36話〜ワイバーン対策〜
元に戻って。
「なるほどのう。いや、これほどの力を持っておるとは」
「こいつとほぼ同じ強さって。いやこいつがそこまで強いのが異常なのか」
「俺を異常扱いするんじゃねー!」
「いや、異常だろ。こんな世界でも金への欲求で身体張って怪物狩りに行く女児ってまずいなさそうだが」
「でしょうね」
「うっ。で、みーちゃんや、ボスワイバーンに勝つ勝算はあんの?」
「キングじゃなかったか?まあそれは置いといて。情報量が足りん」
「ワイバーンの主はこの近くの洞窟の最深部を巣穴としておるのじゃ」
「暗視魔法は大丈夫だな」
「俺別に暗いとこでも視えるから問題ねえぞ?」
「その身体能力地味に便利だな。まあ暗視、空間干渉、感知使えば大概取りこぼさず察知出来るから問題ねえか」
「PT編成はどうすんの?」
「俺、レンレン、タマモ、ノーラちゃん、コンは連れてく。出来れば少数のがいいからこの辺りだけど戦闘始まったらスズネとヒルダは召喚する可能性はある」
「洞窟だと射狙撃はキツいか」
「あと下手に大規模な魔法も避けたいな。ノーラちゃんとレンレン軸の近接にオールラウンダー行けるヒルダ、サポにコンを組んで長距離でタマモ。俺は必要に応じてポジ変える」
「御主の判断に異論は無い。御主から感じ取れるその魔力、ベルじゃな?」
まあ気付くよね。そりゃ。とりあえず召喚する。
「久しぶりにゃ、タマモ」
「まだ生きておったか化け猫」
「いや?肉体封印されて魂抜かれてそこら辺の死体に放り込まれて召喚契約してスズネの名をフブキ様から賜り今に至るにゃ」
「なるほどのう。このお転婆娘を手懐けるとは。ワイバーンも期待して良さそうじゃ」
「フブキ様ならワイバーンの主など余裕ですにゃ」
おい待て。んな無茶言うな。
「だよなみーちゃん」
「無茶言うなよ。こっちは洞窟で戦うなんて無理だぞ」
「フブキ様私達に力の差を見せつけたの洞窟よね!?」
「対人戦闘は行動力を封じるか戦意を削ぐ方法を取るか圧倒的な力を見せつける手段が取れれば大きな技を使う必要も無かった。殺す意味が無かったからな。でも今回は違う。交渉でも何でもない。ワイバーンを仕留める。これが前提となる立ち回りをする事となる。そうなると話は変わる。ある程度の攻撃力を維持しつつ洞窟内部の崩壊を抑える事の両立、これが出来なきゃ倒せたところで意味はない。洞窟の中で銃を用いるのも厳しい」
「首落とすのが一番だろ?」
「結果そーなるな」
「俺なら出来る」
「とりあえず、レンレンとノーラちゃんにはマナブレードの使用権限は許可していいか」
「いいんですか!」
「あのすげー魔力剣使っていいの?」
「2人とも剣の腕も魔力の質もいいから問題無いはず。1本ずつ渡す」
帰ったらヒイロにも渡そう。
「面白そうだな。ビームセイバーみたいだ」
「で、どう戦う?」
「本当なら俺も前に出たいけどコンとかその他大勢が前向きじゃないからとりあえず今回はパス。前にノーラちゃんとレンレン置いて俺含む魔法組を後ろに置く。状況に応じてヒルダに前出てもらうかサポに回してもいいしスズネでガッチリ固めるのもある。ヒルダや俺は遊撃みたいな事出来るからほんと相手に合わせる」
「うい。そんで問題無いっしょ」
「まあ待て、そう急かすでない。今日は休まれよ。身を整え万全な状態で挑むべきだと思うぞ」
「まあ賛成だな。みーちゃん」
「それに関しては異論はないさ」
「何か気になるのか?」
「お前が言ってたゴーレムの奴らが今どう動くか、ワイバーンの件に関与している、あるいはしてくるのか。それともう1つ気になる事はあるが今はそれはいいか」
「今いいのかよ」
「1人情報を集めてて集まらない転生者がいるんだよ。それの身柄に教会のそいつらが関与してる可能性はある。推測だが。ぶっちゃけ問い質して何とかなる話でもないからな。先に探すのはイズミだ」
今探しても一条青葉は見つからんだろう。確実なとこから攻める。
「あいよ」
「さてと、温泉入らせてもらうぜ」
「分かった」
「ここ温泉あんの!?」
「温泉あるぞ。行くぞみーちゃん」
「歩けるから引っ張んな〜」
んで引っ張られて辿り着いた温泉。この時間は人がほぼいないらしい。ってかいない。
「ワイバーンの住んでるとこって火山的な何かなのか?」
「違うぞ。えっと、何だっけ?」
「マナスポット。マナが集中する場所の事じゃ」
「大体分かった」
「分かったのかよ。相変わらず頭のよろしい事で」
「マナってーのは所謂魔力の素になるエネルギーで体内で生成出来るし自然から取り込んで体内で魔力に換えるってのがある。体内に物理的器官は無いが循環する回路みたいな箇所とエンジンと言うか動力源とか生成されるみたいなとこがある。俺はここ、大体子宮辺りだな」
「俺は?」
「人に聞くなよ。自分の身体くらい分かんだろ。お前は心臓辺りだな」
「魔力の流れとか意識した事ねえからな」
だろうな。そんな気はしてた。
「魔法は使ったほうがいいぞ」
「火起こしとか軽い治療とかに使うくらいかね?」
「お前も光と闇両方あんだろ?」
「使わねーけどお前が言うんならそうなんだろ?」
こいつ自分の持ってる魔力の性質すらしっかり把握してねえ。まあそうだよな。そう言う奴だったよな。
「とりあえずレンレンは突っ込んで殴る担当だから最悪魔法は最低限でいいわ」
「…みーちゃんの扱い!」
「俺が遊撃ってーかまあ前出るのも後方支援も魔法攻撃も出来るから」
「うっ。そうだよな」
ぶっちゃけこいつに無理に頭を使わせる必要性は無い。こいつはひたすら斬ってくれりゃ十分だ。それで役割は果たせてる。
「まあレンレンは別に無理に頭使う事は無いさ。俺が全部立ち回りは何とかする」
「信頼してるぜ相棒」
「おうよ」
その後、村の子達が獲って来てくれた牛が見事に調理された夕食を食し、眠りに就いた。




