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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
俺達の国を造ろう
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水龍ミール

『そちらになくともこちらにはあると言ったはずだ』


『これ・・・無理難題をタクミにお『おじいさまは、少し黙っていてください。これは私の問題です』


「そこまで俺にこだわる必要があるのか?水龍の強さは、誰もが認めるところだろう。そのことで誰が水龍を侮ることがある?」


『言ったはずです。これは私の問題だと』


「じゃあ。お前の気持ちだけってことか?」


『そうです。私が納得できないのです。私達水龍は、この世界の頂点ともいえる5龍の一角、その一角である私達が、倒せぬ者を人の身で倒した者に劣るわけには負けるわけにはいかないのです』


 もう支離滅裂だな・・・。


『問答無用です』


 若い水龍は、問答無用とばかりに水から飛び出す。さすがに大きさは水龍に比べると少し小さいが、その威容は5龍と言うだけあってすさまじいものだ。


「おいおい。本当にやるのかよ」


『す、すまんが少し相手をしてやってくれんか?』


「とめてはくれないのか?」


『納得せんと聞く耳もないのじゃよ・・・。危ないときは何とかわしが止めるからの・・・』


 すでに臨戦態勢をとる水龍を前に回避は許されないようだ。まさかここで戦うことになるとはな・・・


「じゃあ。何かあったら止めてくれよ!」


 手加減できる相手じゃないのは、間違いない。ステータスもスキルも見ることができない以上、こっちは全力でやるだけだ。

 四次元ポケットからオリハルコン装備を出し一瞬で装着する。オリハルコンの太刀を構え、身体強化と気功術を発動する。


『お、おい・・・』


 水龍が何か言っているが、聞くだけの余裕が俺にはない。すでにブレスを放つ準備を終えた若い水龍からジェット噴射のような水が俺を襲う。飛びのき爆発魔法で水のブレスを吹き飛ばすが、ブレスは一瞬軌道を変えただけで俺の姿を追っくる。結界を作りブレスを防ぐとその隙に水龍の懐に入った。結界は、ブレスの勢いに負けすぐに崩壊する。

 懐に入った俺は、太刀に雷魔法をまとわせる。雷をまとった太刀が若い水龍を断ち切ろうとしたとき


『そ、そこまでじゃ』


 水龍が水の壁を作り、俺の太刀を受ける。それでも俺の太刀はその壁を切りさき、その先にいる若い水龍の元へ向かう。・・・が・・・すんでのところで太刀を止める。


「危なかった・・・水龍が止めなきゃ両断していたぞ」


 太刀はあと数センチで水龍の身体に到達していた。まとった雷も水龍が作った壁に流れてかなり弱まったが、若い水龍の身体をしびれさせるくらいには保たれていた。

 太刀を鞘に納め若い水龍を見るが・・・言葉も出ないくらいのショックを受けている。俺もしばらくぶりに全力を出したが、オリハルコンの太刀に付与した身体強化も相まってこれまで以上に早く強い攻撃ができるようになっていた。


『そんな・・・ 』


 ようやくひねり出した答えがこれだ・・・


『もう良いじゃろう?この男に我が助けられたのは何かの縁なのじゃ。他の者たちは納得しておるはずじゃ』


『でも・・・私は・・・』


『ミールはまだ若い・・・水龍としてもじゃが、この世の事をまだまだ知らないだけじゃ。タクミのような者がおる・・・それだけでも覚えておくが良いじゃろう』


『・・・』


『さあ。これ以上は、タクミに迷惑じゃから少し控えておれ。すまんの・・・迷惑をかけたこのとおりじゃ』


 水龍が頭を下げる。装備をしまって元の姿に戻ると


「命があったから気にするな。それよりも少し相談したいことがあってきたんだ」


『こちらも迷惑をかけたんじゃ。わしにできる事なら何でも言うが良い」


「頼みと言うか教えてほしいんだが、ここから西に魚人が住んでいると聞いたのだが、人族に襲われる事を俺達は心配している。何とか助けてやりたいと思うが、どのような種族でどのような生活をしているか知らないんだ」


『魚人族か・・・確かに西の湖に住んでいたな。そうよの・・・姿形はお主ら人族と変わりないが、水の中で暮らしておるの・・・。陸にも上がることができるが、長時間陸にあがっていると呼吸ができなくなるから水の側で暮らす必要がある。その代り、水の中なら自由に動き回る事ができるから湖からでなければ魚人族に勝てる種族はないじゃろう』


「なるほどな・・・魚人族は、湖に籠れば負ける要素はないか・・・」


『しかし、魚人族もずっと水の中にいるわけにもいくまいから絶対はないじゃろう』


「一度会って話しをしてみるよ。俺の街なら水には不自由しないからもし賛同してくれたらこの街に誘うつもりだ」


『お主は、いつも他の誰かの事ばかりじゃな・・・』


「まあ、それが俺の目的だからな。助かったよ情報ありがとな」


『ちょ、ちょっと待つのじゃ』


 帰りかけた俺を若い水龍が静止する。


『このまま帰っては私の立場がありません』


『な、なにを言うとる・・・素直に仲間の元へ戻り研鑽を積めばよかろう』


『いえ、私はここに残ります。幸い私には人化の法も使える事ですし、この男の街には多くの種族の者が集まっているのでしょうからそこで色々と学びたいと思います』


『お、お前の父母が許すわけがなかろう・・・』


『一度、父母の元へ戻り、きちんと説得してから改めてこちらに戻りますからご心配には及びません』


 どうにも話しがとんでもない方向へ行っているが


『じゃが・・・タクミにも迷惑じゃろうし・・・』


『あら・・・今、魚人族へ会いにいくと言っていたではないですか?私は、場所も知っておりますし、顔も利きますから連れていくにも役に立ちますよ。そうですよね?』


「確かに顔が聞けば話しは早いが・・・おまえは俺達の街で暮らすことができるのか?」


『それは、心配ありません。私達の一族の一部が使える人化の法は、姿を人に変える事ができるものですから。あなたの街では人の姿で暮らしますから問題はありません』


 こりゃなにを言ってもだめなタイプだな・・・水龍もあきらめムードだ


「ああ・・・わかったよ。えっと俺はなんて呼んだらいいんだ?」


『私の事は、ミールとお呼びください。あなたは、少なくとも今の私より強い方ですので、呼び捨てくださっても結構です。私はあなた様をタクミ様と呼びますのでよろしくお願いいたします』


「じゃあ、ミールの事は了解した。水龍もこれでいいのか?」


『もはや・・・何を言っても無駄じゃろう』


『では、おじいさまと一度、父母の元へ戻り準備を整えたらすぐにまいりますから』


 言うや否や水の中に姿を消した。残った水龍が最後に


『困ったじゃじゃ馬じゃが、水龍一族の直系じゃ。何事もないように頼む』


「わかったよ。ミールも俺の仲間として守るから心配するな」


 それを聞いた水龍も水の中に消えていった。


「さて、メグミにはなんて説明したらいいんだろうな?」



街に戻り自宅へ帰る。


「ただいま」


「おかえり。私は準備万端だよ。いつでも行けるからね」


 笑顔が可愛いが、ミールの事をどう伝えたものか迷う。


「それなんだが・・・同行者が必要になってな」


「え?そうなの?ロドスさんとか?」


「いや。今日水龍のところへ行ってきたんが、水龍の孫さんに勝負を挑まれたんだ」


「水龍さんってお孫さんもいたんだ・・・」


「ああ。それで、その孫さんには何とか勝負には勝ったんだけど、その孫さんがしばらく勉強のためにこの街に住むって言い出したんだよ。その後、水龍に魚人族の事で相談していたらその孫さんが、魚人族の住んでいる場所を知っているし、顔も利くからついていくって話しになってしまってな」


「そっかそれなら一緒しないといけないね・・・2人だけの旅行はまた今度ってことね」


 少しがっかりした感もあるから俺も何かフォローしないといけないな。


「これから少し出かけないか、せっかくお出かけの準備をしたんだろう?」


「でもどこへ行くの?」


「今度仲間になった犬族のヘイストに聞いたんだが、犬族が暮らしている森の先に海があるって言うんだ。だから2人で海を見に行こう」


「今から行ったら遅くならない?」


「内緒で空から行くさ。さあ、時間がおしいからこのままいくぞ」


 メグミの手を握ると外へ駆け出す。目立たないように街の誰も住んでいない北側へ行くとメグミをお嬢様抱っこして空へのぼる。ゆるやかに高度をあげると雲のあたりまで進む。


「怖くないか?」


「ちょっと怖いけど・・・大丈夫だよ。それにしても雲の上か~」


「寒くないか?」


「うん。くっついているから寒くないよ」


 そう言って首に手を回す。


「じゃあ。それなりに急いで海まで行きますか」


 空から大地を見渡しながら2人は進む。


「うわーもう私達の街が見えなくなったね・・・」


「それにしてもこの高さまで来てもあの山脈が上に見えるってのが異常だな」


 かつて上った山脈は、雲よりも高い。


「南には何があるんだろうね?」


「さあな。そのうちこの世界の隅から隅まで旅すればわかるだろ」


「この世界が地球みたいに丸ければいいけど・・・」


「まあ、異世界だから俺達の常識は通じないだろうな」


 2人は、しばらくぶりにおしゃべりを楽しむ。ほどなくして東に砂浜が見えた。南北にはさらに大地が続いている。


「さあ。ついたから砂浜に降りるぞ」


 降下し砂浜に着地する


「あれ・・・足元がおかしいね・・・」


 砂浜でふらふらするメグミは、靴を脱ぎ波打ち際へ進む


「おいおい大丈夫か?」


 砂浜に簡易コテージを設置しながら声をかける。


「あれ~」


 メグミが不思議な声を出す。


「どうかしたか?」


「あのね・・・この海って塩辛くないよ」


 海水をとって舐めてみるが・・・確かに塩辛くない・・・ってことは淡水なのか?


「ここも湖とか?」


 水平線が見えるが、ひょっとすると湖なのかもしれないな。


「よくわからんな・・・だが、淡水なのは間違いないな」


「でも風も気持ちいいし、水もきれいだよ・・・砂浜も白いからビーチって感じがするし」


 まあ俺達の知っている海ではないのかもしれないが・・・


「なら少し遊んでいくか・・・ところでメグミは泳げるのか?」


「えっとね。プールなら一応泳げるよ。海で泳いだ事はないけど・・・」


 俺には、水泳スキルがあるから泳ぎには、支障ないがはしゃいで泳ぐ年齢でもないからな・・・。遠くまで続く海を眺めながら2人の時間を過ごす。

 ふと沖に黒い影が見えた・・・


「なあ・・・あれなんだと思う?」


「クジラとかかな?」


「かなり大きい気もするが・・・なんかだんだん近づいてきているような気もするが・・・」


 そのまま砂浜に敷いた布の上に座ってみているとだんだん近づいてきているのがわかった。


「やっぱりこっちに向かってきているよね?」


「ここって異世界だから海にも魔物がいるよな。海って言えばイカとかタコとかが定番だけど」


 距離があるせいかまだ鑑定することができない。もう少し近づいたら鑑定もできそうだ。


 2人で沖の魔物を眺めながら待つ・・・


「見えた」


アトラン

 レベル56

HP 1050

MP  140

力   270

体力  560

素早さ 160

魔法   80

抵抗  340


スキル 牙レベル3 


「えっと・・・レベル56とか名前がアトランって言うだけしかわからないな。体力や抵抗が強いけど他はそれほどでもないが・・・」


「おっきいねー」


 まるで山が近づいてきているかのような感じがする。大きな口を開けて砂浜にいる俺達毎食べようと言うのだろうか?


「私が倒してもいい?最近、身体がなまってるみたいだから・・・そのかわり危ないときは助けてね」


 メグミは、自分のマジックバックから剣を取り出すとゆっくりと砂浜を進む。


「見ててねタクミ!」


 そういったメグミは、剣を砂浜にさして両手に魔力を集中する。


「えーい!練習の成果」


 メグミが放ったのは古代魔法だろうが・・・特大の雷?のような光がアトランがいるあたりを包むように

収束する・・・。


「ガガガガガガガガガッ!」


 アトランの口から煙があがる・・・


「どう?」


 振り向いたメグミに


「ああ・・・驚いた。今の魔法は?」


「今のはね・・・古代魔法を使って電子レンジを再現したの・・・きっとね中まで火が通っているから食べられると思うよ」


 この後、アトランを回収して街に持ち帰り街のみんなで分けました。アトランの肉は、とても美味しく皆喜んで食べてくれました。





  

 






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