29話〜フブキPT救助クエスト発動!〜
砂漠を突き進んだ先の街。
「ここがその街だね。誰でも自由に出入り出来るのは助かる」
ワイバーンが飛んでいったって聞いてるけどここは目的ではない?いや、油断出来ない。
「お、珍しい嬢ちゃん。旅のものかい?」
商人の露店かな。
「うん。ワイバーンが飛んでいってるって聞いて」
「今日も結構見たけど少ないくらいか。いつもは3体は見るがまだ1体だ。あっちの砂漠の洞窟の方によく飛んでいってるな」
「そう、ありがと。干し肉2つちょうだい」
「あいよ。700マナね」
「はい」
「まいど」
砂漠の洞窟。この辺は火龍の庇護下だっけ?まあいいや。干し肉美味しいわね。とりあえず…ギルドギルド…あった。
「御用件は?」
「南の砂漠で遭難したパーティの救助と街へ連れて行く手伝いの依頼で」
「緊急性の高い依頼ですね。すぐに出しますのでこのまま手続き致します」
「うん。余裕無いから有無を言わずこれで」
「白金貨…。承りました」
「場所はここから南の街の方往復で半日無いくらいだと思う。魔法で飛んできたから詳しく分からないけど」
魔道具を用いてギルド内に放送が響く。
「緊急クエストです。南部砂漠でのパーティの救助!報酬は100万マナ!」
「うぉおおおおおお!!」
「…その依頼、私達に受けさせて下さい」
「あなた方は?」
「ちょっと、いやかーなーりお転婆なお嬢様の率いるパーティだけど」
「…そのパーティリーダーさんは?」
「今洞窟に蜘蛛狩りにケイブキングスパイダーを」
「蜘蛛狩り受ける女子ってすごいわね」
「12歳の突如現れた剣の天才、少々女子としての品位に疑問は有りますがあの子、蠍を狩って、ワイバーンも魔法使い連れて行ってはいるもののほぼ1人。天才と言うか」
今時は12でワイバーンを狩れるなんて子もいるのね。
「なるほど、あなた達も」
実力はある方ね。
「あの人の考えはよく分からないです。でも、やってて楽しいですしパーティとしての関係も悪くないです」
「なるほどね。貴方方に任せるわ」
4人パーティ。男1人に女3人。珍しい混成編成ね。
「私はヒナタ。アルケミストです」
リトルスのアルケミストね。
「セイラ。魔法使いよ。回復魔法とかいくつか使えるわ」
フェルパーの魔法使いね。珍しい。あ、でもスズちゃんも一応そうね。依代だけど今は。
「ソラだよ。ナイトやってるけど魔法使える。守護魔法とかならちょいと」
キツネの獣人族ね。珍しい。
「シンゲツ。黒魔法使いです」
ディアボロスの男性魔法使い。
「珍しいわね。男の魔法使い1人がいるパーティって」
「あまり乗り気じゃなかったんですけどリーダーに強引に引き込まれて」
「魔法使いとアルケミストがいれば大丈夫か。貴方達に任せて良さそうね。とりあえず行くわよ。あなた達のパーティ魔法に偏ってるからあたしが前出るわね」
「大丈夫なんですか!?」
「体術、武器術もある程度出来るの。とりあえず準備してから南の砂漠へ行くわよ!」
「と言う事なんですけど、一応お二方にお伝え願えますか?お姉さん」
ギルドの受付の人となんか話してる。数分で話終わる。
「用件は終わりましたので準備しましょう。あの砂漠は下手に動くと命に関わるので」
その頃、洞窟の近くの街。
「お、連絡水晶…。はい、こちらレン。どったの?ねーちゃん」
『ねーちゃんではなく。ではなく、えっと、レン様のパーティの残りのメンバーの皆様が他の依頼を受領されましてこれから動くと言う事なんですけど』
「ほいほい」
『南の砂漠の遭難パーティの救助でして。レン様にも早々に戻って来て頂きたいのですが』
「今、蜘蛛潰して街にいるんだけどさ。1日かかるんだが」
『そこをなんとか!』
辺りを見回す。
「半日で間に合わせる。デザートランナー借りて帰るから返却と建て替えとくからその分請求すっかんね!」
『承知致しました』
水晶の魔力が途切れる。
「おにーさん!スリートまで行くから2日2頭お願い!」
「あいよ。4000マナな」
「銀貨1枚であと領収書ちょうだい」
「あいよ。釣りの銅貨6枚と領収書な」
デザートランナー砂漠を時速15キロ。エサ無しで半日チャリと同速で砂漠を走れる上に優秀なラプトル系種みたいなドラゴン。人の言う事聞くし手懐ければこうやってレンタルも出来る。
「行くよ。何か大変な事になってるから飛ばすよ!」
「はい!」
その頃。救助組。砂漠にて。
「サソリだ!尻尾と鋏潰して胴潰して飯のメインだな」
サソリ案外美味しいのよね。私は毒効かないけど。
氷の薙刀を生成する。
「尻尾はあたしが行くわ!」
「分かりました!」
飛び上がってブリザードアドDをかけた薙刀で尾を落とす。そして後ろで魔法使い2人が腕を潰す。案外この子達強いわね。
「すごいですね。あの武器捌き。それと武器を作る氷系統の水魔法!」
「本当なら氷魔法使って後衛なんだけど貴方達が見事に偏ってるから。まあそう言うポジションに落ち着いて来てるあたしもあるっちゃあるけど」
「普段は優秀な前衛がいるんですけど他のお仕事で。あの人高報酬の討伐クエストドンドン受けちゃうので」
「すごいわね」
「街の勇者だとかトップ冒険者とか誰が言ったんだか」
勇者、トップ級ね。会ってみたかったけどいないならしょうがないわよね。
「休む?あたしはこのくらいなら余裕あるけど」
「おかげ様で大丈夫です。蠍を解体したら進みましょう!」
蠍を解体し、歩き始める。
「またワイバーンね。この辺りってワイバーンの巣でもあるの?街は無事みたいだけど」
「原因は不明です。結構前からずっと飛んでます」
「ふーむ。調べてみたいけど勝手に動く訳にもいかないし。諦めるしか無いわね」
ワイバーンが1箇所に集まるってどう考えても異常というか、そもそもこんな数ワイバーン見るのも異常だろうけど。考えたところで得られる情報は無いわね。
その後、数時間かけて特に何事も無く合流出来た。
「貴方方は?」
「冒険者パーティで依頼を受注して来ました」
「お疲れ様です。ヒルダ様」
「後よろしくね〜」
「消えてしまいました」
「あの人は一体…」
「フブキ様…こちらのお嬢様の従者の1人と言いますか」
「脱水症状…熱中症だな。この2人のリトルスのお嬢さん方は」
「ヒナタ、セイラ」
「あたしじゃ無理よ。ヒナタ薬持ってたわよね」
「はい。ただ熱中症に効く薬で栄養面のフォローもしてますが少々強めかもですか。希釈するメリットもありませんし…」
「仕方無い。出せ」
「はい」
「お飲み下さい」
リトルスの女の子に差し出された薬を服用する。
「この薬は副作用がありまして眠くなってしまうと言うか」
何か眠い。
「大丈夫なの?」
「問題ありません。薬の作用で体調は安定化してます。とりあえず街に戻りましょう!」
「でもここから何時間も」
「かかりませんよ。多めに準備して良かったです」
そうすると大量の紙の札を取り出す。
「帰還札ね。転移魔法のリターンの刻印がされている」
「はい。全員行けるかと、行きますよ!」




