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異世界転生幼女の英雄譚  作者: ひょうか.みかん
第2章〜神無月咲夜とはじめての空想世界(ファンタジー)〜
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18話〜サクヤ・カンナヅキ〜

 およそ半年が経過して春。

 ある朝。

 街はある程度完成し、フェルパー、リトルス、ディアボロスが住める場所を確保し、エルフも街に住み始めた。

 この世界のエルフはイメージと違って戦闘能力は低いらしい。弓術は高いが戦闘における魔法能力はディアボロスより低いらしい。他の場面ではディアボロスに匹敵するらしいが。身体能力はフェルパーはおろか、下手すればヒューマン以下にもなりうるらしい。反面、技術力は高くそっち方面での活躍が凄まじい。エルフが加わってから街の開発は加速した。あと通貨が流通し始めた、のは置いといて剣術の訓練を終える。

「やっぱ2人には敵わないわ」

「でも姫様も中々」

「魔法や童力とか色んな力で誤魔化してる分、技術が割と突出してる事もないから」

「でもフブキ様の二刀は確実に力ですよ!」

「姫様の剣技、独学でこれなら凄いですよ」

「ありがと」

「んじゃ、フブキ様〜お風呂いきましょ〜」

「あ、はい」

 で、ノーラちゃんに引っ張られてお風呂行くのが流れになってしまった。ぶっちゃけもう自分が女だっていうのも割り切れたとこもまああるしいいんだけど。半年経ちゃ、んな事どうでもいいっつーか。

 お風呂もエルフさん方のお陰でただ湧いてるだけの温泉ってだけで無く何故か和風の旅館風の造りに改造された。ほんとあいつら何もんだよ。開発者、建築家、鍛治職人、家具職人など。この街の構造の原案もエルフのものである。街1つが大きな魔術式魔法陣として構成されるとか。リトルスの街じゃなくて実質フェルパーとエルフの街だろ。乗っ取られてるだろ。人口的にフェルパー、リトルス、エルフ、ディアボロスだが、多いのは。

「あ、姫さま」

 もう姫様でいいや。諦めがついたのは数ヶ月前である。

「あれ?」

「どうかしました?」

「トウカがこの時間に入ってくるのは珍しいと」

 普段トウカが色々やってくれてるおかげで基本トウカは忙しいオカンキャラが確立されつつある。ついでメルナさん。アレはどっちかと言うとお姉さん系だけど。

「メルナさんが今日は代わってくれてますので」

「トウカはメルナさんと仲良いの?コンは悪いっぽいけど」

 ディアボロスの友好関係ってのはどうやら特殊っぽい。そう感じてはいる。

「コンはまあそもそも他の多くの方々とも友好関係そこまで築けてないので」

 ツンデレ…なのか?俺の下についてから俺にはデレデレだけど。で早速何故か俺は膝の上にいる。

「それにメルナさんの料理のレシピも色々勉強させて頂いてますので」

「料理したいけどこの体制整ってから殆どしてない」

「フブキ様自身が作られるお料理も美味しく斬新さがあって好みですけど、フブキ様にそこまで無理させたくないと言う思いが勝ってしまって」

 あー。分かる。確かに暇でもないからな。街の開発にアイテムや商品の開発、特訓なんかもあって色々。

「そうだよ〜。働き過ぎ首領とかそのうち崩壊するよ〜。エリートでも」

「あ、お帰りですか。オウカさん」

「まあね〜。それはそうとおっぱい分けて」

 とか言いながら胸揉もうとしてくる。もうされるがままである。抵抗めんどい。女子同士だし加減分かってる人だし一応、多分。

「何がフブキちゃんのおっぱいを大きくするのか」

「進化したら何処かから沸いて出て来たんですけど。質量無視して」

 まあ魔法のある世界だし物理法則がどうこう言うのはおかしい話だ。今更だけど。

「進化してからまだ成長してるよね?」

「らしいですね」

「うーむ」

「で、今日戻られたのは?」

「フォルネイアの転生者の情報が入ってね。サクヤって女の子。街にいるって王国の」

フォルナシア王国。廃教会、英雄達の拠点やシオン、もといガルドさんの家のある国。

「サクヤか…。知ってるけどめちゃくちゃ近所にいたんだ」

「だね〜。どうする?行く?」

「サクヤなら多分来る可能性あるから待って良いと思いますけど。不安しかないですが」

「不安?」

「転生して戦える身体になってるかもしれないですけど、戦いで生かせるセンスとかそういうのは多分ないし、女神から聞いた話だと、持ってるのが結界魔法だから他の魔法手に入れられないと多分まともにここまで来れない可能性もあるので」

 神無月咲夜。お嬢様っぽい一般家庭女子。

「可能性あるの!?」

「俺の名前ってもう知れ渡ってますよね?」

「王国でも十分。でもこっちから向かう方が手っ取り早いけど。1日かからないので」

 一応転移出来るからな。徒歩で3日とかそんなもんだっけ?

「厳しそうではあるんですけどね。咲夜は頭自体は良い方ですし俺の性格理解してる方なんで身の安全さえ確保出来るようなら来るんですよ」

「身の安全を確保…戦闘慣れしてないのに身の安全を確保するなんかが」

「こっちに来てからもう結構経ってるんで例えば、彼女が何らかの形で職を手にしたとしましょう。雇用の形態はこの際問いません」

「うん」

「まあ最低限自分の生活費+自由に使えるお金がここまで来るとそれなりに貯まってるでしょう。その手持ち叩いてここに来る為の護衛あるいは転送、転移魔法を使ってくれる人に協力を仰ぐくらいは出来るかと」

「転移魔法使える人探すのはギルドでも難しいから、アスちゃん、アイちゃん、カーディアが拾わない限り護衛雇って来るのはあり得る」

 護衛を雇えばまあ来れるか。

「おい、やめろ!スズネ!ホールドされなくても歩けるわ!」

「そんな事言って逃げるつもりなのは読めてますにゃ」

「逃げねえよ」

「そう言ってもう何日お風呂入ってないにゃ!」

「あ、ガルドじゃん」

「うおっ!?オウカいるのか!?」

「アンタら黙りなさい!」

「3人一緒で…。」

「スズネ鍛えてた。元々魔法のセンスあっからな。俺好みのサポーターに仕上げてる」

「そうですか…」

 元々サポ系の魔法多かった感じだからな。

「化け猫化もマスター出来れば前衛として戦えるんですけどにゃ」

「フェルパーの身体つってもそれ依代だからな。元の身体とは勝手が違う筈だ。難しいぞ」

「別に前にはあたしが出るわよ。槍以外にも武器使えるし体術も一部龍化も出来る」

 こいつら…。そんな事言いながら身体を洗い、入ってくる。

「邪魔するぜ」

「にゃー。それにしても種族問わず同じ湯に浸かれるのは有難い」

「フェルパーとか獣人系は毛がどうこうって差別される事あるらしいな」

 なるほど。確かに抜けたりすると色々問題あるのか。

「もふもふなのに」

「もふもふゆえの悲劇」

「そう言えばヒルダってどの位魔法使えるの?」

「こいつ意外と出来る事多いぞ。気象魔法、水、氷系魔法、干渉魔法、工作魔法、観測魔法、感知魔法は使えるし」

 バリエーション豊富だな。

「2人の魔法には及ばないけど」

「お前は武器を使った中近ベースで氷は攻撃だけでなく足止め、防御に使えればそれだけでかなり変わるだろ。魔法とブレスの使い分けも出来るし。新しい魔法は必要無い。剣術でヒイロ、ノーラには敵わないが短剣とか槍とかがある。それに困ったらドラゴン化して腕振り回しゃ大概やれる」

「それ最終手段。でも防御に使うのは考えた事無かったかも」

「フブキ様〜」

 コンからひっぺがされ、スズネに回収される。

「あー」

 もうどうにでもなれ。

「そう言えばさ、スズネから見てノーラってどう?」

「そもそもケットシーを見たのも初めてですけどにゃ。ジャンルが違うからどうこうって感じではないですけどこの森に数百年ぶりにケットシーが誕生したってのもありますが、魔法の扱いさえ慣れればかつての勇者を超えうるかと」

 ケットシーって言えば勇気の剣〜心に宿し〜いざ起たんってやつあったよな?アレ、そもそもいつの話だ。

「そう言えばノーラ達が歌ってた勇気の剣〜心に宿し〜いざ起たん〜我らの希望〜勇者ケットシーってやつっていつの時代の話なの?」

「1000年以上前のケットシーの勇者、確かリオ。かつての魔王、ニャタンと戦ったとかどうとか。今のノーラに近いスタイルで戦ってた勇者だったかと。伝聞とか記録とかでは」

「なるほど」

「吟遊詩人を経由して伝承してるんで正確性には疑問がありますけどにゃ」

 ぶっちゃけ1000年以上の話の正当性なんざ今更どうでもいいんだけど。

「んなこたどーでもいい。フブキは次どう動くんだ?」

「この大陸の転生者が来るまでは動きませんよ。多分来れるんで待つだけです。問題はそれ以降、オウカさんに別の大陸に飛んでもらう必要があるかもしれません。転生者…少なくとも俺の世界のは集めておきたいので」

「面白そうだな」

「サクヤ・カンナヅキ、リトルスの結界魔法使いに転生した。神にもらったのが結界魔法だとかそう言うのは置いといて、いいとこ育ちのお嬢様風の一般家庭庶民です。多分まともな戦闘技術は無いかと思われます」

 転生の恩恵じゃどうあがいても思考なんかは変わらない。

「無いのか」

「俺らの世界には魔法は実在せず、架空の存在、ロマンの中の、想像の、創造の産物なんですよ。だから、接点が無ければこっちで扱う技術も無いかと。俺はそう言う娯楽を趣味の1つとして持ってたんでまあ、あとは身体能力と言うかその辺に恵まれたのも大きいかと」

「架空の力が現実になったってどんな気分だ?」

「求めてるのは違いますけど面白いと言うか楽しいですよ?魔法剣とか出来ますし向こうの世界の娯楽だと魔法というよりスキル扱いのが多いですけど」

「何を求めてた?」

「魔法特化の魔法使いですかね。白、光系ヒーラー」

「アイリスからある程度習ってんだろ?」

「でもそっち使うより攻撃重視っぽいですよね」

「女神がどんな調整を施したかは知らんが、リトルスは本来器用な手先と高い身体能力を生かした戦闘スタイルだから割と魔法ベースでやるにも無茶入ってんだよな」

 まあそうだろうな。普通に考えりゃ魔法万能ってそんな簡単な話でも無いだろう。転生の特典だか女神様のボーナスだか知らんがまあ覚える気になれば大概の魔法が事実上習得可能ってのもまあ。干渉魔法、感知魔法、結界魔法、工作魔法、観測魔法など色々覚えたけどまあ結構あっさり覚えてる。転移魔法を自分に使うのだけは慣れないが。

「んで戦闘慣れしてないとなるとどうなるか、これるかね?」

「でもこっち来て半年経ってますよ?何らかの技術なり魔法なんか覚えててくれると…。いや、無いか」

 神無月は元々ゲームとかも知らない無知なお嬢様風ガールだからな。

 そう言えば神無月にこんな姿見られたら…。あいつが嫌な目で見ることはないか。むしろめっちゃ可愛がられる可能性のが高い、か。考えるのはやめた。

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