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異世界転生幼女の英雄譚  作者: ひょうか.みかん
第8章〜落ちた少女と未確認の敵(アンノウンエネミー)〜
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86話〜モモと芸術の精霊〜

 フブキの屋敷。

「戻ったぞ」

「師匠」

 とんでもない魔力。しかも量だけじゃない。純度もとんでもない。

「察したか。前に話した精霊だ」

「アルテと申します」

「んじゃ、さっさと行きますか。テレポートでいいですよね?」

「おう」

 テレポートで店に移動する。

「んあ、みーちゃん?えっと、そっちの人がみーちゃんの師匠さんでいいのか」

「ああ、ガルドでもシオンでも構わん」

「えっと、私がアルテです」

「絵を気に入ってくれた精霊さんだっけ?」

「はい」

「アルテ、いい名前な事で。にしてもこの桁が違う力を引き出して使役なんて出来るもんなのか?」

「魔力の器、そいつの力を借りて霊器魔法を習得しろ。あとはお前の人形や絵で触媒として最適な物を仕上げるんだ」

「最適、ね。この世界の芸術のレベルで最高レベル。やってやりますか」

「はいっ!」

「ソウルチューニングを会得しろ。お前の作品に魔法でアルテを降ろす。アルテ自身の憑依より強いぞ」

「分かった。よし、みーちゃん。僕がアルテちゃんの力を会得したら今度こそ勝負だ!」

「了解」

 その間に俺も何か強くならなきゃな。本でも読んで魔法の1つや2つ覚えてみるか。


 書斎。


「どれにしようかな天の神様の言う通り。あっぷっぷのぷのぷ。これか」

 天の神様ってアレかぁ。アレが決めてたのかそう言えば。

 『ステラ悪夢録』。何かやべーの取ってしまった。そんな気がする。何百年前の本だこれ?ステラ・ペンタグラム。占星術や精神干渉の魔法の類を極め、禁忌を犯し、処刑された。自身の精神に魔力干渉して魔法能力を上げる魔法。やるだけやってみるか。あとは身体能力の強化魔法も上位の段階のものを習得するか。それと守護魔法もあった方が良さそうだな、念のため。

 さてと、問題は幾つかあるが。

「おー真面目な事で相変わらず」

「師匠。どうしたんですか?」

「お前がどう精霊を相手に立ち向かうか。興味あってな」

「1つ尋ねていいですか?」

「いいぞ」

「1つの魔法を極めた者と戦った事はありますか?」

「お前の知る七賢者ペッパーもテレポートを極めた者であったりカモミールがゴーレム操作術に特化したといえるが、テレポートを駆使した格闘術とかエンチャントだけとかもいる事はいるが、極めたまで呼べるかどうかは知らん」

「イマジンアートは?」

「いるにはいるが。俺の昔の仕事仲間に霊術師が何人かいてな。その中に人形に精霊を降ろす者や式術師とかいるが。それなりに強いぞ」

「この世界式神使いもいるんですか」

「ナナノの方のかなり古い術だ。数はかなり少ない」

「なるほど」

「お前はそう言うタイプじゃない。状況に合わせて堅実に莫大な魔法を使い分ける。それがお前の強さだろう?それを気にする事もないだろう」

「魔導書を読み漁って気になる魔法があって。協力して頂けますか?」

「可能な範囲ならな」

 数日後。

「そこまで出来るようなら上出来だろう。それの魔法は使えるが機会なんて無かったから数十年使ってなかったが」

「なら本番で試してみますか」

 風呂。

「さてと…。まああとはなるようになる…か」

 こんこんと扉が叩かれる。ハルナやはぴこはそんな事しない。ケットはそもそも俺が1人で入っている時に用はない。家臣の誰かなら直接声で…。

「誰?」

『ボクだよ』

「ももも?どうかしたか?」

『入っていい?』

「別に構わんが、ってか拒否ってもくるだろ」

 なんとなくそんな気がする。で入ってくる。

「まあそうだが、っとんじゃお邪魔します。で、どうよ?仕上がってる?」

「バッチリ。もももも知らない魔法覚えてみた」

「マジかよ」

「マジだよ」

「一応ソウルチューニングは使えるようになったし。まあソウルチューニングが見た目はよく知ってるやつってのもあって色々アレだったが。まあ、やるだけやってみるさ」

「で、確認にでも来たのか?」

「まあそんなとこ。ボク達が勝つぜ」

「別にそうなったらそうなっただ」

「ボクが勝ったらみーちゃん髪伸ばせよ」

「別に構わんが何でだよ。まあお前らが勝ったら構わんが。んじゃ俺が勝ったら部屋に飾る絵でも無償で描いてもらうか」

「やっす。いいぜ」

「んじゃ俺はもう出るわ。ゆっくりしてていいぞ」

「ほーい」

 翌日。

「さてと頑張るよ」

「はい!」

「んじゃ、まずは!」

 イマジンアートの構成隠蔽。強化付与(エンチャント)の魔法回路か。投げナイフタイプ。んじゃ出し惜しみせずに使っていきますか。

「両方に強い結界…か」

 いやー違うんだなこれが。

 結界が壊れて再生するのを数回繰り返してイマジンアートの攻撃が消滅する。

「脆い結界を何回も張り直す事で勢いを殺す。けどアレには違和感が」

 まあこれは回数判断出来なかったから普通にチェイン使ったからな。

「そーなの?」

 確認を取りつつ剣を作って突っ込んでくる。が、魔法を展開した後、刀を召喚して受け止める。

「まあそうなるか」

 イマジンアートの剣に魔法回路を入れて盾も作り出す。

「そう来たか」

「一応ナイトなんでな」

 数回受け止めた後、改めて距離を取ってくる。

「まあ、そうなるよな。やっぱ、やるしかないか。行くよ。アルちゃん!」

「はい!」

「今回は筆だ!形なき御霊よ、器に入り力をもたらせ!ソウルチューニング!」

 筆がデッカくなった。これどっかで見た事あるぞ!?

「それが新しい力…魔法か」

「だけじゃない!」

 筆を振ると大量のミサイルが出て襲いかかってくる。

 イマジンアートを強化する魔力触媒になると言う事か。いや、違う。そう言うことか。

「ホーリーシールド!」

 なんとか防ぐ。

「これも防ぐの!?」

 そう言うともももはイマジンアートで黒い翼を作って飛ぶ。

 うわぁ、イマジンアートってべんりぃ。

「こっちも本気出すしかないか。闇夜に輝く星の導きよ、その正なる位置の魔の力を我に齎せ、スターフォースアウェイク!」

「ちょっと待って!?なんでフブキちゃんステラ・ペンタグラムの禁術を!?」

「本読んだんだろ?ここに本置いてあるし!?」

「管理雑過ぎるわよ!?」

「大丈夫だって。今のアイツになんの問題もねーよ」

「そう言う問題じゃないの!」

 外野が何か話してるけど聞こえなーい。

「やべえな、アレは。魔力がとんでもないことになってる」

(数百年前の占術の類の魔力強化です。星の導きが膨大な魔力を齎す秘術です。気をつけてください)

 分かった。ってももう全力でぶつかるしかないんだけどね。

「さてと、星の力よ、光り輝き、爆ぜ、弾けろ!ポップスターカード!」

 掌の星の形の光が小さくなり、消滅する。

「不発か?」

(スペルカード、スキルカードと呼ばれる類の魔法まで使えるとは、厄介ですね。詠唱から察するに攻撃系の魔法がどのタイミングで何回発動するか分からない、狙った場所かトラップか時限式分からない状態の魔法が何処かで発動されると思って下さい)

 分かったけどそれどうしようもなくない?

 警戒してるな。まあ別にいいんだけど、成功したっぽいし綺麗に決まってくれりゃって程度だし。当たっても鳩尾パンチくらいの打点だし致命傷にはならん。

「とりあえず下手に動かずに!ぐへっ!?何これ!?」

 魔力が背中で炸裂する。

(それがスペルカードの効果です)

「いったぁ〜。腹パンくらい痛い。なるほど、これはヤバい」

 まあそっちは囮だから、意識をちょいとそっちに向けてくれればいいだけだから。

「アンタいつの間にスキルカードなんて教えたの?」

「最近だよ。頼まれてな」

〜回想〜

「魔導書を読み漁って気になる魔法があって。協力して頂けますか?」

「可能な範囲ならな」

「スキルカード、スペルカードと呼ばれる類の魔法を覚えてみたくて」

「攻撃系ならいけるぞ。あと簡易な結界ならスキルカードでも行ける。が、チェインで慣れればそっちは勝手がいい場合のが多い。回復のスキルカードはアイリスにでも習え」

「分かりました」

 剣を生成して持つとそれが吹っ飛ぶ。

「うおっ。やっべー」

 ポップスターカードはまだある。それが切れたら別のを補充してから決めにかかる。

「んじゃ、こいつはどうだ!」

 イマジンアートによる大量の蝶型攻撃弾。翼を拡げ、ウインドブーツを使う。なんで足に付与する魔法の触媒として使えんだよ!?すげえな!?

 高速で逃げたところで追ってくる。結界で防ぐ。

「天の聖なる力よ、天より降り注ぐ流星に力を与えよ、ホーリーミーティア!」

「あれはやっべ」

(天器の星落としですね。まずいですよ)

 幾つか回避する。そのあとガードするがぶち抜いて直撃する。

「し、死ぬかと思った。ぐえっ。まだ残ってるの!?」

「さてと、そろそろ決めにかかるか。氷の竜の力よ。氷の礫を生み出し、炸裂せよ!アイスショットカードD!」

「またスペルカード」

(スペルカードはおそらく決定力に欠ける。囮の可能性が考えられます)

 つってもどう飛んでくるか回避出来ないほぼ必中技を放っておくのも。

「妖精の力よ、天より降り注ぐ流星に力を与えよ、ファンシーミーティア!」

 また星落としかよ!?なんで!?ってみーちゃん消えた!?

「後ろだよ」

「へ?」

 もももをテレポートで上空へ飛ばして複数の星がノーガードで直撃して決着する。

 バトルフィールドが解除される。

「いやみーちゃんおかしいだろ!?」

「何が?」

「星落としは見てたけどスペルカードっつー訳分からん魔法やあの魔法強化形態!」

「スペルカードは師匠やヒルダから、強化形態は置いてあった本に書いてあった」

「とんでもない本を無造作に置いてるアイツが問題なのよ。知らずに読んだフブキちゃんは悪くないわ」

「アイリスさん、そう言えば機会があれば回復のスペルカード教えていただいてもいいですか?」

「あ〜。もちろん。フブキちゃんならすぐ使えると思うけど。まあみんな着実に強くなってるし大丈夫そうね。モモちゃんもイマジンアートであそこまで戦えてたら十分だし。フブキちゃんが異常なだけだから気にしなくて大丈夫よ」

「異常って!」

「ごめんごめん」

「まあそうだよなー」

「んじゃ、約束のもの待ってるからな」

「任せとけ」

「約束してたの?」

「俺が勝ったら部屋に飾る絵を描いてもらってもももが勝ったら髪伸ばせって」

「髪伸ばしたフブキちゃん絶対かわいいけど、結構動くから確かに普通より伸ばすのは大変そう。いろんなところも行ってるし、傷みやすいだろうし」

「そ、そうか。髪伸ばしたみーちゃんで色々遊んでみたかったけど」

「みーちゃん『で』なのな」

「で、何描いて欲しい?」

「この街でビビっと来た風景で頼む」

「にゃるほど〜。任せとけ。場所決めたら一旦呼ぶかんな。描く時間帯はこっちで決める」

「分かった」

「まー頑張るよ。エルフ様が画材を用意してくれたお陰でこっちでも環境的にゃ困らん」

 この世界のエルフやっぱすげえわ。

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