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終わる世界で龍は唄う  作者: シャリ・クラゲ
8/12

第四節 正体と決意 そして龍は唄を奏で

有言実行!

時間が遅い? すみません重々承知しております……。

現実職業リアルジョブ(嫌)が時間が不規則なので中々同じ時間の投稿が難しいのです……。

では最終章――第四節、どうぞ!


 牢は暗く、湿り気を孕んだ空気に包まれていた。

 神殿の地下に作られた、本来は罰則者を一時拘置する為の場所に、カイは一人で蹲っていた。

 先の戦闘による疲労。そしてこの牢の重苦しい空気が、カイの身体から精気を奪ってゆく。

 別にカイは、何か罰せられるような事をした訳ではない。

 ただ、今この〈レィミア〉を取り巻く環境が。

 先の戦闘で作り出されてしまったこの大陸の現状が、カイから一切の自由を奪い去ったのだ。


 さっきジンダイから聞かされた己の正体――そして、存在している意味。

 それは、あまりにも残酷だった。

あまりにも、非情だった。

 しかしカイの中には、さして大きな驚きや衝撃の類は無い。

 あるのはただ、『来るべくしてこの時が来た』という、諦め交じりの納得ばかりであった。


  ◇


「カイは――人間ではない」

 蝋燭の炎が照らす広間の中に、ジンダイの静かな声が響いた。

 取り囲むのは、幾人もの人。人。人。

 その中には当然、ヴェネトとシエラの姿もあった。

「正確には、半妖……人妖(ホムンクルス)と、私達は呼称している」

 この場合の『私達』とは、神殿幹部達の事だ。

 淡々と答えながらも、がっしりと握り締められた拳。

 その様は、まるで己の内に燻る感情を無理矢理に押し殺しているかの様。

 そんな祖父を見詰めるシエラの瞳には、暗い影が射していた。

「魂を持たぬヒトの身体に、霊具の製法を応用した死霊術(ネクロマンチズム)を使い、アヤカシの霊核を埋め込んで生み出した、対アヤカシ用の戦闘兵器。〈レィミア〉と我々の未来を護る為に在る、戦う為の存在。――それがカイだ」

 誰一人として、言葉を発する事は無い。

 皆粛々と、語られる事の真相に全ての意識を傾けていた。

「アレの正体を説明するには、そもそものこの世界――〈レィミア〉の成り立ちから説明せねばなるまい。今あるこの世界の真相を。そして、〈レィミア〉の在り方を――……」

 そう言うと、ジンダイは静かに目を閉じる。

 そして注目の集まる中、彼は語り始めた。

 長年、この大陸に住まう多くの者に対して、長らく秘匿とされてきた、世界の真相を。


  ◇


 かつての地上は、広大な緑の大地と、膨大な水を湛えた『海』と呼ばれる巨大な水溜りによって構成されていた。

 その頃の地上には、ありとあらゆる場所に様々な生命が満ち溢れ、それぞれがそれぞれの環境で、個性と多様性と独自性に富んだ生活を送っていた。

 世界も、そこに生きる多彩な命の一つ一つさえも、全てが色鮮やかで、美しい世界。

 そんな世界の只中に、一つ――ヒトと呼ばれる生物が居た。

 それは極めて高い知能を有する代わりに、鋭い牙や爪といった、多種との競争における身体的な強みの一切を捨てた、いわゆる弱小種族。

 他の獣との生存競争に対し、満足な抵抗すらもままならぬ程の、小さな存在。

 本来であれば、そのヒトは自然界の法則に則り、日の陰でひっそりと暮らしていく筈であった。

 しかし、現実は違った。

 ヒトはその高い知能を駆使して、モノを創り出す力――科学を生み出し、本来の自分達には無い強力な力を自ら創り出していったのだ。

 そしてそれを用いて、ヒトは自分達よりも格上の存在に対しても対抗を始めた。

 ヒトの作り出した力は、余りにも、余りにも強大で、凄絶で、そして凄惨たるものであった。

 その力の前では、既存する生物の全てが無力に等しく。

 大地を削り、海を枯渇させ、そして空を蝕む。

 刃向かうモノ、ヒトの繁栄を拒むモノがあれば、その全てを一瞬の内に灰燼と化して。

 それはヒトが、生物世界の頂点として繁栄を極める上での、確固たる礎となった。

 やがてヒトは、自らを生態系の枠から隔絶し始めた。

 そして自らを『人間』と呼称し始め、地上に広がる緑の世界を――地上に広がる山林を消し去り、自分達だけの領域を築き上げていったのだ。

 それは命を生まない、鋼鉄の魔境。

 人間のみを護り、その枠より逸脱する全てを断固として拒む、無機質の世界。

 そしてそれは時を重ね、人間が繁栄を続けるのに比例して、着々と世界中を侵食し続けた。


 ある時、地上から幾つもの生物種が忽然と姿を消した。


 ある時、一つの大陸から緑が完全に消失した。


 ある時、地図の上から海が一つ無くなった。


 そしてある時、世界中に点在していた大陸の一つが、人間の開発に耐え切れなくなり、深淵の水底に沈んでいった。


 自然の――世界の創り出したサイクルを。

 その根本を破壊していく人々の成功と繁栄は、目に映らぬ部分においても、着々と世界そのものを軋ませて。歪ませて。

 やがてその破壊は、世界の耐久の限度を超えた。

 その瞬間、何の前触れも無く、地平の彼方が静かに――そしてゆっくりと、白色の灰へと溶け出した。

 森も、山も、そして、人間の造り上げた無機質な街並みも何もかも。

 命を持たぬ全てのものは、等しく風化して白い灰となり、風に舞い、積り積って白色の世界へと変わっていく。

 そしてその灰の中より出でる、恐ろしき獣の数々。

 対となる翼を持った鈍色の竜の群れ。

 多様な容姿と強力な特異能力を備える巨大な怪物。

 既存の世界の全てを壊し、(ひずみ)も淀みも繁栄も――その全てをリセットして原初よりやり直す。

 そんな世界の働きが――世の均衡を保つ為の防衛機構が生み出した、殺戮と殲滅に特化した存在。


 自らを一度滅してしまおうとする世界が創り上げた裁定者――それがアヤカシだった。


 アヤカシは崩壊を妨げるモノを片っ端から薙ぎ払い、その本能と定められた存在意義に従って、灰へと還らぬ生命の全てを蹂躙していく。

 死を受け入れぬ者共の反抗を受け止めて、そして圧倒的な戦闘能力を以てそのことごとくを無へと還す。

 旧世界の完全なる崩落は、時間の問題だった。


 しかし、旧世界にはそれを阻み得る者が、たった一つだけあった。

 他ならぬ、この世界の崩壊を招いた張本人。

 全ての元凶たる種族――人間だ。

 彼らは人間のみが持つ唯一の武器である超高度に発達した知能を駆使し、崩壊より生き残る術を必死に検討し始めた。

 アヤカシの殲滅か、彼方の空の彼方への逃亡か。

 絶え間ない思考と思案の交錯。

 やがて彼らは、ある結論に辿り着く。

 その答えは、人間そのものの改造。

 既存の兵器で対抗しきれぬ以上、何か別の攻撃手段が必要となる。

 そこで彼らは、生け捕りにしたアヤカシの霊核を使い、それを多くの被検体に移植。

自らの遺伝子さえをも組み替えて、身体を霊核に適応させて、新しい種族の『人間』を造り出したのだ。

 唯一の誤算は、人に適応させた霊核の性能は、アヤカシのそれよりも劣るものとなってしまうという事であったが、その誤算も霊力を具現化させるデバイス――科学(ネクロマンチズム)によって生み出される戎具、霊具の製造により補われた。

 この『(いびつ)な進化』によって、人間はアヤカシに対抗する為の力を手に入れた。

 がしかし、アヤカシへの対抗はできたとしても、それだけでは崩壊を続ける世界からは逃れる事はできない。

 いずれ完全に行き場を無くし、死の灰が積もる白き世界へと消え去ってしまう。


 そこで、人間はもう一つの策を編み出した。

 その要となるのは、最初期にその存在を確認され、以降その猛威を振るい続けていた三種の使徒型(アポスウェル)――『元始三種』と呼ばれていた強大なアヤカシの一柱――巨龍〈レスレティクト〉。

 その龍の持つ能力は、『再生』。

 どれだけの攻撃を人間側が加えアヤカシを傷付けても、対象が死んでさえいなければ、それを傷付いた端から再生させられる能力。

 しかもその力は、自身のみならず、周囲の一定空間内における他のアヤカシにまで適応させる事が可能だという事が、過去の戦闘で判明している。

 相手から言わせれば非常に厄介極まりない、傍迷惑な能力であったが、人間はあえて、その能力に目を付けた。

 発案より然程の時を跨ぐ事無く、残された人々は〈レスレティクト〉に対して、総力戦を仕掛けた。

 目的は討伐ではなく、〈レスレティクト〉の捕獲――正確には封印だ。

 付き従う配下の幻獣型(ファンタメイル)を早々に殲滅させ、生き残った人々の総力が、〈レスレティクト〉ただ一匹に集中させられる。

 死なない敵との戦闘は、至難を極めた。

 長い――あまりにも長い時間が経過していった。

 その間にも、世界は着々と灰の景色へと変貌を続けて。

 他のアヤカシによる殺戮も止む事は無く。

 白い灰が世界を埋め尽くし、生命もその殆どが死滅し、遂に旧世界の崩壊まで後僅かという所まで差し迫った時。


 人間はかつてない偉業を――〈レスレティクト〉の封印を成し遂げた。


 そしてその成功により、旧世界を現存させる条件は確立された。

 残された僅かな大地。

 その中心となる場所に、封印され、自らの生み出す膨大な霊力により、結晶の繭となった〈レスレティクト〉は安置され、鎖で繋がれて大地の一部と化した。

 そして発現させた〈レスレティクト〉の再生能力により、積っていた灰が見る見る内に寄せ集まって、かつての地盤を形成。

 能力の及ぶ領域内における範囲内ではあるものの、消えかけていた古き大地は再びその形を取り戻した。

 こうしてできたのが、白き世界にポツリと佇む小さな大陸、〈レィミア〉。

 そして人類史上最大の功績を上げた者達は、後に自分達を『封術士』と名乗り、以降大陸の〈核〉となった〈レスレティクト〉を護り続ける戦士達の総称へと移り変わった。


  ◇


 ジンダイが、口を閉じた。

 誰一人として、口を開かない。声を出さない。身動ぎすらしない。

 今のジンダイの話を要約すると、つまり今の彼らが――封術士達が命を張って戦っている意味は、勝手を犯し過ぎた、知りもしない先祖達の尻拭いでしかないと。

〈レィミア〉に生きる者達が日々、アヤカシの脅威に晒されている現状は、遥か大昔の罪が招き寄せた人類への断罪をこうむっているだけだと――そういう事になってしまう。

 余りにも勝手。そして余りにも理不尽。

 そこには落胆も、絶望も浮かばない。

 例えようの無い強烈な虚無感が、彼らの心に絡まり、そして根付いていく。

 涙を流す事も、怒りに身体を振るわせる事も無い。

 ただ蝋燭の灯りに浮かび上がった人々の黒々とした影だけが、音も無く小さく揺らいでいた。

「……嘘よ」

「シエラ?」

 ヴェネトが静かに頭を動かす。

 俯いていた顔を上げて、悲壮な表情を浮かべたシエラが祖父に食って掛かった。

「そんな……アヤカシの封印なんて、できる訳が無いじゃない! あんな大きな化け物を……いくら過去の技術が優れていたからって、そんな事……!」

「――嘘じゃない」

 孫娘とは対照的に、至って静かな声のまま、ジンダイが懐からあるものを取り出す。

 布切れにくるまれ、何やら大切そうに保管されているのであろうそれを、ジンダイはゆっくりと外布を剥いで灯りの元に晒した。

 それは男の手の平台の大きさの、矢尻の様な形をした三角錐状の黒い物体。

 何かの武器、という訳ではない。

 先の方は尖っていても、それには矢の様な刃も、槍の様な持ち手と思われるものも存在していない。

「……封印の呪楔(じゅけつ)。無数の霊核を集め、凝縮と変質を繰り返す事で造り出される、超高濃度の霊力の塊だ。これをアヤカシの霊核に直接打ち込む事で、例え使徒型(アポスウェル)であろうとも、その霊核の働きを強制的に制限し、封印させる事ができる。これは私の長きに渡る研究の末に、やっと再現に成功した楔だ」

 黒色の表面には、僅かながら変動を続ける波紋が波を打っている。

 それは紛れも無く、その楔に霊力が滾っているという証明。

 そして真面目を食った様なジンダイの表情が。

 その瞳に浮かぶ硬質な色が、その楔が見かけだけの紛い物などではないと真摯に語っていた。

「時が来れば、私はこの楔をカイに打ち込む」

「……え?」

「今の〈核〉は、長期に渡る能力の継続行使によって、既にその本体が壊れかけている。だからそれを――」

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

 ジンダイの話を、シエラが全力で遮った。

「何でそこにカイが出てくるのよ⁉ カイは私達の仲間でしょ⁉ それにカイはその〈核〉とは別の存在でしょ⁉ そこでどうしてカイを封印するなんて話になるのよ⁉」

 慌ただしく立ち上がり、憤りを隠す事すら忘れて、シエラは憤然と怒鳴り散らす。

「ねぇ、ヴェネトも何か言ってよ⁉」

「…………」

 しかしその声は、同調を求めヴェネトに振り返った所で急速に収束した。

 ヴェネトは暗い表情を浮かべたまま、シエラの要求に応えなかったのだ。

「ヴェネト……?」

「……長」

 シエラの問い掛けには答えず、ヴェネトはその視線をジンダイへと向けた。

 瞳の奥には、確証と――

「カイは、その〈核〉の劣化コピー……現身(うつしみ)という事ですね?」

 僅かな憤慨の色が滾っていた。

「……そうだ」

 肯定。ヴェネトの側に立つシエラの身体が、ぴしりと凍り付く。

「〈レスレティクト〉のものを複製して造り出した霊核を、人の身体に埋め込む事でカイが生まれた。そして現身である――オリジナルと同質の身体を持つカイになら、〈核〉の持つ霊核を移植する事も理論上はできるはず。だから長は、傷付き弱った〈レスレティクト〉の身体からカイに霊核を移す事で、〈レィミア〉を存続させようとしている。そういう事ですね?」

「……あぁ。お前の推察通りだ」

「これなら、アイツの龍の力も全て合点がいく。どうしてカイにだけ、あの特殊能力りゅうのちからが備わっていたのかも。どうしてあの〈核〉の龍とカイの姿が似通っているのかも――」

 ちらりと、ヴェネトがシエラに視線を移した。

 泣きそうな顔で、視線を向けて来る少女。

 ――分かっていた。

 本当はシエラだって、カイと〈核〉の関係性についてはある程度の察しは付いていた。

 でも、認められなかった。

認めたく――なかった。

 それを肯定してしまうという事は、カイをこのまま物言わぬ〈核〉としてしまう事に、同調してしまう事と同義であったから。

「それで……。カイが〈核〉の現身であるっていう事に関係して、一つ質問があります」

 一度目を伏せた後、ジンダイに視線を戻す。

 ジンダイが、発言を促す。

「長は最初に、魂の無い人の身体に霊核を埋め込んで、カイを造り出したと言いましたね。魂が無い……つまりは死体って事でしょう」

 首肯が返る。

 その瞬間、ヴェネトの視線に籠る憤慨の色が確かに強まるのが、周りに居た者には分かった。

「その死体…………一体誰を使いやがった(・・・・・・・・・・)?」

 抑えの利かない敵意と棘を剥き出す。

 場の空気が突然、質量でも得たかの様に一層暗く、重苦しいものに変質する。

 別に、死体を利用する事それ自体に、ヴェネトは怒りを覚えている訳ではない。

 そんな事を否定し始めると、体内器官である霊核を使って作り出す霊具の存在そのものさえ……下手をすれば、それを用いて戦う自分達の行いそのものまで否定してしまう事になってしまう。

 それにヴェネトは、そんな綺麗事の理論で動く程、硬派な人間ではない。

 彼が追及したいのは、カイを生み出す為に誰を(・・)使ったのかという部分。

 死した者を使うという事は、宿る魂や人格は別人である『カイ』のものであったとしても、外見――つまり身体そのものは、カイではない『別の誰か』の持っていたままの形に依存する。

 そして今のカイの容姿にヴェネトは以前より、少なくない既視感を……親近感を抱いていた。

 つまり、彼の懸念している部分は――。

「……アルト……なのか?」

 生きていれば、大体今のカイと同じくらいの歳であったであろう、ヴェネトの弟。

 そしてカイと瓜二つの容姿をしていた少年の名前が、ヴェネトの口から告げられた。

 数秒の沈黙。

 ほんの少し、ジンダイは瞳を伏せて――……、

「――――そうだ」

 縦にその首を振った。

「――っ‼」

 途端、ヴェネトが立ち上がる。

「ヴェネ……ッ!」

 シエラの静止の声も、間に合わない。

 燭台を挟み、ジンダイの正面最前列に腰を下ろしていたヴェネトの左腕が、老翁の胸ぐらを勢いよく掴む。

 そして握り締められた右の拳が、ジンダイの顔面目掛けて打ち出され、

「…………」

 その鼻先すれすれの位置で、停止させられた。

 奥歯を噛み締めるヴェネト。

 突き出されたまま小さく震える右拳が、その心の内をよく体現していた。

「殴って気が済むなら、殴るといい。少なくともお前には、その権利も理由も十分にある」

 ジンダイはそう告げるまま、動かない。

 この状況においても冷静な年長者の視線が、ヴェネトを正面から見据えていた。

「……ちっ……」

 小さな舌打ち。

そしてゆっくりと、ヴェネトは胸ぐらに伸びていた自身の左腕を引っ込める。

「……ここでアンタをぶん殴ったって、どうしようもねぇだろうがよ」

 ぶっきらぼうに吐き捨てた。

 内心に滾る感情に、抑えの利かぬまま。

 しかし、それではやはり居心地が悪かったのだろう。

「ちょっと……出て来る」

 それだけ言い残して、ヴェネトは部屋を後にした。

 開けたまま閉められる事の無かった引き戸の向こうには、夜の暗闇が広がっている。

 深々と更ける肌寒い闇の中には、小さな虫の鳴く音ばかりが聞こえていた。

「……今日は、もう皆休もう。戦闘の疲れも取れていないし、明日以降も復旧等で忙しくなる。次に新たなアヤカシが襲って来るまでも、暫くの間がある筈だ。〈核〉の入れ替えも、一刻を争うという訳ではない。時間をかけて、皆落ち着いた時に話すとしよう」

 随分と長い間話し込んでいたが、今はまだあの戦闘から一日と立っていない。

 主催として語り続けていたジンダイも含め、皆それぞれに、疲労の色が滲み出ていた。

 ジンダイの提案で、ヴェネトの開けた扉の近くより一人、また一人と大人達が席を立っていく。

 各々がその心の内に、様々な当惑と暗澹とした思いを抱えながら。


ありがとうございました。

多分明日もこの位の時間かもう少し早い時間か……少なくとも夜の投稿になると思います。


では次回もお楽しみに――。

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