74話〜フブキの目醒め〜
ん、なんだ?よく見た天井。そうか。アイリスさんに勝って意識失って帰って来てたのか。確か、進化して何か変わってる筈だが。
種族:妖天使
リトルスの力に天界の力を持った天使…と言う訳では無いらしい。童力が消えて魔力変換と言う多機能スキル獲得してるし。あと双伝心と言う力が増えてる。分身の上位互換であると同時に男の姿も獲得したらしいが、今更感ある。
ってか今気づいたが明らかに布団に違和感ある…っと思ったらアイリスさんが寝てる。ってか全裸だし。
「うわっ!」
「ん…おはよ…。あ〜そっか。無事進化出来たのね。良かったわ」
「じゃなくて何で全裸で一緒に寝てるんですか」
「…あー。ちょっとどうなるか興味あって。脱いだのは記憶にないけど」
無いのか。
「で、進化してどうなってる?」
「リトルスの域を超えて妖天使になりました。童力が消えてます」
「準天使の一種ね。でも天使以上のポテンシャルはあるわよ」
「マジですか。…色々聞きたい事はありますが先に着替え準備してお風呂行きません?」
「そうね」
ってな訳でお風呂。に向かう途中。
「おー、みかんちゃん進化して大人になってる。あ、天使のお姉さんもおはようございます」
「あ、おはよ〜」
「もももとゆーか。これから特訓?」
「いや?お風呂」
「じゃ、とりあえず2人が良ければ俺の髪切ってくれるか?」
「いやいや、せっかく綺麗に伸びてて似合ってるのに勿体ない!」
「純粋な魔法使いならそこまで気にする事無かったけど、身体動かすからなぁ。腰まであるのはちょっと」
「私にやらせていただけますか?」
「お、おう」
風呂場。
「ここまでお風呂広いとすごいですよね」
話しながら髪を切る。
「前より長め、肩くらいならどうでしょうか?」
「まあ妥協ラインかな」
「みーちゃんの髪長いままパーマかけてふわっふわにしたい」
「…無いな。ってかパーマ無理だろ」
「えー」
「まあ肩まで切って。今回はそれで妥協する」
「分かりました」
「しかしこの髪色のみーちゃんめっさ可愛いな」
「あたしもそれ思ったわ」
「しっかしなんだよ。星降らせる魔法とか守護魔法ぶった斬る剣とか」
「フブキちゃんはこの街の誰よりも強くある為に、あの敗北から妥協する事なく修行に打ち込み星落としを習得した。そして勇者の剣、聖剣、魔剣、英雄剣を習得し、ユウちゃんに勝ち、あたしにも勝った。それは紛れもないフブキちゃんがものにした力であり、それが進化させた」
「師匠、シオンさんって2回とも進化のタイミング見抜いてましたけど、なんかあるんですかね?」
「アイツが意図的に仕組んでるのは無くは無いだろうけど何考えてるか分からないもの」
「ですよね」
「で、妖天使っていうのの説明しておくわね」
「あ、それ興味あるので私も聞いていいですか?」
「んじゃボクも」
「妖天使は純天使、純粋な天使と違って、妖精や精霊の力を持ってるのその力を操る事が出来るようになった天使が妖天使。フブキちゃんがリトルスだったから、精霊や妖精を先祖に持つリトルスがあたしとの戦いで天の力を学習してものにして結果と考えるのが順当ね。翼出してみてもらえるかしら?背中に魔力込める感覚で」
言われた通りにやってみると、透き通った翼が出る。天使の翼のようだ。だが、これは自分の身体に生えたものじゃない。神経も通ってないし感覚は無い。
「すげー」
「それ、翔べるわよ」
試しにやってみるが確かに翔べる。
「あと天使の翼ってのは妖天使でも飛行魔法の触媒としては優秀だから。ウインドブーツをかけるとウインドブーツをかけたノーラちゃんより疾いわ」
「嘘でしょ?」
「フブキさん、あと仕上げだけなので」
「あ、ごめんごめん」
ユウが髪を整えて仕上げる。それをアクアミラーで確かめる。
「ふむ。翼は天使の形だけど魔力で出来た物。神経通ってないから感覚は無い。髪もいい感じかな。流して身体洗うか」
「背中流すよ」
「お、おう」
「んで聞きたいんだけど、どう強くなったの?」
「身体能力はそこまで大きな変化自体は無いけど童力が関与しなくなって魔力変換とか天使の力でカバー効くかな。どっちかっていうと魔法面特化で強くなった感じ」
「まあ天使の系譜ってそういう感じだしね」
浴槽に入って一息吐く。
「そう言えばこの世界の妖精について詳しく知らないのですけど。フェルパーやリトルスがそう言う類を遠い祖に持つってくらいしか」
「妖精ってこの世界でも殆ど目撃例も無いのよ。元々かなり臆病な、いえ、警戒心の強い種族で森林をの奥に幻覚系の結界で護られたとこにいるって言われてるけど。ガルドが昔どっかの研究施設の被験体として捕まえられてた妖精を保護したのをみたくらいだし」
「今の妖天使になった魔法能力なら…使えるらしいですね。幻惑結界。使いこなせないので暇な時にコンにでも仕込んでみようかと」
結界に関しては自分よりコンのが上なのははっきりしてるからな。
「いいかもしれないわね。それ」
「あとは使えそうなら天使の魔法も習ってみたいですけど弓は向いて無さそうなんで」
「武器魔法以外にも色々あるから色々試してみよっか」
「ですね」
「そう言えば2人は朝食べた?」
「いえ」
「食べてないなまだ」
トウカにテレパスを送ってみる。
(もう少ししたらアイリスさん、ももも、ゆーと向かうから朝食3人分余分にお願い出来る?)
(フブキ様お目覚めになられたんですね。承知しました)
とりあえず任せたのでのんびり向かって朝食を摂る。
「で、進化してほんとに胸成長するとは」
「正直オールラウンダーやるからまあ、うん」
「みーちゃん嫌味か」
「ないない」
「まあそれならいいけどさ。んじゃボクは行くか〜」
バラバラになって自分で今のスペックを把握しようとした矢先…。
物凄い力を持った金髪の少女が姿を現す。いや、女と判断する要素も無いと言えば無いが。
「神か」
「一瞬でそれが分かるものとは、流石ですね。フブキ・サクライさん」
「コンパやヴェーラって女神以上の力を持ってるってことは本当の上位の神、最上位級」
「そこまで見抜くとは。御察しの通り、私はポーラ、最高位の創造神です」
「ポーラ…北極星」
「そこまでご存知なんですね。まあ、それは今はいいでしょう。私は交渉に来ました。あなたの手から魔力銃を私に譲って欲しいのです」
「今仮にこの世界で銃が我々以外に所有するところを仮に存在しないとして、その技術や産物が知らないところで出回るのは問題ある可能性があるとすれば」
「その思考回路、既に神の領域にいるのかもしれませんね。まあそう言う事です。んじゃ、聞かれると思うので、伝えておきましょう。まずは、貴方のお知り合いの廻ヶ丘兄妹、十束兄妹、そして貴方の家族の妹様、そして飼い猫2匹がこの世界に転生しました。私は彼女達に交渉し、その上で意思を尊重したのです」
「なるほど、猫がどの子かはこの際いいとして。どうせアイツは確実で大体察したし。銃が必要なのは廻ヶ丘妹、るーか。とすると、確かアイツのお気に入りは魔力銃で作ってあったし。とりあえずすぐ戻るから待ってて」
「あ、はい」
研究施設に入って銃を貰って戻る。
「確かアイツの好きなヤツに回路は入れずに持ってきた。これに女神が回路を入れて相応の力のものにする」
「察して頂いて助かります」
「あ、特に何も考えてなかったんで1丁だけ、あと使い方は女神様からお願いします」
「分かりました」
「さてと、で、まあ一応対価を何か要求する訳だけど、渡すものがこの世界で流通してないものに神が手を加える訳だから、アイツから釣り合うモノを返してもらえる訳じゃないのは分かってるし、女神様に直接請求する訳なんですが」
「そうですね。今回の進化で既にかなり力は手に入れてますので、今回は私から、道具ではなくてこれらも力の類ではありますが」
そう言うと女神の手から光の玉が出て、それが自分の胸に当たって溶け込んでゆく。
「力の概念の元である『根源の器』、『〈魔法〉の鍵』、『証』この辺りでいかがでしょうか。これらは現段階では大したモノではありませんが、成長する類の力です。成長する事でそれぞれが単体でもとんでもないものにフブキさんなら出来るものであると信じてますので」
「分かりました」
「では軽く説明だけ、器と言うのはこの世界の魔法の根源となるもので、アイリスさんが使う天界の力である天器を始めとしたものものでその根源、つまり知識や変換法を身につければ全ての器になるもの、鍵は一般的には認知度は低いですが様々な力の源そのもの、証は神の力のごく一部と言ったところです。まあこれからの事を考えれば足りないのですが、おいおい追加するので」
「増えるんですね」
「まあ、はい。これから相応の事を任せる事になると思うので。では、ありがとうございます。あと今更ですが、私からも神2人がしでかした罪については謝らせてもらいます。本当に申し訳ありませんでした。水に流せなんて軽い事は言えたものじゃないのは分かってます。だから、今言えるのは今精一杯楽しんでくださいって事ですかね。無責任と思われても仕方ないですが、それが謝意に対する一番の答えですので」
「まあ今更気にするような事でもないですが、そう言う事なら問題無さそうです」
「それは良かったです。それでは、失礼しますね。まあ、力使えばどうと言う事は無いのですが、そろそろ渡しに行くので。あ、ついでに力を付与した同一の力を持った銃のコピーも渡しておきますね。では、失礼します」
神器級の魔力銃、SIG SAUER。うっそだろ?コンパ製より上のスペック。流石創造神。うっかり試し撃ちとか出来たもんじゃないな。今の魔法能力自体も桁が違うレベルだし。
とりあえずアイリスさんか師匠にでも聞いて鍛えるか。




