40話〜ドンドゥルマが恋しくて〜
街に戻り数日。
「とりあえず俺の準備は出来てんだけど」
「俺らも大丈夫だぞ?」
「いや〜、色々あってな?」
宿を出て街に繰り出して数分。
「一応ここ俺の現住所」
普通の家だ。この街としては。
「おひさ〜」
「あれ?レンお姉ちゃん?」
そこにいるのはキツネの獣人の女の子。俺と背丈があまり変わらないって事はかなり…。
「あ、えと、私はサツキと申します」
「この街でみーちゃん達が来るまで世話になってた子なんだけどさ」
「どうも…」
「さっちゃん連れてくわ」
「はい?」
「…大丈夫だとは思うけど」
まあ転移はアイリスさんだし、あの魔法トンネルを通す感じのだから多分関係無いだろうし。
「状況がよく分からないのですが」
「俺がこれからこのちびっこのお偉いさんのとこに引っ越すから一緒に行こうって話」
ちょっと腹立ったから、無言で強めの腹パン入れる。
「いてぇ」
そんな事無いだろ。戦った時に耐えてる強さだし。
「いいんですか?」
「あーうん。こいつに死にかけるまで働いてもらうからいいよ」
「私働けますので。こう言う道具とかつくってて」
マジックアイテムだ。これ結構凄いな。
「とりあえずアテはあるんでそこに当たってみるか」
「アテ?」
「俺の部下に優秀な商人がいるからそこにモノを卸せるように頼んでみる」
「いいんですか!?」
「うん。まあいい人だし大丈夫だと思う。そう言うモノの取り扱いもプロの商人だし。さてと、こっちはこっちで準備するからそっちもよろしく。サツキちゃん」
「よよよ、よろしくお願いします」
「よろしく」
大陸を出る準備。
「レンレン、そっちはどうだ?」
「大体大丈夫だぞ。うーむ」
「どうかしたか?」
「この暑い砂漠ともおさらばか」
「また来れるし俺が転移魔法極めたら連れて来てやるよ。お前が魔法を覚えるよりはよっぽど可能性あるし。転移はかなり難しいけど」
「それなら牛もいる事だしアイスクリーム食いたかった。こっちの世界でもみーちゃんがいれば作れそうな気がする」
「材料さえあればまあ。氷魔法は幸い得意分野だし。ドラゴン様の加護があれば」
「じゃあアレ食いてえ、ドンドゥルマ!」
「ドンドゥルマか〜。乳さえなんとかすれば向こうの食材で再現出来るか?」
「みーちゃんのぼにゅ」
「出る訳ねーだろ馬鹿が!」
「さーせん。みーちゃんドンドゥルマもっかいいい感じで言ってみて」
「ど〜んどぅ〜るまぁ?」
「そう、それ!」
ネタ知ってた。だよなあ。まあそうだよなあ。
「ど〜んどぅ〜るまぁ」
「ど〜んどぅ〜るまぁ」
何やってんだろ?俺ら。
「みーちゃんかーわーいーいー」
「うっせ。さっさと支度しろ!」
「相変わらずツンツンしてんな〜。デレてくれよ」
「あ、レンちゃん聞いたよ!」
なんかぞろぞろと人が来る。
「どしたんおまいら?」
「誰この人ら?」
「俺のパーティ」
「あ、先日はどうも。お陰で助かりました」
「あ〜。キミはあの子。元気してて良かったわ。うむ、リトルスってやっぱ可愛い」
思いっきりハグされる。ロリになって合法的に女からスキンシップを受ける。別に嬉しいかと言われればそうでもないけど。
「じゃなくって!あたし達もついてく!」
「いいんか?」
「大丈夫だと思うけど、こっちに比べたら全然暑くないから衣類とかの準備はしてきた方がいいと思う」
「こっちじゃ高いからそっちでなんとかするね!」
あぁ、そうか。衣類の価値基準とかも変わるか。需要も違うだろうし。
「んじゃ他の準備はしてくるか」
「俺も行って大丈夫なのですか?これ?」
ディアボロスのイケメンお兄さん。マナの質を見るに魔法使いかな?
「何が?」
「ディアボロスですし結構あんま周りの目とか、戦えはしますけど」
「元々ディアボロスもいるし何より俺の家臣にディアボロスって言うのは最大の証明になると思うけど、ダメかな?驕ったりする様な事も無いし優秀だよ?」
「それは共闘した俺の目でも見たから保証するぜ、ついでにいい女でも見つけりゃいいだろ?向こうじゃ俺とパーティ組んで同じように狩り出来るらしいし」
「牛とかデカい蜘蛛や蠍はいないけど鹿とかデカい猪はいるから狩りで仕事あるのは保証する。みんなの食生活に関わる結構大事なお仕事だからね」
「あ、ありがとうございます」
それから数時間後。
「えー、揃ったわね」
「アイリスさん、狐村の方々いるんですけど」
「おお、サツキや、久しいな」
何か雑談始まってるし。
「えっと」
「フブキ様、妾達村の民はフブキ様にお仕えする事を心に決めた」
「え?あ、うん!?」
マジで?
「つきましては一族を代表してタマモがフブキ様と召喚の契りを」
「あ、うん。いいけど」
「はいはいそれは後でやってね〜。んじゃ行くよ〜」
こうして、長いスライネ大陸の冒険は無事、幕を閉じてのであった。
その頃、シクサリス大陸のとある街。
「へいいらっしゃい。うちに仕事かい?」
「イズミさんはいらっしゃいますか?」
「おーい!イズミ!客だぞ!」
「はーい。ん?」
女はローブを外し、姿を見せる。
「あなたがイズミさん?」
「うん、そうですけど」
「姿変わってちゃ分かりませんよね。お久しぶりです。小鳥遊です」
「かなちゃん?」
「そんな呼び方するのも相変わらずと言いますか。はい、その通りです」
「向こうであんな事あったからもう会えないと思ってたけど。無事で…はないんだね。こっちにいるし」
「まあそうですよね」
「で、どうしたの?こんなとこまで来て」
「まあ暇ならで良いんですけど。これ使って剣一本、ロングソードをお願いしたいのですが。代金はこれで、お釣りは結構ですし余った鉱物は全てお譲りします」
「大丈夫だけど、いいミスリルにマナ鉱石だね。魔法回路入れればいいのかな?素材的には」
「それでお願いします」
「分かった。丁度今空いてるし今から取り掛かるよ」
「分かりました」
「ねえ、かなちゃん他にこっち来た人達の事知ってたりする?」
「桜井さんはフォルネイアと言う大陸の中央の森林に街を築いて偉い方になられたらしいです。近くの街に神無月さんもいるらしいです」
「分かった。ありがとう」
「こちらこそ。では、失礼しますね」
とある場所。
「ナツメグお兄ちゃん、戻ったよ」
「ペッパー、シナモン、カモミール。御苦労であった。成果はどうだ?」
「私から報告させて頂きます。転生者2名と遭遇、レンと名乗るディアボロスの女とフブキと名乗るリトルスの女、何方もかなりの力があり、キングワイバーンをパーティで討伐、また、いずれも、ペッパーよりも実戦で強い事を確認しております」
「そうか、報告御苦労、こっちも順調だ。アオバと言う女を捕らえた。と言うよりは来てもらってるという言い方が正しいか。教会にはフブキとレンの事を伝える。アオバはまだ知られていないししばらく隠し通す」
「はっ」
「砂漠での旅路は疲れただろう?ここにクミンを連れて来たら休んでもらって構わない」
「ありがとー」
「礼を言うのはこっちだ」
「では、失礼します」
3人が居なくなった後…。
「リコリス、どうだ?そっちは」
「厳しいよ。ボクはボクで」
「すまない」
「フブキやレンと言う女、共闘してパーティでキングワイバーンを倒す、か」
「上手く引き込めるといいが」
「だね」
「教会はどうなってる?」
「クミンちゃんが調べてるはずだけど、この前の森の件で正体不明の暗殺者に化け猫操ってた魔法使いがやられたのがどうとか思いっきり慌ててて笑える」
「そいつの事も見過ごす訳にはいかんな」
「次のクミンちゃんの話、シクサリスの事だよね?」
「ああ。そうだ」
「ボクが直接行くって訳じゃあないけどさ、クミンちゃんにボクのフーミット預けていいかな?」
「分かった。それで頼む」
「りょーかいっ!」
第3章〜結城蓮と恋しくて氷菓子〜 完
3章最後の話です。




