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異世界転生幼女の英雄譚  作者: ひょうか.みかん
第1章〜転生少女フブキと猫の歌(アリア)〜
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10話〜ノーラとシンリンアヒルの燻製〜

「でもまあお前が姫になるのは結果的にゃ順当だろう。化け猫を倒し、力を見せつけ、森のリトルス、あるいはディアボロスごとてっぺん取る。俺の見込みじゃフブキはこの戦争で進化出来るだろうし、それに伴って姫たる資質も手に入る。そんな奴に皆が従うのは当然だ」

まあ理解は出来る。

「ついでに英雄として認められるようになりゃ世界レベルで名が知れ渡ってお前を求めてくる知り合い転生者がいるかもしれない。か」

「はい」

「お前のお仲間、見させてもらおうか」

「手出さないで下さいね?女多いので」

「出せねーだろ。お前らが色々仕込んだせいで」

「まあそれはそのうち。っと」

「ただ今戻りました…って、ディ、ディアボロスのお姉さん!?わわわ、私を食べないで下さい、美味しくないですので!」

「食べないから、性的に食べてもいいけど。あたしはメルナ。商人だよ、ちょいと頼まれて協力することになってね。んで、そのままフブキちゃんには姫になってもらってそのままそこそこいいポジ貰って生涯安泰プラン立ててるだけだよ」

「は、はぁ…。えと、報告致します。リトルスのこちらの群勢およそ千は見込めますがまだまだですね」

「了解。とりあえずこっちはディアボロスの拠点にガルドさん毎突っ込んでちょいやり合ってきた」

「どうしてそうなるんですか!?」

「雑魚と思われるのが癪だったから2vs6をあっさり。大丈夫。加減して全員生かしてるし、多少脅迫気味に向こう追い込んで選択肢絞らせるくらいには仕向けたけど」

「ディアボロス相手に2vs6ってめちゃくちゃしますね!?」

「俺、2人動けなくしてあと残りの輩打ち負かしたのフブキだしな。いやー、あのねーちゃん2人もなかなか。結界魔法の女も才能ある」

「片方結構大っきかったよね。ガルドさんが好きそうな」

「おい、そう言う事は言わなくていいんだよ!ガキが!」

思いっきり打たれる。

「痛っ!」

「ダメでしょ、手上げちゃ!」

メルナさんが頬を引っ張る。

「いひゃいにゃにひゅんらふぉめー」

「ディアボロスで巨乳の美人さんねぇ。会って話してみたら仲良くなれるかな」

「さぁ。こっちちから乗り込んでケンカふっかけた訳だしね」

「大丈夫だろ。アイツらには加減した。全員生かしてるし、頭の悪い奴でもねえ。問題はアイツらがリトルス、いや、多種族と対等以下の立場を受け入れられるか、共闘を受け入れられるかだ。俺らは別に強制してる訳じゃねえ」

「フブキちゃん1人でも行けた可能性は?」

「行けただろうさ。でも、未知の存在がフブキに手を貸している。この状況を見せつけるのには大きな意味がある」

なるほど。ってかマジで言ってる?この人の考えてる事は分からん。馬鹿装って頭良いのは知ってるけど。

「にしてもガルドさんがメイス持ってたのは驚きでした」

「ああ、魔法使いで他に武器持っておくのは基本だからね。フブキちゃんも持っておいた方がいいよ!」

「俺は一応刀とダガーは持ってたんですけど殺すつもり無かったんでメイス借りた訳ですけど」

「なるほどね」

「ちなみに短剣術はかなりある。むしろ現状は干渉魔法を生かした短剣術が割とベースだがメイスも普通に使えてたからまあリトルスの割に武器術長けてると言うか。元々転生者だしリトルスの割にと言うのは合わんか」

「んえ?」

「あぁ、転生者だったってのは言ってなかったな、お前にゃ」

「そう言うことね。髪も目も見た事無い見た目してたし」

「リトルスはライトブラウン、茶、黒が髪としてはベースで他の大陸だと金銀がいるか。目も赤はほぼいねえな」

ポンデルちゃんもライトブラウンだ。そう言えば。目も黒だし。

「前にヒューマンの盗賊が捕まえて売りさばけばとか言ってたのはそういう」

「え、なにそれ」

「潜在個体、そうでなかったとしてもフブキの見た目はかなりレアだ。魔法実験的な価値もあればマニアにエロい用途なり奴隷なり、給仕、侍女なんかなりに遣わせるのにお前の肉体は生きてても死体でも価値がある」

ひえっ。言葉を聞いて思わず震える。

「うわ…」

「お前も地位が上がればお前に力があろうと外に出る時は護衛をつける事を勧める」

でしょうね!

「気を付けます」

「幸い金はあるんだ。ギルドから護衛紹介してもらってもいいし、お前の名声に寄ってきたそいつみたいなのでもいい。でも、リトルスは夜は弱いからな。街ならディアボロスも雇える。女のがいいだろうな」

「ギルドってそんな事出来るんですね」

ギルドは冒険者だけでなく様々な職業を派遣もする、職の紹介もする。

「なんかハロワっぽい?」

「ハロワってお前の世界の文化か」

「フブキちゃん他に釣れてる子はいないよね?」

「いませんが」

「んじゃご飯の用意しますか。大丈夫。あたしの分はあるし、ってかあたしが作る」

「料理出来るんですか!?」

「出来るのだよ!商人だからね!」

商人と何の関係あるんだ。地味に覚えてる魔法がサポート系で地味に戦い方は似てるかもしれないけど。魔法で食材を呼び出してナイフで切ってゆく。なんらかの鳥の肉を切っている。

「コッコポッポでもいいんだけどね〜。やっぱシンリンアヒルだね。おっ、燻製器あるじゃん!何羽か作っちゃおっか。木はこれ使えるっぽいし」

家鴨の燻製か〜。美味しそう。

「これは焼くよ、いいハーブがあるんだ」

「なるほど」

家鴨をハーブと一緒に大きな葉に包んで蒸し焼きにする。他にもスープとか作ってる。

待つ事数分。

「んじゃ、ご飯しよっか!」

という事で食事。女3人でキャンプって今までじゃ想像出来なかった絵面。

まあ美味しいし気にすることは無い。

「そういえばさ、フェルパーの今回の原因って外部から誰かが干渉してるって話、街で聞いた事あるけどさ、どうなの?」

「俺ははっきりとは…。自我を保ってないのは確実ですけど」

「あたしも直接会ってみた方がいいのかな?」

「でも最終的に戦場に飛び込むんなら戦っておくべきかと」

「だよねえ。フェルパー、獣人族の一種で猫人族とも言う、猫の耳や尾を持ち、柔軟な身体、筋力を持ち、敏捷性に優れる。力を付け進化し、尾が分かれた物を猫又、聖なる魔力を得て進化したものをケットシーと呼ばれる。

邪の力で人の姿を保たなくなった魔物が化け猫。って呼ばれてるらしいけどね」

聖なる魔力を得て進化したものをケットシー、ケットシーっつーのは元の世界じゃ北欧の妖精だっけか?詳しい話は覚えてないが。大体そんな記憶しかない。まあ今回それが関わる事はまあ無かろう。

猫又ってのは尾が分かれた妖怪だっけか。今回のメインはこいつらで親玉が化け猫。まあ分かりやすい。ケットシーはいないっしょ。

食事を終える。ちょっと退屈になったので燻製を眺めながら当たりどころや火加減を調整する。まあ問題無さそう。

けむい。他の皆はそこにいる。じゃ、先に身体洗っちゃおう。って言っても流水で軽く流すくらいのものだが。衣類を壁にかけて川の水を手に取り身体を洗う。

ボディタオルが欲しいがこの肌、異常なまでに弱い。向こうにいた頃のと近いものを使うとヤバいのは分かってる。ってかんなもん女神に頼まなきゃ現状簡単に手に入りそうにない。街で見た限りそう言うものも充実してなかった。うーむ。背中がやたら洗いづらい。色々考える必要はあるか。

「フブキちゃん!あたしも入る!」

「ちょっ、狭いんですから!」

メルナさん話聞かないタイプだ。既にすっぽんぽんで特攻を許してしまった。

どうしよ、めっちゃスタイルいいこの人。

「ん、どうしたの?」

「いや、なんとなく諦めがついたと言うか」

「あ、リトルスでスタイルいい子って確かにレアリティ高いもんね。あたしでも見た事無いくらいだし」

ですよね〜。小柄で生涯殆ど見た目変わらないほぼ不老容姿種族らしいし。成長の余地ないんだろうな。うぐ、何故か分からないけど悟っちゃいけない事悟ったようで泣けそう。

「大丈夫だよ!泣かないで!進化したら変わるかも!」

何で慰められてるんだろ、俺。アレか?長寿で生涯若いちびっ子確定なのに女ってだけでこの身体に成長の期待でもしてたのか!?ははは、まさか。

ところで、メルナさん植物の液、いわゆる石鹸や洗剤の代替を持ち出して、俺の体を素手で洗い始めた訳だが。

「ダメだよ〜。ちゃんと洗剤使わなきゃ、肌傷んじゃったり消毒もちゃんとする意味もあるんだから!」

まあ分かる。身体多少の毒に対する抗体は持ってるっぽいが、キズなんかは簡単に作る。再生能力も高いけど。森で生活する上で毒に対する対策は結構気を使う。

そう言えばそういう店の寄らなかったな。いや、雑貨屋にあるらしいが目に留まらなかった。女としてはまだまだだな、俺。

「すみません、完全に抜けてたんで持ち合わせてなかったです」

「ようし、頼りになる僕が洗ってあげよう!」

「ひゃっ、わっ」

すごいくすぐったい。ついでに手付きがいやらしい。やばい。狩られる!

洗剤を流して着替える前に服を持って壁の隙間から抜け出す。ヤバい。

さっと下着を着けて服を着る。

「ちぇー」

ガチで性的に喰う気あんじゃんこの悪魔様。

さてと、こいつはとりあえずほっといて、寝床兼作業所に入る。カタカタと機織り機を使い、前に織った模様と同じものを織る。何時間かかけて織り終わる。メルナさんの分、作るか?

ってかいつの間にかポンデルちゃん寝てる。

メルナさんは燻製眺めてる。んじゃ、寝させていただきますか。

そして数時間。

大体体内時計は朝5時過ぎだろう。

「メルナさん、起きてる。というかアレは寝てないな」

「おはよー、朝早いじゃん!」

「おはようございます。寝てないでしょ?」

「寝たよ!2時間は!」

ディアボロスは睡眠時間が短いらしい。寝るときは昼夜構わず2〜3時間寝れば問題ないとか何それ羨ましい。

「そうそう、シンリンアヒルの燻製ならいい感じだよ!こんだけは一応持ってて!」

保存、消毒殺菌に優れた植物の葉に包んだ燻製を渡される。

「あ、うん」

続けてポンデルちゃんが起きてくる。

「おはようございます〜」

「よし、朝ごはん!」

アヒルガフエテル!

あと窯出来てる!何気にこの人ガチキャンパーだ!

「そう言えば今日はフェルパーでも探すの?」

「そのつもりです」

「んじゃ、食材収集さえ終わればあたしが留守番してるよー」

楽してるように見えなくないけど割と正しい事言ってるから任せておこう。

朝食を取り、森へ入る。

少し進んでフェルパーの気配を感じる。

すると攻撃を仕掛けてくる。

「3人か」

ふしゃーだとかミャーだとか、威嚇か。こいつらはダメっぽい。干渉魔法で調べる限り、そういう魔法についての解明は出来ないが、操ってるって言う魔力は感じ取れる。救えない。

3人相手なら問題ない。ディアボロス6人より楽だ。

vさっさと脇差とダガーを取り出してウインドブーツをかける。エンチャントで武器を強化すればこれなら勝てる。全員下位のフェルパーだ。迷わない。

跳んで上から来るフェルパーを武器を置いて受け止め、巴投げ。ダガーを取り、倒れたフェルパーの胸を刺す。

そのスキを狙う2人目と3人目はそれぞれ斬って終わらせる。慣れたな。男1人に女2人か。

もう布は要らないか。一応食料はと言いたいが、食料もこいつらからだと干し肉にドライフルーツみたいなの程度しか盗れない。

武器は回収する。ダガー1本脇差1本、カイザーナックル1対。

ふぅ。まだ、いるな。

女の黒髪ロングのフェルパー。

「さっきのとは違う奴らか。来い!お前1人くらいなら余裕でヤれる!」

「何か、食べ物を恵んで頂けるなら!こちらから戦う意思はありません!」

このフェルパーは操られていない。そもそも会話が出来てる。

「分かった。ちょっと休もうか」

さっき預かったアヒルの燻製を分ける。自分もまだ食べた事無いし持ってる分全部はあげられない。ついでに味見だ。

「君たち基本肉しか持ってないのに、肉だけどいい?」

「あいつらとは違うので、もう干し肉も切らしてしまいましたけど。っと私はノーラと申します」

飼い猫と同じ名前だ。運命か?

「俺は吹雪」

「色々変わった子なんですね。あ、この燻製美味しいです」

改めて魔法で調べてもこの子は操られてはいない。なんなんだろう、よく分からない。

あと食べてる姿めっちゃ可愛い。

この子の身体を調べる。

「とりあえず拠点に戻る。まずは、身体のサイズを測らせてもらう。で、新しく服を作るからその間に身体を洗ってその後傷を治す」

「はい!」

拠点に戻って2人に紹介する。

「ほえ〜。キミが、ねえ」

「フェルパーさんがえっと、凶暴化してないのは、えっと?」

「ノーラちゃんの首に着けてるアクセサリー、それだと思う」

取り出した首飾り付いていたのは碧く透き通った石。

「ナイトスカイストーン。夜空石だね。オーブとして使うものではなくいわゆるそういう風に御守りとして使われる森の東部でよく採掘される石だよ。魔法に対して防御力を発揮し、使用者を守ってくれるってやつ。そこまで珍しいって訳じゃないからうーん、どうだろ?そのアクセサリーでも銀貨5枚以下くらいだよ。安く仕入れられる」

安いんだそれ。

「なるほど、とりあえずそこで身体洗ってくるといいよ、これ、フェルパーの子でも大丈夫か分からないけど一応肌に優しい洗剤」

「ありがとうございます」

ぺこりとお辞儀をする。そこで先に身体の寸法を採らせてもらう。

「ポンデルちゃん、手伝って!着替えとか一応作るから。もう出来てる布使うから切って縫い合わせるから」

「はい!」

指示通りに動いてもらって、ワンピースとショートパンツ、あと簡単にマントを作る。

あ、そう言えばメルナさんに織ったローブ渡してなかったな。

「そう言えばそこのローブ、メルナさんのですよね?」

「夜作って朝渡すの忘れてた」

そういえばそうだった。

ついでに渡しちゃおう。

数分、まさかのノーラさん、すっぽんぽんで徘徊されてるとは…。

「おー、出来たの!?早いね」

「じゃなくて!全裸で出てこないで下さいよ!メルナさんも注意して下さい!」

「うっ」

「大丈夫です。近辺に気配はありません」

「とりあえずこれ」

服を渡す。それをすぐに着てくれた。

「メルナさんのローブもフブキさん作ってくださってたんですよ!」

「なにこれ可愛い!隠れる気無いけど!」

あぁ、ってかローブってデフォで迷彩果たせないでしょ。確かに目立つけど。

「そう言えばノーラちゃんこれからどうするの?」

「覚悟は決めております!私の命の限り、吹雪様に忠誠を誓います!」

「…忠誠を誓うのはいいけど、これから戦うのは君みたいに救われなかった連中だ。それと戦う、その覚悟はあるのか?必ずしも殺さずに済む訳でもない、救われない命だってある」

「大丈夫です。奴らから逃げた時から、その覚悟は出来てます。数十日逃げて百人届かないくらい、殺めてます。救われなかった他集落の友を斬ってます親を失ってます。友を斬るくらいで動揺など致しません」

大丈夫そうだ。一度折られた心は強くなれる。もう心は修復を始めている。

ノーラ、適正魔法及び魔力無し、戦闘スタイル、剣術。武器、刀。

「とりあえず傷は直しといたけど」

きゅうううとノーラさんのお腹が鳴る。

「あ、足りなかった?」

「うっ、そんな事」

「燻製フブキちゃんに渡したよね?」

「7割ほどあげたけど」

「いただきました、ほとんど」

「うーむ、アレ使うか」

そう言って芋を取り出す。

潰して例の餅が出来上がる。そしてそれを焼いている。適度に焼けたところでノーラさんに手渡す。そして俺にも。

「俺、別にお腹空いてないんですけど」

「余ったから。一応食べといて!」

あ、はい。

「んじゃ、作戦会議といきますか!」

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