」
「大浴場あんの!?」
「値段高いから普段はシャワーなんだけどね」
大丈夫だ。興奮してない。しないものなんだな。
「どうかした?レンちゃん身体気にするような事もないと思うけど」
「そうなの?」
「レンちゃんとかディアボロスはそのいっぱい食べた栄養は大体胸に行くから」
「種族単位で身体の発育のポテンシャル決まってるとか何その保険」
「そんな種族補正とか消えればいいのに」
「普通の身体に見えるけど」
「不公平じゃない!?」
「んな事言われましても」
「そうよね。気付いたらディアボロスになってたレンちゃんは悪くない」
脱衣所で服を脱いで大浴場へ向かう。身体を洗った後浴槽、向こうとそんな変わらんな。石鹸の質はそれほどよろしくないらしいが魔道具だかのシャワーはすげえ。
「全然違う世界でここまで立派なお風呂に入れるとは…」
この時間帯は、どうやら人は少ないらしい。他に数人いる程度だ。まあ、シャワールームもあって、そっちのが安いからそっちに流れてる説もあるが。
「結構いいもんでしょ?」
「世界は違っても別の発展の仕方次第でこうも高い文明レベルを持てる…か」
案外この世界も面白えかもしれねーな。この身体でまた愉しむのはそれは別の機会として。
「面白いとこに目をつけるね」
「面白い?」
「面白いわね」
「えーと」
「あたしはセイラ、魔法使い」
「ヒナタです。アルケミストです」
「アルケミストって何するの?イマイチパッとしないけど」
俺がやってたゲーム、DLOでもアルケミストのジョブは存在していた。錬金の道具作成に補正がかかる以外はイマイチパッとしない錬金魔法と言う固有の無属性魔法があったりあとは炎や土、水の魔法やバフデバフなんかがあるけど魔法使いより特殊な印象だった。
「金属を変質させてそれを武器にして戦うって言うのも出来ますし炎や土や水魔法とかも出来ます。毒を扱う者もいます。あとはそうですね、これは人によって変わるのですけど、薬学なんかのノウハウを活かして、医術や回復魔法を学んだりする人も多く、私もそうです」
毒を扱ったり回復まで出来るのはゲームとは違うな。
「毒の知識とかまであるの?」
「私もそれなりに学んではいますが、解毒の知識はある程度ありますが毒を製作して使用はしませんね」
「俺さ、毒の息を吐けるんだけどさ、それ上手く活かしたり、万が一被ってしまった時の抗体や解毒剤とか作れないかな」
「ディアボロスの毒の性質はある程度基盤は同じですが、個人で少しずつ違うのですよ。液状のサンプルを頂ければ何とか出来るかと」
「液体を霧状にして吹きつけてるから出来ると思う」
「あとはレンさんの毒を経口摂取する前に摂って無効化出来るものも欲しいですね」
「それが出来ると毒で弱らせた獲物を食べる事が出来ると」
パーティで活動する上でそれが出来ると有り難い。
「あとは先に服用する事で戦闘中の立ち回りの制約もだいぶ楽かと」
「なるほど」
「問題は無害化したモノを体外へ排出する効用ですね」
「利尿剤とか下剤とか」
「前者ですがまあ身体に残る事無く処理しきれるかと。ただ状況が状況ですので基本屋外で使うことになるのと下手すれば脱水症状を起こして命の危機になる可能性がありますね。レンさんの立ち回り次第で影響を受けないようにするのがベストですけど」
まあそりゃそうだが。
「んじゃ、使うかどうかの判断は委ねるわ」
「分かった」
「私はそろそろ上がりますね」
「俺も」
と言う事でお風呂タイムは終了して次何するか。
「さてと、とりあえず服とか冒険道具とか色々揃えましょうか。奢るわ」
ギルドの大浴場を出てまずは冒険雑貨等の店。
「とりあえずここで外用の衣類、戦闘用の衣類とかも揃えちゃいましょ」
まあ、あんな衣類だとポロリも時間の問題だわな。
「要望ある?」
「出来れば軽くて動かしやすい方が良いけど強度も捨てがたい。でも、両立させるとなると値段も厳しいだろうし」
「魔法回路や魔術回路が仕込んであるやつだと高いのよね。ブラとかがまだギリギリ買えるかな〜」
「ギリギリ買えるかなって言ってるやつ流石に買わせるなんて出来ないかな。ってか魔法と魔術って両方この世界の概念として存在するんだ」
「魔法ってのは言語を構成に用いる構成術で魔術ってのは回路だけで言語を用いない構成術ね。一般的には。魔術はもうほぼ廃れたんだけど、こう言う道具とかにはまだまだ現役で用いられるのよ」
構成の言語の有無か。
「何で廃れたの?」
「言語を用いない構成って言うのには出せる効力が厳しいだったり、消費効率が悪いって言うのが大きかったらしいわ」
そう言う事か。
「なるほど、大体分かった。んじゃ、どうしますかね〜。材質と値段の良いとこの妥協ラインとか」
「軽くて丈夫ってなると、ミスリルは高すぎるし、リトルス族の織物は幅広いからその辺で探してみましょ。面白いわよ」
面白いってどう言う意味だろ?まあ見てみれば分かるからここで追及するのは野暮ってもんだな。
「じゃ、店変えましょうか」
ってな訳で衣料店。
「レンちゃんは露出高いのは…ダメよね。耐久値要求してるとなると」
「砂漠って夜冷えるよね?」
「そうなのよね〜」
さっきからセイラちゃん率先して付き合ってくれてて他の方々はあっちこっちで自由にしてる…。
リトルスの織物の衣類見つけた。確かにこれは面白い。様々な独特な模様の衣類がある。
「これはある種の芸術だな」
「そうよね」
触り心地しっかりした生地で結構丈夫だ。何使ってんだろ?この材質は。でも値札を見る限りまあまあ安そうだ。色々見比べてみると気になる模様のがある。
「気に入ったの?それにしちゃう?」
「しちゃう」
「あとは寝間着や普段着も一緒にこの店で買っちゃいましょうか。下着は別の店だけど」
と言う事で、衣類一式ほぼ揃える事に。結構値段するけど!?
「あとは下着。なんか要望ある?」
「あんま派手じゃないやつで」
「多分何とかなるかも。サイズ分かる?」
「こっち来てから測ってないから全然」
「そうよね」
と言う事で下着を別の店で。
うーむ。こう言う店入った事ねーから慣れんな。とりあえず平然を装うけど。スポブラっぽいのがこの世界にもあるのか。
「それ気になるの?それのサイズ探して買っちゃう?」
何やかんやあったけどさっきの服のノリで無事入手。
「武器は持ってたからあの剣使う前に返すとして…いや、武器屋行っとく?」
「行く!」
「おお、いい返事ね!」
ってな訳で武器屋。
クリス、ククリ、スクラマサクス、クファンジャル、マンゴーシュ、チンクエディア、ミセリコルデ、ジャダマハル。揃ってんな〜意外と。ロングソードにレイピア、エストック、サーベルも有れば刀、脇差や長刀、槍、斧、槌、魔法杖、ほんと揃ってる。この世界メリケンサックまであるのかよ。
これは何だ?石か?黒ずんでるけど向こうが少し見える程度には透けてる。
「それは紫晶石、オーブの一種ね。魔法の効力を高める触媒よ。魔力を流して使うの」
「魔法か〜」
「ディアボロス族ならある程度魔法適正はあるはずだし使えると思うけど」
「転生した中身、ソウルがそれを操る脳をしていないのでね。戦士のソウルだから。まあせっかくこんな面白そうな世界に来た事だし、ちょっとは覚えてもいいかなって」
「素直じゃないわね」
いや、めちゃくちゃ正直だけど。
「とりあえず、冒険で役に立つ簡単な魔法くらいは覚えておきましょうか」
結局、この後も色々回ってあとは日用品とか生活アイテム揃えて無事終わった。




