30話〜レン・ユウキ〜
目が覚めると建物の天井。
「んっ、ここは…」
「あら、目が覚めた?目的地の街、サンドウラって街に着いたらしいわ」
「アイリスさん」
「そこでいい宿取ってもらったの」
隣ではサクヤがまだ寝ている。
「身体が楽になってる」
「フブキちゃんが飲んだ薬が効いたのね。そう言えば言っておく事があったわ」
「言っておく事ですか?」
「ええ。私達と合流してたあのパーティがレンって転生者の子の冒険者パーティみたいなの。今はパーティの仲間1人連れて別の依頼受けてるって聞いてるわ」
「そうですか」
「で、冒険者ギルドにそろそろその子が来るらしくてコンちゃんとトウカちゃんが迎えに行ったわ」
「分かりました。ありがとうございます」
「あたしは隣の部屋にいるわ。トウカちゃんとマシュちゃんと他メンバーは安い宿に泊まってるわ。オウカとコンちゃんはいるけど」
「分かりました」
その頃。ギルドの食堂にて。
「貴女がレン様ですか?」
髪は黒の長め、身体はある程度成熟しているようですね。
「そーだよ?おねーちゃん方は?」
「フブキ様の下で仕えております、トウカと申します」
「コンよ!」
「なるほどね。ここに来てくれたって事か…。大体目的は分かってる。が、その前に、おっちゃーん!」
「おお、レンちゃん戻ってたか」
「ばっちり稼いできたよ。今日はいつもの1人前でお願い。その分そっちの2人分も俺が出す」
「稼いできたのは本当らしいな。レンちゃんのパーティの他のも別の依頼受けてて金貨5枚レンちゃんに渡すつもりだって言ってたぞ」
「へー。半日で金貨5枚ってズルくない?」
「何でも緊急の依頼だったようで白金貨1枚報酬に出たんだってよ」
「すごっ」
「そういえばマヨイちゃんが見当たらないが」
「既にテーブルでへばってるよ。結構無理したしデザートランナーでほぼ休みなく突っ走って来たし」
「そうか。ほらよステーキ大とスイカジュース!」
「どもども」
「これ、私たちの分ですか?」
「ああ、うん。ちょいと付き合ってよ。そこでへばってる相方はしばらく起きなさそうだし。奢るからさ」
「はぁ」
「あ、これ美味しいわよ、トウカ」
「…呑気ですね。コンは」
「このお嬢さんのパーティにフブキ様が救われたのも事実だし、それで奢られるってまあ状況的に理解してないとこあるけど、とりあえず状況は好転してるから」
「話には聞きました。2人パーティで巨大蜘蛛大量狩猟の依頼を受けたとか」
「お金が欲しいんだよね。この大陸を出て他の奴ら探す為にも」
「その必要は無くなるかと思います」
「そーなの?」
「フブキ様から直接聞かれた方がいいかと思いますので、これ以上は話しませんが」
「大陸間渡るのにどんだけ大変なのか」
「協力者様の転移魔法で来ましたので我々は実質旅に必要な食料や道具、宿の出費で移動自体はお金かけてませんが」
「…大陸間移動か。干渉魔法の魔導書無いもんな〜ここじゃ。まあ、魔法も言ってそこまで使ってないけど」
「…レン様は進化形態ですね」
「ほえ〜見抜けるもんなんだ。そうだよ。ディアボロスブレイブ。もうちょいまえにワイバーンを倒して進化した」
「ワイバーンまで!?」
「まあお金になるからな、っとごちそーさま!」
「早っ!」
「ゆっくり食べてていいよ。こっちゃ帰って来たばっかだからさ。シャワー浴びてくるよ。ごめん、汗臭くて」
「行ってしまわれました」
「あの、レンさんどっか行っちゃいました?」
「貴女は?」
「すみません。私はマヨイと申します。レンさんと同じパーティの魔法使いです」
「私はトウカ、こちらはコン。私達の主がレン様に御用がありまして」
「まああの人すごいですからまあ納得できるところもあります」
「それほど…。まあ納得出来るような事色々聞いてますが」
「彼女が転生者と言う話は?」
「本人とは違う、我々の仕える方がレン様とは元の世界で知り合っていたようで」
「そうですか。彼女の今の事はそこまで言う事はありませんが、彼女は転生の際に巨大な聖剣とそれを扱う能力等を授かり、その聖剣で魔物なんかを斬って来ました。まあ戦士と言うより狩人、冒険者なので魔物とのみ戦ってますが。この街で最強であるのもまあ確定でしょう。辺境のディアボロスと違う、街のディアボロスとして生きていけてる。それは凄い事なのは違いないです」
「それほどに」
「まあレンさんはそこら辺の少年らと変わらない振る舞いをするのが玉に瑕ですが。女の子らしくって言っても聞きませんし」
「よく似た人知ってる」
「あはは…」
「おっ、マヨイ生き返ってんな。ほい。メロンジュース、ステーキ付き」
「ステーキ頼んでないけど!?」
「今日結構無茶させたから。あとシャワーの代金ね。おねーさん方食べ終わってるっぽいし行こうか」
マヨイさんを置いて出て来てしまいました。
「夜は涼しいな。1枚着るか。ってかおねーさん方そんなカッコでよく歩けるな。ぶっ倒れねーか?」
「フブキ様とサクヤ様が暑さで倒れられました」
「だろうな。本当残酷な事するよな。女神は。もうちょい生きやすい環境提供してくれりゃよかったのに」
喋りながら歩くとすぐに着く。
「いいとこ泊まってんな。ここ、風呂付いてんじゃん」
「まあ街の地位ある方ですので」
案内されて部屋の前。
「フブキ様、レン様をお連れしました」
『いいよ〜』
ようやくか。あんま気は乗らないがこれは大きな進展となる。受け入れる他あるまい。
入って来たのは黒い長い髪、紅い瞳、白い肌のそこそこいい体型のディアボロスの美女。コイツが結城だと!?
「おい、まじか」
そこにいたのは桜色の髪に紅い瞳で発育途中の身体のリトルス。いや、今まで見たリトルスじゃ1番大人っぽい女。
「それはこっちのセリフだ」
「では失礼します」
2人は出て行った。
「そこでくたばってるもう片方のガキは誰だ」
「サクヤ・カンナヅキ」
「マジで!?いや、そんな変わらんか?」
「んっ…」
「お、起きた」
「あれ?ここは?」
「サンドウラの宿だよ。ったく贅沢しやがって」
「どなたですの?」
「レンだよ!」
「何故神はここまで体型に理不尽なのか…」
「知るか!お前ら、食欲あるか?」
「俺は」
「私はそこまで」
「ブッキーちゃん動けるなら外出るか。案内するぞ。サクヤのは適当に買ってくるが要望あるか?」
「軽めのもので」
「よしいくぞ」
「着替えるから待ってろ」
「30秒で支度しな!」
「無茶言うな」
「あ、羽織れる物1枚くらい持っとけよ」
服を外行き用着替えて外に出る。そしてアイリスさんと鉢合わせする。
「フブキちゃん今から出てくの?ってかその子」
「俺?レン、狩人だよ狩人」
「って今回の目的の転生者の子じゃない!」
「そうなんですけど今からご飯食べに行く話になって」
「後でか明日かまあいいとして話聞かせてもらうわよ」
「うん?おう?天使のねーちゃん?」
とりあえず外に出る。
「あの天使のねーちゃん誰だよ?美女じゃん」
「アイリスさん、この世界の英雄の1人だと」
「へー。どうでもいいわ。お前さ、その身体になってどうよ?エロい事とかしたのか?」
「必然的に女と風呂に入るようになったけどそれ以上はねーな」
「最初触りまくって色々1人でして飽きたわ俺も。ここら一緒に入れる風呂無えし。個室のシャワールームだし。脱衣所はあるが」
「ほー」
「そう言えばお前のパーティに世話になったんだってな。礼を伝えておいてくれ」
「あいよ。さてと、飯何にしようか。寝起きにステーキは死ねるだろうし」
「砂漠でステーキって何食うんだよ?サボテン?」
「何かそこら辺にいる牛」
「牛いるのかよ」
「ステーキっつーなら蠍もやってるか」
「ああ、蠍は襲って来たからうちの部下が斬り殺してバラして食ったがうまいな」
「ビジュアル無視すりゃ高級海鮮だもんな。蜘蛛狩ってて久々に食ったが」
「お前…。そういやステどんなだよ?俺のも見せるから」
「あいよ」
レン・ユウキ
(Lv64)
HP…S
ATK…S
DEF…B
MAT…EX
INT…B
MDF…B
AGI…C
LUC…S
両刀タイプかよ。てか魔法のがステ高えし。で、保有魔法は…。
黒魔法、工作魔法、回復魔法、感知魔法その他。
スキル
ブレス(炎、毒)
毒耐性
身体再生
血鬼壊放
大剣豪
「フブキも中々特殊仕様になってんな」
「ブレスの毒ってどんなやつ?」
「普通に弱らせて相手によっちゃ死に至らせるやつと麻痺毒。ソロだと自分にゃ抗体あるから使えるがパーティだと炎は状況にもよるが毒は巻き込むと面倒いから迂闊にゃ使えんな。ってか殆ど使わん」
まあそうなるか。
「お前の血鬼壊放って何だよ?」
「あれだ、超負担系身体超強化」
「これ、残念なアジカバー出来んの?」
「それなり。血ぃ吐くからよっぽどの事にしか使わんが」
「そう言えば血で思い出したがお前月経来てんの?」
「運命の女神とやらが数年大丈夫っつってたぞ」
「俺と同じか。そのデカい剣ってどんなんだ?」
「コイツか?ミスリルで出来てて回路での強化とそこそこ面倒いから自動修復付けといたってよ」
「マジか」
「お前もいい武器もらったのか?」
「干渉魔法が乗りやすいミスリルダガーと魔法効果のあるミスリルワンド。杖の方使ってないけどな。魔法は基本オーブだし。あと武器屋の脇差とか使ってる」
「そう言えばイズミの武器が最近店が仕入れたとか言ってたな」
「それ買った。まだまともに使ってないが」
「買ったのか」
「メインがダガー、サブが脇差でな。良さげだったから。脇差とミセリコルデを買ったけど使ってない」
「使ってねえのかよ」
「うちの護衛ちゃんが強すぎるのとあと別でいい武器うちで作ってるし」
「ほーう。まあいっか」
「あとハンマーとかメイスも持ってるな。その2つは使った事もある。あとは貰い物のワイヤーとかも使ってるな」
「武器多くね?」
「あと人形とゴーレム。干渉魔法でそう言うのを操る魔法があるから作ったけど使ってない」
「相変わらず頭あるとやる事ぶっとんでんな」
「うちに優秀な職人とアルケミストいるから」
「アルケミストか…。そう言えばそのアルケミストちゃんにさ。明日でいいから頼んでみたい事あるんだが」
「いいよ。頼む分には。応えてくれるか、期待通りの結果が得られるかは別だが」
「わーってるよ。あとお前にも頼みがある」
「一方的じゃねーか。まあこっちはお前のパーティに救われてるし文句言えんが」
「大丈夫だよ。お前への頼みは戻ったらすぐやってそんな時間もかからん」
「分かった」
ぶっちゃけ頼みの内容に不安はあるがまあいいだろう。
「飯、おごるよ。銀貨、銅貨に崩しといて良かった。金はあるからな。向こう換算で今15万円くらい持ってっから。飯食うだけならそんな要らねえと思って少ないから」
「ここいらの飯大概数百円だぞ」
「やっす」
「ギルドで1000円ちょいだし。ってかお偉い様になると流石に金持ってんな」
「まあ色々あって」
「そっか。あの天使のねーちゃんとかお前の従者の飯は要らんよな?」
「多分自分達で何とかするっしょ」
「何か要望あるか?お前は」
「団子以外の主食って食えるか?」
「ナンっぽいパンのようなやつが食えるぞ。ナンって名前だが向こうのやつとは違う」
ややこしいが向こうのナンとは違うのか。
「この辺りだとヨーグルトにつけて食ったり、チーズや牛の肉を挟んで食ったり」
「乳製品が充実してるのか」
「製品はそのままかチーズかヨーグルトだな。向こうのスーパーより少ないしバターは無え」
「まあ別にいいが」
「お、おじさん!」
「おお、レンちゃん、珍しく見た事無い子連れてるな」
「ナンサンド3つ」
「あいよ、900マナな」
「銅貨で」
「釣りな。あんがとなー」
「ほい、ナンサンド」
ナンサンド受け取って移動する。
「お前2つも食うのかよ?」
「他にもお前に色々食ってもらいたいし俺も食うから2つで我慢してんだよ」
もう食ってやがる。
受け取って食べる。食った記憶のない変わった味のソースだけど肉と合っててうまい。
「もちもちしてる」
「いけるっしょ」
「美味いな。本当に」
「次は…。」
肉の串焼き。
「4本くれ」
「600マナね」
「はい」
「釣りな」
「お前3本…。胃袋どうなってんだよ。桃色悪魔かよ」
「そう言えばあいつは軽いもんつってたな」
「軽いもんとかあんのか?砂漠街に」
「オアシス利用した農業とかやってるが、主に果物だな。スイカとかメロンとか」
「スイカとメロンは果物という扱いもする野菜だけどな」
「マジで!?」
「マジです」
「スイカジュースと、メロンは高えし」
「俺が払うから考えなくていいっての」
「パシリにメロンなんて贅沢品食わせられるか!」
「どこか丸ごと売ってるだろ?切って分けりゃ文句ねーだろ。俺の金だから4等分でお前に半分やっていいし」
「いや、アイツにメロン食わせるのがなんかやだ」
「俺はお前に丸投げするしかないんだからよ」
「ギルドのでも十分っちゃ十分か。100マナのフルーツサンドでいいだろ」
「ギルドってコンビニでも併設してんのか」
「まあ間違っちゃいねえ。おでんも肉まんもコーヒーも無えけど」
んなもんあったら引くわ。
「コーヒー豆は採れるんだけどな。飲食店しか置いてねえし」
コーヒーはあるのかよ。マジか。
「あと2ヶ所回ったらギルド行くぞ」
「おう」
その1。スープの店。砂漠の冷える夜に合うスープなのだろうか。
「スープ2つ」
「あいよレンちゃん、200マナね」
1杯150円弱。ずいぶんと安い。
「ほい、ブッキーちゃん」
「いい加減ブッキーやめろよ」
カップとスプーンを受け取る。
「うめぇ、なんか肉入っててそれがまた良い出汁出てる」
動物系の出汁がよく効いてる。ってかこれ蠍出汁とかじゃねえの?何か魚介らしさ出てるけどこの辺で蟹獲れそうにないし。
「蠍やっぱ美味えよな」
「やっぱこれ蠍か〜」
「俺も軽くやっぱって言っちまったがお前蠍初じゃねえな?そのリアクション」
「ここに来る道中地面からデカいの沸いて来てうちの優秀なボディーガード兼任してる近接部隊のリーダーさんが仕留めてくれてそれを飯にした。普通に美味かった」
「唐揚げみたいな感じにしても美味えんだよな」
こいつもの食いながら別の食いもんの話してやがる。
「お前、向こうにいた頃こんな食うやつじゃなかったろ?」
「身体変わって食えるようになったのとこっちの食いもんが面白えのとか。新しい身体になって色々変わった」
「マジかよ」
女になってむしろ大食いになるのかよ。何なんだよ、こいつ。
「俺見た目通りのチビになって食う量減ったぞ」
「…コスパ良さそうだよな」
「いい食材使ってるからプラマイゼロだろ」
「そ、そうか」
「そういやお前のその大剣は女神のだろ?」
「あったりー!久しぶりね。桜井吹雪さん」
「きのこ女神」
運命の女神。名前聞いたっけ?そもそもその辺覚えてないけど、自然を司るたけのこ女神と揉めた結果、俺らの世界で文字通りの天変地異で俺は殺された。
「…脳内で真面目に解説しなくていいから。あときのこ女神はやめて。きのこ派だけどきのこ司ってないから」
「名前聞いてない気がするんで」
「ヴェーラよ!」
「4姉妹の何処かか」
「何故分かったの?」
「女神の名前が星座ってのは自然神とコンパで読めた。テレスコープは望遠鏡座、コンパはコンパス座、ヴェーラってーのはアルゴ号の帆座。羅針盤と竜骨、ともの4つ、あるいは羅針盤を除く3つで構成される」
「よくご存知で」
「ほえ〜」
「日本から見れんが」
「世界違うからこっちでも無理だろ」
「そりゃそーだが」
ゴオオオオオオオンと遠くの方から音が聞こえ地面が揺れる。
「近いな。店回るのは後だ!先に外出て片付けに行く。うっしゃ!狩りの時間だ!」
「分かった。俺も行く。時間が惜しいこのまま行くぞ」
「だな!」
「んじゃ、翔ぶか!」
「はえ?」
「風の力よ、我らに飛翔の力と速さをもたらせ!ウインドブーツ!」
進化と特訓を経てウインドブーツで空を翔る力を得た。
「うおっ、飛んだ!?」
「風属性の飛翔能力と速度バフを積める干渉魔法だ。めちゃくちゃ簡単。…発動は。大丈夫そうか?」
「大丈夫だ。問題無い」
「それフラグだかんな?」
「わーってる、ブッキー!」
「ブッキーやめろ!」
「愛してるぜ、みかんちゃん」
「みかんちゃんは妥協するわ。他の皆から理解されないだろうが」
「みかんちゃんかみーちゃんだな」
「もうみーちゃんでもいいよ。とりあえず咲夜と他数名にテレパス送っておく」
「みーちゃんんな事まで出来んの!?」
「半年みっちり勉強したからな」
その頃、宿その1。
『サクヤ、聞こえるか』
「フブキさんの声が脳内に響いて」
『頭の中で伝えたい事を思い浮かべるんだ』
『こんな感じですか?』
『大丈夫大丈夫。サクヤがこっちに伝える必要無いけど。晩飯遅くなる』
『へ、あ、はい。分かりました』
次!の前に見つけた。
「お、ワイバーンだ。クレーター焦げてんな!火吹いたか」
「とりあえず他の方々にも送った。結構デカいな。行けるか?レンレン」
「当たりゃ斬れる」
「…雑っ」
「2人だと正直キツイが時間無かったかんなー」
シオンさん…ほっといていいか。
「応援頼むか」
「今お前に帰られたら俺死ぬよ!?」
「魔法だよ」
『スズネ。ワイバーン行ける?』
『…頑張るにゃ』
『ヒルダ、蜥蜴狩り』
『いつでもいいよ!』
召喚魔法陣を2つ展開してスズネとヒルダを召喚する。
「デカくないにゃ!?」
「ちっちゃいちっちゃい」
「おい、こいつら大丈夫か?」
「大丈夫、実力は。面白いキャラしてるだけだから」
ヒルダとスズネがレンを見てる。
「この巨乳ちゃん大丈夫なの?」
「見とけよ?黒髪ねーちゃん」
大剣を呼び出す。聖剣だ。強大な力を感じる。それがどういうものかは分からないけどレンに女神が与えた武器なのだろう。強力な回路が施されており、材質も強固なものだ。
「ツヴァイハンダー…か」
「知ってんのか」
「お前はクレイモアだと思ってたが」
「女神にこいつ渡されてまあ強えしいいやって」
「…お姉ちゃん、どうするの?」
「ヒルダはこいつの剣にブリザードアドかけてあと武器持って前へ出ろ。お前の武器は任せる」
「頑張るよ!」
ピキピキと言う音を立ててハンマーを作り出す。
「氷ねーちゃん」
「氷ねーちゃんでも何でもいいよもう」
「武器任せるって何でも行けるのか」
「知ってる範囲ならほぼ。お姉ちゃんの世界のは無理だけどまだ。作るのが」
ワイバーンが腕を振り下ろす。それをヒルダがハンマーで受け止め押し返す。
「どんなパワーだよ」
更に構成隠蔽の氷魔法で大きい氷柱を生み出して大量に射出する。それが腕や翼に突き刺さる。
そのスキを突いてレンが脚を深く斬る。上手えな。っと、レン達にウインドブーツをかける。
ワイバーンの意識が2人に集中してるうちにミスリルスタッフを呼び出す。
「ライフルであれだけいけりゃこっちでも十分通るはずだけど…。闇の力よその力を破壊の爆炎と換え、爆裂と塵芥をもたらせ、エクスプロージョン!」
ワイバーンの翼に大穴を開ける。
「マジで!?」
「おー、こっちでも十分やれるもんだ」
「出せる力最大限に出してくれよ。命かかってんだから」
割と正論言ってんな、レンレンにしては珍しい。んじゃ、躊躇う事無くヘカートを召喚する。
まず両翼。1発ずつ翼撃って吹っ飛ばす。
「スズネ、ワイバーンの動き止めて」
「承知しましたにゃ!闇よ縛れ、暗影の束縛、シャドーバインド!」
黒い影みたいなのがいっぱい線になって動き止めてる。
「そこまで持ちませんにゃ!出来る限り早く!」
「上出来だ」
レンがスライディングしつつワイバーンの下に潜り込んで腹を斬る。傷口が凍ってる。反対方向からヒルダが槍でぶっ刺す。
俺は首を狙撃し、ワイバーンは絶命する。
「おっつー」
「まあ楽しかったよ。面白そうな相手いたら呼んでねー」
「お役に立てたようでしたら光栄ですにゃ」
2人とも送り還した。
「お前色々とんでもねえな。猫の魔法使いちゃんの魔法能力、氷ねーちゃんの武器の腕と氷魔法の腕、お前自身の魔法火力とあと謎仕様対物ライフルの魔力狙撃」
「色々あったのよ。そりゃもう。お前冒険者あの街でやってるならワイバーン売れるよな?」
「持ってきたいけど何トンあるんだよこいつ。無理だろ」
空間魔法で収納する。
「帰るぞ」
あんま気は乗らないが転移魔法のリターンを使って街まで戻る。うっ。
「お前転移まで使えんのか…ってか吐きそうになってないか?」
「大丈夫。耐えた」
「あ、フブキちゃん。とレンちゃんだっけ。地鳴りの原因見に行くとか急にテレパス飛んできて驚いたわよ!」
「そんならみーちゃんともう片付けて来たっすよ、天使のねーちゃん。みーちゃんの子分の力借りたけど」
「みーちゃんってフブキちゃんの事?」
「まあ向こうで色々あって」
「で、地鳴りがどうこうの話は?」
「俺とみーちゃんとその子分1号2号でワイバーン仕留めてみーちゃんが空間魔法で収納してる」
「ワイバーンなのね。ってかレンちゃんも結構な実力あるってことはまあ分かったわ。ギルド行って換金してきなさいな」
と言う事で換金してもらうと1000万マナになった。白金貨10枚で受け取ってもらっておいた。
「俺3、お前7でいいぞ」
「マジで!?いいの!?」
「ああ」
「ついでにサクヤの飯買ってくか」
ギルドの売店にて。
「これだな」
買い物を済ませて外に出る。
「あとはさっきスルーした」
「おっ、レンちゃん」
揚げドーナツ屋?とかあるのか。
「5つお願い!」
「あいよ。500マナね」
「はい」
「とりあえず1個受け取る」
「…お前、ほんとよく食うな」
こいつ1人で俺の4倍以上食ってるよな?
「俺3つでサクヤとみーちゃん1個ずつで。天使のねーちゃんの無くていいよな?」
「アイリスさんは別に大丈夫でしょ。このドーナツも確かに美味しい」
「だろ?」
「…腹は大丈夫だが喉乾いた」
「飲み物買うか」
すぐ傍にジュースも売ってる人いる。
「スイカでいいよな?」
「ああ、うん」
「スイカ3つ」
「300マナな。レンちゃん」
「はい」
スイカジュース。純粋にスイカだけの味だろうけど赤くないし甘さ控えめで飲みやすい。
「これ思ったより飲みやすい」
「この辺で一番浸透してる飲料だからな。酒は飲めんし」
マジか。
「んじゃ、戻るか。っと。おっちゃん!ヨーグルト3つ!」
「はいよ。240マナね」
「はい」
ヨーグルトを受け取る。
「美味しかったけどちょい多いな」
「悪い悪い。やっぱうまいもん色々食べて欲しくてな」
「分かるが」
宿に戻るとまずトイレに駆け込む。上から出る事無く済んだのは幸いか。横の個室にレンレンも入って行った。
「ふぃ〜」
声出すなよ。色々突っ込みたいのを抑えてトイレを後にするともう出てきている。早えよ。
「そうだ、これ持ってってやってくれ。すぐ戻る」
「お?おう」
何なんだよ?あいつの考えてる事はよく分からん。
「すまん、遅くなった」
「あの、いえ、無事ならよろしいんですが。レンさんは?」
「どっか行った。すぐ戻るってさ」
「そうですか。フブキさんは大丈夫ですか?」
「やたら食わされてワイバーンぶちのめしたけど大丈夫」
「そ、そうですか」
「ドーナツとヨーグルトとサンドイッチとスイカジュースだと」
「なるほど。ありがとうございます。そういえばレンさんは強かったですか?」
「強いなアレは。ノーラちゃんやヒイロとはまた別の剣術で何より火力がある」
「そいつらが誰か知らんが、火力しか無えんだよ」
「戻って来られましたのですね」
「あ、そうそう、俺もこの部屋泊まるわ。手続き済ませといた。気にすんな。床でいいよ」
「お前今日帰って来たみたいな感じだろ?この街に」
「お前らが砂漠で遭難したとか聞いてデザートランナー借りて飛ばして来た」
「デザートランナーとは?」
「小型の恐竜みたいなやつ。頭いいから人乗せて走る商売でレンタルされてる。砂漠みたいな場所を結構ガチめに漕ぐチャリくらいの速さで移動出来る。多分この世界の乗り物より速いぞ。サイズもチャリより少しデカいくらい」
そう言う奴もいるのか。
『そんなトカゲに頼らなくてもお姉ちゃんには私がいるじゃない!』
『お前飛べるけど絶対足遅いだろ!?』
『人型でおんぶしたらそうね、全力でノーラちゃんがウインドブーツ自身にかけて全力よりは多分速い』
「うちの負けず嫌いが本気出したら余裕だと」
「誰だよ負けず嫌い」
「氷ねーちゃん法定速度以上で走れると」
ノーラちゃんの全速力がそんなもんだった気がするから。
「車より速いのかよ。人かよ!?」
「人じゃねえよ?」
「マジで!?」
「私は見ましたけど美しい蒼い氷のドラゴンでしたわ。初めて見て死ぬと思いましたわ」
「氷の蒼いドラゴンフォーム見てみたいけどまた今度だな」
「まあ、うん」
「風呂入るか…。ここ広いしってか向こうの銭湯みたいなスペース地下にあっから行くか。みかんちゃんも来い」
「おう」
「私も行きますわ」
「マジで?言っとくが俺、襲っても知らんぞ?」
「その理不尽な胸、捥いで差し上げますわ」
「そんな愚痴言うならバッキバキの腹筋胸筋寄越せっつーんだ」
「正直どっちも要らね」
「行きますわよ〜」
という事で宿の風呂場。広いな。普通に銭湯じゃんこれ。
「言ってお前腕は普通にムキムキ寄りなの引くわ」
「みかんちゃん冷てえ。結局凍ってんじゃんこのみかんちゃん」
「うるせ」
「あ、一緒に来たんだ」
「アイリスさんとオウカさん」
「あ、天使のねーちゃんと謎ロリ」
「謎ロリやめて差し上げろ」
「ロリじゃないから!」
「まあ成人してるもんね。オウカ」
「リトルスってガチで年齢分かんねーわ」
まあそれは分かる。ビジュアルあんま変わらないから結果年読めんし。
「で、そっちのディアボロスのお嬢さんは?」
「レン・ユウキ。このチビ共と同じ世界で神々のしょーもない喧嘩に巻き込まれて死んだ哀れなロリのレン・ユウキちゃんです」
「自分で哀れなロリ言うなよ」
「チビはやめてくれます?」
「みーちゃんはそこにキレねーのな」
「否定する要素ねーじゃん」
どう足掻いてもチビという要素は覆らねーよ?
「フブキさんのそれが明らかにチビではない事実」
人の胸をチビではないってなんかおかしくね?
「そう言えばレンさん何歳…」
「12らしいぞ」
「…不公平ですわね」
「ほんとにな」
「そこまで?」
「体型はまあ進化の差があったからともかくまともなスペックない。って言ってもまあそれなりに魔法教えてみたけど、悪くないんだけど。向こうの頃の差だな。使えるのは使えるけど立ち回りが酷い」
「立ち回り…」
「まあそう責めなさんな、みーさん」
「責めてはいないぞ」
「…言われるとそうかもしれんが。このお嬢さんの立ち回りを改善には無理があるってもんよ。ゲームなんかの経験が少ない」
「ロープレで狩りゲーの立ち回りするお前が言うなよ。大剣売ってミスリルクリス買うか盗賊やめて戦士やれって何度言っても聞かないし。盗賊でも戦士でもクリ率とか運なんざ武器に乗せるだけ乗せりゃ誤差の範囲なんだから」
「…ふぁっ!?」
「ぶっちゃけあのゲームの運って極振ってもほぼ無意味なんだよ。回避の上限がMAX7割、クリ上限が8割程度でほぼ上がり切る。アイテム抽選の強化が完全状態で5パー強化される程度だからお前道具に拘ってないし気にするまでもない。ちなみに、ステ上限はどのクラスもレベルによる上昇が違うだけでアイテム強化上限は同じだから種集め終われば全部使ったら戦士で問題無い」
「何…だと?」
「お前、仕様そのもの知らなかったのか」
「操作だけ分かりゃいいやと」
「ねえ、サクヤちゃん、この2人は何を話してるの?」
「向こうの世界のゲーム基準でこの世界の能力値を分析してるのかと、おそらく」
「まあ間違ってないけど。レンレンは頼むから覚えたんなら魔法使ってくれ」
「え、やだよ。めんどくせえ。色々覚えたけど自分にゃ合わん。欲しい魔法はあるがここから向こうの山越えてわざわざ魔導書入手なり借りに行く気も失せた」
「何系だ?」
「干渉系。それ以外は必要最低限覚えた」
「まあまあ覚えたぞ俺」
「戦って分かったけどさ。そりゃ。武器強化と身体強化系統だけ教えてくんね?」
「ついでに時間あったら属性付与も叩き込んでやる。炎と風だが」
「水と土は?」
「その辺は難易度高いわよ。フブキちゃんもまだ安定させられてないし。そもそもその辺りクラスなら転移魔法とレベル変わらないし」
「お前転移魔法覚えてるよな?」
「まだ酔って吐きそうになるけどな。空間系に弱いから」
空間転移魔法。正直干渉魔法の中でもほぼ最高位の魔法なだけあって習得難度は高いとかってレベルではなく魔法全体の最高難度レベルらしい。シオンさん曰く。
「仕方ないわよ。空間魔法は魔法の中でも最高位よ?アポート、リターン、テレポートを8歳で使えるってぶっちゃけおかしいのよ?今更だけど」
「今更で片付けられるみーちゃんの才能って」
「聞いた話だとチェインを使用、んで実際にエクスプロージョンを習得、ある程度の構成隠蔽も可能、剣技もかなりでフブキちゃんの世界の武器を使いこなす。多分既に今のあたしなんかよりよっぽど強い気がする」
「でも俺なんかよりよっぽど魔法使いらしいのが。ここに着く前に電磁投射砲と同一魔法の重複詠唱による強化とか凄い技見せられたし」
「いや、訳わかんねーよ!?」
「貴女達いつまで喋ってんのよ」
オウカさんが何故か俺の背中を。んでアイリスさんがレンレンの背中を流している。
髪も洗い浴槽へ入る。レンレンが髪纏めている。
「あ〜生き返る〜。そう言えば、お前は髪切らんの?」
「今のお前くらいにしようかなって思ってるが」
「可愛いのに勿体ないですわ」
サクヤが割って入る。
「サクヤおじょーさんみたいにのんびりしてる訳じゃないからな。結構激しく動くし。それに可愛くありたい訳でもねえ。よし、みーちゃん切れ!」
「俺好みのショートボブに仕上げてやる」
「任せる」
「意外に仲良いのね。フブキちゃんここにくる時は乗り気じゃなかったのに」
「なんかこいつと喋ってると疲れると言うか、強い癖に、って言うか、頭いい癖に馬鹿演じてるみたいで嫌と言うか、あと軽く絡みがウザい」
「だいぶ言うわね」
「知ってた」
「こっちで共闘してもツヴァイハンダー一本で魔法使わないし」
「魔法はパーティメンバーに任せる。そんな頭使うやり方出来ねえから。最高最大の火力を持って斬る。そんだけだ。まあソロで動く事も考えて一応それなりに魔法は覚えたが。パーティ組むまでソロで活動してたし色々出来るぞ」
「でも使わねえんだろ?」
「まあな」
「知ってた」
「結構なワガママ受け入れてくれるしやっぱみかんちゃんあいしてるぅー!」
後ろから抱きつかれる。
「うっせ。レンレン。あと抱きつくな!捥ぐぞ!」
「そー言って照れ隠しっしょ!?」
「ちげえよ!やっぱお前嫌いだわ」
「仲良いね〜」
「よくない!」
「良いっしょ?」
ほっぺたぐりぐり痛え。
「そのツノ折るぞ!?」
「やめたげて、神経通ってるから」
マジで?初めて知った。とりあえず腕で関節技極める。
「いで、いででで!悪かった、ごめんって!みーちゃん」
とりあえず解放する。
「そのロリボディのどこに力詰まってんだよ!」
「ステ見せたろ?童力だよ。今お前を力一杯その巨乳捥いでやるよ!」
「怖えよ!」
「…ねえ、フブキちゃんとレンちゃんで全力で勝負してみない?」
「どっちか死ぬぞ?」
「それは問題無いわ」
「無いのかよ、ってか無いならいいぞ」
「レンレンがいいってならまあ」
俺がレンと、か。結構厄介だな。アイツは。




