19話〜神無月咲夜1−絶対無理ゲーサバイバル−〜
桜井吹雪の転生した日。同森林。
「確か…地震が起こって…それからどうなったんですの?」
辺りを見渡しても誰もいない、と言うか森ですわね。さっきから変な、聞いたことのないような鳴き声が聞こえますわね。ここにいたら死ぬ。水はともかく、何が食べられるかも分からない。せめて何が出来るか確認しないと…。
サクヤ・カンナヅキ
(Lv1)
HP…C
ATK…E
DEF…E
MAT…D
INT…E
MDF…D
AGI…C
LUC…S
これは何の評価なのでしょうか?随分と低いように見えますが。
次々と読み進めて得られた情報はリトルスという種族の幼児となった事、結界魔法とやらが使える事くらいですね。
なんか能力があるようですけど、可食判定、毒無効などがあるようですが毒が無効出来るなら生食さえ気をつければそもそも大概食べられそうですが。
とりあえず住処を…。こんな野晒しな場所なんて嫌ですけどどこかの町や国に入るのも厳しいでしょう。でも森林内で生活するのも嫌ですわね。なら、とりあえず食べられるものを探しましょう。
約1時間後。手に入ったのは謎の木の実A(赤)、B(赤紫)、豆っぽいもの、芋っぽいもの、アロエっぽいもの。その他諸々。
まず木の実Aを頂いてみましょう。
「酸っぱいですね。これは。キウイフルーツのハズレくらいにはキツいですね。でもマズくはないので食べられそうですね。味は葡萄に近いですけど」
豆っぽいのと芋っぽいのは火を通した方が良さそうですね。火の起こし方分かりませんが。魔法の世界なのに基本レベルの火起こしすら出来ないとは。基本なのかは置いといて。ではとりあえずアロエ擬き。味はアロエ擬きですわね。まあ食べられそうです。美味しくはないですが。蛋白質、炭水化物はなんか摂らないといけませんね。はあ、せめて如月さんか桜井さんが一緒に転生してれば…。いや、いくら何でもそれは欲張り過ぎですわね。
ガサガサと叢の揺れる音、何かいますわね。叢から出てきたのは狼…無理ですわね。逃げなければ!
数分逃げる。こんな走れる体力は無かったはずですが。野生動物だとウサギとかシカとかイノシシとかが食べられるんですよね確か。生息してるかどうかは置いといて。
「ファイア!」
しかしなにもおこらない。魔法って一体…。でも結界魔法とやらは使えるようですね。
「光の魔力よ、加護をもたらせ!光の守護結界!」
現段階で使用可能な魔法は光の守護結界、感知結界、リフレクションですか。こちらから、能動攻撃が無いのは厳しいですね。あっても戦闘の心得なんてありませんが。武器…を作ってみますか。武器制作も心得てませんが。作ったところで扱えるかも怪しいですし。
えっと、適当に尖った石。何らかの植物のツル、あと木の棒。これ、刺さるか分かりませんが。とりあえず、槍っぽいもの。刺さりますかね?これ。イノシシや狼は無理っぽそうです。
「例えばウサギとかの小動物くらいなら」
ウサギって食べれるはず。非常時に可愛い可愛くないで選り好みしてる余裕なんてありませんわ!もう少し扱い易い攻撃能力は欲しかったですけど。
まあそんな事考える余裕も本来無いんですが。この森林に何がいるかも分かったもんじゃありませんし。
さてと必要な事をまとめてみましょう。まず私には火を起こす手立てが無く、ここがどのようなところかも不明、故に何が生息してるかも不明。
そして私は弱い。知識も能力も乏しい。故に正攻法、一般的なセオリーのようなものが無く、打開能力、決定打何か無く、手探り。
そしてそんな私でも分かる事が屋根のある住処、食糧の加工法や火を起こす方法、水源、厠や身体を洗う河川が無いと衛生的にも厳しい。生活環境を整えなければいけないのにそのハウツーは無い。所謂、桜井さんの言うところの無理ゲーとか言うやつですわね。絶対的に無理とか。どうしろと?よくよく考えてみればこの世界って魔法が存在する時点で私達の世界の常識が通用しない。そんな世界にポンコツを放り込んだ…。つまり詰みですわ。せっかく何故か新しい命を授かったと言うのに。やはり私は無力。
翌朝。やはりカロリーのある物を摂らねばマズいですわね。お腹が鳴るがエネルギー源が無い。果実から糖分は摂れるでしょうけど。肉or魚。肉ですわ!
とりあえずアレですわ!レベルを上げて物理で!って言ってましたわ!誰かが。
5時間経過。とりあえず、ウサギとアヒルは確保出来ました。経緯はどうであれ、これでタンパク質と動物性油脂確保ですわ。で、火起こす方法…。錐揉み式ですっけ?
経緯を省略して何とかファイヤー(錐揉み)成功。ほんとに炎魔法欲しいですわね。攻撃力要らないんで実用さえ出来れば。とりあえず、ウサギとアヒル焼いてしまいましょう。…味付けはこの辺りの木の実で何とかしましょう。
これでいいですわね。では、実食ですわ!
「ふむ…。ちゃんと火は通ってますね。味は思った以上に辛い香辛料ですがまあ量的には丁度いいくらい」
まあ、これなら食べられるでしょう。
数分かけてお肉と木の実を食べ、辺りを見渡す。
お風呂が無いのは分かってましたが、お手洗いが無いのは痛いですわね。まだ大丈夫でしょうけど。
とりあえず寝床を作りましょう。下手に動くより安全にエネルギーを温存した方が良さそうですので。
明日水源を探してそれからどうするか考えましょう。
翌朝。今日は色々調べてみましょう。まずは水源の確保ですわね。
寝床(仮)から直線に歩けるとこまで歩く。
これを繰り返すしかなさそうですので。方角が分からない以上下手に迷えないので。まあ現時点で自分が何処にいるのかわからない以上関係無いと言えば無いのですが。
結局3時間程かかって川にたどり着いたようです。この川の水、飲めますかね?見た目、色は大丈夫なようですが。とりあえず掬って臭いを嗅ぐ。特に臭いは無いようです。大丈夫そうですわ。とりあえず魚も釣ってみますか。
1時間後。加熱調理で食べられる川魚2匹確保。
美味しいのは美味しいですが、食べて寝てを繰り返しているだけではつまらないものですね。それ以外にする事無いですけど。
とりあえず大物、狙ってみますか。無理そうなら逃げればいいですし。
えっと、こういう時って獣の痕跡を探るんでしたわよね?一度河川から離れて散策に向かいましょう。
それにしても。この森林、マズいですわね。人っ子1人いません。いや、厳密に言うといるかもしれませんが出くわしません。
あ、足跡。獣ですね。うっ、大きい。追いかければまだ見つかるでしょうか?新しい足跡のようですし。
そこから更に数分。見つけました。イノシシです。えっと。
サクヤ
あたま:E なし
からだ:E ぬののふく
あ し:E なぞのくつ
そのた:E なし
ぶ き:E せっきのやり
勝てる気しませんが。とりあえず。
「光よ跳ね返せ、反射の防壁、リフレクション!」
避けられそうにない速度なので突進をリフレクションで防ごうと思ったのですが、力尽くでぶち抜かれて直撃を受けてしまうとは…。マズいですわね。防壁で防いで軽減されてるでしょうけど…。あの速度ならおそらく逃げ切れないですわね。まさか自業自得で早々に死んでしまうとは…。その気は無いですけど。起き上がって槍を構える。今度は突進をギリギリで何とか躱して槍で突く。急所…では無い上に浅い…ですわね。
一撃で意識持っていかれそうですわ。
「けほっ、けほっ、ごふっ」
まさかリアルで血を吐く事になるとは。でも、どうせ死ぬなら!やれる限りやりきりたいですわ!
抜けて血に塗れた槍を拾って腹を押さえてなんとか立つ。次は避けられそうにないですね。
「これでもくらえ!」
高い場所から弓による狙撃の支援。脚を射られイノシシは動けなくなる。
「すぐ回復させるから!」
そこで意識が飛んだ。




