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イレギュラーデイズ  作者: 立川龍大
2/6

立ち入り禁止区域の大惨事

前回に続いて誤字脱字が多いと思いますがご了承ください。

これを読んで続きが見たいと思って頂ければ幸いです。

 太陽が沈む頃の秋の空・・午後6時25分。

 そんな時間帯に立ち入り禁止区域の近くの森に、隠れながら何かに緊張している少年少女のの二人がいた。

 この二人は立ち入り禁止区域に侵入しようとしていた。だがもちろん、森から護衛の目やセキュリティの合間を見て侵入しようって訳では無い。

 二人の子供は高位魔術本最上移動展開術ディメンジョナル・ムーブを持っているので、どこからでも侵入できるはず。では何故、二人は立ち入り禁止区域の近くの森に隠れていたのか・・・その理由は・・単に緊張して、どうしようか迷ったから一応は森の近くまで来た。ただこれだけである。子供の決意はそこまで強くなかったようだが、彼らにも時間制限というものはある。

 そう、門限だ。親から決められている門限に遅れてしまったら、火山が噴火した勢い、川の濁流の勢いで怒られてしまう。なので彼らは遂に決意した。先に言いだしたのは少年の方だった。

「なあ!門限迫ってきてるし、そろそろ行こうぜ!」

 少年の呼びかけに少女のいつも通りのんびりした心も決意したようだった。

「わかった〜行こう?」

「おう!伝説の本とやらを見てやろうぜ!行くぞ!」

 少年が魔術を展開し始めた。

「汝の封印を今解く永久に眠れし古代の魔術の力今我の元に集い我に力を貸し我に時空の狭間を超えさせよ!!」

 少年が高らかにそう宣言すると、少年と少女を眩い光が包み込み少年も少女も余りの眩しさに目を閉じた。

 眩い光はすぐに消えた。少年と少女の目には、まだ先ほどの閃光が残っているような気がしたが、その考えは驚きのあまりにすぐ消えた。

 あの魔術本を使えばワープできるのは知っていた、だが知っていても初めてなので驚いてしまう。だがその考えもさらなる驚きにかき消された。

 その部屋は何も無かった。家具も照明も本当に何も無かった。在るのは部屋の中央に位置する台座に置かれている大きくて分厚い本だけだった。照明が無く真っ暗な部屋を本が照らしていた・・・その本からは聖なる力を感じるようだった。そんな驚きなどで色々考えられなかったが、ボーっとしている暇は無い。今彼らがいる場所は国で最もセキュリティが高く、国で最も強い聖魔騎士達が守り、国宝[空白の魔術本]が眠る、侵入したらそれだけで死刑という立ち入り禁止区域なのだから。


 立ち入り禁止区域の国宝が眠る部屋の近くで呑気に話してる二人組がいた。

「はぁー、何もすること無いわ。」

「本当だよな、俺たち聖魔騎士にやることなんて実際ほとんど無いもんなー。」

 そんなことを話していると向こう側から走ってこちらに向かってくる人影が見えた。

 なんだろうと二人組の聖魔騎士が目を凝らしていると、その人影が隣のエリアを警護して同じ聖魔騎士だということが分かった。

「おい!お前達!」

「な・・なんだよ・・」

 いきなり大声で話しかけられた聖魔騎士二人組は驚いて、しっかりと返事が返せなかった。

「お前達は何も感じないのか」

 全力で走って来たのにも関わらず隣の警護しているはずの聖魔騎士は息切れ一つしていなかった。だがそれは、二人組の聖魔騎士でも普通に出来ることなので特に気にせずに二人組は話に応えた。

「なんだよ?人の気配でも感じたっていうのか?ここは立ち入り禁止区域だ・・・ぞ・・?」

 そこで二人組の聖魔騎士も気づいたようだった。

 国宝が眠る部屋に聖魔騎士では無い、二人の気配があることを・・。


 少女は国宝[空白の魔術本]を開こうてしていた。それなのに・・

「何これ〜全然開けないよ?」

 少女は立ち入り禁止区域という所まで来てもゆったりとした口調だった。しかしその裏には、少しの焦りが少年には感じ取れた。なので少年は変われと少女に言って代わりに魔術本の前に立った。

 少年は少女に開けられないなら男の俺なら・・と思ったらしい。なんとも安易な考えだった。二人の子供は知らないのだ、国宝[空白の魔術本]は選ばれた者にしか開けられないという事を。

 少年が魔術本を開いた・・。「開こうとした」ではなく少年は選ばれた者にしか開けられない[空白の魔術本]を開いたのだ。

 少年は聖魔騎士に対抗できる力を手に入れることができる!そう思った。しかし魔術本の中には何も書いておらず、魔術本の名前の通り空白だったのだ。

「・・・なんだよこれ?何も書いてないぞ・・。」

 少年の言葉に少女が同意の言葉を述べようとした時、魔術本が光を放った。

 少年と少女が手を目を覆うようにしてかざしていると、台座に乗っていた魔術本が浮かびパラパラとページがめくれ始めた。

 そのページがめくれる速度は徐々に上がっていき、速度が上がるにつれて本の光も増していった。

 だが15秒ほどで、同じ光景が続いていた部屋にも異変が起こり始めた。

 少年の胸部辺りが光始めたのだ。

「うわぁ!なんだこれ!どうなってんだよ!止まれ!止まれよ!」

 少年がページがめくれるのを止めようとしても、少年の抵抗虚しく・・ぺージはめくれ続け、本の光が薄れていくごとに、少年の光は強さを増していった。

 そんな時、部屋の扉が開く音がした。巨大な扉はキィ〜と不快な音を鳴らしながら開き、その音と共に人の叫び声が響いた。

「お前ら!何者だ!そこを動くな!」

 その声は先ほど空白の魔術本がある部屋の気配に気付いた聖魔騎士三人だった。

 三人の内一人の聖魔騎士は扉の近くにいた少女を取り押さえ、お前達は子供だが二人ともすぐに殺す!と言いながら二人の聖魔騎士も少年に迫っていった。

 その時少年の眩い光は消え、部屋は暗くなった。しかし聖魔騎士は少年が見えているかのように位置を間違えず迫ってくるのは何故だろう。混乱に混乱を重ねた少年は逃げることもせず台座の前にしゃがみこんでそんな事を考えていた。そんな事を考えていると気づいたことがあった。本がない。少年には聖魔騎士のように周りが見える訳ではないが、さっきまであった聖なる光・・暖かさが確実に無くなっていることから少年はそう推測した。

 少年がそこまで推測した時、迫って来ていた二人の聖魔騎士の動きが止まり、視線が少年から魔術本があった台座に移った。

「・・お、おい・・・魔術本の魔力を感じないぞ・・・。」

「な、何故だ・・この子供二人が隠したとしても魔力は感じられるはずなのに魔力さえも感じないだと・・・!?」

「そんな事を あり得るのか・・?いや、ありえない!」

 聖魔騎士達は驚きを隠せないほど驚いていた。しかし驚きの感情はやがて子供達二人への怒りに変わっていった。

「お前どこに隠した!言え!言え!」

 迫って来ていた聖魔騎士二人は少年との距離を一気に縮め、攻めの言葉を口々に浴びせた。

 だが少年が魔術本が無くなった理由を知っているはずがなく、少年は知らないよ!と言うことしかできなかった。

 そんな少年の態度に聖魔騎士達は怒りを爆発させ、二人の聖魔騎士は少年の腕を一人一本ずつ持ち上げ少女と向き合う形に動かし、おい!ライレン!その女の子を殺せば少年も吐くかもしれないぜ!と少女を押されていた一人の聖魔騎士に呼びかけた。

 ライレンと呼ばれた聖魔騎士はそうだな!と同意の意を示し、腰に下げていた銀色の立派な彫刻が施されている剣の柄に手を掛け抜き放ち少女の首を斬り落と・・・す前に手を止めた。

 少年の胸部の辺りが光始めたのだ。その光はどんどん増していく。まるで空白の魔術本のように・・いやそれ以上の光を聖なる魔力を放っていく・・・!

「チッ!ライレン早くやれええええ」

「お・・おう!うおおおおおおおおおおおおおおおお」

 再び少女の首を斬り落とそうと剣を振り上げる。

「・・やめろ・・やめてくれ・・!やめろって言ってんだろうがあああああああああ!」

 少年が叫んだ時、部屋一帯が・・いや立ち入り禁止区域一帯が光に包まれていく。

 光が収まった時、立ち入り禁止区域に建っていたはずの建物はすべて瓦礫に、聖魔騎士総勢16人の姿はどこにも無く、ただあったのは瓦礫の山の上に座り気絶しながら抱き合っている少年・・神崎嶺緒と少女・・若松沙月だけだった。

 この出来事が俺が犯した人生の中でも最悪の過ちだが、高校入学とは関係ないと思う。まあ、高校に入学したら推薦理由の話を詳しく聞けるかもしれないから深く考えるのはやめておこうと思う。

 だが・・高校の事は些細なことでしかない。

 今までずっと疑問に思ってたことがある。

 あの時俺の中に入ったと思われる今は無き[空白の魔術本]は、俺の中に今でも存在するのか。

 何故俺は空白の魔術本に選ばれて力を吸収したはずなのに魔術が使えないのか。

 魔術本を俺らに渡した、事件のトリガーの男は何者だったのか。どこにいるのか?

 そして何より気になるのが、聖魔騎士さえも生き残れなかった大爆発で何故・・・俺達が生き残れたのか・・?

 まぁ・・この事も考えてもわからないことなので、考えるのはやめておこうと思う。

 ちょうど[陽聖高等学校]に着いたことだし!昔の事はこれからもしっかり償っていくと決めているけど、少しは新しいスクールライフを楽しもうかな!

「さあ!新しい日常の始まりだ!」




投稿が超絶遅くなりました。最近は色々忙しいので書く暇がなかったですが、次の話は可能な限り早く投稿します。

この話を読んで頂いただけで感謝感激なのですが次の話も読んで頂ければ幸福の極みです。

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