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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
異世界で俺は・・・
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俺の初換金

 ビッグボアとレッドベア、ブラックウルフの痛々しい遺体・・・


 これ、なんとか死体・・・いやしたい。でもな~皮を剥ぐとか内蔵を・・・。抵抗感半端ないわ。


 でもこの世界では、これを乗り越えないと生活できないかもな・・・何か方法を考え・・・!


 「あ、ああ、あー!そうだよ・・・俺は、剥ぎ取りってイメージが、強すぎたんだよ。某ゲームのせいで・・・。剥ぎ取りじゃなくて解体すれば良いんだよ!」


 確か、解体工事資格とマグロの解体とか資格で、買いたいスキルじゃなくて、解体スキルがあったはず・・・。はい、見つけましたよ。解体スキルレベル8。


「早速解体スキルを・・・レベル8で、起動!獲物はレッドベアだ」


 すると、どうでしょう!レッドベアの体が光ると、「レッドベアの皮」「レッドベアの肝」「レッドベアの手」に早変わり。血を見ることも手を汚すこともありません。


 解体氏グッジョブだよ。お、MP消費あるな16か・・・。基礎値2か。レベルで何が違うんだこれ?まー試してみるか。


「解体スキル レベル1で発動!ブラックウルフ!」


 すると、ブラックウルフは、光に包まれ「ブラックウルフの牙」だけになった。あれ?毛皮とか、爪も予測したんだけどな・・・。解体すると死体が消えてドロップアイテムが残る仕様は、俺にとって最高なんだが・・・


 これ、解体スキルのレベルで、剥ぎ取れるアイテムの数や内容が変わるのかもな・・・ま、そのうち同じ奴まとめて狩って検証するか。


「よし、最後にビッグボアを解体8で!発動!」


 MP合わせて34・・・。楽だけど、結構かかるなこれ。ビッグボアからは、「ビッグボアの肉」と「ビッグボアの牙」「ビッグボアの魔石」が剥ぎ取れた。


 すべて、四次元ポケットに収納。MPずいぶん消費しちまったな・・・。今日も爆発魔法で鉱石集めと思ったが・・・。



 悩んだ俺は 何度も鉱山に来る方が面倒と判断。MPポーション使って昨日のように岩盤を爆発魔法で砕き、そのあとから鉱石を集めた。今日もほとんどが、鉄鉱石だったが、ミスリルとアダマンタイトをいくつか見つける事ができた。オリハルコンとかはないのかね?


 今日は、ムカデもいないようだし、さっさと帰りますかね。


 俺は、来た道を戻る。途中で、同じ冒険者風の男たちとすれ違い、俺は、警戒したが、挨拶と少し会話を交わしただけで通り過ぎた。彼らも鉱山方面へ行くそうだ。手ぶらの俺を見て鉱山に行っていたとは思わないだろうな。


 半日、休憩を取りながら歩き続け、ようやく街まで戻った。強面兄ちゃんに身分証明書見せて、街へ入り、そのまま、その足でギルドに向かう。俺、今、お金がほとんどないしね。ⅯPポーション銀貨2枚と高かったのに使いきってしまったな。

 俺が、ギルドについたのは、夕方だ。夕方には、報告に来る冒険者が、多いので混んでいる・・・少し待つしかないか・・・。


「次の方どうぞ」


 ようやく呼ばれたよ。俺は、30分くらいまったかな・・・それと受付のお姉さんは、昨日の人だ。3人受付がいるが、何人でローテーション組んでいるのだろうか?最初に会った妙齢の女性は今日はいなかった。


「はい。鉱山から戻ったので、報告と買取をお願いします」


「えーと。ちゃんと鉱石を採掘できました?初めての方は、ただの石を大事に持ってくる人もいるので・・・」


 鑑定なければありそうだな・・・重い石を必死に運んで来て石でしたって言われたら・・・な


「たぶん大丈夫だと思います。えっと、どうしたらいいですか?」


「はい。向こうにある買取カウンターに採掘した鉱石を出してください。そのあと、換金額の書類もらったらまた受付に来てくださいね」


 俺は、言われるままに買取カウンターへ向かうと、そこには、がたいの良い親父さんが待っていた。


「なんだ? 手ぶらって事は、収納スキル持ちか?」


 がたいの良い親父が俺に聞くので


「はい。そうです。買取をお願いします。鉱石を出しますが、ここに並べれば良いのですか?」


 親父さんは、俺の言葉に


「並べるって、ひょっとしてたくさんあるのか?本当に鉱石なら大歓迎だな。鉱石クエストは、鉱石の知識、採掘方法、運搬手段なんかがいる割に実入りが少ないってことで人気がないんだ。だから、良い鉱石を欲しがる鍛冶屋からよく催促されるんだよ。さっ!出してくれ」


 親父が指定したのは、畳二畳くらいの場所だ。汚れてもいいようにゴザのようなものが敷いてある。


「では、置いていきますね」


 俺は、四次元ポケットから鉄鉱石を出していく。ほかの鉱石は、親父の反応を見て決めよう。


 鉄鉱石一つの大きさは、漬けもの石くらいのものが多いが、大小様々だ。俺は、四次元ポケットから小さいものから順番に出していく


「ごとん!ごとん! よいしょっと ごとん!ごとん!・・・・」


 俺は、次々と鉄鉱石を出す。10個出し、20個出したあたりで、親父の顔が変化するのを俺は、見逃さなかった。


「あの?」


俺は、作業をとめて親父に声をかける。すると親父は、


「あ、ああ。すまないな。ちょっと驚いていてな。ああ、確かに全部鉄鉱石だ。こんな量は、しばらくぶりだよ。ひょっとしてとまだあるのか?」


 俺の四次元ポケットには、まだ数倍の量が、しかも大きいのが残っている。このへんだな・・・


「いえ、あとは、種類の違う鉱石が、一つずつあります」


 俺は、親父の反応を確認するためミスリルとアダマンタイトの一番小さな鉱石を出した。あきらかに親父の顔が変わった。出すのはまずかったか?


「お、おお。これは、ミスリルとアダマンタイトか・・・に、兄ちゃんは、北の鉱山に行ったんだよな?」


 あきらかに親父は、狼狽しているな、


「はい。クエストで北の鉱山へ行き、そこで採掘しました。」


「あ、ああ。すまないな。確認だけで別に変な意味はないからな・・・」


 何を確認した?


「これで、幾らくらいになりますか?」


 ミスリルの鉱石を手に、考え込む親父に聞いてみる。


「そ、そうだな。鉱石は、重さで換金される。鉄鉱石1㎏で、今の相場だと銀貨1枚だな・・・だがな~、後の二つは・・・ちょっと待ってくれないか?」


 待つ?どう言う意味だ?俺が首をかしげると


「あー悪い。そうだな~。まあ、なんて言うか、ミスリルもアダマンタイトも・・・ここ最近出ていない。この街の相場がないんだよ。今は、ミスリルやアダマンタイトとかは、ほかの街から売ってもらっているんだが、それには運賃やら保証料やらが入るからかなり高いんだ。」


 なるほど鍛冶屋にとってミスリルやアダマンタイトは、貴重品なわけだ。


「最近、北の鉱山では、ミスリルなんかは、ほとんど見つかってなくてな。まーおまえも行ったからわかると思うけど、硬い岩盤の先にあるどうかもわからない鉱石を採掘するってのはそうとうな根気と労力がいるだろ・・・。なかなか採掘に行くやつがいないんだよ。」


 なるほどね。鉱山には、誰もいなかったしな。途中で会った連中も採掘以外が目的かもしれないし。


「それで、今回の鉱石をこの街の鍛冶屋を集めて売ってみたい。おそらく高値で売れるだろう。そのあと、君にその金額を渡すってことでどうだろうか?」


 ふむ、高く売れるのは悪くないな。


「いいでしょう。おまかせします」


 親父は


「ああ、任された!あとなちょっと相談なんだが、君は、なにかうまい方法で鉱石を集めただろう。その方法を聞きはしないし、君が運び込んだことも秘密でよい。ただ、北の鉱山でミスリルとアダマンタイトが見つかったことだけは、ギルドとして報告したい。これは、これからの街の利益にもつながるのでな」


 親父の言っていることはわかる。鉱石の流通は、鍛冶屋を元気にし、鍛冶屋が優秀な武器や防具を安く作れば、それを装備する冒険者にも還元される。街の経済活動を活性化させるチャンスだな。


 俺が独占して鉱石を集めてもいいが、どこかから情報が洩れれば、悪目立ちする恐れがある。俺も何度も鉱山へ行くのは嫌だしな・・・遠いし・・・。ギルドに恩を売っておけば、何かのときに顔が利くかもしれない。


「わかりました。報告はお任せします。俺が、持ち込んだことだけは、あまり広げないでください。はずかしいので・・・」


 冗談だろって顔をした親父が


「わかった!わかった!おまえのことは、できるだけギルドでも伏せよう。悪目立ちしたくないのだろ?」


 あら、ばれてーら。


「情報料だ、金貨1枚。」


 親父は懐から金貨を1枚取り出し俺に投げた。


「これは俺からだ!」


 親父は「がはは」と笑いながらそう言った。


「買取は、鉄鉱石が・・・240㎏だから 金貨2枚と銀貨40枚だ。あとの鉱石分は・・・そうだな2日後に渡すのでまた来てくれ。これが鉄鉱石分のクエスト報告書類になる。あと、おれは、グランと言う。2日後も買取のところにいるからグランがいないか聞けば職員が教えてくれるはずだ」


 俺は、親父から報告書類を受け取ると頭を下げて受付へ向かう。話がわかるように同じ受付の前に並び、俺の順番を再び待った。


「あ、買取終わりましたか?」


 受付のお姉さんにそう言われたので、報告書類を渡す。


「え?すごいですね。クエストポイントが1回でこんなに・・・。これだと今回のクエストで10級から9級に上がりますよ。カードを交換しますので少しお待ちください」


 俺、一回のクエストで、ランク上がるみたいだな。目立たなければいいけどな・・・。


 少し待つと新しいカードを持った受付のお姉さんが帰ってきた。


「こちらが9級のカードになります」


 俺は、カードを受け取ると


「では失礼します」


 と言って足早にギルドを出た。




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