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異世界転生幼女の英雄譚  作者: ひょうか.みかん
第1章〜転生少女フブキと猫の歌(アリア)〜
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9話〜髪切ってディアボロスを襲ってみた〜

「で、考えとは?」

「おい、ポンデルと言ったな。リトルスはお前に丸投げする。フブキがお前に渡したマントの柄、それはこいつの世界のものだ。転生者に仕えた、その証拠、証となるかもしれん。それで軍を築け。お前が指揮を執る必要は無い。軸として使えそうなのを数人連れて来い」

「はっ」

「フブキ、俺らはディアボロスの軍に突っ込む。俺は一旦フブキに戻る。まあ今日は遅い。明日でいい」

マジっすか。

(大丈夫だよ。今のお前ならやれる。俺も手伝うからよ)

はぁ。とりあえずガルドさんとの接続を一時的に断ち切って、燻製を切り分ける。

そして新しく魚を釣って焼き、木の実も焼く。で、形式的に一応コンパにお供えしておく。

「お肉の燻製美味しいです〜」

「なら良かった。これ、保存食は基本干すか燻製だろうから」

「なるほど」

「これからは煮込みとかも少しずつ覚えていくからもう少し種類は増えると思うけど」

女神様産鍋が手に入った。これで焼く、燻す以外の選択肢も増える。蒸し料理も覚えてみようか。ってか料理スキル増やしてどうすんだよ俺。何で今家事スキル磨かなきゃならんのだ。いや、薄々分かっちゃいるけれども!

黙々と鹿の燻製を食べながら考える。

あとは飲料だよな。飲める水があるとはいえ、そろそろ割と水には飽きてきたぞ。果物で何か考えるか。ミキサー無えけど。団子を口に放り込んで立ち上がる。

「フブキ様?」

「身体洗ってもう寝る。そこのトイレの横にあるやつ、雑だけど身体洗うのに使えるスペースだからさ」

案の定自分もお供するとか言い出したけどここは断って1人で入る。リトルスの本来の性格らしいけど。あんままだ気が進まないとか罪悪感とかは無い。単純に狭いんだ。一緒に入る余裕は無い。

汗を流し臭いも取る。そう言う感じの薬草っぽいの調合しといて良かった。めっちゃ緑だけど。

「はぁ。お風呂入りてえ」

愚痴って何とかなる話ではない。ってか今は割とゲームしたい。新作、やりたかった。死ぬ1週間後のやつ。神を恨んでも仕方ない。恨むのは1週間遅かった発売日という事にしよう。

薬草を洗い流し身体を拭いて服を着る。

「髪、切るか」

「え!?切ってしまわれるんですか!?」

髪留めの類は一応持ってる。

「この森でしばらく過ごす以上これだけ長いとね。すぐに痛むのは分かってるし、それに戦う上で気にしなくてすむ。少数相手ならともかくケタが違う。今でさえたまに引っ掛けるし」

「…承知致しました。では、私に切らせて下さい!」

うん、言いたい事は分かる。で、ダガー持ってんですけどこの子。

「これ使って!ダガーで髪切られるのはなんか怖い!」

「鋏持ってるんですね」

「一回街に行った時に買ったんだよ」

裁ち鋏だけどまあ問題あるまい。ダガーで斬られるよりよっぽど安心出来る。

「私、覚悟しました!フブキ様が切られると言うのなら、私も切って下さい!」

「いや、うん、いいの?」

「僕として主が出来る程度の覚悟、私がしなければ勤まりません!」

「いいって言うなら切るけど」

「フブキ様はどの程度に?」

「前髪は目にかからないくらいでいいけど後ろは肩くらいまでには収めたいかな」

「分かりました!ボブカットで行きましょう!」

「任せる」

身体洗った後でまた流さないといけないけどまあいっか。

鋏でジャキジャキと髪を切る音がする。一度バッサリ行ってその後細かく整える。前髪もそう切って全体を数分で整える。

「こんな感じですかね」

って言われたのでコピーメイクで自分をコピーしてみる。

「ふむ。いいな」

さっぱりとしたボブカット、悪くない。ってか相変わらず可愛いなこの身体と言うか顔。胸さえあれば完璧か。

「んじゃ、変わるよ」

人の髪、切るの久々だけど大丈夫だろう。どうせなら俺と同じボブカットにしてやろう。

そうして数分。切り終える。うん、大丈夫そう。コピーメイクでポンデルちゃんをコピーして見せる。

「有難き幸せ」

さっと身体に付いた髪を流して乾かしたのち眠る。正直この身体の活動時間は思った以上に短いらしい。多少の無理は出来なくないが、徹夜した時は結構しんどかった。余ってた布を切って何重か重ねて縫ってブランケットにする。

ガッツリ寝て朝である。顔を洗い、トイレも済ませ、フェルパーから回収した干し肉を貪りながら釣りをする。

干し肉とか作ってみたいけど、作り方が分からん。

ってかフェルパーの持ってた干し肉うめえな、これ。

細かく切って試しに竿に付ける。

数分で半切れ使って4匹である。上等じゃん。あとは燻製残ってたからそれも。あと木の実と団子。揚げると美味しいとか言ってたし油の用意をする。

アルココはそこそこ持ってる。

「おはようございます〜」

「あ、おはよう」

「…油ってありましたっけ?」

「あるよ。状態保存空間魔法で保存してる」

団子を受け取って油で揚げる。鍋に油をある程度入れてそこに団子を入れる。素揚げっすか。

「この油、なんだか懐かしい香りがします」

「ああ、アルココの油なんだよ」

「アルココってそんな使い方があったのですか!?と言うか油取れたのですか!?」

どうやらリトルスには直飲みおよび生食が主な消費方法らしい。ポンデルちゃんのタイミングで団子を油から取り出し、なんかの木の実の果汁を絞りかけてる。

燻製肉を切り分け、ついでにそのまま食べれる木の実も切る。これで朝食は完成。

魚は昼にしよう。

とりあえず団子を食べる。甘っ。とりあえずめちゃくちゃもちもちしてる。確かに揚げた団子おいしい。

「今日ディアボロスの拠点突っ込んでみる。ポンデルちゃんはリトルスの集落色々探してもらう」

「承知致しました」

食後、聞いた場所のディアボロスの拠点へ向かう。洞窟だ。視界が暗いのをフィールドアクセスの発動で補う。自分を中心とした広範囲を感知出来る便利な魔法だ。

(なるほど、灯が要らない分こっちのが賢いか。おい、先に俺をコピーに入れて出しとけ)

確かにその方がいいか。

とりあえず女のまま、髪も伸ばした時のままで色は変えてある。

ガルドさんは相変わらず身体を触ろうとしている。まあさせないけど。

「行くぜ。まあ俺は気配して消して適当に伝心魔法飛ばしたら応えるから」

「刃物じゃない武器ってあります?」

「これ使え」

メイスだ。ある程度軽いがかなり丈夫だ。

「予備はあるから気にすんな。魔法使いってのはな、勝敗を分けるのは魔法の数でも火力でも無く、近接戦闘が出来るかどうかで決まる事もある。だから俺やじーさんはメイス持ってるしアステルやアイリスもハンマー持ってる。お前はリーチ短めのナイフや東方剣持ってる。基本はそれでいい。あとそいつはくれてやる」

そう話してるとディアボロスの男が来る。その前にガルドさんが気配消してる。

「リトルスの分際でディアボロスに喧嘩を売ってくるとは。愚かな」

「あんま舐めてかかってると痛い目見るぜ」

その言葉、そのまま返そう。背後から何かが来る気配は無い。

「風よ纏い、我が器疾風の力を与えよ、ウインドアド!」

メイスで応戦する。吹っ飛ばすも起き上がってくる。

「悪いな。お前は眠ってろ。眠りに誘え、ヒュプノシス」

ディアボロスの1人を眠らせる。

奥に進むと6人か。女2人男4人。

「俺ら相手に、ディアボロスを1人で相手にすると言うか、愚かなリトルスよ」

「愚かかどうか、それはこれから知ることになる」

そう言うとディアボロスの長と思われる者が刀で斬りかかる。それをメイスで受け止める。

「残念でした!」

刀毎ディアボロスの男を吹き飛ばす。

ディアボロスの女、中々に美人だ。あとデカい。どうしたらそんな育つんだよ。胸。ってかこいつらいくつだ?

考えても仕方ねえ。今は殺さず力を認めさせればいい。

「悪いな姉ちゃん。あんたは終わりだ」

ディアボロスの女の肩に触れる。

「魔を持って縛れ、アクセスロック」

「きゃっ!身体が、動かない!」

「後で解放してやんよ、ってか戦いが終わってしばらくすりゃ解けるだろうから」

次に背後を取る男だ。闇属性のダークハンドか。危ねえ。

(そいつは任せる)

(よし来た)

闇魔法使いを無視して次は1番年配っぽそうなのだ。魔法陣描いてくれちゃって。

「ふん!喰らわせてやろう!鋼刺千華!」

無数の鋼の槍、こいつ、アルケミストか。

四方八方からとは流石。でも、それでやられる俺じゃねえ。オーブを取り出して詠唱を始める。

「光よ守れ、シャイニングシールド!」

全ての攻撃を防ぐ。

「アルケミスト、自分の愚かさを呪いな」

ガルドさんがしっかり拘束してくれてる。

「っと、隠密タイプか。悪いな、見え見えだ」

童力を込めた裏拳で殴る。痛いだろうが…死ぬなよ?困るから。

そうこうしてるとディアボロスの長が起き上がる。

「あたしが行くわ!」

無詠唱で数発の大きめの火球を打ち出す。思いっきり飛んで躱す。

「そこよ!」

結界魔法で閉じ込めようとしてるのか、その前に!

無詠唱でテレポートを発動させる。

「ふぅ、危ない危ない」

エンチャントで強化したワイヤーで縛る。起き上がってきた男を眺める。

「愚かかどうか、分かっただろ?それに俺は1人じゃない。それとお前は負けだ。認めさせてやるよ」

童力玉をぶつけて活動エネルギーを奪う。ある程度奪って動けなくしたところで解放する。

「くっ、何者なんだ、お前らは。持ってる力がリトルスとはケタが違う。そもそも魔法そのものの効果が消耗量と比べて明らかにおかしい」

頑張ったんだよ〜。効率良くするの。それ出来なきゃすぐにバテるし。

「俺?フブキ。不幸で死んでこの世界にリトルスのガキに転生した転生者さ」

「転生者だと!?」

「ああ。猫共を潰すために忙しいんだよ。お前らがディアボロスの軍の中核組なのは調べてた。だから多少強引でもお前らを引き込む必要があった。また死ぬのは嫌だからな。こんな手を使ったのは反省してる。気が向いたら川で拠点作ってるから来い。俺らだって別で戦争の準備くらいしてる。じゃ、お前らにとってプライドと命、どっちが重いか考えるこったな。暇なら川沿い探せ。ばっははーい。あ、外にいるやつヒュプノシスで寝てるだけだから起こしてやれよ」

「相変わらず、ツンデレだなお前」

そう言うガルドさんの分身を消して回収する。

外に出て獣を狩る。

(良かったのか?)

(別にいいんですよ。こう言うのは無理に従属させてもダメです。それじゃ絶対裏切られるので。力を見せるのは強要する為出なく信頼を得る為。強要するくらい強めに言ったけど気が向いたらと言っておきました。別に来なくてもいいんですよ。あいつらが自分のやり方で生き残る術を見つけられるならそれがベストなので)

(言うじゃねーか。まあアイツらは必要な判断くらい出来るだろうさ)

さてと、あとは当人に委ねて予備の模様でも織りますか。糸はまだある。ってかよく似た素材ポンデルちゃん集めてきてくれてるし。

鹿1頭狩ってとりあえず拠点に戻る。ポンデルちゃんいないんだけど何かいる。

「お、主人のご帰宅」

「メルナさんでしたっけ?」

(何でこいついるんだよ!)

(知りませんよ!)

「うん、そだよー」

「何してるんです?」

「あたしもここで暮らす〜」

「んん!?」

「大丈夫!得意なのは治癒魔法や防御魔法だけどぼちぼち攻撃出来るから!火も起こせるし!」

ポンデル、観測魔法、知覚魔法、体術(童力)、武器(刀剣術)、童力(火炎性質)

メルナ、治癒魔法、防御魔法、干渉魔法、工作魔法、属性魔法(炎、土)、武器(オーブ、メイス)

「分かりました。けどお風呂も無いですし、ご飯の調達もそれなりに仕事してもらいますよ?」

「おっけー。ガルドは?」

「俺に憑いてます」

コピーを作って憑依させる。

「今度は何だよ」

「…この分身に憑いてるのが」

「メルナ、どうやってここに」

「ガルド?」

「おう」

「何それ可愛い」

「おい、こいつ一緒に暮らすのか?」

「そんな事言ってます」

「まあディアボロスにしちゃ多種族を見下すことも無いしフレンドリーではあるが、そいつ、攻撃向いてねえぞ?」

「今んとこ1番まともな前衛がポンデルちゃんか」

「お前の前衛も割とセンスいいと思うぜ。要所要所で攻撃魔法織り交ぜながら干渉魔法ベースの武器術は既に高い。魔法を活かせている上に頭もある分現段階でオウカより確実に強い。今回のディアボロスとの戦いではっきり分かった。ラグナスやオウカを上回る戦術性、技、アイツら以外でお前より強い奴は少なからず見た事無い」

「でも、これから他にも見ることになるかもしれませんよ?転生者は他にもいるっぽいですし」

「お前の知り合いだけで結構いたな。美女はいるのか?」

「この世界でどんなカッコになってるか分からない以上なんとも。種族が全員人間だったのが人間に転生したのが1人もいないらしいですからね。元は結構美女だった方でしょうけど。皆」

「それもそうか。人間がリトルスに転生してる以上有得ん話でも無いか」

「この大陸にはもう2人いるらしいですけどね。フェルパーの相手してたらそんな暇無いです。後でいいです。それにここで俺が化け猫を倒した転生者として名が広まればここに集まってくる可能性もゼロじゃないので」

こっちの世界でかつての友を集めるなら出来れば向こうから寄ってきてくれる方が楽だ。まあ、違う大陸にいるとなるとそうはいかなくなるけど。

ディアボロスの動きにも注意しなきゃいけない。

「そう言えば御二方ってこの森のそこそこ権力ありそうなディアボロスの方々って…ガルドさんはご存知ないでしょうね。今日躊躇なく攻撃してた辺り」

「俺もこいつも森の勢力じゃなく街で生きてるような族だからな」

「情報を整理すると大将、結界魔法を使う女、年配のアルケミストを含む男女計7人元森林最大集落の中核で間違い無いよ。フェルパーとの戦いで散り散りになったっぽいね。んじゃ、いずれ出世してなるであろうお姫様に忠誠を誓いますよ!」

「…お前、さっさとあの店閉めて楽に稼ぎたいだけだろうが」

「バレたか」

「いや、うん。仮に姫とかになったら勝手に来たきゃ来ていいですけど」

「宮廷魔術師でも、魔法部隊長でも」

「…部隊長はねーよ。どんだけ強くならにゃならんと思ってんだ」

そもそもこの社会的に色々不安だけど、ってか俺、姫になるの?8歳のガキだよ?


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