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異世界転生幼女の英雄譚  作者: ひょうか.みかん
第8章〜落ちた少女と未確認の敵(アンノウンエネミー)〜
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83話〜天界の天使が家臣にしてくれと迫って来た件〜

 屋敷に戻って。

「フブキ様!一体何処に行ってらしたんですか!?」

「ちょっと散歩を」

「心配したんですからね!」

「すみません」

「はあ、で、其方の殿方は?まさかふしだらな事を」

「それは無いから」

「ロイと申します。星の導きを観測する占術と降霊術を扱います」

「実力は見たから保証する。なんか家臣になるらしい」

「なるほど、この気配は霊…しかもかなり強い」

「霊感あるんですね」

「トウカと申します。感知、観測魔法の心得があります」

「なるほど。戦闘能力ではなく魔法能力で姫君を支える」

「姫じゃない」

「っと、ジャンヌ。この方は大丈夫です」

「ジャンヌと申します。錬金術師です」

「どうも〜。この街にも霊は少しいるようですが、比較的まともそうで」

「アレらはまともでもないような気が」

「呼んだ?」

 この人霊状態と依代使いこなしてんな。フリーにしてみれば。

「イマシメの名を継いだ盗賊、ヤトナちゃんだ!」

「ナナノ大陸を拠点に各地で宝物や武具などを盗んだ盗賊…とは」

「あとは幽霊の類だとリオ君とか。あとはシオンちゃんもガルドって霊を依代に縛ってんだっけ?ノアールは神になってるし」

「呼んだか」

「お、シオンちゃん」

「…災禍の巨人をまとめて消し飛ばした英雄…」

「そうだ。こいつがこんな依代に突っ込んだせいでこんな形だが」

「僕はロイ、星を読む占術とジャンヌを降ろす降霊術を扱います」

「ジャンヌです」

「ジャンヌ、か。中々に優秀な血族の霊を降ろせるようで」

「ご存知なんですね。流石と言ったところでしょうか」

「ジャンヌ・コーデリア。コーデリア三世。錬金術師コーデリアの孫だな。死体の所在は不明、コーデリア三世として名を残した魔導書、錬金術書の所在は知ってる」

「場所知ってるんですか!?」

「知ってるも何もこいつが持ってる」

「そーなのだー。ちなみにキミのお母さんのもある」

「出来れば譲って頂けないかと」

「いいよー。ね?」

「好きにしていいので」

 魔導書を召喚し、渡す。

「このおねーさんが『コーデリア闇錬金書』は持ってたよね。それ以外のえげつない魔導書も持ってるはずだけど」

「それは流石に渡さんぞ」

「ですよね〜」

「私ではお祖母様の技は真似出来ませんので」

「そうじゃなくとも、あの錬金術書には死者蘇生や人体錬成、材質変換等の禁忌に触れるモノが記されてる。俺が巨人を屠る為だけに集めたと思われれば困るからな集めて管理したほうが都合がいいと判断した」

「そう、ですか」

「ちなみに錬金術の蘇生だから錬金術の基礎も知らないフブキはやめとけ」

「ですよね」

「蘇生術、私でも無理ですね」

「しかし、最強の、始祖の錬金術師の一族か」

「彼女達の末裔は現状どうなって?」

「この世界には2種類のまおうがいてな。魔族を統べる王、魔法を極めし皇。魔法を極めた魔皇。それの1人がコーデリアの末裔、確かセン・スメラギやトウマ・イザヨイの末裔もそうだった筈だ」

「なるほど」

「今のお前ならそいつらより強いぞ」

「フブキ様は強いのですね」

「天使アイリスにも強さを示すくらいにゃ」

「なるほど、フブキ様に仕えられるなら文句はありませんよ」

「せっかくシャーマンいるんだし降霊術、霊器魔法でも鍛えるか?それとも錬金術でも」

「誰を降ろすんですか。ノアールさんは嫌ですよ?」

「ヤトナか俺か。それだと」

「そうなりますね」

「まあお前自身に降ろす必要も無いわけだが。ソウルチューニングっつー魔法があってな。霊器魔法だが。魂を物に降ろす魔法だ」

「どっかの漫画で聞いたことあるようなやつだ」

「そんな記憶あったなそう言えば。フブキの向こうの世界の趣味の範囲は干渉出来たし」

「まあ趣味の範囲くらいならと」

「俺はゲームとやらにも興味はあるが」

「それについて考えてるところはありますが今じゃないので」

「わーった」

 翌朝。

 で、そこのシャーマンはともかく。

「私もフブキ様に仕えさせて下さい」

「いやいや、天界の天使をこんな発展途上の街が引き抜いていいの!?」

(あ〜、その辺大丈夫だと思いますよ?ちょいと調べて来ましたが)

 天界の女神だからそんな事出来るのか。

(ですです。聞いてると思いますが、彼女の部隊が変な輩に壊滅させられて絶賛強制ニートな訳なので)

「えっと、天界の部隊のトップで弓を使えると」

「はい。魔法弓、光の狙撃術を扱えます。射程はそうですね、わたげうさぎほどの大きさ相手ならこの街の端から端くらいまで真っ直ぐ射線を通せれば射抜ける自信はあります」

 かなり長いな。

「射抜けるって、ちなみに何使ってその距離のそのサイズ知覚してるの?」

「感知魔法です」

「なるほど、結構広範囲な。ん?弓って飛ばす力は魔力に由来するって事か?弓や矢の性能もあれど」

「そうなりますね。この魔道具を使ってます」

 ブーストを付与するブレスレット。

「単純な構造の割には変換倍率の飛んでもない事で。ミスリルで大概の魔法負荷にも耐えられる。あとは自身の身体能力の問題か」

「そうですね。上司に当たる神様から頂いたものですが地上で手に入るお高めの魔道具らしいです」

 材質と魔法性能から算出するにおおよそ2〜300万くらいか。

 地味に衣類もかなり質の良いもの、下着も見る限り相応に良質。

「その他の私物も相応に良質なものらしいけど。見る限り」

「まあ割と周りから良いもの頂けるというか、隊長格だったのでそれもありますね。収入自体はいい方でしたし」

 まあそうなるのも当然か。

「本当なら私なんかがなっていいものじゃないのに、私如きが貴女様に仕えるのも烏滸がましい。だから何も出来ない、私は何も未来を思い描けない」

「てい」

 考えるより先に手出してしまった。ノーガードの頭部にチョップが入る。

「いたっ!?」

「別に人の人格なんてどうこう言うのは趣味じゃないんだが、大変だったのは察せるし、どうしたらいいのかって気持ちも分からないわけじゃない。でも、悲観するのは仕方ないにしろ自己を卑下する輩は嫌いだ。せめて自分は自分を信じてやれよ。不可能に閉じ込められてても良いことなんて何も無いんだから。小さな出来るを拾い集めるくらいで最初はちょうど良いんだよ。でもまあ時には逃げる勇気も覚悟も必要なのは否定しない」

「…うっ。でもそれが正論なのは分かります」

「だからと言ってすべき事を示せる訳じゃないのがぶっといて申し訳ないが」

「いえ、おかげで目が覚めました。キメラと関連施設の情報は欲しいですが、まあ復讐したところで元に戻る訳でもないですし」

「んじゃ」

「待ってください」

「?」

「フブキ様にこれは預けます」

 神器級の弓。魔法の矢を射るための…。

「でもこれを預かったら…」

「私には元々使っていた弓があります。それでさっきの性能は出せますので。むしろ神器とか怖くて手出せないです」

「分かった。俺がいる時はいつでも出せるようにしておくから」

「はい」

 受け取ってしまったがこの弓ヤベー奴だよな。

(まあ神界及び天界の所謂神器ですからね。使用者に殆ど負担無く、弓自体も殆ど消耗しない100年以上戦争で撃っても使い続けられる立派なものです)

 流石女神様。まあ弓の扱いは素人だから魔法で放置だけど。

「でも手入れ出来ないんだよなあ」

「そこまで何か必要とか無いかと」

 そーなのかー。

(そーなのだー)

 ノリいいなこの女神。ってかナチュラルに通じてるの引くわ。

(引かないで下さいよ!)

 いやさ、こう言う深い部分のホビーが高位の神がリアクション取れるの引くわ。

(うっ。ほら、ホビーも文化の一部じゃないですか)

 そりゃまあそうだが。まあ彼女を家臣にするのはこの際良いがキメラについては今の俺じゃどうしようもない。

(ですね〜)

 大きな動きがあるまでは無理か。

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