表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
俺達の国を造ろう
88/128

開戦1週間前

『主・・・どうやらこちらへ向かっているようだ』


 ガスターンの報告で人族の軍勢がこちらに向けて進軍していることが判明する。


「やはり来たか・・・」


 予測はしていたが、改めて聞くと衝撃を隠せない。


「数は?」


『見る限りだが、この前よりも兵士は多いだろう』


 この前でおよそ三千・・・。それよりも多いとなると五千程度か・・・。三千の兵で敗戦したのならそれ以上を考えるのが普通だろう・・・それにしても数が多いな。


 対策がないわけではない・・・新たに設けた堀も力を発揮するだろうし、獣人族をはじめとした戦士たちの装備や訓練にも力を入れた。食料の備蓄・・・水の確保も問題がないだろう。

 だが、相手が読み切れない。前回の報告を聞いただろう相手が同じ事を繰り返すだろうか?少ない情報でも何か対策を立てているに違いない。少数である以上、少しの歯車の狂いから一気に崩壊へとつながるだろう危険がある。


「タクミはこの街の要だよ!」


 俺の考えを見透かしたかのような答え・・・。


「タクミ様には、まだお相手していただいておりません」


 それはまたの機会にな


「王には、しっかりとわれらを指揮をしてもらわんとな・・・」


 ロドス・・・


「活躍したからには、しっかりと褒美をもらわんといかんしな」


 ヘイスト・・・それは楽しみにしておけ。


「魚を育てる夢があるにゃ」


 カイル達はぶれないな


「救護や女子供の事は私たちが・・・」


 ああ。アリヒアは頼りにしているよ


「必要な物は、すぐにでも用意しようぞ。だから酒をだな・・・」


 ボンゴ・・・それはまたの機会にな・・・


「私にとってもあなたは王なのですよ」


 サラ・・・おまえも王だよ


 後ろを見ればメグミやミール、各種族の代表者が控えている・・・気がつけば仲間が増えたな。ついこの前までメグミとホクト達しかいかなった街に今はたくさんの仲間がいる。


「みんなに頼みがあるから聞いてほしい」


 一斉に視線が集まる。


「人族の軍がこちらに向かっていることがわかった。俺達もいつか攻め寄せる人族にに備えて色々と準備もしてきた。だから俺には勝てる自信がある・・・だけどその勝利の後に全員がここにいることができるかを保証できるほどの自信ではない。下手をすれば何人もの命が犠牲になるかもしれないそれでも良いか?」


「王が1人で戦う戦があるものか・・・」


「王に任せっぱなしでなんで戦士が務まろう」


「犠牲がない少ない事は大切だけど恐れていてはすべてを失います」


「子供や孫に自慢したいからのう」


「仲間を守って死んだ仲間に合わせる顔がないではないか」


 お前らがそう言うやつらだから俺は・・・


「もういい加減観念するのね・・・タクミはみんなの王なのよ。それにタクミが先に行くなら私はその先へ行くわよ」


「そうじゃな。王が先頭を行くようでは私の出番がないではないか。先陣は譲るが良い」


 守りたいのはお前たちなんだぞ・・・


「ああ・・・もうどうしようもないくらいわかったよ・・・。その代り約束だ!絶対に死ぬなよ!俺は死んでも助けにいくからな!俺が助けに行かなくても良いくらい圧倒的に勝ってくれよ!」


 なんでみんな笑顔なんだよ・・・


「人族が到着までにまだ時間があるのじゃろう?」


「ああ。おそらく到着までに1週間くらいはあるだろうな」


「なら、まだ準備できる事があるじゃろうからわしらドワーフもは戦に備えて罠や武器を作るとするか・・・準備を急ぐからここで失礼するわい」 


 ボンゴが準備に向かう。


「我らは、訓練の継続とドワーフが用意した罠の設置だな」


 ロドスとヘイストがあとを追う。


「猫族特製の罠を森にしかけるにゃ・・・ついでに嫌がらせも考えておくにゃ」


 カイルもあとを追う。


「そうですね。私達は各種ポーションの作成を急ぎましょう。怪我人が出ない事を祈りますが万が一に備えてベッド数の確保など救護体制を強化しますね」


 アリヒアも出ていく。


「私達は、まだ日が浅いのでこの街の堀などの確認しておきますね」


「サラよ・・・。私から水の眷属に力を貸すように申し付けるつもりじゃ。お主は眷属を束ね力とせよ」


 ミールの指示にサラが頷く。


「タクミ様・・・私もおじいさまのところへ行き事の成り行きを相談してまいります」


 ミールがサラを伴い退室する。


 残るのは俺とメグミ・・・。


「すごいねタクミは・・・」


「みんなを傷つける王がか?」


「うーうん。それは違うと思うよ・・・みんなはタクミと一緒に戦いたいと思うの・・・だってね・・・いつもいつもタクミに守られてばかりいたらみんな苦しくなっちゃうよ。私がそうだもん・・・タクミが私を守ってくれるのはうれしいけど・・・それでタクミが傷ついたりしたら私はとっても苦しいよ。だから一緒に戦おうよ私はタクミと一緒に戦いたいの!」


「俺の・・・わがままか・・・」


「そうよ。タクミのわがままよ」


「じゃあ。我慢しなきゃだめか?」


「そうね。少しは我慢が必要だと思うわ」


 身体から何かが抜け出るような感覚がある・・・背負っていた重たいものが抜け出したかのような・・・


「メグミの言うとおりだな・・・」


「大した事は言ってないけど?」


「いや、俺には大切な事だったよ。気がつかないうちに一人で何でもってつもりになっていたな・・・。結構危なかったかもしれないな」


「見てて心配だったもん」


 焦っていたのか・・・それとも奢っていたのか・・・切り替えなくちゃいけないな


「さて、メグミに諭された俺は何をすれば良い?」


「そうね。まずは、大切なことを伝えたかわいい妻にお礼をすべきだと思うわ」


「結構緊迫しているんだけど?」


「お礼に時間がかかる事はないでしょ?」


 メグミが目を閉じる。そっと口を合わせ


「助かった・・・感謝している」


「はい。よくできました」


「では、かわいい妻の期待に応えるべく決定的な勝利をもたらす秘策を考えるとしましょう」


 騎士の真似事をしてメグミの手の甲にそっとキスをする。


「そうね。私の騎士なら・・・私の望む勝利をプレゼントしてもらいますね」


 残された時間は少ない・・・。だけど街のみんなが1つになった。


「さて、良いアイディアを出すための気分転換にナントの子供でも見に行くか?」


「そうね。そろそろ名前を決めてあげないといけないわよ」


 2人でホクトとナントのところへ行き、子供を見せてもらう。ふわふわした毛並みを堪能した後、子供に名前を付けた。女の子狼をミルザ、男の子狼をアリオとメラクとする。


「ホクトは、家族を守れ」


『もちろんそのつもりだよ。だから僕はナントに子供を任せて前線へ立つからね』


「ホクトは・・・ナントもそれでいいのか?」


『タクミ・・・僕は別に死に行くつもりはないんだよ。子供や家族を守るために戦いにいくんだ』


『主様・・・共に戦えぬことをお許しください。本来でしたら私も共に戦いたいのですが・・・』


「タクミ・・・」


「ああ。わかったよ。ホクトはうちの重要な戦力だからな。色々と頼むよ」


『任せておいてよ。この子らに誇りに思ってもらえるように頑張るつもりだからね』


「ホクトもお父さんだね~」


『メグミはしっかりとタクミについて行くんだよ』

 

「うん。紐でつないで置くわ」


「おいおい」


『具体的に僕は何をすれば良い?』


「相手はこちらのことを詳しく知らないだろから・・・前回以上に斥候が増えるだろう。当面はその斥候の排除にあたってくれ。軍が近づいたらホクトには、街の北側の森から西にかけての巡回と防衛を頼みたい」


『わかったよ』


 ホクト達の役割も決まった・・・あとは・・・俺達だな・・・。メグミを連れて歩く・・・街の中は戦に備えて大人も子供もどこか忙しい。


「なあ・・・メグミ・・・。人族が来るまでの間にもう少しだけ強くなっておこうか?街の事はみんなに任せて3日くらい一緒に出かけないか?」


「私は一緒ならいいよ」


 そうと決まれば主だった者に数日待ちを離れる事を伝え、メグミを連れて空を飛ぶ・・・


「どこへ行くの?」


「この前見つけたダンジョンでデートしようかと思ってな」


「うわー。タクミとダンジョン行くのってしばらくぶりかもね・・・」


「あまり楽しそうに言うなよ・・・一応危険なダンジョンだと思うぞ」


「タクミと一緒なら怖くないもんね。一人で待つ方がよっぽど怖いんだからね」


 逆の立場を考えればわかることだよな


「ああ。今度は・・・これからはできるだけ一緒だな」


「うん」


 以前飛行中に偶然見つけたダンジョン・・・ぽっかりと開いた森の中に開く穴・・・。前にブラックドラゴンがいた時のような雰囲気がある。

 入り口に降りたちすぐに中へ入る。時間が惜しいからな・・・それに装備には心配がない。


「ねえ?入り口すぐに大きなドラゴンが見えるんだけど?」


 そう・・・入り口に門番のようにこちらを睨むドラゴンがいる。


レッドドラゴン

レベル  84

HP 5120

MP 1574

力   423

体力  512

器用  345

素早さ 270

魔法  356

抵抗  402

スキル ブレスレベル3 火炎魔法レベル3 噛みつきレベル3


 スキルこそ・・・それほどでもないが、前にあったレッドドラゴンよりもはるかにレベルが高い。


「いきなりだが・・・レベル84のレッドドラゴンだな」


「迫力があるね~」


「装備はもうつけた方がいいな」


 2人は、それぞれ武器と防具を取り出し着替えるとドラゴンに対峙する。ドラゴンも意識をこちらに向ける。戦闘はすぐに始まった。

 ドラゴンとの戦闘もこれまでに数回経験してきたから基本的な戦術は一緒だ。ブレスを警戒しつつ回避するか防ぎ、接近して魔法剣などで硬い鱗を切り裂く・・・。タクミ達でもなければブレスを防ぐ手段はなく・・・うまく接近できても硬い鱗を越えてダメージを与える事は難しい。


「今だ!」


 ドラゴンの意識を俺に向けさせた間に肉薄したメグミが剣でレッドドラゴンの首を刈り取るとずずーんと言う音と共にドラゴンが崩れ落ちる。


「よし・・・まずはこんなもんだろ」


 俺達は、素材を回収したあと、ダンジョンの中へ進む・・・少し進むと再びドラゴンの影がある。


「なあ・・・ここって」


「そうね・・・ドラゴンさんの住処か何かみたいね」


サンダードラゴン

レベル  90

HP 6120

MP 2090

力   452

体力  620

器用  451

素早さ 397

魔法  674

抵抗  554

スキル ブレスレベル3 雷魔法レベル5 噛みつきレベル3


「サンダードラゴンか・・・初見のドラゴンだな。レベルは90・・・雷魔法がやっかいだな」


「うへー。魔法が得意なドラゴンさんか」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ