37話〜対面、七賢者〜
翌朝。
「ねみい」
「おっはー、みーちゃん」
「お前、俺が寝てる横で1人でしてんじゃねえよ。リアクション困るわ」
無視しようとしたがかなりウザかった。
「いーじゃん。手出さなかったんだし許してくれよ」
「出さないのが普通だからな?」
「うぃっす」
「さてと、目覚ましにでも外出るか」
「着替えろよ」
「まずお前を放り出してからな」
レンレンを蹴り出して着替える。
下着をより強い回路の物に、衣類は動きやすい物に…。露出多いな。これ。恥ずいどうこう以前に防御力に不安しかない。まあいっか。
「おー。みーちゃんすっげーセクシー」
「うっせ」
レンレンはヘソ出しのかなり露出が多いスタイル。
「お主ら起きとったか。では飯食うか」
朝食スタンバッてた。この人。
アイリスさん達はまだ寝てるようだ。別に俺らが早いだけなんだろうが。
「ナンと牛のスープに果物とは」
この世界のナンは向こうのと厳密に言うと違うらしい。まあどうでもいいけど。食事中に皆起きてきて、時間が少しずつズレて食事を終え、遂にワイバーンを狩りに行く。らしい。
「フブキちゃん気合い入ってるわね」
「機動性と暑さ、湿気対策です」
「いいと思うわよ」
そして歩いて数分。
(おい、俺を出せ、何か強い気配を感じる。ワイバーンじゃない)
(…分かりました)
召喚魔法でシオンさんを召喚する。
「よっと。ついでに制限解除しろ」
「これで大丈夫かと」
するとガルドの姿に魔法で変化する。この変化の魔法、何気に難易度高くてまだ使えないんだよな。畜生。
「問題無えな」
「フブキちゃん、良かったの?」
「おそらく」
「フブキ、オーブ寄越せ」
「はい」
「何だこのイケメン」
「シオンの本性ってとこかしら。一応あたし達の元パーティメンバーで魔法使い。1人で最強レベルの化け物数体まとめて屠ったらしいわ。自爆で」
「メガ◯テつええ」
「ブラッドバーストな。メガ◯テって何だ?」
「向こうの世界にあったゲームの自爆魔法です」
「そういう…」
「アレ使いどころなくね?全MPのが使いやすいし」
まあ、確かにそっちばっか使ってた記憶はある。MATに依存せず純粋にMP量でダメ決まるし。
「お前らその辺にしとけ。近いぞ」
そこから少し歩くと、洞窟の入り口が見えてくる。そこに女の子2人と保護者っぽい人が見える、ってかそもそも2人リトルスかこれ。
「やっぱお前らか。ペッパー、シナモン、カモミール」
「ん!?魔法使いガルド!?何で!?」
「魂拾われて依代に入れられた。まあ今は魔法で変身してるが、このちっこい主に見事にハメられてな」
「この子が!?」
「って事はそこにいるレンさんの知り合いのようですね。っと、そっちの元英雄様のおっしゃった通りで私はカモミールと申します。こっちのちっちゃいのがペッパー、こっちがシナモンです」
「なるほど、そっちのセレスティアの人がアイリス、そっちがオウカ。かつて世界を救った方々が新たにパーティを組むとは」
「そちらのレンさんが転生者と名乗ってて、それと同じ何かをそちらのリトルスさんから感じ取れますね」
「バレてるし。んじゃいいよ。もう、フブキも同じ転生者だ」
「アンタ諦め早いわね」
「無理だぞこの状況」
「まあ、有り難い収穫と言えば収穫ですね。今回は、連れて行くことは出来そうにないですが。やはりバニラにでも今回の仕事押し付けるべきでしたね」
「ん?バニラって」
「トゥリナ大陸の方のセレスティアです。アルケミストでありながら、フーミットの軍を従えるサモナーです。ついでに、ワイバーンの素材を持ってきてくれって言ってたので、そのまま行かせれば」
「みーちゃん、フーミットって知ってっか?」
フーミットは確かこの気候と言うか、大体の気候に適応出来るんだったよな?なら大丈夫か。
ふみふみを召喚する魔法陣を発動させる。ぽんと3匹まとめて召喚される。
「ちょい待てい」
「可愛いじゃん、ずんぐりむっくりの黒猫」
「ふみい」
「面白い鳴き声だな」
「違う、そこじゃない。何故増えてる」
「フーミットは、強い子が他の子を従えてリーダーとなる習性があります。おそらく、あなたの使い魔のフーミットは、そのリーダーたる資質を持っていた。それ故に、仲間が増えたと」
「とりあえず、そっちのお二方お帰り下さい。」
ふみふみ以外の2匹には帰ってもらう。
「っと出ておいで。ユキノ」
フーミットが白い…だと!?
「おーこっちは白いのか」
「ちなみにフーミットと従順させるなら覚えておく事はまあ住んでる地域で見た目や能力値は違うけどこの白い種とその種は格としては同じ」
「この白いのはあたしの故郷にいたわね」
「寒い地域に生息して高い身体能力でウサギやある程度大きい獣を狩り喰らうので歯や筋力が高いです。
そちらの森林等の黒毛は高い技術や知力、魔力を持って魔法を操る種ですね」
「ちなみに簡単な魔法は俺が暇な時に仕込んどいた」
いつの間に…。色々調べてみるとちょっとした回復や補助、簡単な攻撃魔法とか覚えてる。
「マジか」
「えっと、この人達はとりあえず置いといていいから、フブキちゃん達は行ってくれる?」
という事で出発。
フブキ達が出発してから。
「で、あたしら待ってる訳だけど、ここにいる七賢者達を皆殺しにでもしとけば良いわけ?」
「いや?こいつら今殺したところで、どう足掻いても状況好転しねーよ?むしろ悪くなるまである」
「ごめん、その思考回路、あたしでも追いつけない」
「こいつら、ただの教会の犬っつー訳でもねえんだよ。教会の指示通りにゃ動いてるが、それ以外でももちろん活動している。転生者の情報も得てるらしいしな」
「やっぱよく分からない」
「教会本体潰さん限りは奴らは動き続ける」
「え?」
「こいつらも雇ってるだけだから最悪切り捨てるのも有り得る」
「…中々にとんでもない事を」
「それはそれで事実なので」
「そう言えば、フォルネイアにフーミットの発生って、どう言うこった?あんな森にいるとは到底思えんのだが。俺が生きてた範囲じゃ見なかったし」
「あ、それ、バニラも気になるって言ってた」
「バニラって…そう言えば」
「お前知ってんのか?」
「幼馴染。いつの間にかいなくなってたけどいいとこの生まれよ」
「強えのか?」
「勉強熱心なアルケミストよ。下手すりゃアステルといい勝負するんじゃないかしら?でも、フーミットは可愛いって言ってたけどそこまでフーミットに興味持ってる訳でも無かったような」
「私達と出会って、フーミットを見て興味を持ったのですよ。私達はフーミットを使役する事もありますので」
「へえ、それで」
「それが今となってはフーミットの言語を理解出来る程に」
「それは正直引くわ」
「クミンって言うフェルパーの仲間に教えてもらってましたね」
「アンタらそんなフーミットと密接な」
「容易に使い魔に出来る生物の中じゃかなり頭いいからな」
「その辺も何かバニラ調べてたわね」
「フーミットの研究ってのは興味あるな。俺もそのうちどっかで捕まえて、使役して、色々調べてみっか」
「アンタも意外と研究熱心よね」
「後継者を探すこともせず、私欲の為に記録して自己満足してた。自己満足の為に魔法を教えたし、教えてる。やったって気になれりゃそれで良かったのかもな。自爆だって結果自分がそうなる未来を避けたいと言う願望の結果だ。自分の結果を中心に考えてるクズ野郎さ、俺は」
「クズ野郎なら馬鹿共に、老いぼれに、ビビりに、根暗に、自己中なんかとパーティ組んで世界救う為に戦ったりなんてしないわよ」
「お前が半ば強制的に引き込んだ記憶があるが?」
「…うっ」
「当時力を持った剣士やナイトを引き入れるのは分かる。割と歳イってたじいさんと素人の隠密、引き籠り根暗アルケミスト、似たような魔法使いを無理矢理纏める必要は無かったと思うが、結果論にはなってるが、うまくいってるもんな。意図は読めん」
「それは…やっぱいい」
「1人死んでも黙ってるか」
「ぐっ」
「別にいいわ。今更の話だ。もうあいつらと組む力も無え。無理にあいつらと共闘する事なんざ無えだろうし、あとは次の世代にでもぶん投げりゃいい」
「なんて無責任な…」




